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第15話 天才リズ

 自称天才リズの魔法具店へ行き。中にゾロゾロと入るとリズは船の模型を弄っている。ほかの5人は店の商品をあれこれ見て回っていた。

 

 リズはこっちを見るとすぐに挨拶をしてきた。

 「お? コンロを買った兄ちゃんやないか。コンロの調子が悪かった?」

 どうやらコンロ故障と思ったらしい。

 「いや、コンロの調子は悪くない。今日来たの欲しい物があるんだ」

 リズはまた商品を買ってくれると思って嬉しそうだ。

 「ええよ、何が欲しいや? この天才リズ様に不可能はないで」

 (この自称天才様は腕の方はわからないが、自信だけはすごい)

 「欲しいのは声を拡張する魔法具。それとオーダーメイドになるけど回る機械が欲しい、具体的に言うと野菜などの物をぐちゃぐちゃにする道具が欲しい」

 (声を拡張する魔法具はスピーカー。野菜をぐちゃぐちゃにする道具はミキサー。俺はホットドッグはトマトソースで食べたいんだ、手で切ってもいいけど面倒くさすぎる)


 「声の拡張の魔法具なら作れるよ。昔は軍同士で戦争する指示を出す時に使っていたんやけど、今では民兵の方が多いからあんまり使わない魔法具になったのがあるで。民兵は声が聞こえても指示には従わないから。

 回る機械は丁度今私開発してる魔法具なんやけど、これは船に取り付けて車輪のように回せば早く走れると思うんやよね。でもお金がなくてできんなかったな。それを小型にすればいいだけだから多分できるわ、でも部品は金属でやらんといかんから工房に依頼しないと……野菜をぐちゃぐちゃにしてなんのつもりや?」

 (どうやらリズは一人ですでに地球では蒸気船に近い物を作ろうとしてるらしい。風を帆で受けて走る船から外車輪を動かす船にまで発想するなんて間違いなく俺にはできない。

 魔法がある分科学方面はあまり進化しなかったようだ、だが科学と違う原理で同じ結果を求めることができる)

 「じゃ両方頼む。工房はここにいる街一の鍛冶師ドランさんに頼むといいよ。用途は出来てからのお楽しみだ。設計図を描いておくね」

 ドランは街一の鍛冶師を褒められて我慢しょうとしてるが口元がにやけてる。

 リズはドラン工房を知っていたのか嬉しそうに「うんうん」と声を出しながら頷き。設計図を描くのを凝視してくる。

 設計図と言いながら実際はミキサーの絵を描いてるようなものだ。容器と4枚羽カッターと蓋しかわからないから残りはドランとリズの仕事だ。



 描かれた設計図をドランとリズは二人して見るが用途がわからないため明確のイメージが湧かないらしい。しかしそもそもこの世界にソースがないのにイメージなどできるはずはない。味付けは塩か香辛料の類で済ませるからソースのイメージのしょうがない。

 それでも二人は相談しながら最終的にどうにかできそうという結果に落ち着いた。

 

 

 

 二人が相談し終えて、リズがさっそく作ると言い始めたので少し見学することにした。

 リズは金属の板に釘みたいな物で魔法陣みたいなものを描き始める。集中力が凄まじく部屋の誰もが邪魔しないように静かに見守っていた。

 2時間ほどすると描き終えてようで魔法陣を見せてくれた。その間に4人は飽きて「食材を買いに行ってそのまま帰る」と言って帰った。この魔法陣はドランさんと相談して作った物で真ん中には綺麗な凹みがある。まるでネジを入れる穴のようだ。

 リズが言うにはこの魔法陣は昔からあるもので風に属してる。魔法陣の上に物を置くとそれが回り始めるらしい、つまり4枚羽カッター中心を棒で差して魔法陣の上に固定すればそれだけで回り始める。ただし魔力がないと魔法陣は動かない。魔法陣を刻まれた金属板の上に魔石を置けば魔法陣は発動する。魔法陣は劣化しないようにその上に魔法の膜が張られる、これによって劣化もしないが書き換えもできなくなる。

 現代社会に生きる人間としては電気だと思っていたのだがしかし物が回る魔法陣は風しかないらしい、異世界に俺の常識は通じない様だ。

 出来上がった魔法陣を持ってドランは板を持って嬉しそうに工房に帰った。

 


 

 ドランが帰った後にリズは今回の支払いを求めてきた。

 「今回の仕事は10万Rでええよ。新しい物も見れたしね」

 (10万Rでは安いかどうかわからないが多分安いのだろう。ここは経費としてマーチャさんに請求しないと)

 「分かった、声を拡張する魔道具と一緒に払うよ。金額だけ言ってくれればいい、物が完成したらすぐに払うよ」

 支払いをすぐにしてくれないと分かって少し拗ねてしまった。

 「船の車輪を開発するのに明日食べるお金もあらへんよ」

 魔石に金を使いすぎてご飯が食べられないとは色々と残念な子かもしれない。

 「でもお金はもうクリスに渡したからないよ。なんでそんなに新しい船を作りたいの?」

 リズは質問に昔を思い出すように話し始めた。

 「速い船があれば魔物捕まりにくくなって東大陸に行きやすいやろ? それに新しい船を作って売ればまた新しい魔法具作れるやんか」

 (リズはどうやら根っからの職人のようだ、理解できないけど憧れる。しかもリズはそれだけの力があるように見えた。リズとドランがいれば欲しいのも全部作れるかもしれない)

 「それはいいな、完成したら売ってくれよ」

 リズを茶化すと嬉しそうに笑った。

 ご飯を食べるお金がないと言ってたので家に誘うと「うちは安くない」と断られた。


リズを関西弁にしたのを後悔したます。

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