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完璧な幼馴染と凡人な僕  作者: Kouga
一学期
17/20

休み時間1

「先輩!遅いです!」


「遅くねーよ、時間通りだ」


「普通、一時間前行動ですよ!」


「聞いたことねーよ、百歩譲って五分前とか十分前だろ」


「百とか五とか十とか、数字をいっぱい並べないでください!数学は苦手なんです!」


「たいした数字並べてねーし、あと数学関係ないから」


「むー」


 井上はわかりやすく頬を膨らませている。


 今日は日曜日。なぜ休みの日にこの後輩と待ち合わせをしているかというと……。



(二日前の金曜日)



「私とデートしましょう!」


「いきなり何言ってんの?」


 開口一番にそんな言葉を聞いた僕は、なぜ?という気持ちでいっぱいだった。


「先輩、女の子とデートしたことないですよね?」


「うるせー、ほっとけ」


 彼女どころか友達もいない僕がデートできるわけがない。ちなみに、幼馴染のあいつはカウントしない!


「先週の火曜日に何をしたか覚えています?」


「なにって、ヘリで富士山、ジェット機でハワイに行ったな」


「そうです!で結果どうでしたか?」


 どうでしたか?って訊かれても、質問の意図が読めない。


「楽しかったよ」


「違います!そこじゃなくて」


 えー、楽しかった以外に感想ないんだけど。あー、あのことか?


「可愛かったよ」


「え?何言ってるんですか?」


「え?水着の感想を聞きたかったんじゃないの?」


「違いますよ!先輩は何のために富士山とハワイに行ったんですか?」


「あー、そういえば」


 頭の中の疑問が消えた。この後輩は僕が死ぬ未来を変えるために、そこまでしてくれたんだった。


「そうです!そして結果は残念で終わりました。なのでデートします!」


「いや、どうしてそうなるんだ?」


「べ、別に先輩のことが好きだからデートに誘ったわけではないですよ」


 井上は焦った様子で否定した。僕が知りたいのはそこではないのだが。


「先輩はデートしたことが無いので、前回同様未体験のことをやってみようという考えです」


「前回同様なら結果も同様に失敗するんじゃないか?」


「そこは任せてください!ちゃんと考えてあります」


「わかった、そこは任せよう。で、デートはいつにするんだ?」


「そうですね、なるべく早くがいいので今週の日曜日にしましょう。日曜日は空いてますか?」


「あーどうだろう?もしかしたら、あいつが家に来るかも」


「はぁ……。やっぱり、先輩の優先順位ってそっちが先なんですね……」


 なぜか落ち込んだ様子の井上。あいつが家に来るのは毎週のことだから、優先順位とかよく考えたことなかった。


「まぁ、そこの問題は大丈夫です。日曜日に予定がないことはもう知ってます。前に確認とれと言われたので一応の確認です」


 なるほど、井上は成長しているのか。頭をなでて褒めてあげる。


「なっ!何ですか先輩?」


 しかし自分の予定を井上が知っているのは、なんか腹立つ。なでる手でそのまま髪を乱してあげた。


「わー!やめろー!セットに何時間かかると思ってるんだ!」


「なんか腹立った」


「むー!」


 頬を膨らます井上が髪を整える。やりすぎたかな?


「とりあえず!日曜日!いいですね!」


「わかったよ」



 そんな感じで今に至る。井上の言った通り、あいつは用事があると、家には来なかった。


「それより先輩!私の服どうですか?」


 無邪気な顔できいてきた。


「そうだな、似合ってるんじゃないか?季節にもあっていて涼しそうだし」


「ほぉー、先輩にしてはいい返答ですね」


 何を試されたのか分からないが、機嫌が取れたので良しとしよう。


「ところで、今日はどこに行くんだ?」


「そうですね、先輩はどこか行きたい場所あります?」


「なんでノープランなんだよ。この前考えるって言ってなかったか?」


「ノープランじゃありません!」


「いや、ノープランだろ!」


「いいえ、これは先輩の行きたいところへ行くっていうプランです!」


「どういうこと?」


 僕としては、この前富士山とハワイに行ったから、次はどんな所に行くのか、半分ドキドキ半分ワクワクだったのだが。


「前は私が決めた場所にほぼ強制で連れて行ったので、次は先輩自身に選択してもらうことで未来が変わるのではないかと思った感じです!」


「なるほど」


 井上なりにちゃんとした考えがあったのか。個人的な感想はそんなことで未来が変わる可能性は低いように感じた。しかし、ゼロではないのでやってみるのはありとも思う。せっかく井上が考えてくれたのもあるしな。


「で!行きたいところあります?どこでもいいですよ」


「そうだな、デートってことだし動物園か遊園地かな?水族館もいいな」


「いいですね、この前みたいに全部行きます?」


「いや、ゆっくりしたいし移動時間もったいない気がするから一か所がいいな」


 出かけるということで親からお小遣いはもらっているが、遊園地は足りるかどうか不安だ。入場料だけの動物園とかの方が良い気がする。


「では、どこにします?」


「ペットを飼っていないから動物園がいいな、今週は大変だったから癒されたい」


「確かに大変でしたね……」


 申し訳なさそうに笑っている。そんなつもりで言ったわけではないが、井上のせいみたいに聞こえてしまった。申し訳ない。


「どこの動物園がいいんだろう?せっかくだし大きい所がいいよね」


「でしたら!アメリカにある世界一の動物園に行きましょう!」


 また、すごい所に行こうとしている。そうなると移動手段とかその他もろもろ全部が井上にお願いしないといけなくなる。それはもうデートではなくなる気がする。


「却下!日本のなかで電車で行ける場所がいい!」


「そうですか、残念です。また今度にしましょう」


「……まぁいいや、とりあえず駅に行こう」


「そうですね」


 動物園に行くため駅に向かった。向かってる途中、スマホでどこの動物園がいいか相談して、お互い小学校の頃に行ったことのある動物園に決まった。

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