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不思議なペットボトル【JK心愛の美味しいダンジョン攻略】  作者: TB


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232/254

第232話 JDAの方針

 心愛たちが話している間に冴羽は杏と葛城将補、JDAの森協会長、結城常務理事、轟常務理事、澤田理事の七名で当面の対策を話していた。


「冴羽君、協会の立場として一番困るのはこの情報が漏れる事だ。具体的な対策を発表できる前に情報が洩れれば間違いなく世界中が恐慌状態に陥る。くれぐれも今日の会議の参加者以外に話が漏れ伝わる事が無いようによろしく頼む」

「会長、具体的な対策がたつ目途はあるのでしょうか?」


「結城君、それを立案するのが我々の責務じゃないのかね」

 

 葛城将補が意見を述べる。


「はっきり言って国の主導やダンジョン協会の主導で残る665日以内に対策が完了すると言うのは希望的観測にすぎません。実際にダンジョン探索が大きく飛躍したのは『柊心愛』さんが表舞台に現れてからの僅か三か月だと言う事は皆さんも理解しているはずです。今回の事態に関しても協力を仰ぐ形で進めるしかないのではないでしょうか?」


 冴羽が皆に問いかける。


「恐らく葛城将補が言われたように、心愛ちゃんの協力無しで乗り切る事は不可能でしょう。しかし彼女は女子高生であるにすぎない事を忘れないでください。もし、仮にダンジョン協会や国から強制された形での行動を強いられた場合、メンタル部分での崩壊が必ず起こります。心愛ちゃんが自由に動ける状況を我々大人が用意してあげる事が大事だと考えます」

「冴羽、それはD-CANとしての立場での意見か?」


「勿論それが無いと言えば噓になる。しかしD-CANもオーナーは彼女だからな。俺はあくまでも雇われ社長として商売を取り仕切ってる番頭だ」

「おい、そうだったのかよ」


「って言うか、澤田は知っていたはずだぞ」

「勿論、理解はしている。その上で杏からも情報を貰いつつ、冴羽に対しての心愛ちゃんの信頼度を加味して考えても、D-CANという組織は冴羽が動かしているという認識だ」


「私からもいいかしら? 心愛ちゃんは頼まれれば嫌とは言えない性格であるのは間違いないわ。それでも、私たち大人が……日本が……世界が心愛ちゃんに頼りきりになるっていうのは、おかしいでしょ? 私たちなりに精一杯意見を出し合って、対策を考えて、その対策を実行するために必要な何かがあれば、その時に心愛ちゃんに相談するという考え方でないと駄目だと思うよ」

「杏、それは、勿論そうだが、なぜそこにこだわる」


「兄さん……当たり前でしょ、最初からすべてを任すと言う事は成功しなかったときの責任も心愛ちゃん一人に押し付けちゃうのと同意義だよ。それこそ高校生にそんな事を押し付ける大人でありたくないわ」


 杏の言葉に一同が押し黙った。

 冴羽が沈黙を破る。


「どちらにしても今回の件での責任という意味合いでは一企業であるD-CANや心愛ちゃんが背負うような物では無い。こちら側に要望がある場合は責任の所在をはっきりとさせた上で、あくまでもビジネスとしての話であれば協力をする。という話しか出来ない。その辺りをダンジョン省と防衛省、ダンジョン協会で意見を纏めて欲しい」

 

 轟常務理事が質問をしてくる。


「冴羽、土方長官が担当する国民の命を守るための手段に関してはどう思う? 恐らく金沢と同じように防衛都市を築くくらいしか手段は出てこないぞ」

「それは、国の要望に応じるかどうかと言う事だな?」


「ああ、そうだ」

「日本に関しては無料で協力しろという話なら断固として断る。それこそ国外でならいくらでも金を出す所はある。それを無料で協力しろなんて言う馬鹿な要請を受けるつもりは毛頭ない。これは日本を裏切るとかそういう話では無く、世界が同じようにダンジョンの脅威に脅かされる中で、日本だけを特別扱いするつもりは無いと言う事だ。ここに居るメンバーなら当然知っているように、うちでは実働部隊としてクリスマスホーリーも抱えている。そのメンバーに純粋な日本人など一人もいないし、日本だけを特別扱いするなんて言えば、彼らはD-CANの指揮下から離れるだろう。それにだ……世界中に防衛都市を作るにしても、心愛ちゃん一人で世界中に作るなんて到底不可能だ。そうなれば優先順位をどうするかなんて言うのは、企業として答えを出すなら一番利益の大きい場所から優先的に手を付けるしかあり得ないだろう。逆にそれ以外の感情的な部分で順番をつければ、納得しない人間の方が多くなるのは明らかだからな」


「まあ冴羽君、早急に結論を出す話では無かろう。私もダンジョン協会という利益を追求する組織を任せられている以上、冴羽君の意見は当然だと理解もする。その上で一番大事な部分は、ダンジョンの脅威から世界を守る事だ。その為に皆が一致団結して方針を定めようというための話し合いだ。今日の所は本日不参加であった協会理事に対してであっても、情報漏洩は認めないと言う事を認識して欲しい。自衛隊組織であっても斎藤防衛大臣からの通達以外で知る者が無いようにお願いしたい。そして冴羽君の所は各国の政府とも商売柄話をする機会があるだろうが、藤堂総理以外からこの話が漏れ伝わる事が無いようにお願いする」


 各自が森協会長の言葉を受け、情報の漏洩が起こらないように約束して散会となった。

 別室に控えていた心愛たちにも今の決定事項が伝えられて、情報漏洩を防ぐことを約束させられた。


「ここにいないメンバーでは希くらいしか知る人はいないから、希には私から言っておきますね」

「これから先は今まで以上に忙しくなりそうだな。心愛ちゃんも無理しない範囲で協力を頼むよ」


 ちょっと頑張らなきゃね。

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