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種付けオッサンとビッチギャル ~二日に一度ヤらないと死ぬ二人の異世界転生~【注目15位、日間217位ありがとうございます】  作者: 黒瀬 量衡
第五章 種付けオッサンとビッチギャル

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第八十二話 神獣が死んだので馬と牛の神像をいじったら、ふたなり夫婦と子神像が増えました

 神獣が死んだ。


 二頭とも。


 馬頭。


 牛頭。


 代替わりのためにやって来たはずなのに、妙な興奮の仕方をした挙げ句、揃って腹上死。


 当然。


 次代は残らなかった。


「……で」


 うちは神殿の奥に並んでいる二体の神像を見上げた。


「これ何?」


「雌の神獣を模した神像だそうですぞ」


 隣でオッサンが答える。


 一体は、馬の頭を持つ女神像。


 もう一体は、牛の頭を持つ女神像。


 実際の神獣ほど巨大ではないものの、人より明らかに大きい。どちらも豊穣と繁殖を祈るための古い石像らしい。


「雄が死んで、雌の像だけ残ってんの?」


「皮肉ですなぁ」


「笑えねえ」


     *


 神殿側も困っていた。


 本物の神獣二頭が死亡。


 しかも子供なし。


 代替わり失敗。


 神官たちは朝から顔色が悪い。


 その横で。


 オッサンだけが。


「いやぁ」


 神像を見る。


「これは」


「その顔やめろ」


「まだ何も言っておりませんぞ」


「分かるし」


「ドゥフフ」


「笑うな!」


     *


 数分後。


 オッサンは神官へ確認していた。


「この神像、壊れたりしても修復できますかな?」


「な、何をする気です?」


「実験ですぞ」


「やめろ」


 うち。


「絶対ろくな実験じゃない」


「しかしギャルさん」


「何」


「本物の神獣さんは次代を残せませんでした」


「うん」


「なら」


 オッサン。


 神像。


 見る。


「像の方で試すというのも」


「何の代替にもならんだろ!」


     *


 結局。


 やった。


 馬の女神像。


 牛の女神像。


 二体とも。


 オッサンの祝福を受けた。


 正式な。


 種付けプレス。


「オホォォォォッ……!」


 神殿に。


 女の声。


 響く。


「うわ」


「オホォォォォォッ……!」


 今度は牛。


「石像でもその声出んのかよ!」


「おじさんの祝福は公平ですなぁ」


「公平って言うな!」


     *


 しかも。


 終わった後。


 二体の神像は。


 明らかに変わっていた。


 石肌の細かな傷。


 消失。


 欠け。


 修復。


 神気。


 増加。


 豊穣神像としての力まで。


 強化。


「……」


 神官。


 口。


 開いたまま。


「奇跡だ……」


「奇跡でいいのこれ?」


「神気が明らかに増している……!」


「過程見てたよね!?」


     *


 そして。


 腹。


 少しだけ。


 膨らんだ。


「孕んだ」


 うち。


「孕みましたなぁ」


「像が」


「はい」


「石像が」


「はい」


「もう何でもありじゃん」


「今さらですかな」


     *


 普通なら。


 そこで終わる。


 だが。


 今度は。


 うちの身体が。


 反応した。


「……」


 馬の神像。


 見る。


 牛の神像。


 見る。


「ギャルさん?」


「何」


「嫌な顔をしておりますぞ」


「嫌な予感してるだけ」


 祝福。


 雄化。


 そして。


 目の前には。


 すでにオッサンの祝福で強化された二体の神像。


「……これ」


「はい」


「うちまでやったらどうなるんだろ」


「おじさんも興味がありますぞ」


「だよね」


     *


 試した。


     *


「オホッ……!」


 うち。


「オホォッ……!」


 馬の神像。


「オホッ……!」


 うち。


「オホォォッ……!」


 牛の神像。


「待って!」


 神官。


「何ですか今度は!」


「検証」


「もう十分です!」


「まだ結果出てないし!」


     *


 結果。


 出た。


「……」


