第16話「金髪の狂人VS2代目剣聖」
「アハッ!アハッ!アハハハハハハハハハハハ」
吹っ飛ばされて笑っているなんて、アイツは完全にイカレてる。
しかも、空間ごと斬るはずの慧のお父さんの魔剣に斬られたはずなのに、どこの部分も斬られていない。
「オイオイ、気持ち悪ィな!」
同感だ。
アイツには、まさに嫌悪感しか抱かない。
そんな狂人が狂ったように笑いながら、歩いてくる。
巨大な斧を持って。
「ヒャッハァ!」
そんなマヌケな声を合図に金髪の狂人は走り出す。
しかも、肉体強化の魔法を使っているのか、異常な速度だ。
そして、先ほどのように慧のお父さんが、目で終えない速さで移動する。
そして、狂人の後方からの斬撃。
また、斬り裂く寸前で、吹っ飛ばされる。
「アハハハハハハ!」
そして笑う狂人は、慧のお父さんに向かって走る。
そして、斧を振り下ろす。
が、斧は2本の魔剣にやすやすと受け止められる。
「アハハッ!」
「ぐおッ!?」
だが、狂人が笑った瞬間、斧が2本の魔剣を弾き飛ばし、振り下ろされる。
そして、慧のお父さんの体には痛々しい傷ができていた。
「ぐッ!さすがにしんどいな。」
右脇から左脇腹にかけて出来た傷を抑えて慧のお父さんは、つぶやく。
「仕方ない。街にあまり被害を出したくないんだが、やるか。」
そして、慧のお父さんの詠唱が始まる。
「我、この空間すべてを支配する者なり。・・・我は穿つ。我の前に立つ敵を!そして、我は示す。我が支配から逃れる者の一切がいないことをッ!」
「絶対空間支配!」
「?」
狂人は首を傾げた。
慧のお父さんは、魔剣ギルティを振り下ろす。
すると、狂人が持っている黄金の斧が真っ二つに割れた。
「おかしいなァ!オレはその斧を持つ手ごと斬ったはずなんだが。オレが絶対空間支配をかけた状態でギルティを振り下ろしたら、なんでも綺麗さっぱり斬れるはずなんだがなァ。」
「アハハハハ!何言ってるの?斬れるわけないじゃんッ!」
金髪の狂人が初めてまともに喋った。
子供のような高い声。
「だって、ホラ。」
と、言って、自分の体を見せてきた。
彼の胸には、紅い結晶のような物が埋め込まれていた。
「ボクにはねー、羽鈴社長から貰ったこの変な魔法道具があるんだもん!これはねぇ、ボクに対する攻撃魔法をかき消す力があるんだよぉ。だから、アンタの魔法は、無・駄!そして、ボクの体は魔法で強化されていて、切れない。アハッ!アハッ!アハハハハハハハハハ!」
「なんじゃそりゃ。じゃ、勝ち目ねーじゃん。」
「そぉだよぉ。だ、か、ら、早くその女を斬らせてよぉ。」
「無理だな。」
「なんでぇ?勝ち目ないのにまだ戦うのぉ?もしかして、おバカなの?アンタ?」
「確かに、勝ち目ねーな、普通の魔法使いなら。でも、オレは普通じゃない。」
「はぁ?カッコつけてんの?後悔することになるよぉ?」
「その言葉、お前に返すぜ、バカヤロー!」
すると、魔剣ギルティを転送魔法で元あったであろう場所に転送する。
そして、魔剣イノセントを右手に持ち替えた。
「なぁんだ。なにをするかと思えば、なんでも斬れるすごい剣を使わなくなっただけじゃん。むしろ、諦めてんの?」
「何言ってんだ?これだから、頭が悪いやつは・・・」
呆れる顔で思いっきり馬鹿にされた、狂人は安い挑発に乗る。
「ボクがバカだって?ふざけんなよッ!?」
そう言って、先ほどとは比べ物にならない速度でこっちに向かってくる狂人。
だが、その場で駆け足をしているようにそのまま動かない。
「なぜ?なぜだぁッ!なぜ、ボクはお前のところまで辿り着けない。」
「ハッハッハ。オレのもう1本の魔剣、イノセントはギルティとは、正反対の魔剣でなァ。空間を破壊するギルティの反対で空間を創り出すんだよ。」
「どういうことだぁ?」
「さぁな?バカじゃねェんならわかるんじゃねェの?」
「ふざけるなよぉ!殺すッ!殺してやるッ!」
「おーう、いいぜェ。お前のカラクリが分かったし、第3ラウンド開始と行こうかァ!」




