最終話 私を主役にしてくれた人
ちゃんと好きになって、ちゃんと告白して、ちゃんと失恋した奈々。
でも、恋が終わったからといって、すぐに次の恋へ進めるわけではありません。
雨の中でずっと待っていてくれた俊介と、
今度は焦らず、少しずつ向き合っていきます。
誰かの恋の脇役だと思っていた奈々が、
自分自身の人生と恋の主役になるまで。
最終話「私を主役にしてくれた人」。
最後まで見届けていただけましたら嬉しいです。
黒瀬さんに告白して振られた翌日、私は会社を休んだ。
熱が出たわけではない。
体調不良というほどでもない。
ただ、朝起きて鏡を見たら、目がひどく腫れていて、いつもの笑顔を作る気力がなかった。
会社には、体調不良と連絡した。
真帆からはすぐにメッセージが来た。
「生きてる?」
「生きてる」
「失恋?」
「うん」
「偉い。今日は寝な」
「ありがとう」
俊介からは、昼前に短いメッセージが届いた。
「食べられていますか」
それを見た瞬間、胸がじんわり温かくなった。
「少しだけ」
「何を食べましたか」
「ヨーグルト」
「少なすぎます」
「お母さんみたい」
「夕方、何か届けます」
「いいよ、大丈夫」
「大丈夫じゃない人ほど大丈夫と言います」
「俊介くん、厳しい」
「奈々さん限定です」
私はスマホを見ながら、少し笑った。
昨日まで、あんなに泣いていたのに。
胸はまだ痛いのに。
俊介の言葉ひとつで、少し息がしやすくなる。
そのことが、少し怖かった。
黒瀬さんへの恋が終わったばかりなのに、俊介の優しさに甘えていいのだろうか。
私はまた、誰かの温かさに逃げようとしているだけではないのか。
夕方、本当にインターホンが鳴った。
ドアを開けると、俊介が立っていた。
スーツ姿のまま、片手にコンビニの袋を持っている。
「すみません。突然」
「本当に来たの?」
「行くと言いました」
「俊介くん、律儀すぎるよ」
「奈々さんが食べない方が問題です」
袋の中には、お粥、ゼリー、スープ、プリン、スポーツドリンクが入っていた。
「病人セットだ」
「失恋も体力を使います」
「何それ」
「間違ってますか」
「……間違ってないかも」
私は少し笑った。
俊介は玄関の外に立ったまま、袋を差し出した。
「これだけ渡したら帰ります」
「上がっていかないの?」
「上がってほしいですか」
聞かれて、言葉に詰まった。
俊介はすぐに目を伏せた。
「すみません。困らせたいわけじゃありません」
「違う。困ったわけじゃなくて」
私は袋を受け取りながら、小さく言った。
「少しだけ、話したい」
俊介は私を見た。
「今の私、ひどい顔だけど」
「泣いた顔も、奈々さんです」
「そういうこと言う」
「本当なので」
結局、俊介を部屋に上げた。
ワンルームの小さな部屋。
急いで片づけたけれど、ソファには昨日使ったブランケットが残っていた。
「適当に座って」
「はい」
俊介は遠慮がちに床のクッションに座った。
私はキッチンでお湯を沸かし、二人分のお茶を淹れた。
「俊介くん、コーヒーの方がよかった?」
「奈々さんが淹れてくれるなら、何でも」
「またそういうことを」
「言わない方がいいですか」
「……言われると、照れる」
自分で言ってから、耳が熱くなった。
俊介は少し目を見開き、それから嬉しそうに笑った。
その笑顔を見て、私は胸が痛くなった。
この人を、これ以上中途半端に期待させてはいけない。
私はテーブルを挟んで座り、湯呑みを両手で包んだ。
「俊介くん」
「はい」
「昨日はありがとう」
「いえ」
「駅で待っててくれて、助かった」
「はい」
「でも……私、まだ黒瀬さんのこと、完全に忘れたわけじゃない」
俊介は静かに頷いた。
「分かっています」
