第11話「初めての魔法」
昔、オレの爺さんが言っていた。
魔法を使ううえで重要なのはしっかりとしたイメージをもつことだと。
イメージの強さによって、魔法の強さも変わると。
オレはミノタウロスに、炎の一撃をぶち込んだ。
斧によって防がれたが、ミノタウロスは吹っ飛んだ。
そして、炎弾をぶち込んだ。
ミノタウロスの体を吹き飛ばすイメージで放ったそれは、イメージ通りミノタウロスをまた吹き飛ばした。
スゲェ。これが、魔法か。
今のところ、あのミノタウロスを圧倒してる。
だが、ヤツも本気を出してきたようだ。
ヤツの燃えていた背中が、さっきよりも激しく燃えている。
ヤツは、恐ろしい速度でこちらに向かってきた。
だが、遅い。
そんなスピードじゃ、魔法を使えるようになったオレのスピードには追いつけない。
オレはミノタウロスの左腕を剣をで焼き切った。
ミノタウロスが悲鳴をあげる。
そんなミノタウロスを見ながら、オレは詠唱を始める。
爺さんの言う通りなら、オレにもイメージさえできれば、詠唱魔法が使えるはずだ。
「我、汝を呼び覚ます者。汝、燃え盛る太陽よ。我が願いを聞き入れ、この世界に顕現し、大いなる太陽の裁きを与えよ。全てを燃やし尽くし、この世界に汝の大いなる力を示せ!」
「破滅の太陽!!」
なんとなく覚えていた魔法だが、成功したようだ。
真っ赤に輝く燃え盛る巨大な炎の玉が、ミノタウロスへ落ちて爆発し、辺りを燃やし尽くした。
スゲェ威力だ。さすがS級の魔法。
ミノタウロスは、オレの魔法で死んだようだ。
オレは桃香を連れて森から出て、テレポートにより島に戻った。
傷も残ってるし、保健室に行って回復魔法を掛けて貰おう。
だがその前に、ミノタウロスがいたことの報告をするために職員室に向かった。
そして、クエストを担当している先生に、その件を報告し、保健室へ向かった。
そして、今、桃香と共に保健室で治療している。
回復魔法を掛けているときに、叔父さんが保健室に走り込んできた。
「慧!大丈夫か?燃え盛る牛頭人に遭遇したって聞いたが。ってあれ?普通に元気そうだな。」
「まぁな。」
「お前、あの燃え盛る牛頭人から逃げ切ったんだろ?怪我はそんなもんか?」
「見たまんま、元気だし。それに、オレ達は逃げ切ったんじゃなくて、討伐したんだが。」
「魔法を使えたならまだしも、魔法を使えないお前が倒したなんて信じらんない。」
「・・・魔法は使えるよ。」
「は?だってお前、キスしてないじゃん。
ん?そういうことか。なるほどなぁ。で、いつしたんだ?」
顔が真っ赤になってる桃香を見て、全てを悟ったこの教師は、ニヤニヤしながら聞いてきた。
「そんなこと言えるかっ!」
「え〜、つまんな〜い。言えよ、言っちゃえよっ?」
「いや、絶対言わねぇから。」
「じゃあ、何回したの?」
「一回だけだよっ!」
「え〜、もっとしとけよ〜。その方が強い魔法使えるだろ?」
「そうだけどっ。そうだけども。」
「そっかぁ。まだ恥ずかしいかぁ。そんな時期もあるよなぁ。そうだよなぁ。あっ、そうだ。このこと、ちゃんといろんな人に報告しとくわ。」
「いや、しなくていいわっ!むしろすんな!」
こんな感じで、神谷先生はこの後も散々遊びまくって帰りやがった。
まぁ、いいや。
そんなことよりも、治療も終わったし、早く帰って寝たい。
だが、家に帰ってから寝るまでにすごく時間がかかった。
なぜなら、オレが魔法を使えるようになったと聞いたレインと魅月がうるさかったからだ。
あの野郎、マジで報告してやがった。
「慧、誰とキスしたの?」
「慧様の初めては私が貰うつもりだったのに・・・」
などと言われて、とてもじゃないが眠れなかった。
終いには、二人は、自分にもキスをしろ、と、うるさかったので、
二人きりになったら、などと言っておいた。
そして、今、ようやくベッドに横になっている。
だが、すごく眠くても、体の周りを三人が囲んでいてなかなか眠れない。
あぁ、これからこんな生活が続くのか。大変だなぁ。
と、思いながらオレは眠りにつく。
オレの体の周りでは、三人が可愛い寝息をたてながら眠っていた。
これで、一応、第1章が完結しました。
なんか、とても長かった気がします。




