第250話 ジュネーブダンジョン②
どうやら、このダンジョンは脱出が出来ない仕様のようだ。
どうしたらいいんだろ? って思ってたら東郷さんが声をかけてきた。
「心愛ちゃん、恐らく自分の姿の人形の上に乗ったリンゴを一撃で撃ち落とせばクリアなのは間違いないだろう。狙撃なら俺が一番得意だと思うからまずやらせてくれ」
東郷さんの言葉にちょっと考えたけど他の選択肢も無さそうだから任せる事にした。
M16アサルトライフルを取り出し、自分の姿の人形の頭上に存在するリンゴを狙い撃った。
その一撃は問題なくリンゴを撃ち抜く。
すると残された三十一体の人形が動き始めた。
「ヤバッ難易度アップ? このダンジョンは少数精鋭で挑むのが正解だったのかな?」
「んー……でもどうなんだろう。はっきり言って俺たちのレベルであればリンゴを撃ち抜く程度なら少々高速移動されても難しくないと思うが」
「それもそうですね、クリスマスホーリーや特務隊のメンバーであればみんな狙撃は自信ありますよね? 一応難易度の上昇の可能性を踏まえて狙撃が苦手な方からやりますか?」
「いや、待てお嬢。ここはタイミングを合わせて一斉に撃ち抜くのが正解だと思うぞ。それなら難易度の上昇を考える必要もない」
アンリさんの言葉で、全員がタイミングを合わせてリンゴを撃ち抜くことにした。
結果、作戦は成功で一斉に自らの人形の頭上にあるリンゴを撃ち抜いた。
因みに銃を持たない私たちは希はワイバーンランスを投げて、日向ちゃんはフリスビーを投げた。
私は魔法攻撃しか遠距離攻撃手段を持ってなかったから、東郷さんに銃弾を一個貰って指ではじく事で狙ったよ。
「これで終わりなのかな?」
そう言葉にすると希から「それってフラグっぽくないですか?」と、言われた。
希の言葉に反応するようにボス部屋の中央部部へ黄金に輝くリンゴが一つ現れた。
それと同時にみんなの脳裏にメッセージが響く。
『三十二名の成功を確認、ゴールデンアップルのレベルを32引き下げます』
「これって……成功できるなら人数は多ければ多いだけ良かったって事かな?」
そう言った直後にゴールデンアップルが超高速で飛翔を始めた。
心眼で見るとステータスはフォーチュンアップルからレベルを32引き下げた状態の様だ。
つまり防御と魔法防御が68,000で敏捷は680、HPが1だから防御は関係ないかな? 当てさえすればなんとかなりそうだね。
アンリさんが号令を出す。
「総員狙い撃て」
その言葉でカービン銃を持ったクリスマスホーリー、特務隊、ロシアの二人とアメリカのチームベータが一斉射撃をした。
しかし誰一人命中させることが出来なかった。
「お嬢、済まねー外しちまった。どうやら今回も一発ずつしかチャンスが無かったようだ」
「アンリさん……結構、無謀な指示出すんですね」
「まさかチームベータやソフィアたちまで指示に従うと思わなかったからな……」
「まーそれはいいですけど、ゴールデンアップルに突っ込まれたら即死まであります。結界も使えないみたいですから、みんな避ける事に集中してください。あとアンリさん折角相手のレベル下げに成功してるんだから、ギフト使ってみてください」
「あ、そうか。解った。【アコード】動くな」
アンリさんのギフトは無事に発動した。
ゴールデンアップルが動きを止めた瞬間に、さっきはカメラを構えてて狙撃をしなかった東郷さんがゴールデンアップルを撃ち抜いた。
部屋の中央部分へ水晶の乗った台座が現れる。
その台座にはラスベガスと同じようにタイマーが表示されていた。
アンリさんが台座の水晶へと手を触れる。
【精密射撃】のスキルを手に入れた。
メンバーたちが次々に水晶に手を触れスキルを手に入れ、私も水晶に触れる。
『NO255ダンジョンの通信環境が解放されました』
部屋の奥へ扉も現れた。
扉の向こうには宝箱も並んでいる。
「今日は東郷さんでいいかな?」
反対意見も出なかったので、東郷さんに開けてもらう事にした。
「俺でいいのか?」
「まあ今回は特別だよ」
東郷さんが真ん中の宝箱を開けると【M16デュークスペシャル】というアサルトライフルが出てきた。
「これは……俺が貰っていいのか?」
「うん、いいよ。ちょっと鑑定させてね」
心愛が心眼で確認するとJOB【アサシン】と無限弾丸の効果がついていた。
「凄いね、東郷さん。本当に漫画の主人公みたいだよ」
なんかめっちゃ嬉しそうにしてた。
「いやー弾丸の実費が凄かったから助かるよ」
そしてコアにギフトを使って戻ろうという話になった時だった。
「お嬢、俺は今ギフト使っちまったからコアに攻撃が出来ない」
「困ったね。君川さんにやってもらおうかな?」
「日本国外のダンジョンじゃそれは色々問題あると思う。そもそも俺が参加してる事は秘密だし」
「俺がやろうか?」
「イージャはダメ、なんか危険だから」
そう言った時に希が言った。
「先輩? そろそろゴールドになったんじゃないですか?」
「えっ?」
私のランキングカードを見たらそこにはゴールドに輝く文字で9と表示されていた。
「アンリさん私ゴールドになってた」
「じゃあお嬢がやってみな」
私のギフトは【千本ノック】だった……
心眼で確かめると、打撃スキルみたいだけど。
詳しい性能は後で確かめなきゃね。
きっと野球の守備練習用では無いと思いたいけどね。
とりあえずまた東郷さんの弾丸借りて、水晶にギフトを打ち込む。
「パリーン」といい音をさせてダンジョンコアは砕け散った。
全員がジュネーブダンジョンの入り口に吐き出された。




