第3章-5
「魔王は…魔王でしか勇者は倒せないんだ…父も魔王として勇者と戦って、その任を全うしたんだよ」
そう語るのはアプリコットだが、リトは同情はしてもこちら質問の答えになっていないことに腹を立てる。
「そう。あなたのお父様は立派だったのね。ではあなたがそれを引き継げばいいじゃない」
「それができれば苦労はしませんよ!」
急に声を荒げた様にリトは目を見開く。
「父を殺めた勇者を、ユーラス国を恨んだし、自分が攻め入ってやろうとも考えた…だけど!」
「これこれ、アプリコット殿もそちらのデーモン殿も落ち着きなさい」
静かにその場を制したのはジプターの長老ブロッサムであった。
「バカラ殿に顛末は聞いておるようだがのう。魔大陸での歴史について、魔王と勇者との歴史について今一度振り返るのもよかろう。わしはジプターで長老を務めとるブロッサムというもんじゃが、こちらの紹介とデーモン殿のご紹介も頂けんかのう。今回はその方が穏やかに話は進むもんと思うんじゃが、皆はいかがなもんかな?」
「儂は賛成じゃ。流石年の功じゃのう」
「わしより年上に言われとうないがなあ」
ご年配者2名の掛け合いにより幾分緩和された空気が生まれ、アプリコットもリトも落ち着きを取り戻す。
「申し訳ありません…取り乱して声を荒げてしまいました」
「いえ、わたしもこちらの心情だけでものを申してしまいましたので、こちらこそ申し訳ないです」
「そういって頂けると助かるわ。ブロッサム長老とバルトネル最長老もありがとうございます。皆さんもよろしいでしょうか?」
一同はその言葉に静かに頷く。そしてまず先手を取ったのはリトであった。
「初めまして皆様。わたしはリトと申します。今はデーモンですが、前は別の種族でした。そしておそらくわたしは別の世界から来たと推測してます。別の世界で死んでしまい、この世界で生まれ変わったようなのです。そのことの確証がないままでバカラに…バカラ侯爵に保護されこの度の会談に参列してます」
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