「……」


「……」


 神官。


 うち。


 オッサン。


 三人。


 並ぶ。


 見る。


 馬神像。


 女神像としての姿。


 残っている。


 なのに。


 雄としての性質まで。


 追加。


 牛神像も。


 同じ。


「ふたなり」


 うち。


「ふたなりですなぁ」


 オッサン。


「何でそうなるんですか!」


 神官。


「知らん!」


     *


 どうやら。


 オッサンの雌化。


 うちの雄化。


 二つの祝福が。


 同じ対象へ。


 重なった。


 普通なら。


 雄から雌。


 雌から雄。


 どちらかに変わるはずだった。


 しかし。


 性神の神像。


 しかも。


 すでに強い神気を持つ。


 結果。


 どちらも消えず。


 両方。


 残った。


「雄でもある」


「雌でもある」


「孕んでる」


「はい」


「しかも神像」


「はい」


「最悪の全部乗せじゃん」


「最高の全部乗せでは?」


「黙れ」


     *


 さらに。


 問題は。


 その日の夜だった。


     *


「オホォォォォッ……!」


「……」


「オホォォォォッ……!」


「……」


 神官。


 廊下。


 立ち尽くす。


 神殿の奥から。


 響く。


 二つの。


 低い。


 オホ声。


「……何です?」


「見ない方がいいと思う」


 うち。


「しかし神殿内です!」


「じゃ見る?」


「……見ます」


     *


 見た。


「……」


 馬神像。


 牛神像。


 勝手に。


 寄り添っていた。


「動いてる」


「動いておりますなぁ」


「石像なのに!」


 そして。


 どうやら。


 二体。


 互いに。


 雄。


 雌。


 役割。


 入れ替えている。


「さっき馬が雄側だったよね」


「今は牛ですなぁ」


「オホォォォッ……!」


「また変わった」


「自由ですなぁ」


「自由すぎる!」


     *


 朝。


 神官が。


 必死に。


 二体を離した。


 それぞれ。


 反対側。


 設置。


 夜。


「オホォォォッ……!」


 戻っていた。


     *


 次の日。


 鎖。


 使った。


 夜。


「オホォォォォッ……!」


 鎖。


 外れていた。


     *


 三日目。


 別室へ。


 分けた。


 朝。


 同じ部屋。


「どうやって!?」


「神像ですし」


「便利な時だけ神の力を使うな!」


     *


 最終的に。


 神殿側。


 諦めた。


「……もう」


 老神官。


「好きにさせましょう」


「いいの?」


「止められません」


「でしょうなぁ」


「あなたは黙ってください!」


     *


 ところが。


 さらに数日後。


 本当の問題。


 発生。


「来てください!」


 朝。


 神官。


 叫ぶ。


「今度は何?」


「増えています!」


「何が!?」


     *


 神殿奥。


 馬神像。


 その足元。


 小さい。


 神像。


「……」


 子供くらいの大きさ。


 ただし。


 あくまで。


 小型の神像。


 馬頭。


 丸い身体。


 親の神像を縮小したような姿。


「産まれた」


「産まれましたなぁ」


「石像から!?」


     *


 牛神像の足元にも。


 一体。


 小さな牛頭神像。


 ちょこん。


 座っている。


「二体」


「それぞれ一体ですな」


「オッサン」


「はい?」


「お前のせい」


「おじさんの子供ではありませんぞ」


「祝福の結果だろ!」


「それは否定しませんなぁ」


     *


 小さな神像。


 動いた。


「え」


 馬の小神像。


 親の足へ。


 ぺた。


 牛の小神像も。


 もう一体へ。


 ぺた。


「かわい……」


 うち。


 止まる。


「……」


「ギャルさん?」


「何」


「今」


「言ってない」


「可愛いと」


「言ってない!」


     *


 そして。


 この小神像たち。


 ただ小さいだけではなかった。


 馬の小神像が。


 神殿の廊下を。


 とてとて。


