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種付けオッサンとビッチギャル ~二日に一度ヤらないと死ぬ二人の異世界転生~【注目15位、日間217位ありがとうございます】  作者: 黒瀬 量衡
第三章 種付けオッサンとビッチギャル

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第六十六話 獣人と女戦士のところは、ただ一日中交尾しているだけなので平和でした

「でさ」


 薬草を摘みながら、ギャルが言った。


「受付のお姉さんと童貞神父が、御主人様と性奴隷」


「はい」


「女将さんと娘さんとマジメメガネが、家族になったと思ったら寝盗られ遊び」


「はい」


「濃くね?」


「かなり」


 オッサンも頷いた。


「それに比べますと」


「うん」


「獣人さんと女戦士さんのところは平和ですな」


「……あれを平和って言う?」


「実に単純ですぞ」


 ギャルも少し考え。


「まあ、単純ではある」


     *


 獣人と女戦士。


 二人がやっていることは。


 基本的に。


 交尾。


 それだけだった。


 御主人様も性奴隷もない。寝盗られたと何時間も煽り続けることもない。妙な設定を用意する必要すらない。


 雄が雌を求める。


 雌も雄を求める。


 互いに汗だくになって。


 身体をぶつけ合う。


「オホッ……!」


 女戦士の身体が跳ねる。


「オホォォォッ……!」


 汗に濡れた肌同士が何度も激しくぶつかり、そこへ限界を迎えるたびにこぼれた大量の水気まで混ざっていく。


 髪が額に張りつく。


 肩も背中も濡れている。


 それでも止まらない。


「まだだ!」


「来い……! オホッ……! もっと!」


 獣人も息を荒らし。


「オッ! オッ! オッ……!」


 とうとう身体を大きく震わせる。


「オホォォォッ……!」


 それを感じた女戦士も。


 また。


 全身を震わせた。


「……野生動物じゃん」


「獣人さんですからな」


「女戦士の方も同じくらい野生だから」


     *


「ただ」


 オッサンが指を立てた。


「問題があります」


「何?」


「宿へ入れません」


「ああ」


「娼館も」


「ああ」


「何軒か出入り禁止ですな」


「知ってる」


「声が」


「でかい」


「揺れが」


「酷い」


「寝台が」


「壊れる」


 二人。


 沈黙。


「営業妨害じゃん」


「結果」


「野外?」


「ほぼ」


     *


 だから最近の二人は。


 町から少し離れた林。


 河原。


 草地。


 人気のない丘。


 そういう場所を勝手に遊び場にしていた。


「オホッ……!」


 遠くから声が聞こえる。


「オホォォォォッ……!」


「あ、いる」


「おりますな」


「姿見えないのに場所分かるの酷くね?」


「便利ですぞ」


「狩猟笛みたいに言うな」


 さらに。


「オッ! オッ! オッ……!」


 低い雄の声まで混ざる。


「……向こうだね」


「間違いありませんな」


     *


 二人は体力もある。


 非常にある。


「朝から?」


「はい」


「昼まで?」


「はい」


「夕方?」


「まだ」


「夜?」


「続いております」


「次の日は?」


「場合によっては」


「バカじゃん」


「元気ですなぁ」


 一度限界を迎える。


 止まる。


 水を飲む。


 肉を食う。


 汗を拭く。


「もう一回」


「おう」


 また始まる。


「オホッ……!」


「オホォォッ……!」


「オッ! オッ! オッ……!」


「休憩が冒険者なんだよ」


「長期戦ですな」


「戦闘じゃねえ」


     *


 しかも。


 そこへ。


 ギャルとオッサンが混ざることもある。


「おう」


 女戦士が片手を上げる。


 全身汗まみれ。


 髪まで濡れている。


「来たか」


「またやってんじゃん」


「何だ。混ざらねえのか?」


「混ざる」


「即答ですな」


「オッサンもだろ」


「ドゥフフ」


「早く来い」


     *


 四人になっても。


 やることは。


 あまり変わらない。


 雄は雌を求める。


 雌は全力で応える。


「オホッ……!」


 女戦士。


「オホォォォッ……!」


 ギャル。


 二人とも。


 声を抑える気がない。


 身体を大きく動かすたび。