「昨日ちゃんと終わらせた。でも、好きだった気持ちが一晩で消えるわけじゃない」
「はい」
「だから、俊介くんの気持ちにすぐ答えるのは、失礼だと思う」
言葉にしながら、胸が痛くなった。
俊介を拒みたいわけじゃない。
むしろ、彼のそばにいると安心する。
彼の言葉に救われる。
でも、その安心を恋だと急いで決めつけたくなかった。
俊介は湯呑みに視線を落とした。
「奈々さん」
「うん」
「俺は、今すぐ答えがほしいわけじゃありません」
「……」
「でも、ひとつだけ訂正させてください」
「訂正?」
「俺の気持ちにすぐ答えないことは、失礼じゃありません」
俊介は顔を上げた。
「奈々さんが昨日まで誰かを本気で好きだったことを、俺は知っています。その気持ちがすぐに消えないことも分かっています」
「うん」
「それでも、俺は奈々さんが好きです」
「……」
「黒瀬さんを好きだった奈々さんも、泣いた奈々さんも、嫉妬して自己嫌悪していた奈々さんも、全部含めて」
胸の奥が熱くなった。
「俺は、奈々さんのきれいなところだけを好きになったわけじゃありません」
涙が出そうだった。
こんなふうに言われる日が来るなんて、思っていなかった。
私はずっと、自分は明るいだけの人間だと思っていた。
笑っている部分しか、誰かに必要とされないと思っていた。
でも俊介は、泣いている私も、弱い私も、醜い嫉妬を抱えた私も、見たうえで好きだと言う。
「俊介くんは、どうして私なの?」
「奈々さんだからです」
「答えになってない」
「なってます」
俊介は少し笑った。
「最初に気になったのは、奈々さんが誰より周りを見ていたからです」
「私が?」
「はい。営業の人が疲れていたら、コーヒーを濃いめにする。新人がミスして落ち込んでいたら、誰にも分からないようにフォローする。空気が悪くなりそうなとき、わざと明るい声を出す」
「そんなの、誰でも」
「誰でもできることじゃありません」
俊介ははっきり言った。
「奈々さんは、自分の明るさを軽く見すぎです」
「……」
「俺は、その明るさに何度も救われました」
知らなかった。
私がただの取り柄だと思っていたものを、誰かがそんなふうに見てくれていたなんて。
「でも、そのうち気づきました」
「何に?」
「奈々さんは、人を明るくする分、自分の暗いところを隠すんだって」
言葉が胸に刺さった。
「だから、見ていたかったんです」
「……」
「奈々さんが本当に笑ってるのか、無理して笑ってるのか。誰かが気づかないと、奈々さんはずっと平気なふりをするから」
俊介の声は、優しかった。
でも、その奥にずっと抱えてきた想いがあった。
「黒瀬さんを好きな奈々さんを見るのは、正直つらかったです」
「ごめん」
「謝らないでください」
「でも」
「つらかったけど、それで奈々さんを嫌いになれたら楽でした」
俊介は少しだけ苦笑した。
「無理でした」
「……俊介くん」
「奈々さんが誰かをまっすぐ好きになれる人だって知って、もっと好きになりました」
もう、涙を我慢できなかった。
私は湯呑みを置き、両手で顔を覆った。
「私、そんなにいい人じゃないよ」
「知ってます」
「え」
「奈々さんは、けっこう意地っ張りです。無理します。大丈夫じゃないのに大丈夫って言います。あと、たまに自分を雑に扱います」
「ひどい」
「でも、そういうところも含めて、放っておけません」
俊介の声が、少し近くなった。
「奈々さん」
「うん」
「俺の前では、主役でいてください」
「……主役?」
「はい」
俊介は、まっすぐ私を見た。
「誰かを支える役でも、場を明るくする役でも、都合のいい相談相手でもなくて」
「……」
「泣きたいときに泣いて、甘えたいときに甘えて、怒りたいときに怒ってください」
