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種付けオッサンとビッチギャル ~二日に一度ヤらないと死ぬ二人の異世界転生~【注目15位、日間217位ありがとうございます】  作者: 黒瀬 量衡
第三章 種付けオッサンとビッチギャル

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第六十五話 マジメメガネが宿へ帰宅したら、女将親子に寝盗られ役をやらされていました

「そういえばギャルさん」


 いつもの薬草採取の最中、オッサンが思い出したように口を開いた。


「何?」


「最近、マジメメガネさんが毎晩宿へ来るようになりましてな」


「泊まってんの?」


「いやぁ。あれはもう泊まりというより」


 オッサンは摘んだ薬草を袋へ入れ、少し考える。


「帰宅ですな」


「家じゃん」


「完全に」


     *


 マジメメガネが宿へ戻ってくるのは遅い。神殿の仕事を終え、片付けや翌日の準備まで済ませてからなので、夕食時を過ぎることも珍しくない。


 それでも女将は食事を残している。娘は着替えを置いている。寝床もある。朝になれば、マジメメガネはそこから神殿へ仕事に出る。


「最近は普通に『ただいま』と言いますぞ」


「女将さんは?」


「おかえり」


「娘さんは?」


「お父さん、おかえり」


「家族じゃん」


「本人だけ毎回、『その呼び方はやめてください!』と抗議しておりますがな」


「もう諦めろよ」


 女将には毎晩帰ってくる相手ができた。


 娘には、本人が認めるかどうかはともかく、父親のような男ができた。


 そしてマジメメガネにも、仕事を終えたあとに帰る場所ができた。


 そこだけ聞けば。


 わりといい話だった。


「でもオッサンもまだ宿に行ってんでしょ」


「ドゥフフ」


「その笑い方だけで全部台無し」


     *


 マジメメガネが帰宅する前。


 女将と娘は相変わらずオッサンと遊んでいた。


「オホッ……! オホォォッ……!」


 女将が何度も身体を震わせる。


「まだ」


「女将さん、もう結構長いですぞ」


「帰ってきてないだろ」


「ドゥフフ」


「笑ってないで続けな」


 娘も負けていない。


「次、私」


「元気ですな」


「誰のせいだと思ってんの」


「おじさん?」


「豚」


「酷い」


「オホッ……! オホォォッ……!」


 女将も娘も、一度限界を迎えた程度では終わらない。少し休む。また始める。声が上がる。シーツも床も濡れる。また休む。


 付き合うオッサンの方も、何度目か分からなくなっていた。


「性豪親子」


「おじさんからは何とも」


「お前も同類だからな」


     *


 その中でも。


 特に酷かったのが数日前。


「今日は、あいつに見せたい」


 女将が突然そう言った。


「マジメメガネさんに?」


「そうだよ」


「何をですかな?」


「決まってるだろ」


 女将は笑った。


「私が、あんたに可愛がられてるところ」


「ドゥフフ」


「だからその笑い方やめな」


 場所まで、わざわざ三人が使っている家族部屋を選んだ。


 いつもの扉。


 いつものベッド。


 いつものようにマジメメガネが「ただいま」と帰ってくる部屋。


 そこで。


 女将は帰宅時間までオッサンとの種付け遊びを何度も繰り返した。


「まだかい」


「そろそろですかな」


「じゃあ止めるな」


「もう何度目ですかな」


「数えるな」


「オホッ……!」


 また身体が震える。


「オホォォォッ……!」


 少し休む。


「もう一回」


「本当に元気ですな」


「帰ってくるまでだよ」


     *


 そして。


 扉が開いた。


「ただいま――」


 マジメメガネ。


 停止。


「……」


「おかえり」


 女将は。


 わざと扉の方を見た。


「遅かったね」


「……何を、しているんですか」


「見りゃ分かるだろ」


 よりによって。


 その瞬間。


「オホッ……!」


 女将が大きく跳ねた。


