第2章-7
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-カーメリ―バカラ侯爵邸執務室‐
「先ずリト様に予め説明したいことがございます。今回お話しする中で現時点では私の中で説明したくないことがございます。なるべく包み隠さずお伝えしたいところですが、どうかその部分についてはご容赦ください」
バカラは口上を述べて恭しく頭を下げる。誰しも話したくないことはあるだろう。もちろんリトはそれを理解している。
「分かりました。気になることについて説明をお願いしますが、伏せたいことについては断っても構いません」
「ありがとうございます。先ずそうですね。何故リト様を匿っているかについてですが、その前に少し昔話をしてもよろしいでしょうか?」
「ええ」
「では、勇者と魔王についての歴史からご説明致します。現在の暦、ユーマ歴とは初代勇者と初代魔王が戦った日から起算され、今日の暦とされております。今はユーマ歴317年になりますが、この暦については初代魔王のことを忘れることのないようにとの思いも込められております。先ず初代勇者についてですが、ユーラス国で生まれ、魔大陸の制圧のために国民から選ばれたとされております。その者の強さはあまりにも強大で、現在の私でも勝てないでしょう。当時男爵位であった私なぞ相手にもされない、それ程の強さでした。当時魔大陸の各種族の上位がこぞって勇者討伐に向かいましたが、ほとんどがその命を散らしました。カーメリーも当時の侯爵、子爵が戦死し、勇者一人に敗北したのです」
生前の歴史の授業でも習ったなと思い出す。AとBが戦争してAが勝ちBは植民地化された、CとDが手を組みEに勝ったが、DがCを裏切った等長い歴史の中ではかなりの数を占めるだろう。今回の話もユーラス国が魔大陸侵略に起源があるようである。違いといえば、個人対国家というところがこの世界と生前の世界との違いなのだなあとぼんやりとリトは思う。
「そんな中立ち上がったのが当時カーメリーの大公クロフネ・カーメリー・カイセルであり、初代魔王と呼ばれる人物です。彼は魔王になる前に三つの特徴を持ち、そして少なくとも当時の魔大陸の歴史において唯一の出来事を起こした人物でもあります」
「特徴って…魔王の因子のこと?」
「その通りです。最も当時大公は紅の瞳を持ってはいましたが、魔王という概念がなかった時代です。後世で彼を語る中での特徴であり、そして彼が残した、現在の魔王の因子という概念を遺言という形で紡ぐ特徴でもあります」
「遺言?」
「こちらは後ほどご説明致しましょう。二つ目の特徴。それは膨大な魔力量と魔法の使い手であり、現在の魔法4元素を体系化した人物であること。更には当時の魔大陸の中で最も強い人物であったことです。最後に三つ目の特徴及び出来事についてですが…。大公はとても優しい方でした。そしてそのことがこの星の核と唯一心を交わした契機になります」
初投稿となります。
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