「そんなの、面倒くさいよ」
「面倒くさくていいです」
「かわいくないよ」
「かわいいです」
「今のは早い」
「本心なので」
私は泣きながら笑ってしまった。
俊介も、少し笑った。
その空気が、あまりにも温かかった。
黒瀬さんへの恋は、花火のようだった。
突然胸の中に光が走って、平凡だった毎日を鮮やかに照らした。
でも、その光は私の手の中には残らなかった。
俊介の想いは、火鉢みたいだと思った。
派手ではない。
でも、冷えた指先を少しずつ温めてくれる。
近くにいると、息ができる。
私は涙を拭いて、俊介を見た。
「すぐに好きって言えるかは、まだ分からない」
「はい」
「黒瀬さんのことを思い出して、痛くなる日もあると思う」
「はい」
「それでもいいの?」
俊介は迷わず頷いた。
「いいです」
「俊介くん、損するよ」
「奈々さんを好きでいることを、損だと思ったことはありません」
「……」
「待たせてください」
胸が震えた。
待ってて、ではなく。
待たせてください。
どこまで誠実なのだろう、この人は。
私は小さく息を吸った。
「じゃあ」
「はい」
「少しずつでよければ……俊介くんのこと、ちゃんと見たい」
俊介の表情が止まった。
「それは」
「返事としては、ずるいかもしれないけど」
「ずるくないです」
「まだ恋人にはなれない」
「はい」
「でも、逃げない。俊介くんの気持ちからも、自分の気持ちからも」
俊介は目を伏せて、深く息を吐いた。
「十分です」
「本当に?」
「十分すぎます」
彼の耳が少し赤いことに気づいて、私は初めて胸がくすぐったくなった。
俊介も緊張していたのだ。
いつも落ち着いて見えるけれど、本当は傷つく覚悟で言葉をくれていた。
そのことが、愛おしかった。
翌週、私は会社に復帰した。
黒瀬さんとも、仕事で顔を合わせた。
最初は少しだけ胸が痛んだけれど、前のように息ができなくなるほどではなかった。
黒瀬さんは今まで通り丁寧で、優しかった。
でも、そこに期待を重ねることはもうなかった。
「奈々さん、無理はしないでくださいね」
「ありがとうございます。でも、大丈夫です」
今度の「大丈夫」は、少しだけ本当だった。
黒瀬さんは私の顔を見て、穏やかに微笑んだ。
「いい顔をしています」
「え?」
「前より、少し楽そうです」
「……そうかもしれません」
私は笑った。
打ち合わせが終わったあと、廊下で俊介とすれ違った。
彼は私と黒瀬さんを見て、ほんの少しだけ表情を硬くした。
それが分かって、私は思わず小さく笑った。
俊介でも嫉妬するんだ。
そう思うと、なぜか胸が温かくなった。
その日の帰り、私は俊介を誘って会社近くの定食屋に入った。
小さな店で、カウンター席とテーブル席が三つだけ。
湯気の立つ味噌汁の匂いが、仕事帰りの疲れた体にしみた。
「俊介くん、こういう店来る?」
「来ます。生姜焼き定食が好きです」
「意外」
「何を食べると思ってたんですか」
「サラダチキンとか」
「俺を何だと思ってるんですか」
少し不満そうな顔をする俊介がおかしくて、私は笑った。
その途中で、ふと窓の外を黒いスーツの男性が通り過ぎた。
黒瀬さんではなかった。
でも、一瞬だけ胸が痛んだ。
私の表情が変わったことに、俊介はすぐ気づいた。
「奈々さん」
「ごめん。今、少し思い出した」
「はい」
「嫌じゃない?」
「嫌じゃないです」
俊介は箸を置いた。
「少し妬きますけど」
「正直だね」
「隠すと、奈々さんが気にするので」
「……うん」
「でも、言ってくれて嬉しいです」
私は味噌汁のお椀を両手で包んだ。
「俊介くんとご飯食べてるのに、失礼かなって思った」
「失礼じゃありません」
「でも」
「今日、俺とご飯を食べたことも、ちゃんと奈々さんの一日になってたら嬉しいです」