 歩く。


 通った場所。


 古い石床のひび。


 少し。


 修復。


「……」


 牛の小神像。


 祭壇の横。


 座る。


 近くの供物。


 妙に。


 瑞々しくなる。


「……」


 神官。


 震える。


「新たな神獣像……」


「効果あるじゃん」


「本当に奇跡だ……」


「だから過程!」


     *


 結果。


 神殿には。


 新しい名物が。


 四つ。


 増えた。


 雄でもあり。


 雌でもある。


 馬の神像。


 牛の神像。


 そして。


 その二体から生まれた。


 小さな馬神像。


 小さな牛神像。


     *


 昼間。


 親神像。


 普通。


 神々しい。


 豊穣。


 繁殖。


 健康。


 神殿へ。


 強い加護。


 小神像。


 歩く。


 参拝客。


 喜ぶ。


「かわいい!」


「ありがたい!」


「神の奇跡だ!」


     *


 夜。


「オホォォォォォッ……!」


「また始まった!」


「オホォォォォッ……!」


「今日は馬が雄側!」


「報告しなくていい!」


「今、牛へ変わりましたぞ」


「実況もいらない!」


     *


 小神像。


 二体。


 少し離れたところ。


 座る。


 親。


 見る。


「……」


「……」


 うち。


 小神像。


 見る。


「子供の前で何してんだよ」


「神像ですぞ」


「それでも絵面!」


     *


 神官たちは。


 相談した。


 結果。


 小神像だけ。


 夜は別室。


 昼。


 親元へ。


 戻す。


「これなら健全」


「神像相手に育児みたいになってんな」


「あなた方のせいです!」


     *


 ちなみに。


 本物の神獣。


 馬頭。


 牛頭。


 二頭。


 死亡。


 次代。


 なし。


 そのはずだった。


 なのに。


 神殿には今。


 馬。


 牛。


 それぞれ。


 新しい小神像。


 存在。


「これ」


 うち。


「代替わりってことになんの?」


「分かりません」


 神官。


「神学者へ問い合わせています」


「なんて?」


「詳細は伏せました」


「賢い」


「『神獣死後、性神の奇跡により小型神像が誕生』とだけ」


「過程全部消えた!」


「書けるわけないでしょう!」


     *


 オッサン。


 腕組み。


「しかし結果として」


「何」


「次代は残りましたなぁ」


「像だけど」


「奇跡も起きておりますぞ」


「像だけど」


「神殿も栄えそうですなぁ」


「夜うるさいけど」


「性能は最高」


「私生活は最低」


 二人。


 同時。


「……」


「……」


「いつものじゃん」


「いつものですなぁ」


     *


 その夜。


 宿へ戻る途中。


 遠く。


 神殿。


「オホォォォォォッ……!」


 聞こえた。


「……」


「……」


 うち。


「街まで聞こえてんじゃん」


「元気ですなぁ」


「他人事みたいに言うな」


「ギャルさんも半分原因ですぞ」


「オッサンも半分!」


「では共同責任」


「最悪」


     *


 後日。


 街では。


 新しい噂が。


 広まった。


『神獣が死んだ夜、性神が新しい奇跡を授けた』


『神殿には雄と雌、双方の力を持つ馬と牛の神像がある』


『二体は夜になると勝手に動く』


『そしてそれぞれに小さな神像が生まれた』


 ここまでは。


 だいたい。


 事実。


 問題は。


 最後。


『豊穣の御利益がものすごい』


 参拝客。


 激増。


     *


「……」


 うち。


 神殿前の行列を見る。


「成功扱いになってる」


「奇跡ですからなぁ」


「全部下ネタ事故なのに」


「結果良ければ何とやら」


「絶対違う」


 その奥。


「オホォォォォッ……!」


 また。


 鳴った。


 行列。


 参拝客。


 手を合わせる。


「ありがたや……!」


「ありがたい声だ……!」


 うち。


「いや」


 一拍。


「それオホ声だから!」

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