第3章-7
マイルズ子爵から語られたのは、今代の勇者及び魔王の選定は14代目にあたること。初代魔王以外の2代目魔王様以降は勇者が確認された後に、魔王の因子を継ぐ者から次期魔王を選任すること。各国家の招集による議会制での選任は6代目魔王から始まったこと等である。
『一つ、大公を初代の魔大陸の王とし今後勇者が現れた際には次代の魔大陸の王とし勇者と対峙すること。一つ、魔大陸の王は身体に紅の特徴を持つ者から選ぶこと。一つ、魔大陸の王には大公の指輪を継承すること。この三つを300年以上も受け継ぎ、この度勇者の出現を持って魔大陸の王、つまりは魔王を探しているのが現状となっております』
そう話をしていたバカラのことを思い出す。
「いくつか聞きたいことがあるんだけど」
「どうぞリト殿」
「ありだとう。先ず勇者が確認されてから魔王の因子を確認するのかしら?それだと対応が遅れるのではと思って。二つ目は大公の指輪っていうのを継承するとバカラから聞いていたけど、どんなものなのかしら。あとは議会制で魔王を決めるようになった歴史は何なの?」
マイルズ子爵はやや顔をしかめつつバカラを見据える。どうやら漏らしてはいけないことを告げたのであろうかと思うが、バカラはやはり気にした風ではない。何度目かの溜息を洩らしながらマイルズ子爵が説明を行う。
「順番が変わってしまいますが、3番目の内容についてはラムル殿も指摘していた点ですのでご説明致します。4代目までの魔王様と勇者の戦いを経て、当時までの歴史で確執のあった国家同士が互いに歩み寄りの姿勢を見せたことが要因になります。ストーリアンとザフースタンは種族的な争い止めたこと。ラジールとカドミーニは当時同一国家であり、広い領土をまとめ上げ鎬を削っていた2種族がお互いに矛を収めたこと。こちらは領土を二分しておりますが、以上のことから魔大陸の各国が落ち着きを取り戻したことを持って、各国代表の顔合わせと情報の交換の目的からこのような形式となりました」
「ではほとんどがお互いを知り合うことと形式的なことなのね」
「…確かにそういった点も重視していますが、各国での総意といった点をより念頭に置いて頂く形となります。多種族が住まう魔大陸での処世術とでも思って頂ければ幸いです」
「ではその他についてお聞きしてもよろしいかしら」
「最初の質問に移りますが、確かにその通りです。とはいえ実情として、勇者が現れなければ魔王の因子も発現しないことがこういった事情になっております。原因については現状分かりえません。次の質問の説明についてですが、バカラ侯爵からお聞きした通りです。これは魔王の因子を持つ方が魔王を襲名した後に説明する内容となります。前回会議で初めて参加された方には初耳かと思いますが順序に沿って説明する内容となりますので悪しからずご容赦願いたい」
そう補足するように述べつつ前回質問をしていたラムルを見やる。
「指輪に関しては何やら聞いていたので、わらわのことは気にするでないぞマイルズ」
こら子爵ですと背後の女性が叱りつけるが、本人はあー分かった分かったというだけで「あ、この子聞く気ないな」感が満載である。マイルズ子爵も気にした風でないので触れないでおく。
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