「オホォォォォッ……!」


 その日一番。


 派手に。


 全身を震わせて限界を迎える。


 扉の前で。


 マジメメガネは完全に呆然としていた。


「どうしたい」


 女将は息を乱しながら笑う。


「そんなところに突っ立って」


「あなたは……!」


「ちゃんと見な」


     *


「本当に固まってましたぞ」


 草原でオッサンが言った。


「そりゃ固まるわ」


「眼鏡も直しませんでした」


「相当だな」


「ところが」


「何?」


「身体の方は、そうでもなかったようで」


「……ああ」


「娘さんに即座に発見されまして」


「最悪」


     *


 娘は。


 女将。


 オッサン。


 扉の前のマジメメガネ。


 三人を順番に見た。


 最後に。


 にやっと笑った。


「お父さん」


「その呼び方はやめてください!」


「お母さんが他の男に寝盗られてるところ見て、すごい顔」


「違います!」


「本当に?」


「本当です!」


「じゃあ」


 娘が腕を掴む。


「こっち」


「何をする気ですか」


「私の相手」


「今ですか!?」


「今だからいいんじゃん」


「あなたたち親子は!」


「嫌ならやめるよ?」


「……」


「やめる?」


「……やめなくていいです」


「ほら」


 娘は嬉しそうに笑った。


「寝盗られ好き」


     *


 そこから。


 部屋の左右で。


 別々の騒ぎになった。


「オホッ……!」


 女将。


「オホォォッ……!」


 娘。


「声が大きい!」


「お父さんが頑張るからじゃん!」


「その呼び方を!」


「じゃあ止める?」


「それとこれとは別です!」


「オホッ……!」


 また娘が身体を震わせる。


「お父さん」


「何です!」


「向こう、聞こえる?」


 隣から。


「オホォォォッ……!」


 女将の大声。


「聞こえています!」


「お母さん、他の男にあんな声出してる」


「わざわざ言わなくていい!」


「それ聞きながら私の相手してる」


「あなたは……!」


「変態」


「あなたにだけは言われたくありません!」


     *


 女将の方も。


 マジメメガネが寝盗られ役に弱いと分かってから。


 遠慮がなくなった。


「ほら」


 女将が、わざとマジメメガネへ声を飛ばす。


「さっきまで、あんたじゃない男に散々可愛がられてた身体だよ」


「女将さん……!」


「それでも欲しいんだろ?」


「そういう言い方は……!」


「嫌ならやめるかい?」


「……」


「やめないんだね」


 女将はますます楽しそうに笑う。


「じゃあ来な。あんた以外の男に種付けされた女でも、抱きたいんだろ?」


「あなたは本当に……!」


「オホッ……!」


 わざと。


 聞かせるように。


 声を上げる。


「ほら。こういう私が好きなんだろ?」


     *


 娘も負けない。


「お父さん」


「何ですか!」


「今、お父さんが散々可愛がった私さ」


「……」


「このあと豚に寝盗られるよ」


「言わなくていいです!」


「ちゃんと見ててね」


「やめてください!」


「本当に?」


「……」


「帰る?」


「……帰りません」


「ほら」


 娘が笑う。


「寝盗られ好き」


「違います!」


「じゃあ明日はやめる?」


「何をですか!」


「明日は私が先に豚と遊んでから、お父さんのところ行く」


「やめなさい!」


「でも欲しいんでしょ?」


「あなたは……!」


     *


「かなり煽られてますな」


「オッサン完全に他人事じゃん」


「おじさんは頼まれた役を」


「豚役」


「もう豚役で定着してませんかな!?」


「適役」


「酷い」


     *


 女将もさらに。


「聞こえてるかい!」


「聞こえています!」


「こっちはまだ終わらないよ!」


「報告しなくていいです!」


「今日はあんたじゃない男の方がずっと私を乱してる」


「女将さん!」


「オホォォッ……!」