 汗に濡れた肌が何度もぶつかる。


 ぺたりと張りつき。


 離れ。


 またぶつかる。


「オホッ……! もっと!」


「負けねえ!」


「何と戦ってんだよ!」


「オホォォォッ……!」


 大量の水気が地面へ飛び散る。


 汗なのか。


 どちらかが限界を迎えた余韻なのか。


 もう誰も気にしていない。


     *


 雄二人も。


 負けてはいない。


 獣人の呼吸が荒くなる。


「来るぞ!」


「来い!」


「オッ! オッ! オッ……!」


「オホォォォッ……!」


 女戦士も全身を震わせる。


 少し離れたところでは。


「ギャルさん……!」


「まだ!」


「いやぁ……!」


「止まるな豚!」


「オッ! オッ! オッ……!」


「オホォォォッ……!」


 二人とも。


 ほとんど同時に限界。


「……」


「……」


 少し静かになる。


 十数秒。


「もう一回」


「早くありませんかな!?」


「まだ動けるでしょ」


「ドゥフフ」


「ほら!」


     *


 四人とも。


 時間が経つにつれて。


 どんどん酷い姿になる。


 汗。


 土。


 草。


 大量の水気。


 全部混ざる。


 女戦士が獣人の肩へしがみつけば、汗で滑る。


 ギャルがオッサンへ抱きつけば。


「ぬるぬるする!」


「ギャルさんもですぞ!」


「オッサン汗くせえ!」


「ギャルさんも汗だく!」


「うるせえ!」


 そのまま。


 また身体をぶつけ合う。


「オホッ……!」


「オホォォッ……!」


「オッ! オッ……!」


 誰かが限界を迎える。


 それを見て。


 別の誰かも興奮する。


 また始まる。


     *


 獣人も。


 オッサンが女戦士の相手をしていても。


 特に怒らない。


 その間。


 自分はギャルのところへ行く。


 逆もある。


「それってさ」


「何ですかな?」


「ちょっと寝盗られじゃない?」


「どの辺が?」


「自分の相手が目の前で別の相手と楽しんでる」


「なるほど」


「でも」


 ギャルは笑う。


「前の二組ほど面倒じゃない」


「確かに」


「嫉妬させるためじゃないし」


「はい」


「御主人様でも奴隷でもないし」


「はい」


「ただ交代してるだけ」


「非常に分かりやすいですな」


     *


 女戦士も同じだった。


「おっさん」


「はい?」


「次、あたし」


「獣人さんは?」


「そっちの金髪と楽しんでる」


「嫉妬は?」


「する必要あるか?」


「ないですかな」


「終わったら戻ってくる」


 以上。


「強い」


「何が?」


「関係性が」


「難しいこと考える暇あったら来い」


「ドゥフフ」


「早く」


     *


 ギャルも。


 獣人と遊びながら。


 向こうでオッサンと女戦士が汗まみれになっているところを見る。


「オホォォォッ……!」


 ギャル自身が大きく身体を震わせる。


「オッ! オッ! オッ……!」


 獣人もそれに続く。


 まだ息を整えきれないまま。


 ギャルが向こうを見る。


「お」


「どうしましたかな?」


「オッサン、あっちに夢中」


「ギャルさん?」


「ちょっといい」


「何が?」


「昨日話した寝盗られ感」


「またですかな」


「でもこっちは軽い」


「プチ?」


「そう。プチ寝取られ」


「便利な言葉ですな」


     *


 オッサンも。


 似たようなものだった。


 獣人と身体をぶつけ合うギャルが。


「オホッ……! オホォォッ……!」


 何度も大きな声を上げている。


「いやぁ」


「何だ?」


 汗まみれの女戦士が聞く。


「ギャルさん、楽しそうですな」


「嫉妬しねえのか」


「少しは」


「するんじゃねえか」


「でも」


 オッサンは。


 目の前の女戦士を見る。


「こちらはこちらですからな」


「そういうことだ」


 女戦士が笑う。


「じゃあ余計なこと考えんな」


「はい」


「もっと」


「ドゥフフ」


「笑うな!」


「オホッ……!」


     *


 結局。


 四人とも。


 細かいことを考えなくなる。


 誰が誰の恋人だ。


 誰が誰を取った。


 誰が嫉妬した。


 そんな話より。


「オホッ……!」


「オホォォッ……!」


「オッ! オッ! オッ……!」


 目の前の相手。


 汗。


 息。


 声。


 肌がぶつかる感触。


 そちらの方が優先される。


