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サチコとマリコの時事ネタ漫才  作者: 藍埜佑


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第186話「月は宇宙のガソリンスタンド!?~アルテミスIIの衝撃と、火星移住を阻むNatureの警告~」

マリコ「どうもー!サチコ・マリコでーす!」


サチコ「よろしくお願いしますー」


マリコ「サチコ、私な、決めたわ。今年の夏休みは、ちょっと遠出しよう思て」


サチコ「へー、どこ行くん?ハワイ?沖縄?」


マリコ「月」


サチコ「……場所のスケールがバグっとるな。あんた、月まで行く交通手段あんのかいな」


マリコ「今まさに、アメリカが迎えに来てくれとるやん!アルテミスIIやで!」


サチコ「おっ、よう知っとるな。2026年4月1日、ついに打ち上げられたからな。NASAの4人の宇宙飛行士が今、月をぐるっと回って地球に帰ってくるっていう、54年ぶりの歴史的な有人ミッションの真っ最中や」


マリコ「せやねん!私もオリオン宇宙船の端っこに、ガムテープでたこ焼き器貼り付けて一緒に行こうと思たんやけど、NASAから『重量オーバーです』って断られたわ」


サチコ「当たり前や!SLSロケットっていう世界最強のロケットで、1g単位の計算しとるのに、鉄板持ち込めるか!ってか、そもそもそんなわけあるかい!でもなマリコ、このアルテミス計画は単に『月に行っておしまい』やないねん。月を持続的な拠点にして、火星に行くためのステップにするのが目的なんや」


マリコ「拠点?月を別荘にするってこと?」


サチコ「別荘というか、中継地やな。特に注目されとんのが、月の南極付近や。ここには水が氷の状態で眠っとるって言われとる」


マリコ「水!かき氷食べ放題やん!」


サチコ「ほんま自分は食い意地だけは宇宙一やな!この水は飲み水だけやなくて、電気分解して水素と酸素にすれば、ロケットの燃料になるんや。つまり月は、火星へ行くための『宇宙のガソリンスタンド』になるわけや」


マリコ「ガソリンスタンド!セルフかな?リッターいくらやろ。ポイントカード溜まるかな」


サチコ「宇宙規模のポイ活すな!でもな、このガソリンスタンドの場所取りが、今まさに米中の火花散る争いになっとるんや。中国は嫦娥7号っていう探査機を2026年中に南極に送る計画やし、2030年までには有人着陸を目指しとる。さらにロシアと手ぇ組んで、月の裏側に原子力発電所を作るなんて話も出とるんやで」


マリコ「月で原発!?うわー、なんかSF映画の悪役の基地みたいになってきたな。インドはどうなん?」


サチコ「インドも勢いすごいで。低コストで月着陸を成功させた実績を持って、2026年はガガニャーンっていう有人宇宙船の無人試験を繰り返して、いよいよ有人飛行へ王手や。日本も負けてへんで。JAXAはアルテミス計画の一環として、トヨタと一緒に『ルナ・クルーザー』っていう、宇宙服脱いでリラックスできる与圧ローバを開発しとるんや」


マリコ「トヨタの宇宙カー!キャンピングカーみたいに中でたこ焼き焼けるんかな」


サチコ「密閉空間でソースの匂い充満させんなや!でもな、マリコ。ここで一番の有名人、イーロン・マスクさんの話もしとかなあかんわ」


マリコ「出た!スペースXの社長!火星に100万人住まわせるって言うてた人やろ」


サチコ「そう。スターシップっていう全長120mの超巨大ロケットで、コスト革命を起こそうとしとる。2026年にはバージョン3っていう火星対応仕様の試験も進んどる。でもな、最近、学術誌のNatureに冷や水を浴びせられるような研究結果が載ったんや」


