第187話「自転車で1万2千円!?~青切符が来たで、ながらスマホは財布への直撃や!~」
マリコ:(ヘルメットをかぶって颯爽と登場し、舞台上でブレーキをかけるジェスチャー)キキーッ!止まれ止まれ!どうもー!サチコ・マリコでーす!
サチコ:なんで舞台にヘルメットかぶって来てんねん。あんた今日の衣装どうなっとるんや。
マリコ:今日は「自転車モード」で参りました!なぜかというとな、4月1日からついに始まったんや。
サチコ:何が始まったんや。
マリコ:自転車に青切符!
サチコ:おっ、ちゃんと知っとるやんか。いきなり本題から入ってきたな。
マリコ:知っとるどころやないで。昨日、近所のコンビニまで自転車でスマホ見ながら走ってたら、お巡りさんに「ちょっとよろしいですか」って呼び止められてびびった。
サチコ:あんたすでに取り締まられそうになっとるんか!初日に!
マリコ:お巡りさんの顔が、「いいところに来た」みたいな顔しとって、もう脚がガクガクで。結局は「指導」で終わったんやけど、今日は「次は1万2千円もらうで」って言われた気がして、立ち直れてないねん。
サチコ:ちゃんと理解せんといかんな。今日はその「青切符」の全体像を話そか。マリコ、そもそも青切符って何か、ざっくり説明できるか?
マリコ:青い紙をもらったら財布から大事なお金が出ていく、という魔法の紙やろ。
サチコ:魔法ちゃう!正式名称は「交通反則通告制度」や。自転車で交通違反をした16歳以上の人に、その場で反則金を払う義務を課す制度で、2026年4月1日から全国一斉にスタートした。
マリコ:4月1日!エイプリルフールやんか!「自転車に罰金!嘘です」って落ちがあるかと思ったわ。
サチコ:嘘やない!完全な本番や!これまで自転車の交通違反はどう処理されとったかというと、「口頭注意(指導警告)」か、超重たい「赤切符(刑事手続き)」の二択しかなかった。
マリコ:二択しかなかったんか。「めちゃ軽い」か「めちゃ重い」かの極端な設定やな。居酒屋のメニューが「お通し」か「フルコース5万円」しかないみたいな。
サチコ:ええたとえやな。真ん中がなかったせいで何が起きてたかというと、赤切符は手続きが重くて、検察に送致しても不起訴になることが多くて、「捕まっても実質お咎めなし」になりがちやった。
マリコ:「本当は捕まえたいのに、捕まえても意味がない」という警察もしんどい状態か。
サチコ:そう。だから青切符という「ちょうどいい中間地点」を作ることで、「その場で確実に反則金を払ってもらい、刑事罰にはならなくて前科もつかない」という仕組みにしたわけや。
マリコ:前科がつかないのは助かるな。「過去に自転車で信号無視した女です」なんて前科がついたら、就職活動で書く欄が増えてかなわんもん。
サチコ:そこは大事なポイントや。反則金を期限内に払えば刑事手続きには一切移行しない。反則金の期限は原則、取り締まりを受けた翌日から7日以内で、銀行や郵便局の窓口で払う。
マリコ:7日以内!猶予が一週間か。コンビニで払えたらええのになあ。
サチコ:コンビニは……まあそれは今後の話や。払わなかった場合は刑事手続きへ移行するから、そこは注意が必要や。
マリコ:払わんと刑事事件になるんか。「自転車でスマホ見てたら刑事物語が始まった」は嫌すぎる。
サチコ:ほな、肝心の金額の話をしよか。ここが今日一番みんなが知りたいところやろ。ながらスマホ、つまりスマホを手で持ちながら走ることは何円やと思う?
マリコ:……ちょっと待ってな、想像するだけで怖いけど。3千円とか?
サチコ:1万2千円や。
マリコ:いちまんにせんえん!?コンビニで肉まん120個買えるやんか!
