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種付けオッサンとビッチギャル ~二日に一度ヤらないと死ぬ二人の異世界転生~【注目15位、日間217位ありがとうございます】  作者: 黒瀬 量衡
第五章 種付けオッサンとビッチギャル

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第八十三話 ふたなり神像が人気なので、御神像キーホルダーとチンポとマンコのお守りでひと稼ぎするんだけど

 神殿が。


 儲かっていた。


「……」


 うちは神殿の前にできた行列を見た。


 今日も長い。


 街の人。


 旅人。


 商人。


 夫婦。


 冒険者。


 なぜか遠くの村から来たらしい老人までいる。


 目的。


 馬と牛の神像。


 オッサンの祝福を受け。


 うちの祝福まで受け。


 雄でもあり。


 雌でもあり。


 夜になると二体で勝手に役割を入れ替えながら遊び始め。


 それぞれ小さな子神像まで産んだ。


 あれ。


「人気出すぎじゃね?」


「奇跡ですからなぁ」


 隣。


 オッサン。


「夜中オホ声出す石像だけど」


「御利益は本物だそうですぞ」


「そこが余計タチ悪いんだよ」


     *


 実際。


 評判は。


 かなり良かった。


 夫婦で参拝したら子供を授かった。


 畑の実りが良くなった。


 家畜が元気になった。


 長く子を残せなかった牛が妊娠した。


 夫婦仲が良くなった。


 体調が良くなった。


 そういう話が。


 どんどん。


 増えている。


「神像としての性能は最高」


「私生活は最低」


「いつものですなぁ」


「いつものだな」


     *


 そこで。


 うちは。


 思った。


「これ」


「はい?」


「金になるじゃん」


 オッサンが。


 止まる。


「ギャルさん」


「何」


「急に商人の顔になりましたな」


「だってさ」


 神殿前。


 見る。


「これだけ人来てんだよ?」


「はい」


「みんな何か持って帰りたくない?」


「それはありそうですなぁ」


「でしょ?」


     *


 うち。


 指。


 一つ。


「御神像のキーホルダー」


「きーほるだー?」


「あ」


 異世界。


 ない。


「なんか小さい飾り。紐とか金具つけて、鞄とか腰の袋とかにつけるやつ」


「なるほど」


「馬」


「はい」


「牛」


「はい」


「あと子供サイズの馬と牛」


「四種類」


「そう」


     *


 さらに。


 思いつく。


「お守りも」


「御守りですかな?」


「そうそう」


 うち。


 手。


 叩く。


「ていうかさ」


「はい」


「日本でも」


「はい」


「チンポとかマンコのお守りとかあるって聞いたことあるんだよね」


「……」


 オッサン。


 眼鏡。


 直す。


「ギャルさん」


「何」


「寺社の説明として、その語彙でよろしいのですかな」


「知らん。うち詳しくないし」


「聞いたことがある程度?」


「そう。なんか子宝とか縁結びとか、そういうので」


「なるほど」


「だから」


 神殿。


 見る。


「性神なら、むしろこっち本場じゃね?」


     *


 神官へ。


 相談。


     *


「駄目です」


「早っ!」


「駄目です」


「まだ全部説明してない!」


「最初の一言で嫌な予感がしました」


「商売だよ?」


「その言い方がすでに不安です」


     *


 神官。


 机。


 うち。


 オッサン。


 三人。


「まず」


 うち。


「神像人気あるじゃん」


「ありがたいことです」


「参拝客増えた」


「はい」


「宿も店も儲かってる」


「はい」


「神殿も寄進増えてる」


「……はい」


「ならグッズ」


「ぐっず?」


「記念品!」


「ああ」


     *


 紙。


 出す。


 うち。


 絵。


 描く。


「馬の神像」


「はい」


「牛の神像」


「はい」


「小さい馬」


「はい」


「小さい牛」


「はい」


「これを手のひらサイズにして売る」


「……」


 神官。


 見る。


「それは」


「うん」


「普通に良いのでは?」


「でしょ!」


     *


 第一案。


 採用。


 早い。


「木彫り」


「安い」


「石」


「高級品」


「金属」


「旅人向け」


「紐つける」


「持ち歩ける」


「家に置くやつも」


「あり」


 神官。