「平和ですな」


「だから基準がおかしいって」


     *


 問題があるとすれば。


 終わらないこと。


「もう日が沈みますぞ」


「だから?」


 女戦士は。


 汗まみれ。


 足元までびしょびしょ。


 それでも。


 まだ元気だった。


「朝からですぞ」


「まだ動ける」


 獣人も。


「俺もだ」


「似た者同士」


「ほんっと相性いいよね」


     *


 ようやく終わっても。


 女戦士の身体は。


 すぐには静かにならない。


「オホッ……!」


「まだ!?」


 座っているだけなのに。


 さっきまでの激しさが身体に残っているらしく。


「オホォォッ……!」


 また大きく身体が震える。


「触ってないぞ」


「分かってる!」


「では何故」


「余韻だよ!」


 少しして。


「オホッ……!」


 また。


「……大丈夫ですかな」


「見るな!」


「濡れておりますぞ」


「見るなって言ってんだろ!」


     *


 ギャルも。


 人のことは言えない。


「オホッ……!」


「ギャルさん?」


「今の違う!」


「何が?」


「まだ身体が勝手に!」


「ほう」


「見るな豚!」


「見えておりますぞ」


「向こう向け!」


「ドゥフフ」


「ぶん殴るぞ!」


 汗に濡れ。


 髪までぐしゃぐしゃ。


 身体には草まで張りついている。


 それなのに。


 少し休んだギャルが。


「……もう一回いけるかも」


「やはり」


「うるせえ」


     *


「ということで」


 話は薬草採取へ戻る。


 オッサンがまとめた。


「受付のお姉さんと童貞神父さん」


「変態」


「女将さん一家」


「変態」


「獣人さんと女戦士さん」


「一日中交尾してるだけ」


「平和ですな」


「比較対象が悪いだけ」


「でも気楽でしょう?」


「それはそう」


 ギャルは笑う。


「私もあそこ混ざるの楽」


「おじさんも」


「変な設定いらないし」


「はい」


「汗だくになって」


「はい」


「オホ声上げて」


「はい」


「全員何度も限界まで行って」


「はい」


「疲れたら飯食って休む」


「健康的ですな」


「健康的ではねえ」


     *


「たださ」


「何ですかな」


「オッサン」


「はい」


「獣人と私が楽しんでるところ見るの」


「はい」


「好き?」


「……」


「遅い」


「少し?」


「へえ」


「ギャルさんは?」


「オッサンが女戦士と遊んでるの」


「はい」


「結構好き」


「ドゥフフ」


「その笑い方すると一気に気持ち悪くなる」


「酷い!」


「でもさ」


 ギャルは摘んだ薬草を袋へ入れた。


「私たち恋人じゃないんだけどね」


「そうですな」


「なのに、他の相手と汗だくになってるの見ると」


「はい」


「ちょっと取られた感じする」


「ありますな」


「で」


 ギャルが笑う。


「終わったあと私のところ戻ってくる」


「はい」


「それもいい」


「分かりますぞ」


 二人。


 少しだけ黙る。


「……」


「……」


「私たちも大概だな」


「今さらですぞ」


「豚に言われたくねえ」


     *


 遠く。


 林の向こうから。


「オホォォォォッ……!」


 響く。


 続いて。


「オッ! オッ! オッ……!」


 二人。


 顔を上げた。


「まだやってる」


「朝からですぞ」


「もう夕方じゃん」


「今日は長いですな」


「行く?」


「薬草は?」


「だいたい集まった」


「では」


「ちょっとだけ」


 二人は同じ方向へ歩き始める。


「ギャルさん」


「何?」


「ちょっとで終わりますかな」


「知らん」


「明日になるかもしれませんぞ」


「飯持ってる?」


「干し肉なら」


「水は?」


「あります」


「じゃあ大丈夫」


「何が大丈夫なのですかな」


 また。


 林の奥から。


「オホォォォッ……!」


 女戦士の声。


 ギャルが笑う。


「ほら。呼んでる」


「呼んでおりますかな?」


「行けば分かるっしょ」


 そして。


 二人は。


 薬草袋を持ったまま。


 今日も。


 一番平和で。


 一番単純で。


 一番汗まみれになる。


 獣人と女戦士のところへ向かった。


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