第3章-6
リトは挨拶を手短に終えて席に着く。その後はアプリコットの司会の下順番に所属国と名前が紹介される。
ドネスの長アプリコット。彼女は吸血鬼だそうで、銀髪青眼が特徴的な女性である。先程は感情を露にしていたが、公用の口調に戻っている。
ストーリアンはシロオニ族で主のラムルという少女だ。白い1本角を持ち前髪を切りそろえたショートヘヤーの民族調の服が印象的だ。後ろの女性2人も白い角を持っていることから、シロオニとは肌でなく角の色を特徴としているのかなとリトは推測する。少女の物怖じしない口調にこんな妹が生前いたらなあとふと感じた。
ザフースタンのダブロクはイロオニ族で主をしている。黒い2本の角を持ち身長も高くがっしりした体つきだ。背後の2人も同様に鍛えているようでSPってこんな感じの人たちなのかなあと思いながら紹介を聞く。
カドミーニでは多様な種族が住んでいると聞いているが、獅子族を名乗るハンターレ・レオンは頭部に獣耳を持ち細長い尻尾の先に毛玉のような毛が可愛らしさを感じる人だ。堂々とする様は雑多な種族を纏める族長にふさわしい振る舞いであった。
妖狐族のマイハロイ・フォキシーは雰囲気を感じる艶っぽい女性と印象を受けた。カドミーニと同様にラジールでも多種族が住まうので彼女が族長として統治している。
アーシールではドワーフが治めており、最長老のバルトネルが名を名乗った。老齢でありながらどこかひょうきんな雰囲気を感じる不思議な人だと思い、種族柄なのか150㎝くらいの身長でありながら丸太のような腕と太ももが目に付く。
先程仲裁を務めたエルフはブロッサムと言い、ジプターで長老を務めている。バルトネルと似た雰囲気を感じ親近感を感じる印象を受ける。
最期にマイルズ子爵が紹介を終え紹介が終わったような雰囲気となるが、目線はわたしに向いている。ん?と思いながらよくよく周囲を見ると私の後ろに目線が伸びていることに気付いた。
「バカラ侯爵。あなたも紹介が必要なようだけど」
「…リト様が仰るのであれば。私はバカラ・カーメリー・シガールソット。爵位は侯爵。バルトネル最長老、ブロッサム長老お久しぶりですがご健勝のようで何よりです。その他の皆様は初めまして」
紹介を手早く済ますと着座するが、わたし以上に耳目を集めているようだ。
「バカラのはどうしたのかのう。かの大公にもあんな姿は見せておらんかったもんじゃが」
「ここ100年での一番の驚きじゃのうバルトネル殿。この度の魔王の因子であるリト殿に関係があるようじゃが」
老齢の2人は驚いた様子を隠すことなく話すが、バカラは我関せずを通している。年齢的には同じくらいなのだろうかと思いながらその様子を眺めているとアプリコットが発言する。
「これにて紹介を終えるが、ではそもそも魔王と勇者について説明する。すでにバカラ侯爵より伺っているとのことだが、その情報と照らし合わせて聞いて頂けると助かる。また何か齟齬があれば指摘をお願いできればとも思う。申し訳ないがマイルズ子爵、ご説明頂けないだろうか」
公用の口調で述べたアプリコットはマイルズ子爵を指名するが、何故か小さく溜息をもらすマイルズ子爵に疑問を覚えつつ話を聞き取る。
初投稿となります。
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