「……」


 少し。


 乗ってきた。


     *


「問題は」


 うち。


「次」


「まだあるのですか?」


「お守り」


「御守り」


「豊穣」


「分かります」


「夫婦円満」


「分かります」


「子宝」


「分かります」


「性機能」


「……」


「いるでしょ?」


「言葉を選んでください」


     *


「で」


 うち。


「形」


「嫌な予感がします」


「チンポ」


「やはり」


「マンコ」


「やめなさい!」


     *


 神官。


 頭。


 抱える。


「なぜ!」


「分かりやすいじゃん!」


「分かりやすすぎます!」


「性神だよ?」


「性神ですが!」


「子宝のお守りで、何か丸とか花とかにするより」


「象徴というものがあります!」


「なら直球も象徴じゃん!」


「直球すぎるのです!」


     *


 オッサン。


 手。


 上げる。


「おじさんとしては」


「何です?」


「用途別に分けるのはありかと」


「……」


「子宝」


「はい」


「夫婦円満」


「はい」


「男性の健康」


「はい」


「女性の健康」


「はい」


「家畜繁殖」


「はい」


「豊作」


「はい」


 神官。


 頷く。


「そこまでは非常に良いです」


「そして形状を」


「形状は普通でお願いします」


「先回りされた」


     *


 うち。


「でも絶対売れるって」


「売上だけで決めません」


「寄進増えるよ?」


「……」


「神殿の修繕できる」


「……」


「貧しい人の治療費にもできる」


「……」


「産婆さんへの支援」


「……」


「妊婦さんの薬」


「……」


 神官。


 黙る。


「ね?」


「あなた」


「何」


「こういう時だけ妙に現実的ですね」


「商売だから」


     *


 結果。


 妥協。


     *


 御守り。


 六種類。


『子宝』


『夫婦円満』


『男性健勝』


『女性健勝』


『豊穣』


『家畜繁栄』


 布袋。


 普通。


 神殿の紋。


 馬。


 牛。


 意匠。


「……普通じゃん」


「普通が一番です」


「でも」


 うち。


 裏。


 見る。


「これ」


 小さい。


 刺繍。


「何?」


 神官。


 目。


 逸らす。


「象徴です」


「これチンポじゃん」


「象徴です!」


「こっちマンコ」


「花です!」


「絶対狙ってるでしょ!」


     *


 神官。


 負けた。


 完全には。


 負けていない。


 だが。


 少し。


 負けた。


     *


 さらに。


 御神像。


 試作品。


     *


「かわい!」


 うち。


 小さな馬神像。


 持つ。


 手のひら。


 ちょこん。


 牛も。


 かわいい。


 子神像版。


 もっと。


 かわいい。


「これ絶対売れる」


「おじさんも欲しいですなぁ」


「お前いる?」


「記念ですぞ」


「原因本人じゃん」


     *


 ただし。


 一つ。


 問題。


「……」


 神官。


 試作品。


 見る。


「何?」


「親神像の再現度が」


「うん」


「少し高すぎませんか」


「どこが?」


「ここです」


 神官。


 指せない。


「どこ?」


「……その」


「言え」


「雄と雌、両方の特徴が」


「ああ」


「かなり明確です」


「ふたなり神像なんだから合ってるじゃん」


「土産物でそこまで忠実にしなくても!」


     *


 うち。


 試作品。


 見る。


「でも」


「はい」


「これが本物」


「はい」


「御利益の理由も、雄雌両方の性質持ってるからって言われてる」


「そうですが」


「なら隠したら偽物じゃん」


「……」


 神官。


 悩む。


     *


 結果。


 二種類。


     *


 一般版。


 衣をまとわせ。


 象徴的に。


 馬と牛。


 雄雌両方の神性。


 それとなく。


 表現。


 そして。


 完全再現版。


「何で作ったんですか!」


「需要」


「誰に!?」


「大人向け」


「分ける必要がありますか!?」


     *


 販売初日。


     *


「子馬ください!」


「子牛も!」


「夫婦円満のお守り二つ!」


「家畜繁栄を十個!」


「馬の神像!」


「牛も!」


 売れる。


 めっちゃ。


 売れる。


「ほら!」


 うち。


