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第14話 交渉その3

 役所を出るとマーチャは商人仲間に会いに行くと分かれた。

 

 「これからどうするの?」

 クリスは興味深そうに聞いてきた。

 「取りあえずはドランさんに知らせないと、走っていくぞ」

 そう言って走り出すと4人はなぜ?という表情で走ってついてくる。

 (やったぞ、このイベント成功すればドラン鍋でお金が取れる。ハンバーグにラーメンと次々この世界にない新商品を出せば儲かるはず)

 俺が嬉しそうに走ってるとシークは俺を追い抜き、人差し指を天に突き出しながら突っ走る。

 ウィズは未だに走る意味が分からず、取りあえず置いてかれないように走る。

 イラーリは俺の後ろをぴったりとついて走る。

 クリスはあまり走ったことないのか、両手を左右に振りながら女の子走りをしていた。胸も同様に左右に揺れてるため道行く男性たちから視線が注がれる。

 俺は交渉が成功したと一刻も早くドランに知らせようと走る、同時にこの世界で初めて何かを成し遂げる実感の嬉しさが俺を突き動かす。


 


 工房に入るとドワーフたちが俺専用の鍋を造っていた。

 「ドランさんやりましたよ。俺の作戦に商業ギルドも役所も乗ってくれました」

 ドランは俺が興奮して話してることをよく分かっておらず、実際作戦も聞いていないのだ。

 「お前が言ってた作戦の事か? 鍋を売るのに何で商業ギルドは分かるが何で役所が必要なんだ?」

 興奮した俺はすぐにドランに作戦の詳細を説明する。

 「俺が実際にドラン鍋を使って、人の集まってる広場で料理してそれを食べてもらう計画なんだよ。実際にドラン鍋が本当に短時間で料理ができるところを沢山の人に見て貰えればみんな欲しがるに決まってますよ」

 ドランは興奮した俺の話を聞くと自分の想像を超えていたのかひどく驚いている。

 「そうなんことを考えていたのか、お前は何て奴だ。具体的にどうするんだ? 何時やるのか決まってるのか?」

 ドランはこのイベントが失敗できないと分かって顔を青くする。だからこそ降りれないように伝えていないが。

 「使う食材は何とボルン牧場の肉だ。ボルン牧場とドラン工房とラッシード商会の名前だけで人が集まりそうだ。

 ボルンの肉が届き次第実際に料理して味見するなどして準備を済ませる。後でミト商店に確認するとしますか。できれば人が集まりそうな土と光がいいですね」

 ドランはすぐにイベントがある訳ではないと少しほっとしている。

 この世界は月曜から闇、火、水、風、無(身体強化)、土、日、つまりは土日に開催しようとしている。

 「なるほどな、分かった。とりあえずドラン鍋をたくさん作ればいいのだな? 歴史に名を刻もうというのだ簡単ではない」

 ドランはそう言って自分を納得させているようだ。

 「はい、取りあえずこれから商業ギルドに行ってドラン鍋の利益を分配する契約書を作りましょう。その後にミト商店に肉の仕入れを急がせましょうか。」

 



 ギルドで契約を交わしてきっちり2割の利益を確保した俺たちはドランとミト商店に入って行った。

 店に入ると店長ミトはすぐにドランに反応して腰を低く挨拶してくる。

 「これはこれはドランさんではないですか。今日は何のご用で?」

 やはりドランは有名人らしい。

 「ああ、肉がいつ来るのか確認しに来てた」

 ドランは不愛想に用件だけを伝えた。

 「そうですか、実は少し時間がかかりそうです」

 どうやらドラン工房が乗ってる話に対して価額交渉しょうとしてるらしい。

 

 ここで計画を伝えるとミトは顔がひきつる。次第に焦りはじめこっちを睨んでくる。

 「僕を睨んでも仕方ないですよ。もう商業ギルド長のビクトルさんもラッシード商会のターチャさんも役所のグレディーさんもそう説明しましたよ。ミト商会が用意すると、断ればそれこそミトさんが睨まれますね。

 でも、成功するとミト商会の名前が一気に売れますよ、仕入れの費用マーチャさんが払ってくれますからお金の心配もありませんよ。これだけいい条件でやらなければ男じゃないですよ」

 ここで説得?をするとミトの目には欲望の火が灯る。しかし我慢できないのか負け惜しみを言い出した。

 「嵌めやがったな、せっかくお前に無理難題を押し付けてソーセージの値段を釣り上げようと思ったのに……」

 どうやらソーセージを値下げさせたあのバトルを根に持ってるらしい、小さい男である。

 「まあまあ、それとソーセージも準備してくださいね。料理に使いますから。開催日は本当にミトさん次第ですから頑張ってください」

 ここで少し無理難題を吹っかける。この店のソーセージは昨日ドワーフたちの宴会でホットドッグ作るために沢山買ったのでそんなに残っていない。ミトはこれからソーセージ作りという重作業をしなければならないのだ。

 (また勝ってしまった、無敵だな。まるで虎の威を借りる狐だけど)

 勝った余韻を浸かりながら店を出た。

 店を出るとドランとクリスはまるで酷いやつを見るような眼で俺を見た。 


 「これから自称天才の店に行きますよ、この試食会に必要なものを揃えますよ」

 

PVが5000超えました、本当にありがとうございます。これからも応援よろしくお願いします。

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