↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
種付けオッサンとビッチギャル ~二日に一度ヤらないと死ぬ二人の異世界転生~【注目15位、日間217位ありがとうございます】  作者: 黒瀬 量衡
第四章 腐女子男爵とエロゲ公爵令嬢

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

76/96

第七十六話 会員名簿と淫紋を作る話をしていたら、爆乳令嬢までイチモツを欲しがりました

 しばらくして。


 二階へ上がっていたエリーが応接室へ戻ってきた。


「どうだった?」


 ユキが聞く。


「元気です。本人は大変満足しておりました」


「それ元気っていうの?」


「少なくとも本人はそう主張しております。それと、後ほどもう一度来てほしいそうです」


「やっぱり」


「何故、公爵令嬢様が嬉しそうなのです」


 その少し後には、細身の夫と筋肉質な騎士も戻ってきた。


 全員が揃う。


 紅茶。


 菓子。


 ようやく普通の会合らしい光景へ戻ったところで、爆乳令嬢が止まった。


「……あら」


「何?」


「私たち、今日、本来何を決めるために集まったのでしたっけ?」


「……」


 ユキも止まる。


 マコト。


 エリー。


 夫。


 騎士。


 全員、少し考えた。


「淫紋?」


「その前ですわ!」


     *


「まず、会員一覧です」


 爆乳令嬢が指を一本立てる。


「ああ」


「『ああ』ではありません」


 婚約発表の宴から始まった、若手貴族たちの妙な横の繋がり。


 誰が正式な参加者なのか。


 誰が一度遊んだだけなのか。


 誰が新規参加を希望しているのか。


 現状。


 誰も正確には把握していない。


「かなりまずいですね」


 マコトが言う。


「秘密結社みたいなことしてるのに名簿ないんだ」


「秘密結社ではありません」


 エリーが即座に否定する。


「でも事務局あるよ?」


「公爵令嬢様」


「一生消えない淫紋も作るし」


「……」


「もう諦めた?」


「少し」


     *


 爆乳令嬢は構わず続ける。


「第二に、淫紋そのものの意匠を作れる者」


「デザイナーだね」


「その呼び方でよいのかは分かりませんが、意味としてはそうですわ」


「格好いいやつがいい」


「あなたの場合、格好良さより下品さを優先しそうで怖いですわ」


「下品なくらいがこの会っぽいじゃん」


「そこは否定しづらいのが腹立たしいところです」


「第三に」


 指が三本。


「魔法としての淫紋を開発できる術者」


「それ重要」


「第一の紋は、一生消えない通常の印。第二の紋は、秘密の符号によって魔法的に浮かび上がるもの」


「指でこうやるやつね」


 ユキが片手の指で輪を作り、もう片方の指をそこへ入れて抜く動きをする。


 爆乳令嬢が眉間を押さえた。


「食事中にやらないでくださる?」


「分かりやすいじゃん」


「下品ですわ」


「だからいいんだって」


     *


 エリーが紙を取り出す。


「では、事務局側の作業として整理します」


 一つ。


 既存参加者の確認。


 二つ。


 本人の意思による正式参加の確認。


 三つ。


 新規参加希望者と推薦者の記録。


 四つ。


 淫紋の意匠を担当できる者を探す。


 五つ。


 二重の淫紋を魔法として成立させられる術者を探す。


「外部の者へ依頼するのは危険ですね」


 細身の夫が言う。


「会の目的まで説明すれば、秘密を知る人間が増える」


 騎士も頷く。


「できれば参加者の中から探した方がいい」


「魔術師いなかったっけ?」


 ユキが聞く。


「二名おります」


 エリーはすでに把握していた。


「一人は魔道具寄り。もう一人は身体へ施す魔法刻印にも知識があるそうです」


「エリー仕事早っ」


「事務局ですので」


「もう馴染んでる」


「……」


     *


「たださ」


 ユキが言う。


「魔法の淫紋、浮かび上がるだけじゃつまんなくない?」


 爆乳令嬢が嫌な顔をした。


「その顔は、また余計なことを考えておりますわね」


「発動してる間、性的な感度と興奮が上がるようにしようよ」


「……」


「秘密の符号を出す。第二の淫紋が浮かぶ。身体が熱くなる。敏感になる。遊びたくなる」


「何故そこまで機能を付けるのです?」


「楽しいから」


「やはり」


 マコトが少し考える。


「でも、本人が任意で発動できるのであれば、ありでは?」


「旦那様?」


「常時なら困りますが、使いたい時だけなら」


「そうそう。強さも変えられるようにしてさ」


 エリーも考える。


「正式会員であることを確認する機能と、遊びに使う機能は分離するべきでしょうね」


「どういうこと?」


「会員証明は標準機能。感度増加などは希望者のみ」


「なるほど」


 爆乳令嬢も頷いた。


「それなら賛成できますわ」


「よし」


「ただし」


「何?」


「あなた一人に設計を任せない」


「何で!?」


     *