マリコ「Nature?あの、世界で一番賢い人が読むジャンプみたいなやつ?」


サチコ「例えが雑やな!その研究によると、マスクさんの今の計画では、火星に移住して帰ってくるためのミッション設計が、計算上どうしても再現できへんらしいねん」


マリコ「えっ!帰られへんの?」


サチコ「技術的なギャップがデカすぎるんや。宇宙空間での給油とか、火星表面での大規模な資源利用(ISRU)、さらには放射線防護とか、まだ解決してへん課題が山盛りやと。今の公開データだけやと、現実的には2040年代以降にならんと大規模移住は無理ちゃうかって言われとる」


マリコ「2040年……。私、もうおばあちゃんやん。腰痛めて火星の階段登られへんわ」


サチコ「火星にエレベーター作ってもらえ!でもな、こういう技術的ハードルがあるからこそ、NASAは慎重に進めとるんや。でも、あのおじいちゃんがまたややこしいこと言うてきたやろ」


マリコ「おじいちゃん?ああ、第47代大統領のトランプさんか」


サチコ「そうや。トランプさんは最近『火星より月や!月を優先して自立都市を作れ!』ってスペースXにハッパをかけとるらしいけど、予算とかスケジュールをコロコロ変えるから現場はパニックや。さらに『アルテミスIIの後は、もっとペースを上げろ!毎年着陸しろ!』って無茶振りしとる」


マリコ「えええ、トランプさん、宇宙でもディール(取引)しとんの?『月を安く譲ってくれ。代わりに私の金文字の看板立てさせてくれ』とか言うてそうやな」


サチコ「看板はいらん!でもほんま、経済政策に軍事介入に、今度は宇宙開発のタイムラインまでひっくり返して。結局このおじいちゃんはほんま何がしたいねん!って思うわ!」


マリコ「そら、宇宙一の富豪になることちゃう?火星の土地にトランプタワー建てるのが夢なんやろ」


サチコ「ありそうで怖いわ!でもな、真面目な話、宇宙開発は米中の覇権争いの道具になっとる。月南極の『安全区域』をアメリカが確保しようとしたら、中国が『それは領有権の侵害や』って反発したり。昔の南極条約みたいなルール作りが急がれとるんや」


マリコ「へー。宇宙でも法律とかあるんやな。私が月でたこ焼き売っても、営業許可証いるんかな」


サチコ「月面資源利用ルールっていうのがアルテミス合意に盛り込まれとるから、あんたのソースの配合も国際管理されるかもしれへんな」


マリコ「ソースは国家機密やで!でもな、サチコ。話聞いてて思ったわ。宇宙って夢があるけど、結局は地球のドロドロした喧嘩が持ち込まれとるだけやない?」


サチコ「鋭いな。でも、それも人間らしさというか。マスクさんの野望も、中国のキャッチアップも、NASAのプライドも、全部が混ざり合って今のロケットが飛んどるんや」


マリコ「なるほどなー。Natureのお利口さんたちが『無理や』言うても、マスクさんなら『よし、じゃあ宇宙でたこ焼き焼いて物理法則無視したるわ』って言いそうやもん」


サチコ「言いそうやけど、物理法則は無視できへんのや!重力の影響でたこ焼きが楕円形になるわ!」


マリコ「それただの不格好なたこ焼きやん!じゃあサチコ、日本はどう動くのが正解なん?」


サチコ「日本は独自の精密技術、サンプルリターンとか月面ローバの技術を武器に、国際協力の不可欠なパートナーとしての地位を固めることやな。2026年度には火星の衛星フォボスから砂を持って帰るMMX計画も控えとるし、ニッチな分野で世界一を目指すのが日本スタイルや」


マリコ「フォボスの砂!塩の代わりにたこ焼きにかけたら美味そうやな」


サチコ「ジャリジャリだけや!そもそも食うな!まあ、とにかく、2026年は宇宙開発の転換点や。アルテミスIIが成功して、月の裏側を人間が見る日がまた来たんやから」


マリコ「よし!私も決めた。月に行く前に、まずは近所のスーパーで宇宙食のカレーでも買うて、予行演習するわ!」


サチコ「それただのレトルトカレーや!美味いけどもやな!もうええわ!」


マリコ・サチコ「ありがとうございましたー!」

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