第3章-2
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-ドネス・転移魔法陣-
ドネスの転移魔法陣はドネスの城から数㎞程離れた森の中に存在する。どの国でも基本的には隠れた場所に設置しており、解号、行先、呪文を唱えることで移動が可能となっている。とはいえ、各国とも魔法陣付近には人員を配備しており、使用にあたっては各国を治める者の許可が必要となる。ドネスには寒冷に強い樹木が存在し、その樹木が生い茂る森の中に設置されているが、近くに3軒ほど小屋を構え6名以上での交代制で管理している。
そんなことを母は言っていたなあと回想しながら転移した先の白い森の中を見渡す。ストーリアンの主であるシロオニのラムルは、前回の招集と同様にモンチェロとカルバドスを従えてドネスにやってきた。ストーリアンも寒い土地であり、過ごす分にはそれほど不満はないのだが文官の多いドネスの国柄はやや堅苦しいのが面倒に思っている。
「しかし急な知らせであったが、無事に魔王の因子が見つかってよかったものだ。どういった種族なのかきいておるのか?」
ラムルは倍に近い背丈の違いは気にせずに、モンチェロとカルバドスに質問する。
「さーてね~。うちらの情報量って他国には劣るからねえ。カーメリーのマイルズが見つけたってんなら、他の国も見つけ切らねえ場所のもんだったんじゃねえかねー」
「こらモンチェロ。他国の幹部職のものだ。呼び捨てにせずせめてさん付けで呼びなさい」
左側頭部を刈り込み、右側はストレートの髪の毛を肩にかかるまで伸ばした女性の言葉に、ラムルと同様に前髪を切りそろえた女性は叱りつける。
「デーモンの爵位クラスは転移を使うものが多い。背後に転移して聞かれている可能性も考えて話しなさい」
「魔法が得意ってだけで陰険なことするんだなあ」
「だから口を慎みなさいって。そもそもマイルズ子爵は魔大陸でも上位の強さを誇るデーモンよ。彼一人でシロオニの猛者が何人犠牲になるか…」
「ええい。話が脱線しておる。つまりは分かっておらんのだな」
二人の従者のやり取りを聞いてため息を付くラムル。
「まあモンチェロの言うことには一理ある。かの者の知力、情報力でもってようやく見つけた者だ。前回会議での説明からやアーシールの最長老とジプターの長老と知己の点でもかなり長命とわらわは感じたぞ」
「まあそうですね。デーモン族、ドワーフ族、エルフ族は魔大陸の中でも長命な種族ですので。特にデーモン族は転移を個人で用いることができるのでより情報網は広いのかと」
腰まで伸びるストレートヘヤ―をたなびかせながら、カルバドスはラムルの言葉に返答する。
「まあ行けば分かるんだから、お楽しみってえことで」
「それもそうだな。よしとりあえずドネスの者に案内を託そう」
ラムルの言葉を最後に3人のシロオニは歩みを進めることを決める。雪道に残された足跡を頼りにし、3人のシロオニは少女を先頭に雪道を踏み鳴らして歩いていく。
初投稿となります。
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