「だってさ」


 ユキは止まらない。


「淫紋でそういうことができるなら、希望者向けにもっと色々作れるじゃん」


「例えば?」


「男側や女側に、遊び専用の魔法刻印とか」


「……」


「限界を迎えたくても、解除するまで我慢させられるとか」


「公爵令嬢様」


「決めた条件を満たすまで駄目とか」


「公爵令嬢様」


「魔法で下腹部の奥にずっと刺激を与えるとか最高じゃない?」


 爆乳令嬢は、しばらくユキを眺めた。


「何」


「いえ」


 一拍。


「あなたの頭の何割かが、公爵家の政治に向いていたら」


「うん?」


「私たちの今の関係はなかったかもしれませんわね」


「どういう意味?」


「そのままの意味です」


 マコトが笑いを堪えている。


「何で笑ってんの」


「いや。ユキが政治制度の設計より、変な魔法の仕組みを考えている時の方が生き生きしているなと」


「楽しいじゃん」


「否定はしません」


「旦那様まで肯定しないでください」


 エリーが深いため息をついた。


     *


「でも」


 爆乳令嬢が突然、ユキを見る。


「何?」


「そういう話なら」


「うん」


「わたくしも、イチモツを生やしてみたいですわね」


「……」


 ユキが止まった。


「え?」


「何です?」


「何で?」


「何故、あなたが驚くのです」


 自分にはある。


 エリーにもある。


 それでも。


 幼馴染の爆乳ライバル令嬢から言われると、何故か想定外だった。


「理由ならありますわ」


「何」


 爆乳令嬢は紅茶を置くと、真正面からユキを見る。


「あなたと、お互いにどちらが雄でどちらが雌なのか分からなくなるくらい、徹底的に愛し合ってみたいからですわ」


「……」


「今度は、わたくしがあなたを好きなだけ追い込む。逆に、あなたにもわたくしを好きなだけ崩してもらう」


「急にすごいこと言い出したな」


「今さらでしょう?」


 爆乳令嬢は笑う。


「身体も」


「うん」


「欲しいことも」


「うん」


「恥ずかしいところも」


「……うん」


「雄とか雌とか関係なく、あなたには全部晒してみたいのです」


     *


「それに」


 爆乳令嬢が、さらに少しユキへ顔を寄せた。


「わたくしね」


「何」


「あの夜のことを、今でもよく思い出しますの」


「婚約発表の?」


「ええ。あなたを初めて本気で崩した時」


「……」


「わたくしの手で、あなたが我慢できなくなっていくところ」


「お前」


「一人で楽しむ時にも思い出しますわ」


「マジかよ」


「ほとんど毎日」


「毎日!?」


     *


「最初は」


 爆乳令嬢は、自分でも少し不思議そうに笑った。


「単なるライバル心だと思っていましたの」


「うん」


「あなたより余裕でいたい」


「うん」


「あなたより先には崩れたくない」


「うん」


「あなたをもっと酷い顔にしてやりたい」


「それは今もだろ」


「もちろん」


「即答」


「でも、それだけではなくなりました」


 爆乳令嬢の視線が少し柔らかくなる。


「あの夜」


「うん」


「あなたが、いろんな男たちに囲まれて」


「……うん」


「髪も乱れて、全身に一晩遊び尽くした痕跡を残して」


「言い方」


「それでも笑っていたでしょう?」


「……そうだっけ」


「笑っていましたわ」


 爆乳令嬢自身も、何度も限界を迎え、ユキへ身体を預けていた。


 汗も。


 大量の水気も。


 何もかも混ざって。


 どちらがどちらのものなのか分からない。


「わたくしまで酷い有様で、あなたにもたれかかって。お互い、何度目なのかも分からないくらい崩れて」


「……うん」


「それなのに」


 一拍。


 爆乳令嬢が少し恥ずかしそうに笑う。


「こんなに綺麗なものがあったのだなって思いましたの」


「……」


     *


 ユキ。


 珍しく。


 何も言わない。


「笑わないの?」


「いや」


「いつもなら何か言うでしょう?」


「ちょっと待って」


「何を?」


「思ったより」


 一拍。


「重い」


「失礼ですわね」


「だってお前、それ」


 ユキが爆乳令嬢を見る。


「ほぼ告白じゃん」


「ええ」


「え?」


「ですから」


 爆乳令嬢は何でもないことのように言った。


「愛なのでしょうね」


「……」


「わたくし、あなたのことをかなり愛しておりますわ」


     *


「いやいやいや、待って待って」


「何です?」


「幼馴染で」


「はい」


「ライバルで」


「はい」


「政治的には別派閥で」


「はい」


「乱痴気仲間で」


「はい」


「その上、愛してる?」


「何か問題が?」


「情報量!」


 爆乳令嬢は楽しそうに笑う。


「でも、あなたもわたくしが嫌いではないでしょう?」


「……」


「嫌い?」


「……嫌いじゃない」


「好き?」


「……かなり」


「でしょう?」


「そこで勝ち誇るな」


「だって、また一つわたくしの勝ちですもの」


「何でだよ!」