サチコ:肉まんで換算すな!でもそれくらい高い設定になっとる。ながらスマホは「運転中に画面を注視する」「手に持って通話する」だけで即アウト。しかも赤信号でも青信号でも関係ない、走行中に持ってたら1万2千円や。
マリコ:走行中に持ってるだけ!?「LINEの返信見ようとして手に持った瞬間に1万2千円が飛んでいく」のか。指一本で1万2千円の決断や。
サチコ:しかもな、ながらスマホで「実際に交通の危険を生じさせた」場合は青切符ではなく赤切符、つまり刑事手続きになる。
マリコ:スマホで動画見ながら走って歩行者に突っ込んだら、もうそれは刑事事件か。「スマホで笑えるショート動画を見てたら笑えない人生になった」や。
サチコ:次に信号無視は何円やと思う?
マリコ:1万2千円より高い……2万円?
サチコ:6千円や。
マリコ:6千円か!ながらスマホの半分か。「信号守るより、スマホ見ない方が2倍大事」っていう価値設定なんやな。
サチコ:言い方が変やけど、それだけスマホの危険性が重く見られとるちゅうことや。逆走、つまり右側通行も6千円。
マリコ:逆走が6千円か。「車と正面衝突するかもしれへん行為」が6千円って、わかる気もする。
サチコ:一時不停止、「止まれ」の標識を無視することは5千円。傘差し運転も5千円。
マリコ:傘差し運転5千円!雨の日に傘さしながら自転車乗ったら5千円!「濡れるのが嫌」と「5千円払うのが嫌」で板挟みになる雨の日の大阪人よ!
サチコ:防水カッパを買いなさい!次、イヤホンつけて走ったら5千円。
マリコ:イヤホンが5千円!?通勤のポッドキャストを聞きながら走ってる人、全員アウトやん!「経済の勉強をしながら走ったら経済的ダメージを受けた」ことになるんか。
サチコ:ただし「周囲の音が聞こえない状態」という基準があって、片耳だけで音量が低い場合はグレーゾーンやけど、基本的には「安全運転義務違反」として取り締まられる可能性がある。
マリコ:グレーゾーン……。「片耳ならセーフかも」という希望にすがりながら走り続けた先に5千円が待ってるかもしれないわけか。
サチコ:夜間の無灯火も5千円。ブレーキが壊れた自転車に乗るのも5千円。
マリコ:ブレーキ壊れとるのは自転車乗る前に直さなあかんて!「止まれない乗り物で走り回ってたら5千円」じゃなくて、そもそも止まれる乗り物に乗らなあかん!
サチコ:二人乗り、友達と並んで二台で並走する「並進禁止違反」、これが3千円。
マリコ:3千円か。一番安いやつか。「最も軽い違反でも3千円」というのが、この制度の「ゆるいと思うなよ」というメッセージやな。
サチコ:全部で113項目が青切符の対象になっとる。
マリコ:113!?その数字を聞いただけで自転車乗るのが怖くなってきた。「街を走ってるだけでどこかに地雷が埋まってる」感じやんか。
サチコ:113項目の大半は「常識的に危ない行為」やから、普通に走っとれば引っかからへん。ただ「みんなやってるから大丈夫」という感覚がそのままリスクになっとるのが問題や。
マリコ:「みんなやってるから大丈夫」案件か。その論理で人生の失敗をしてきた人は多いからな。
サチコ:ここで大事な話がある。青切符と赤切符をきちんと分けて理解することや。青切符は行政処分で前科なし。赤切符は刑事手続きで前科がつく可能性がある。
マリコ:青は行政、赤は刑事か。「赤信号のほうが重い」と同じ色のルールやな。
サチコ:赤切符になるのは、酒酔い運転、酒気帯び運転、妨害運転(あおり運転)、そして違反によって実際に事故を起こした場合や。酒気帯び運転は2024年11月から刑事罰の対象になっとって、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金や。
マリコ:50万円!?自転車に乗ったまま飲酒したら50万円!?これはもう「自転車が高級外車を買える値段に化ける」やんか。
サチコ:お酒を飲んだ人に自転車を貸した人、同乗した人、お酒を提供した人まで処罰の対象になるから、そこも覚えとかなあかん。
マリコ:飲み屋で「ほな自転車で帰るわ」って言うてる客に黙ってお酒を出し続けたらお店まで罰則対象になるんか。居酒屋さんもこれから確認が必要やな。「ご注文はお飲み物でしょうか。お帰りは自転車ですか?」って聞く時代や。
サチコ:それはそれで正しい対応かもしれへんな。あと、ながらスマホも「保持しながら走る」は青切符1万2千円やけど、「それで実際に危険を生じさせた」場合は赤切符、刑事手続きに移行する。
マリコ:ながらスマホの境界線が「危険が生じたかどうか」か。危険になる前に1万2千円で止めてもらう、という制度の設計やな。
サチコ:そうや。「危険になってからでは遅い」という考え方の制度や。
マリコ:でもサチコ、ここで「全部いきなり青切符」なの?それとも「まず注意してくれる」の?
