表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/5

第二話   




「母さん?母さん!!」



呼びかけても母さんの反応はない。


僕は救急車を呼んだ。



病院に着いて緊急処置が行われた。



「ねぇ、お母さん大丈夫だよね?死なないよね?」


「大丈夫、大丈夫だから…。」


僕は妹・萌咲(もえ)の手を握り、母の無事を祈るしかなかった。



だが、処置室から出てきた医者から言われた。


「お亡くなりになられました。」


うそ、嘘だろ…。


ごめん、母さん。

あんな言い方して…。

あんな態度とって…。


僕の頬には一筋の涙が流れた。




__葬儀の日。



僕は泣けなかった。

隣で妹と祖母が泣いていても、なぜか泣けなかった。

もう僕は感情を出してはいけない。

大事な人がいなくなるくらいなら、僕の感情なんてなくなった方がいい。


そう思った。



葬儀が終わった後、ぼんやりと外を眺めていた。


「どうした来夢ー!ほい!」


声をかけてきたのは父だった。

父は、三年前に母と離婚してから一人暮らしをしている。

母とは違い、とても楽観的でいい意味でテキトーな人間だ。


「ジュース、投げんなよ…」


「ごめんごめん!

でも、母さんのこと背負わせてごめんな。辛いよな。俺も辛いもん。好きだっだから。」


「彼女いるくせに…。」


「それは…。」


「なあ、父さん。母さん死んだのって僕のせいかなぁ?」


「え?」


僕は今までのことを父さんに話してみた。


「偶然だろ?そんなんアニメじゃあるまいしw 考えすぎだよ、来夢。

そういうとこ、母さんに似てるw」

「でもなぁ、来夢。あんまり自分を責めるんじゃねえぞ。お前には俺がいる。何かあったら相談してこい」


そう言って父さんは僕の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。


なんだか安心して涙があふれた。






そのとき、


「やっと泣けたね」


耳元で、誰かが笑った気がした。


はっとして顔を上げる。

父さんは不思議そうにこちらを見ている。


「……どうした?」


「……いや、なんでもない」


周囲には誰もいない。


けれど、


足元に落ちた自分の影が、ふわりと揺れた気がした。


風なんて吹いてないのに。


まばたきをすると、

影はただの影に戻っていた。



──それが、ラビとの出会いの始まりだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