「先に愛していると言いましたから」


「その勝負なら今から言える!」


「では、どうぞ?」


「……」


「ほら」


「……」


「ユキ?」


「うるさい!」


 爆乳令嬢の笑い声が応接室へ響いた。


     *


「それで」


 爆乳令嬢は笑い終えると、今度はユキをじっと観察した。


「何」


「あなた、どうやって生えましたの?」


「……」


 ユキが自分の身体を見る。


「性神の加護で身体が変わった時に」


「お願いしたの?」


「私の場合は、ほとんど向こうが勝手に」


 そこでエリーが口を挟む。


「私は違います」


「エリー様は?」


 爆乳令嬢が興味を示した。


「祈りました」


「どれくらい?」


「毎日」


「一日に?」


「二時間ほど」


「……」


「それを何日も」


「……」


「そして夢の中で性神らしき存在に会いましたので、逃がしませんでした」


「……どういう意味ですの?」


 ユキが笑い出す。


「エリーさ、夢の中の神様の脚にしがみついて、生やしてくれるまで離さなかったんだよ」


「……」


「最終的に神が折れた」


 爆乳令嬢はエリーを見る。


「あなた、神にゴネ勝ちしたのですか?」


「結果としては」


     *


 爆乳令嬢は、しばらく考えた。


「なるほど」


「何が?」


「方法は分かりましたわ」


「待って」


「祈ればよろしいのでしょう?」


「たぶん」


「では今日から」


「本気!?」


「当然ですわ」


 爆乳令嬢は、自分の爆乳を見下ろし、それから細身の夫と筋肉質な騎士を見る。


「あなたたちとも楽しみ方が増えますし」


 夫が平然と紅茶を飲む。


「私は構いませんよ」


 騎士は視線を逸らした。


「何故こちらを見る」


「嫌?」


「……嫌とは言っていない」


「ほら」


 爆乳令嬢は満足そう。


     *


 マコト。


 夫を見る。


 騎士を見る。


 爆乳令嬢を見る。


 また夫。


 また騎士。


「……」


「旦那様」


「はい」


「妄想しておりますね」


「してません」


「顔に出ています」


「だって」


 一拍。


「この三人、今よりさらに遊び方が増えるんですよ?」


「声に出さない」


「はい」


     *


「それに」


 爆乳令嬢はもう一度ユキを見る。


「わたくしに本当に生えましたら」


「うん」


「最初はあなたで試しますわ」


「何で最初が私なんだよ」


「幼馴染でしょう?」


「理由になってない!」


「ライバルですもの」


「もっと意味分かんない!」


「愛しておりますし」


「それを便利な理由みたいに追加すんな!」


 爆乳令嬢がユキへ少し身体を寄せる。


「でも、楽しみでしょう?」


「……」


「ユキ?」


「……まあ」


 一拍。


「かなり」


「でしょう?」


     *


「話を戻してよろしいですか?」


 エリーが紙を持ち上げる。


「はい」


「お願いします」


 今日、決めなければならないもの。


 会員一覧。


 新規参加候補。


 淫紋の意匠担当。


 魔法淫紋の開発担当。


 事務局の正式な役割。


 そして。


 いつの間にか追加された。


 希望者向け。


 感度上昇。


 興奮増加。


 条件付きで限界を制御する魔法刻印。


 その他。


 遊びに使えそうな魔法技術。


「……」


 エリーが最後の項目を見る。


「これ、本当に事務局の仕事でしょうか」


 ユキ。


「秘密結社の研究開発部門」


「勝手に部門を増やさないでください」


     *


 爆乳令嬢が笑う。


「でも、面白くなってきましたわね」


「でしょ?」


「政治的な権力はいらない」


「うん」


「上下もいらない」


「うん」


「ただし」


 一拍。


「遊ぶための魔法技術だけは、妙に発達していく」


「最高じゃん」


「やはり、公爵令嬢として何かが間違っておりますわ」


「今さら」


     *


 その日。


 爆乳令嬢の屋敷から、別荘の事務局へ最初の正式な連絡が送られることになった。


『正式会員一覧の作成を開始すること』


『淫紋意匠担当者を募集すること』


『魔法刻印に詳しい術者へ接触すること』


 そして。


 一番下。


 ユキが勝手に一行を書き足した。


『希望者用の変態魔法刻印も開発する』


「消してください」


「何で!」


「正式文書です」


「大事な研究だよ!」


 爆乳令嬢がそれを眺めながら、ぽつりと言う。


「わたくし用のイチモツについても」


「それは性神に頼め!」


「今日から頼みますわ」


「本気なんだ……」


「もちろん」


 そして爆乳令嬢は。


 もう一度。


 ユキを見て。


 楽しそうに笑った。


 秘密結社じみた会は。


 今日も。


 政治とはまったく違う方向へ。


 順調に発展していた。


後書き

後書きは書かれていません

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。