サチコ:それが大事なポイントで、警察の取り締まりには段階がある。まず指導警告がある。これで従わなかったり、信号無視とかながらスマホみたいに客観的に明らかに危険な行為には、即座に青切符が交付される。
マリコ:「歩道をちょっとスピード出して走ってる」くらいでは最初は注意、でも「赤信号を無視してスマホ見ながら逆走してる」なら一発で青切符ということか。
サチコ:ほぼそういうことや。ただし「一度注意されたのに同じことを繰り返した」場合も即青切符や。
マリコ:「一回目はタダ」ではなくなる可能性もあるわけか。「初回無料キャンペーン」に慣れきった現代人には厳しいな。
サチコ:しかも3年以内に2回以上、危険な違反で青切符や赤切符を受けたら「自転車運転者講習」の受講命令が来る。
マリコ:講習!「繰り返す常習犯は学校に行け」システムなんやな。
サチコ:3時間の講習で受講料が6千円かかる。受講命令を無視したら5万円以下の罰金。
マリコ:受講料を払わずに命令を無視したら5万円……。「6千円を渋ったら5万円になる」という、世の中の不条理をまとめたみたいな設計やな。
サチコ:この講習制度は14歳以上が対象になっとる。青切符は16歳以上やけど、講習はより低い年齢から対象になる。
マリコ:14歳!中学2年生から講習の対象になるんか。「チャリで信号無視を繰り返した中2が講習に行かされる」という、ちょっと胸が痛い話やな。
サチコ:それだけ若い年代からしっかりルールを身につけてほしいという意味でもある。では、16歳未満はどうなるかというと、青切符は適用されない。指導警告か、安全指導カードを渡すという形や。
マリコ:小学生や中学生が赤信号無視しても「お説教と指導カード」で終わるのか。「カードをもらっても」という子どもの心境が想像できて笑ってしまうけど、大事な制度やな。
サチコ:次に「自転車は車の免許の点数に影響するか」という問いがある。気になる人も多いやろ。
マリコ:それ!気になる!自転車で青切符もらったら、車の免許のゴールドが消えるの?
サチコ:消えへん。自転車の青切符は運転免許の違反点数制度の対象外や。反則金を払うだけで、自動車免許の点数は動かへん。
マリコ:ゴールド免許は無事か!!助かった!私のゴールドは守られた!
サチコ:あんた、車の免許持ってたんか。
マリコ:持ってるで!ペーパーやけど!でもゴールドは持っとる!ゴールドは私の誇りや!
サチコ:ペーパーでゴールドの誇りを守るために自転車も安全運転するという、逆説的な動機付けやな。ただし例外があって、ひき逃げとか酒気帯び運転みたいな重大な違反をしたら、車の免許が停止される可能性もある。
マリコ:例外はちゃんと覚えとくわ。「自転車はゴールドに無関係やけど、重大事件は別や」ということで。
サチコ:次、ヘルメットの話をしよか。
マリコ:ヘルメット!うちが今かぶってるやつやな。これ、被らな捕まるの?
サチコ:ヘルメット未着用は、現時点では青切符の対象にはなっていない。2023年4月から「努力義務」になっとるけど、罰則がないねん。
マリコ:努力義務か。「できれば被ってね、でも罰金はないよ」というフワっとした義務やな。
サチコ:ただ数字で見ると、去年の自転車乗車中の死亡事故のうち約5割が頭部への損傷が原因で、ヘルメットをしてなかった人の致死率は、してた人の約1.4倍になっとる。
マリコ:1.4倍……。これは怖い数字や。「ヘルメットがないと死ぬ確率が4割増える」という話やろ。罰金がなくても被るべきやな。
サチコ:そう。今日かぶってきたマリコの判断は正しい。
マリコ:ありがとさん!じゃあこのヘルメット、今日は正解やったな!ちなみにこれ、去年の万博で売っとった記念ヘルメットやけど。
サチコ:あの万博は2025年で終わっとるわ!1年遅れのグッズを誇らしげに被ってくるな!