「わざと声を上げるのをやめなさい!」


「どうして?」


「どうしてって!」


「嫉妬する?」


「……」


「するんだね」


 娘が向こうで大笑いした。


「お父さん、顔真っ赤!」


「あなたは黙って!」


「お母さん寝盗られて興奮してる変態!」


「違います!」


「私まで寝盗られたらもっと興奮するんでしょ?」


「違うと言っているでしょう!」


     *


 ところが。


 散々否定しながら。


 マジメメガネも。


 娘に煽られるたびに。


 何度も余裕を失った。


「もう……無理です!」


「終わり?」


「……」


「本当に終わり?」


「あなたは性格が悪い!」


「じゃあ続けるんだ」


「誰のせいですか!」


 そして。


 娘も。


「オホッ……!」


 また。


「オホォォッ……!」


 また。


 何度も限界。


「お父さん、また?」


「その呼び方!」


「でも私もまた」


「それは見れば分かります!」


「オホォッ……!」


「ほら!」


「あなたが煽るからでしょう!」


     *


 女将の方も。


 まだ終わっていなかった。


「もう十分では?」


「何言ってんだい」


「おじさんも何度目ですかな」


「知らないよ」


「ドゥフフ」


「まだやれるんだろ」


「いやぁ」


「ほら」


 そして。


「オホッ……!」


 また。


「オホォォォッ……!」


 女将が全身を震わせる。


 男二人も。


 女二人も。


 途中から何度目なのか。


 誰も数えていなかった。


     *


「部屋どうなってんの」


「途中から床を拭くのを諦めましたな」


「うわ」


「女将さんも娘さんも、何度も限界を迎えますし」


「男二人も?」


「こちらも何度も」


「全員アホ」


「否定できませんな」


     *


 さらに。


 途中で組み合わせが変わる。


 女将がマジメメガネの方へ。


 娘がオッサンの方へ。


「次、私」


「娘さんもまだ元気ですな」


「誰のせいだと思ってんの」


「おじさん?」


「豚」


「酷い」


「早く」


 娘も。


 母親に負けない。


「オホッ……!」


 少しして。


「オホォォッ……!」


「またですかな?」


「うるさい!」


 向こうからも。


「オホッ……!」


 女将。


 それから。


 マジメメガネの情けない声。


「もう今日は!」


「まだだよ」


「女将さん!」


「さっき他の男に可愛がられてた私だよ」


「それを何度言うんですか!」


「効くから」


「……!」


「ほら」


     *


 娘は。


 オッサンと遊びながらも。


 マジメメガネへの攻撃を忘れない。


「お父さん」


「何です!」


「見てる?」


「見ていません!」


「嘘」


「……」


「さっきお父さんが可愛がった私を、今度は豚が可愛がってる」


「報告不要です!」


「明日は逆にしよっか」


「何がです!」


「先に豚」


「やめてください!」


「そのあとお父さん」


「……」


「嫌?」


「……」


「ほら」


 娘はまた笑う。


「ほんっと寝盗られ好き」


     *


「完全に趣味じゃん」


 ギャルが断言した。


「本人だけ認めませんな」


「毎晩帰ってくるくせに」


「はい」


「女将さんと娘さんがオッサンとも遊んでるの知ってて」


「はい」


「見せつけられて」


「はい」


「煽られて」


「はい」


「それでも夜になったら」


「ただいま」


「趣味じゃん」


「そういう結論になりますな」


     *


 ただ。


 散々遊んだあと。


 娘は。


 時々。


 急に静かになる。


「豚」


「何ですかな」


「まだ帰らないで」


「はい?」


「もうちょっと」


 それまでマジメメガネを散々煽っていた娘が。


 少しだけ。


 恥ずかしそうな顔をする。


「お母さんに」


「はい」


「ちゃんと相手ができた」


「マジメメガネさん?」


「うん」


