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Kissから始まる魔法学園  作者: 栗間屋 ラヒ
第2章 Kissの前に始まる政略結婚!?
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第22話「最後で唯一の恩返し」

「そうか。これは夢?夢なんでしょっ?」


崩れ落ちた姫依が叫ぶ。


そりゃ、確かにショックだろう。

親が国際的な犯罪者だったんだから。

しかも、自分から正体を表したし。


「姫依、確かにお前の気持ちもわからなくはない。でも、これは現実だ。」


「そんな・・・嘘でしょ。確かに父さんはずる賢くて、目的のためならなんでもやるときがあるけど、そんなことまで・・・」


「・・・」


この空間に沈黙が流れる。


その沈黙をぶち壊したのは、他ならぬ姫依だった。


「ねぇ、慧。父さんは捕まったらどうなるのかな?」


「とりあえず、長い長い取り調べが待ってる。そこから、やったことによって刑が決まるけど、ウロボロスのメンバーって時点で重い罪になることは確実だと思う。」


「殺されることは?」


「あるかもしれないが、確率としては大して高くないだろう。」


「そっか。父さん。これ以上、罪が重くならないうちに大人しく捕まってもらうよ。それがあなたに対して私ができる最後で唯一のの恩返しだからッ!」


姫依は立ち上がり、羽鈴社長の方を向かいながら言った。


「私を倒せるとでも?」


「難しいだろうね・・・私1人だったら。」


そう言って、オレの方を見てくる姫依。


「手伝ってくれるよね?」


「あぁ、もちろんだ!」


オレはそう言って、笑いながら力強く頷く。


こうして、オレと姫依VS羽鈴社長の構図が出来上がった。


先に仕掛けたのは姫依だった。


姫依は、金の鎖を転送魔法で手に転送。

そこから、数多くの鎖を自分自身の体のように扱い、羽鈴社長に襲いかかった。


そのかなり多いはずの鎖を羽鈴社長は余裕で躱す。


「なんだ。この程度か?」


「そんなわけッ、ないじゃんッ!」


羽鈴社長の後方から鎖が押し寄せる。


「ぐッ!」


それは予想外だったようで、羽鈴社長に鎖が何本か掠った。


「やるようになったなァ、姫依!」


「どっかの誰かさんが、こんな感じで英才教育を施してくれたおかげでね。」


そうして、鎖が雷を帯びる。


そして、羽鈴社長に向かって鎖が伸びていく。


「だが、まだまだ甘いのだよ。」


羽鈴社長が指をパチンッ、と鳴らす。

すると、羽鈴社長の目の前で雷が轟いた。


「フッ。」


そう言って、ドヤ顔で娘を見る羽鈴社長にオレは後ろから斬りかかった。


「ぐッ!」


攻撃はヒットしたが、この感触は浅いな。

だが、炎属性の魔法を使っていたからダメージは大きいはずだ。



後退したオレに姫依が話しかけてくる。


「ちゃんと一撃で仕留めてよ。」


「あぁ、悪い。」


「そのおかげでもう今みたいな奇襲は使えないじゃん。」


「そうだな。どうしよっか?」


「とりあえず、斬りかかって。サポートするから。」


「了解。」


言われた通り、羽鈴社長に斬りかかる。


羽鈴社長は、いつの間にか手にしていた剣でこちらの攻撃を防ぐ。


オレが後退した瞬間、姫依の鎖が羽鈴社長を囲んだ。


これでどうだ?


羽鈴社長はまたしても、鎖を避ける。


ちっ。

さっきの魔法道具か。


アレはめんどくせぇな。

壊せればいいんだが、羽鈴社長が壊させてくれないだろう。


どうするか。


考えていると、羽鈴社長が攻撃を仕掛けてきた。


オレの方が速いが、羽鈴社長も速い。


しかも、剣術が見事なほど完成されているので、かなり厄介だな。


「疲れるけど仕方ないし、アレを使うか。」


「アレとはなんだね?魔法道具とかかな?」


オレの独り言を聞いた羽鈴社長が聞いてくる。


「そんなんじゃねぇさ。オレが持ってるただの魔眼だよ。」


そう言って、オレは微笑みながら魔眼を使う。


オレの黒い瞳が紅く輝いた。

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