マリコ:いや、これはもうヴィンテージやで。
サチコ:1年でヴィンテージはならへんわ!次に行くで。なぜこの制度が「今」必要やったかという背景の話や。
マリコ:背景!さっきちらっと出てきたけど、もっと詳しく教えてもらおか。
サチコ:自転車事故が全然減らへんかったことが一番の原因や。全体の交通事故は減少傾向にあるのに、自転車が絡む事故は年間約7万件で横ばいのまま続いてた。
マリコ:全体は減ってるのに自転車だけが横ばい。「クラス全体の成績は上がってるのに自転車チームだけが変わってない」状態か。
サチコ:しかも死亡・重傷事故の約75パーセントで、自転車側にも法令違反があったという統計がある。
マリコ:75パーセント!4件のうち3件で自転車が何かしら違反してた、ということか。「自転車が被害者に見えても、実は違反してたケースが多い」という話やな。
サチコ:そうや。その違反がなければ助かった命もある、という観点で、「ルールを守らせる仕組みを作ろう」となったわけや。
マリコ:従来は「注意か、いきなり刑事」の二択やったから中間がなくて機能しとらんかった、と。
サチコ:ほぼその通りや。赤切符は手続きが重すぎて、警察も使いにくい。だから「口頭注意で終わらせる」か「見逃す」という現場が増えてしまって、違反者に「自転車はやっても大丈夫」というメッセージを与え続けてしまった。
マリコ:「捕まっても大した罰がない」という学習をしてしまったわけか。学校で言えば「校則があっても先生が怒らへんから破り放題」という状況になっとったと。
サチコ:そして今回の制度で「その場で確実に反則金を払う」という実効性が担保された。
マリコ:「やったら確実にコストがかかる」という仕組みか。人間は損を嫌う生き物やから、これは効く可能性が高い。
サチコ:もう一つ背景がある。自転車そのものが変わったんや。昔の自転車より今の電動アシスト自転車は、加速が速くて重量もあって、歩行者への衝撃が全然違う。
マリコ:電動アシスト!坂道がらくらく登れるやつやな。あれ乗ると「私、めちゃ脚力あるやん」と勘違いしてどんどん速く走ってしまうやつ。
サチコ:「実質的に軽いバイクに近い危険性を持つ乗り物」になっとるのに、扱いが昔の自転車のままやった。そこのギャップを埋める意味もある。
マリコ:なるほど。「乗り物の危険性が上がったのに、ルールの厳しさが追いついてなかった」という遅延があったわけか。
サチコ:あとフードデリバリーの配達員の問題もある。配達員が信号無視や逆走をして事故を起こすケースへの社会的な不満が積み重なってた。
マリコ:そうやそうや!スマホを見ながら猛スピードで走ってくる配達の人、怖いと思ったことある!あの人たちも今後は1万2千円の圧力がかかるわけか。
サチコ:業務で使う場合も関係ない。同じ道路を走る車両として同じルールに従う義務があるねん。
マリコ:「仕事やから急いでるから多少はいいやろ」は通らんのやな。
サチコ:制度の本質的な狙いはここや。「自転車を歩行者に近い乗り物」から「道路を走る車両」として社会全体に再定義させることなんや。
マリコ:なるほど。「自転車に乗ったら、車と同じ責任を持つ者になる」という意識の転換が目的やと。
サチコ:そう。「自転車だから許される」という感覚そのものをなくすための制度や。
マリコ:「自由な乗り物」やったのが「責任を持つ乗り物」になる。なんか寂しいような気もするけど、死亡事故が減るならしゃあないな。
サチコ:で、実際にどこで取り締まりが行われやすいかという話も重要や。警察庁は「危険行為が多い場所を重点的に取り締まる」方針を示しとる。
マリコ:具体的にはどこなん?