「夜になったら帰ってくる人」


「はい」


「朝になったら仕事行って」


「はい」


「また帰ってくる」


 娘は。


 ちらりと向こうを見る。


「私にも」


「はい」


「お父さんみたいな人ができた」


「……」


「だから」


 少し笑う。


「嬉しい」


     *


「そんなこと言うんだ」


 ギャルが驚いた。


「おじさんも意外でしたぞ」


「本人に言えばいいのに」


「それは絶対嫌だそうです」


「散々お父さんって呼んでんじゃん」


「あれは煽るためだから別」


「面倒くせえ」


「娘さん自身も似たようなことを言ってましたな」


 女将にとっても。


 マジメメガネは。


 もう単なる遊び相手ではない。


 帰りが遅ければ心配する。


 食事を残す。


 翌日の仕事を気にする。


 疲れていれば。


「今日は寝な」


 と本気で休ませる。


 そして元気なら。


「今日は遅かったね」


「仕事です!」


「じゃあ遅かった分、付き合いな」


「明日も仕事が!」


「知るか」


「オホッ……!」


「女将さん!」


 となる。


「愛が重いな」


「いろいろな意味で」


     *


「つまり」


 ギャルが指を折る。


「女将さんにはパートナーができた」


「はい」


「娘さんには父親みたいな人ができた」


「はい」


「マジメメガネには帰る家ができた」


「はい」


「オッサンは?」


「……」


「……」


「時々やって来る種付け豚?」


「正解」


「自分で言わせておいて!」


     *


「でも」


 ギャルは笑いながら薬草を摘む。


「マジメメガネ、なんだかんだ幸せなんじゃない?」


「おじさんもそう思いますぞ」


 毎晩。


「ただいま」


 と言って帰ってくる。


「おかえり」


 女将が返す。


「お父さん、おかえり」


「その呼び方はやめてください!」


 娘が笑う。


 夕食を食べ。


 神殿であったことを話し。


 宿であったことを聞き。


 娘のくだらない話に付き合う。


 そして。


 時々。


 そのまま大人だけの馬鹿げた遊びが始まる。


「オホッ……!」


「オホォォッ……!」


「もう無理です!」


「まだ!」


「お父さん頑張れ」


「あなたが言うな!」


 そんな夜を過ごす。


 朝になれば。


「行ってきます」


「行ってらっしゃい」


「お父さん、仕事頑張って」


「だからその呼び方は!」


 そうして。


 また神殿へ向かう。


「もう家だね」


「家ですな」


     *


「ただ一つ」


 オッサンが言った。


「何?」


「マジメメガネさん」


「うん」


「女将さんと娘さんが、どれほど性豪なのか」


「うん」


「まだ完全には理解していない気がしますぞ」


「毎晩一緒にいて!?」


「自分が頑張れば何とかなると思っている節がありますな」


「無理じゃね?」


「おじさんでも大変ですからな」


「オッサンでも何度も限界まで付き合わされてるもんな」


「ドゥフフ」


「嬉しそうにするな」


     *


 二人はしばらく黙って薬草を摘んだ。


 やがて。


 ギャルがぽつりと言う。


「まあ、いいんじゃね」


「何が?」


「普通じゃないけど」


「はい」


「女将さんも娘さんも楽しそうで」


「はい」


「マジメメガネも、本当に嫌なら止められて」


「はい」


「それでも毎晩そこへ帰ってくるなら」


「はい」


「そこが家なんでしょ」


 オッサンも。


 少し笑った。


「そうですな」


「変態家族だけど」


「それは否定できませんな」


「そこに出入りしてる豚もいるし」


「おじさんは家族ではありませんぞ!」


「じゃあ何だよ」


「……時々やって来る種付け豚」


「自分で答え出してんじゃん」


「ギャルさんが言わせたのでしょう!」


 草原に。


 ギャルの笑い声が響いた。


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