「言ったじゃん!」


「……」


 神官。


 悔しい。


     *


 そして。


「完全再現版を」


 成人男性。


 小声。


「……」


 神官。


「一般版もございます」


「完全再現版を」


「……はい」


     *


 次。


 成人女性。


「完全再現版、馬と牛両方」


「……はい」


     *


 夫婦。


「二体一組で」


「……はい」


     *


 冒険者。


「俺も」


「……はい」


     *


 神官。


 うち。


 見る。


「何」


「売れています」


「でしょ?」


「非常に」


「でしょ?」


「納得したくありません」


     *


 さらに。


 予想外。


 起きる。


「小神像の方」


 店番。


「在庫ありません!」


「は?」


「全部売れました!」


「早っ!」


     *


 子馬。


 子牛。


 圧倒的。


 人気。


 理由。


「かわいい」


 それだけ。


「性神関係ないじゃん!」


 うち。


「かわいいは強いですぞ」


 オッサン。


「マジでな」


     *


 そして。


 御守り。


 こちらも。


 人気。


 特に。


 夫婦円満。


 子宝。


 家畜繁栄。


 売れる。


 男性健勝。


 女性健勝。


 こちらも。


 密かに。


 人気。


     *


「ねえ」


 うち。


 神官。


「何でしょう」


「男性健勝だけ、なくなるの早くない?」


「……」


「女性健勝も」


「……」


「みんな何を祈ってんの?」


「健康です」


「本当に?」


「健康です!」


     *


 さらに数日。


 神殿。


 前。


 新しい。


 屋台。


 できた。


『馬牛神像 参拝記念品』


「完全に観光地じゃん」


「巡礼地と呼んでください」


「同じようなもんでしょ」


「違います」


     *


 利益。


 出た。


 かなり。


 神殿。


 修繕。


 開始。


 古い屋根。


 直す。


 産婆。


 支援。


 増える。


 貧しい妊婦。


 無料診療。


 薬。


 配る。


 旅人用。


 宿泊所。


 修繕。


「……」


 うち。


 見る。


「普通に良いことになってる」


「最初から、こう使うつもりでした」


 神官。


「うちのアイデアじゃん」


「発端は認めます」


「チンポとマンコのお守りから始まったけど」


「その部分だけ忘れてください!」


     *


 オッサン。


 木杯。


 飲む。


「ギャルさん」


「何?」


「商才がありますなぁ」


「マジ?」


「少なくとも」


 行列。


 見る。


「人が何を欲しがるかは分かっておりますぞ」


「だって」


 うち。


 子馬神像。


 持つ。


「かわいいし」


「はい」


「御利益あるし」


「はい」


「ちょっとエロいし」


「最後が重要?」


「超重要」


     *


 その夜。


 神殿の奥。


「オホォォォォォッ……!」


 親馬。


「オホォォォォッ……!」


 親牛。


 いつもの。


 始まる。


「……」


 神官。


 無言。


     *


 神殿前。


 参拝客。


「あ」


「神像がお喜びだ」


「ありがたい」


「今夜も御神威が強い」


 みんな。


 手。


 合わせる。


     *


 うち。


「だから」


 一拍。


「それオホ声だから!」


     *


 翌朝。


 新商品案。


 会議。


「神像の声を模した鳴き笛」


「却下です」


「まだ説明してない!」


「却下です」


「押すとオホッて」


「却下!」


「売れるって!」


「売れても駄目です!」


     *


 その日の。


 神殿帳簿。


 記念神像。


 完売。


 御守り。


 ほぼ完売。


 寄進。


 過去最高。


 そして。


 神殿の隅。


 うちが勝手に書いた。


 次回商品案。


『オホ声御神像』


 神官。


 赤線。


 大きく。


『絶対に作らない』


 その横。


 オッサン。


 小さく。


『売れると思いますぞ』


 さらに。


 赤線。


『あなたも黙ってください』


 神殿は。


 今日も。


 平和だった。


 夜の神像だけ。


 相変わらず。


 全然。


 静かではなかった。

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