サチコ:交差点と歩道の出入り口付近や。信号無視や一時不停止が起きやすい場所やから、警察官が張り込みやすい。あとは商店街とか、歩行者と自転車が混在する場所。
マリコ:商店街!大阪の天神橋筋商店街とか、あそこを自転車で走るのがアウトになりやすいのか。
サチコ:歩道を徐行せず走ったら6千円の可能性がある。
マリコ:天神橋筋で6千円を徴収されたら、商店街で買い物どころやないな。商店街に行くのに商店街で破産する。
サチコ:夜間の無灯火も取り締まりやすい。暗い道を灯りもなく走ってたら一発で目立つからな。
マリコ:夜は暗くて目立たへんと思ってても、「灯りがない」ことで逆に目立つというジレンマやな。忍者の逆や。
サチコ:忍者は暗くて目立たないが、無灯火自転車は暗いから目立つ、確かに逆やな。
マリコ:ここで正直に言うてもええか。私が一番心配してるのが、「知らんかった」ちゅう違反なんや。
サチコ:ほな「知らなかった」について詳しく言うたるわ。この制度のポイントは「新しい違反が増えたわけではない」ことや。
マリコ:どういうこと?
サチコ:信号無視も、逆走も、ながらスマホも、傘差し運転も、全部もともと違法やった。今まで見逃されとっただけで、もともとアウトやったんや。
マリコ:「ずっと違反やったのに、罰せられてなかっただけ」!?
サチコ:そう。だから「知らなかった」ではなく「知っとったけど捕まらへんと思ってた」が正確なんや。
マリコ:これは耳が痛い話やなあ。「傘差し運転ってずっとやってたけど、ずっと違法やったんか」という人、日本中にめちゃくちゃ多いと思う。
サチコ:まさにそこが制度の本質的な狙いで、「あれ、これって違反やったんか」という気づきを社会全体で促すことが目的なんや。
マリコ:「無知は正直者ではない」ということか。
サチコ:「法律を知らなくても適用される」という原則通りや。雨の日に傘をさして片手運転して歩道をスマホ見ながらイヤホンして走ってたとしたら、複数の違反がどんどん重なっていく。
マリコ:それは全部合算されるの?それとも一番重い違反だけ?
サチコ:それぞれ別々の違反として取り扱われる可能性があるから、理論上は複数の青切符が同時に来ることもある。
マリコ:「傘5千円、スマホ1万2千円、イヤホン5千円」で2万2千円!雨の日に自転車乗ったら2万2千円!これはもうタクシーに乗った方が安い!
サチコ:正解!「自転車の節約が、一発で逆転する」日が来たということや。
マリコ:自転車って「お金のかからない乗り物」のイメージやったけど、違反したら一瞬で高くなるんやな。
サチコ:さらにここが重要で、ゴールド免許への影響はないと言ったけど、自転車の青切符で払った反則金は「戻ってこない」し、「保険から出ることもない」。
マリコ:自腹確定!どんな保険でも補填されないのか。
サチコ:反則金は罰金ではなく行政処分やから、損害保険での補填対象外や。つまり「自分の財布から確実に出ていく」お金や。
マリコ:これは痛い。しかも「自転車保険に入ってたとしても、自分の違反の反則金は出ない」ちゅうことか。
サチコ:自転車保険は「自分が相手を傷つけた場合の賠償」に備えるものやから、反則金とは別の話や。でも自転車保険の話をするなら、自転車が歩行者に当たった高額賠償の事例があって、小学生が歩行者に衝突して約9千500万円の賠償命令が出た判例もある。
マリコ:9千500万円!?小学生が!?その子のお家が一軒倒れてしまう金額やんか!
