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悪嬢転生!?〜8歳の悪役令嬢?に転生した私は、10年後、内定婚約者である第三王子に首を刎ねられるみたいなので、今のうちに関係修復頑張ります!〜   作者: 月末了瑞
デビュタント編

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7話:ねぇ、待って!? これってもしかして、カーテンでドレス作るフラグ、ビンビン立ってたりする!?・前編


 いつものメイドに部屋へと送り届けられたレイ。彼女は、自室に戻るなり、頭を抱えヘッドバンキングをしていた。


「とりあえず、作法の独学とか絶対、無理! なんか膝は何度とか記憶にあっても、分度器ないとわかんないし!」


 そう前へ後ろへ、ブンブン頭を振りながらも、一瞬。ほんの一瞬だけ――


(アリスに頼めばいいんじゃ!?)

 

 と奇跡の閃きをしそうになる。しかし、まだ屋敷に来て数日ていどだという彼女。それに加えて平民の出。作法を知っていると考える方がお門違いというもの。


「はあ……多分無理だ、それ。いや、本気でどうしよう!?」


 一旦、激しく振っていた頭を静止し、ほんのりと酸欠状態になりながらも打開策を講じ続ける。


 だが、思い浮かぶのは、無謀なものばかり。そもそも他者をあてにする以外、礼儀作法を学ぶことなど不可能に等しい。


(やっぱ、礼儀作法とかは後回しにするしかないか……ということは……)


 ゆえに、作法は一旦、小さく丸めて頭からぽーい。


「礼儀やマナー、ダンスは一朝一夕でできるものじゃないけど……。ドレスなら大量に作ってるだろうし、一日くらいでポンッて届くでしょ?」


 とはいえ、この世界にパソコンやスマートフォンのようなものは存在しない。ゆえに、どうやって通販サイトにアクセスするか――わからない。


 彼女は、僅かに考えを巡らせると、ハッ!


(取り敢えず、現地に行って既製品を譲ってもらおう! うん、それが一番手っ取り早い!)


 そんな結論を出すと、記憶の中にある“仕立て屋”を回ることを思いついた。


 しかし、時刻は既に十五時を回っている。流石に、今から動くのは現実的ではない。


「うーん。明日行ってみよ! もし既製品がなかったら最悪ドレスくらい作れるでしょ! うん、ドレス作ったことないけど、家庭科の授業受けたし、多分大丈夫! それに、新しく布買わなくても良さげな素材あるし!?」


 そう言って、ベッド下を覗き込む。そこには先ほど外したばかりの金色に輝く絹製のカーテンが。しかし派手な色味の上、ところどころが色褪せている。


(あっ……でも、これは最終手段にしたいかな? 流石にダサいや……)


 そう内心で苦笑し、この日は屋敷内で大人しく過ごすのだった。


 ◇◆◇


 翌日の昼過ぎ、レイは用事を終えるとメイドやハゲ男にバレぬよう、ソォッと屋敷を抜け出した。


 その足で訪れたのは、彼女の記憶にまだ新しい、エミュール・ソーといういかにも高級そうな仕立て屋。重厚な木製ドアに繊細な彫刻が施され、ウィンドウには豪華な布地が整然と並べられている。


(おぉ! なんか生地いっぱい! これはめちゃくちゃ期待大なんじゃ!?)


 そう興奮しながらも、いざ入店!


 カランッカランッ――と、扉に付けられた呼び鈴が鳴ると同時。先客がいたらしい。


(うわっ! え、めっちゃメイク下手くそじゃない!? なんだっけ? 納豆に()かれてる変な女の人みたい!)


 内心で、そんなことを考えながらも、何食わぬ顔で入店しようとした。


 しかし、レイの入店は従業員たちからすれば異常事態。ゆえに、先客である仮称阿亀(おかめ)に一声掛けると、鬼の形相でレイへと接近する。


「本日はどのようなご予定で?」


 若干、引き攣った顔に、圧が滲んだ奇妙な笑顔で上辺だけの確認を取る従業員。


 けれどレイは気に留めることなく。普段通りの態度で問いかけてしまった。


「あっ、既製品ってあるかな?」


 けれど、それは非常識に非常識を重ねる愚行。


「は?」


 ゆえに従業員は、一瞬。レイが何を言っているのか、理解できないと言いたげに硬直してしまう。そんな従業員の態度にレイは、ん? っと微かに疑念を抱いた。


(なんで、既製品ある? って聞いただけでそんな怖い顔するんだろ? 私なんか変なこと聞いた? うーん。いや、聞いてないと思う! ていうか、既製品って普通にあるよね!? A〇zonとか楽〇とかでポチれば秒で届くわけだし! じゃあ、なんでそんな反応してるんだろ?)


 内心で、何が原因かと自分なりに考え、そして――


(あっ、そっか! 私、“既製品”ある? としか聞いてない! 多分これ言葉足らずで、なにが欲しいのかわからないんだ!)


 そんな答えを導き出すと、意気揚々と理由を告げた。


「もうすぐレビュタント? なんか社交レビューって奴があるんだけど、ドレスが欲しいの!」


 瞬間。


「……申し訳御座いませんが、こちらで既製品は扱っておりません」


と、出禁対応をされるク〇客の如く、何故か問答無用で店を追い出されてしまう。


「え、なんで追い出されたの!?」


 そんな不満を口にしつつも、既に追い出されてしまった後。それに加え、ここから話が前に進むことなど稀有(けう)


 ゆえに彼女は、気持ちを切替え、別の仕立て屋へと足を運んだ。けれど――


「デザインに難癖をつけられた」


「罵倒された」


「気に入らないといって生地を破られた」


 様々な理由を並べられ、全滅状態。


「ねぇ! 昔のレイってどこまで根回ししてんの!? ちょっと行動しようとするだけで毎回こんなのじゃ体が持たないんだけど!?」


 流石に理不尽がすぎる現状に、彼女はまたもや不満を吐き出す。とはいえ、以前のレイはかなりの問題児。ゆえに、ドレスを仕立てて! いいですよ♡という可能性は99.9パーセント、有り得ない。


「はあ……。まだ何ができるかわかんないけど、諦めたらそこで終了って、誰か言ってた気がするし……」


 レイはそうぽそりと呟くと、その後も様々な仕立て屋を巡るのだった。


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