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Kissから始まる魔法学園  作者: 栗間屋 ラヒ
第2章 Kissの前に始まる政略結婚!?
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第21話「正体」

そのニュースを見て、オレはHASUZUグループ本社へ急いだ。


社長室に入ると、羽鈴社長はニコニコした顔でこちらを見てきた。


「やぁ、慧くん。やっぱり、私が犯人ではなかっただろう。」


羽鈴社長は、未だニコニコした表情で言ってくる。


それが、信頼していた部下に裏切られた人間のする顔かよ?


「あぁ、ニュースを見た限りな。」


「? どういうことだい?」


「まず、秘書というポジションの人間が新型の兵器を流すことなんてできねぇだろ。」


「そこは、私の目を盗みながらやったんじゃないかな?」


「いいや。秘書はHASUZUグループ本社が空いてる時間帯はアンタにつきっきりだったんだろ?んなこと、できねぇよ。」


「そうだね。でも、私が例の犯罪者グループと会ってないことは証明されただろ?それなら、少なくとも犯人は私ではないね。」


「あぁ、そうだな。アンタは、この事件とは関係ないのかもなぁ。でも・・・アンタには鉄格子の素敵なお部屋に行ってもらうぜ?」


「なぜだね?」


「そんなのアンタだってわかってんだろ?」


「いいや、サッパリだ。」


コイツ・・・言い逃れるつもりか?


だが、そうはいかない。


オレがここに来る前、爺さんから聞いた話によればコイツは確実につかまえなきゃなんねぇ。


「アンタの右腕を見せてくれないか?」


「・・・」


黙って動かないとなると、爺さんの言ってることはマジだったみてぇだな。


「アンタ、ウロボロスのメンバーだな?」


「!?」


初めて、このオッサンの驚愕する顔を見たな。


「ハッハッハッハッハッハ!知られていたか。それにしてもどこでバレたのかな?私はこれまで誰だろうと、右腕だけは見せて来なかったのだがね。」


「アンタの言う通りだよ。」


「?」


「アンタの右腕は誰も見たことがねぇんだよ。」


「じゃあ、なぜ?」


「ただの爺さんの予想だ。正直言うと、賭けだったんだがな。アンタは、オレがカマを掛けただけなのに単純に引っかかってくれたよ。」


「そういうことか。面白い。」


そう言って、来ているスーツの袖を強引に破り、右腕を見せつけてきた。


そこには、尻尾を喰らう黒い蛇のマークがあった。


「やっぱ、アンタは幹部じゃないんだな。」


「あぁ、その通りだよ。私は彼らに資金と兵器を提供する立場にいるだけの下っ端さ。」


「でもよくそんな下っ端に、あの変態トーガル・カルザーが協力したな。」


「あのお方は人を殺すことを愛してる変態の中の変態だ。新しい魔法道具を使って人を殺せると聞いたら、すぐ食いついてきたよ。」


「そういうことかよ。新型の兵器で変態を釣るとは・・・アイツもいかれてるがアンタも相当なようだな。」


「あぁ、じゃなきゃ、ウロボロスには入っていないさ。」


「そうだな。」


そう言って、オレは剣を抜く。

そして、告げる。


「アンタは、既に犯罪者の仲間入りだ。大人しくしてもらうぜ!」


「フッ。私も舐められたモノだな。君1人で私に勝てるとでも?」


「当たり前だ!じゃなきゃここには来てねぇさ。」


そう言った途端、オレは肉体強化の魔法を使い、いつもより数倍速くなったスピードで羽鈴社長に突っ込む。


そして、剣を振るう。


「なッ!?」


だが、その速い一撃は易々と躱された。


「さすがは、ウロボロスのメンバーだな。今のを躱されるとは思っても見なかったぜ。」


「あぁ、これも私が作った魔法道具のおかげでね。いくら反応が遅れようとも恐ろしい量の魔力を費やせば必ず避けることができる優れものさ。」


「あー、めんどくせぇ。そんなビックリドッキリな道具があと何個あんだよ?」


「さぁね。とりあえず、20個以上はいつも付けているよ。」


マジかぁ!?

結構、ダルいぞ。ソレは。


どうしよっかな。

それも全部、破滅の太陽(ライジング・サン)を使えばなんとかなるだろうけど、ビルを壊して関係ない人達を巻き込むのはマズイ。


「もう1つ使える属性があればなぁ。」


「フッ。そんなことを戦闘中に言っても仕方ないだろう?今できるすべてをやるしかないのだよ。」


そんな会話をしていると、急に女の子の声が聞こえた。


「どうなってんの、コレは!?」


「なッ!?姫依!?」


そこには、確かに金髪ツインテールの少女がいた。


あ、そりゃいるか。

だって今まで隣の部屋にいたんだから。


それに、あんな騒音が聞こえてくれば、誰だって来るか。


「ねぇ、おしえて、二人共。なんで、あなたたちは戦っているの?」


「・・・」


オレは黙ってしまった。


だって、そうするしかないじゃないか。

じゃなきゃ、アイツを悲しませることになる。


政略結婚の話で既に心に傷ができているであろう少女を、オレはこれ以上傷つけられない。


「ねぇ、なんでこんなことやってるのか、説明してよ!」


「フッ。コレのせいだよ。」


そう言って、オッサンは自分の娘にウロボロスのマークを見せた。


「・・・え?それって、ウロボロスの、マーク、だよね?なんで、父さんが!?」


そう言って、ツインテールの少女は床に崩れ落ちた。

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