サチコ:だから自転車保険の加入も各地で義務化が進んでいて、東京や大阪をはじめ多くの自治体で義務になっとる。
マリコ:小学生の事故でも家庭がそんな責任を負うのか……自転車って「気軽な乗り物」やと思ってたけど、実は相当重い乗り物なんやな。
サチコ:「軽車両」という名前やけど、その社会的責任は重い。
マリコ:「軽」という名前に騙されてきた。軽自動車と同じやな。「軽」でも事故ったら大変なことになるのと同じ。
サチコ:まとめると、制度の構造は「指導警告→青切符→赤切符」の三段階。青切符の対象は113項目で3千円から1万2千円。ながらスマホが最高額で1万2千円。酒気帯びや妨害運転などは赤切符で刑事事件。16歳未満は青切符の対象外。自動車免許のゴールドへの影響はなし。常習者には講習命令。これが今日の核心や。
マリコ:よっしゃ!うちもまとめてもええか。
サチコ:ええで。
マリコ:結局のところ「自転車に乗ったあなたは、もう車と同じ存在です」という宣言が今回の制度やと思う。
サチコ:そうやな。
マリコ:「歩行者のように扱ってもらえる乗り物」やと思ってたのに「車両として扱われる存在」になった。それが一番大きな変化や。
サチコ:その変化に気づかずに今まで通りのつもりで乗ってたら、財布が大変なことになる、ということやな。
マリコ:「意識は歩行者のまま、体は車両として扱われる」というギャップが事故を生んでたんやろな。そのギャップを埋めるための制度が青切符や。
サチコ:今日一番のまとめやった。
マリコ:でもなサチコ、私が一番気になってることがあんねん。
サチコ:何や。
マリコ:自転車の青切符って、自転車の横を車が幅寄せして抜いたらあかんちゅうルール改正があったやんか。
サチコ:おっ、よう調べとるな。4月1日から同時に、車が自転車の横を追い抜く時に一定距離を空けて減速しなあかんルールも施行されたんや。違反したら7千円と違反点数2点。
マリコ:自転車を守るルールも同時にできたんか!ということは「自転車を車両として守る義務も車に課した」わけやな。「自転車は守られる側でもあるけど守らなあかん側でもある」という相互の制度改正か。
サチコ:鋭いな。自転車を「道路の弱者」として守りながら、「道路の危険因子」としても取り締まる。両方の役割がある。
マリコ:「守られるけど守れ」か。なんか結婚みたいやな。
サチコ:それはちゃうやろ!でもまあ、道路の上での「共存」を制度として設計しようとしてる、ということやな。
マリコ:最後に一つだけ聞いてもええか。取り締まりはこれからどんどん厳しくなっていくんかいな?
サチコ:制度が始まって間もないから、まずは「知ってもらうこと」と「意識を変えること」が優先やと思う。ただ悪質な違反には確実に取り締まりが入るし、特にながらスマホと信号無視は最初から容赦がないと警察は言うてる。
マリコ:「最初に見せしめ的に取り締まることで全体の意識を変える」という作戦か。
サチコ:昔から「法律は作った瞬間が一番厳しい」という傾向がある。最初は緊張感を持って乗るべきやろな。
マリコ:「最初の1か月が怖い」ということやな。ほな私、しばらく自転車の代わりに歩いて買い物に行くわ。
サチコ:それは健康にもええな。年金の話で「健康寿命1年で1兆円の節約」って言ったやん。あれと一緒で、自転車で体を鍛えて健康に走れば罰金も払わずに済む。
マリコ:前回の年金の話と繋がった!「老後のために健康的に、かつ安全に自転車に乗れ」ということか。
サチコ:そして前の漫才で言ったトランプさんみたいに「俺がルールだ」みたいな発想は、日本の道路では1万2千円という形で否定されんねん。
マリコ:「トランプさんも日本の交差点では青切符が来る」か。「I alone can ride」とか言うても無理やってことやな。
サチコ:大統領に限らず信号は守れ!
マリコ:最後に宣言しよか。私はこれから信号を守り、逆走をやめ、スマホは見ず、両手でハンドルを握り、ライトをつけて夜道を走る「模範的市民」になります!
サチコ:急にどうした。
マリコ:ただし!コーンスープの自販機を発見した時だけは、思わず手を伸ばしてしまうかもしれへん。その時は1万2千円を覚悟する!
サチコ:覚悟するな!止まって降りてから買え!走行中に自販機の前で手を伸ばしたらながらスマホより危ないわ!しかも自販機ならスマホですらない!「ながら購買」という新しい違反を作るな!
マリコ:あかん、やっぱり自転車より先に「コーンスープの誘惑に勝つ」という課題を解決せな!
サチコ:それが最大の交通安全課題やな!って、もうええわ!
マリコ・サチコ:どうもありがとうございましたー!