その言葉に、胸の奥がじんわり温まった。
黒瀬さんを思い出して痛くなる時間がある。
でも、俊介と向かい合ってご飯を食べる時間も、確かに私の一日だ。
失恋の痛みだけで、今日が埋め尽くされているわけではない。
「なってるよ」
「え?」
「俊介くんと食べた生姜焼き定食、今日の私の一日になってる」
俊介は一瞬固まって、それから少し照れたように目をそらした。
「それなら、よかったです」
「また来ようね」
「はい」
その日から、私たちは少しずつ一緒に過ごす時間を増やした。
会社帰りに定食屋へ行った。
休日に映画を観た。
雨の日に、今度は私が傘を差し出した。
俊介は甘いものが好きだと知った。
無表情に見えて、動物の動画を見ると顔がゆるむことも知った。
私が無理に笑うと、すぐに気づくことも変わらなかった。
黒瀬さんを思い出して胸が痛む日もあった。
そんな日は、俊介に正直に言った。
「今日、少し思い出して落ち込んだ」
「はい」
「嫌じゃない?」
「少し妬きます。でも、言ってくれた方が嬉しいです」
俊介は、いつもそうやって受け止めてくれた。
そして三か月が過ぎたころ。
春の夜、仕事帰りに二人で歩いていた。
駅前の桜が満開で、風が吹くたびに花びらが舞っていた。
「きれいだね」
「はい」
「去年も咲いてたはずなのに、あんまり覚えてない」
「忙しかったんですか」
「ううん。たぶん、見ようとしてなかったんだと思う」
私は桜を見上げた。
黒瀬さんと出会って、世界が輝いた。
失恋して、世界が少し灰色になった。
俊介と歩くようになって、また色が戻ってきた。
でも、それは前とは違う色だった。
誰かの言葉一つに振り回されるような眩しさではなく、隣にいる人と同じ景色を見て、ゆっくり温まっていくような色。
「俊介くん」
「はい」
「私ね、ずっと自分は恋の脇役だと思ってた」
俊介は黙って聞いていた。
「誰かの恋を応援して、誰かの幸せを見届けて、自分は明るく笑ってればいいんだって」
「はい」
「黒瀬さんを好きになったときも、やっぱり私は主役にはなれないんだって思った」
桜の花びらが、俊介の肩に落ちた。
「でも、俊介くんがずっと言ってくれたよね。私は脇役じゃないって」
「言いました」
「最初は信じられなかった」
「はい」
「でも、今は少し分かる」
私は俊介を見た。
「俊介くんといると、私、明るいだけじゃなくてもいいんだって思える」
「……」
「泣いても、怒っても、迷っても、面倒くさくても、ここにいていいんだって思える」
俊介の目が揺れた。
「奈々さん」
「私、俊介くんが好き」
やっと言えた。
黒瀬さんへの告白とは違う。
終わらせるためではなく、始めるための言葉だった。
「待たせてごめんね」
「……」
「俊介くん?」
俊介は片手で口元を覆い、少し横を向いた。
「今、顔を見ないでください」
「どうして」
「情けない顔をしてるので」
「見たい」
「奈々さん、そういうところありますよね」
「あるかも」
私は笑った。
俊介は観念したようにこちらを向いた。
目が少し赤かった。
それを見た瞬間、胸がいっぱいになった。
私の言葉で、こんなふうに泣きそうになってくれる人がいる。
「俊介くん」
「はい」
「私を待っててくれて、ありがとう」
「待たせてくれて、ありがとうございます」
その返しがあまりにも俊介らしくて、私はまた笑ってしまった。
俊介は一歩近づいた。
「抱きしめてもいいですか」
「また聞くの?」
「大事なことなので」
「いいよ」
俊介の腕が、今度は少し強く私を包んだ。
桜の花びらが舞う中で、私は俊介の胸に頬を寄せた。
あの雨の日とは違う。
今度は失恋の痛みを受け止めてもらうためではない。
