第15話「2代目剣聖の実力」
黒い軍団が、銃撃を発射してくる。
だが、その黒い軍団の銃撃を慧のお父さんは1本の剣だけで捌ききっている。
すごい。
これが、SSランクの魔法使いの力かぁ。
「おいおい、この程度かァ。こっちから行っちゃうぞォ。」
そう言って、慧のお父さんは攻撃が始まった。
だが、慧のお父さん自身は動かない。
それなのに、慧のお父さんの剣は黒い軍団を斬り裂いていく。
これは、慧のお父さんの魔法の仕業だ。
慧のお父さんは、支配属性の錠の魔法使いで、空間を支配することが出来る。
そして、支配した空間同士を無理矢理魔法で繋ぎ、短距離瞬間移動で、剣の刃だけをワープさせ、敵を斬り裂いていく。
これが、噂に聞く2代目剣聖の戦い方だ。
そして、ワープによって転送される刃に切り裂かれる敵は血も出さずに綺麗に斬られていく。
これは、魔剣ギルティの能力だ。
魔剣ギルティは、空間を破壊する魔剣。
なので、斬られていく敵の体は、その体が存在する空間ごと斬られていくため、綺麗サッパリなくなっていく。
そして、こうしているうちに黒い軍団は既に半分以下に減っている。
誰から見ても圧倒的な実力差だった。
そして、数秒後、黒い軍団は斬られ、全員がその場に倒れている。
まだ生きているようだったが、体の様々な箇所がなくなっており、悲惨な状態だ。
「桃香ちゃん、大丈夫だった?」
慧のお父さんが優しく聞いてくる。
「はい。大丈夫です。ありがとうございました。」
「うん。じゃ、良かった。・・・ん?ゴメン、ちょっとオレから離れてて。」
私はその言葉の意味がわからなかったが、こちらに歩いてくる人物を見て理解した。
金髪の髪を少しばかり伸ばした色白の男性だ。
その人物は、こちらに向けて恐ろしいほどの殺気を放っていた。
「おぉ、こりゃついてるぜェ。まさか、追いかけてた魔法犯罪者が自ら狩られに来るなんてなァ。」
魔法犯罪者ですって!?
魔法犯罪者というのは文字通り、魔法を使った極悪犯罪者たちのことだ。
彼らは、罪状により、罪状ランクというものがつけられている。
慧のお父さんのようなSSランクの魔法使いが追ってるとなると、高ランクの極悪犯罪者のはずだ。
「トーガル・カルザー、27歳、罪状は魔法による大量虐殺。罪状ランクはSSランク。」
SSランク!?
そんなの本当にヤバイやつだけがなるランクじゃない!?
あの男、どんだけ人を殺したの?
「現在、4時14分23秒、今から貴様に罰を与えてやるッ!!」
そう言ってから、慧のお父さんの姿が消えた。
否、消えたのではなく、消えたと錯覚するぐらいのスピードでトーガル・カルザーの下へと移動したのだ。
そして、魔剣ギルティがトーガル・カルザーを斬り裂く寸前で、慧のお父さんはこっちに吹っ飛ばされた。
トーガル・カルザーの魔法でだ。
トーガル・カルザーは見たところ、力属性の魔法使いのようで、慧のお父さんの体に前方から圧力をかけたらしい。
「あはははははははははは。」
慧のお父さんを吹っ飛ばして、トーガル・カルザーが笑っている。
その笑みはまさに狂人のそれだ。
狂人の笑みを浮かべるトーガル・カルザーが、こっちにゆっくり近づいてくる。
そして、転送魔法によって、斧を取り出す。
転送魔法とは、事前に転送魔法をかけておいた物を魔力を使って手元に取り寄せる魔法だ。
正確には誰でも使えるので魔術なのだが、転送魔術だと言いにくいということで転送魔法と呼ばれるようになった。
って、そんなことよりも、これはヤバイって!
トーガル・カルザーが歩いてきてる。
そして、もうすぐ、斧が届く範囲に入る。
ヤバイ、これ、私、死んだわ。
そう思ったとき、今度はトーガル・カルザーが吹っ飛んだ。
「オイオイ、さっきの魔法1発でぶっ倒れるようなオレじゃねェぜェ?」
そんなことを言いながら、獰猛な笑みを浮かべた慧のお父さんが歩いてきた。
「それにしても、オレの攻撃はガード不可能、一撃必殺の攻撃のはずだぜェ。なんでお前が無事なのかわからねェが、第2ラウンドと行こうかァ!」
そう言って、慧のお父さんはもう一本の魔剣を抜いた。