好きな人に、好きだと伝えられた喜びで、私は彼の腕の中にいた。
「奈々さん」
「うん」
「俺は、奈々さんが誰かを好きだった時間ごと、全部好きです」
「……うん」
「でも、これからは俺が一番近くにいたいです」
「うん」
「奈々さんの人生の、主役の隣に」
私は涙ぐみながら笑った。
「じゃあ、俊介くんも主役だね」
「俺が?」
「うん。私の恋の主役」
俊介は驚いた顔をして、それからゆっくり笑った。
その笑顔を見たとき、私はようやく思った。
私は誰かの代わりじゃない。
誰かの過去に勝つ必要もない。
明るいだけの脇役でもない。
この人の隣で、私は私のまま愛されていい。
駅前の桜が、夜の光に照らされていた。
平凡だった毎日が、また少し輝いて見えた。
けれど今度は、その輝きに怯えなくていい。
私を主役にしてくれた人が、隣で手を握ってくれているから。
私は俊介の手を握り返した。
「帰ろうか」
「はい」
「俊介くん」
「何ですか」
「明日も一緒に帰ろうね」
「明日だけですか」
「明後日も」
「その次は?」
「……欲張りだね」
「奈々さん限定です」
私は笑った。
俊介は私の手を少しだけ強く握った。
「奈々さん」
「うん?」
「今日から俺の彼女、ってことでいいですか」
「……そういう確認、急にする?」
「大事なことなので」
「いいよ」
「本当に?」
「うん。俊介くんの彼女でいい」
そう言った瞬間、俊介の顔が一気に赤くなった。
「俊介くん、照れてる」
「照れますよ」
「かわいい」
「それは奈々さんです」
「え」
「今日から遠慮しません」
「何を?」
「毎日、ちゃんと可愛いって言います」
「毎日?」
「はい。奈々さんはすぐ自分を雑に扱うので、俺が毎日訂正します」
「訂正って」
「奈々さんは可愛いです。優しいです。明るいだけじゃありません。俺の一番大事な人です」
「待って。急に多い」
「三か月待ったので」
「俊介くん、けっこう強引だね」
「奈々さん限定です」
私は笑いながら、少し泣いた。
その日、俊介は駅までの短い道を、何度も私の名前を呼んだ。
「奈々さん」
「はい」
「好きです」
「……知ってる」
「奈々さん」
「今度は何?」
「好きです」
「もう聞いたよ」
「何度でも言わせてください。今日からは、我慢しなくていいので」
私は笑って、彼の手を握り返した。
春の夜風が、涙の跡を優しく乾かしていく。
叶わなかった恋は、確かに私の中に残っている。
でも、それはもう私を縛る鎖ではない。
人を本気で好きになれた記憶として。
自分の弱さと強さを知った証として。
そして今、私は新しい恋の中を歩いている。
脇役ではなく、誰かの代わりでもなく。
奈々として。
俊介の隣で、私自身の物語を始めるために。
― 完 ―
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
誰かを支え、場を明るくし、いつも笑っている奈々。
けれど本当は、
泣くことも、迷うことも、嫉妬することもある一人の女性でした。
黒瀬を好きになった時間も、
振られて泣いた時間も、
決して無駄だったわけではありません。
その全部があったからこそ奈々は、
「誰かの代わりではなく、私自身として愛されたい」
という気持ちに気づくことができました。
そして俊介は、最初から最後まで奈々を誰かと比べませんでした。
明るい奈々だけではなく、
泣く奈々も、弱い奈々も、面倒な奈々も含めて、
「奈々さんだから」
と好きでいてくれました。
誰かの恋の脇役ではなく、
自分自身の物語の主役として。
これから奈々と俊介が、二人でゆっくり幸せになっていくことを願っています。
最後まで二人の恋を見届けてくださり、ありがとうございました。




