第六十四話 神殿を覗いたら、受付のお姉さんが性奴隷の元童貞神父を朝まで調教していました
ギャルが教会へ顔を出したのは、薬草採取の帰り道に境内を横切っただけだった。
いつもなら人の出入りがある小神殿の周囲が、妙に静かだった。人払いでもされているらしい。それだけなら気にしなかったのだが、中から聞き覚えのある声が響いてきた。
「オホッ……! オホォォッ……!」
「……童貞神父?」
もう童貞ではない。本人も何度も「もう童貞ではありません!」と抗議している。しかしギャルの中では、ずっと童貞神父だった。
小神殿の扉は完全には閉まっていない。
「これ絶対、あの二人じゃん」
少しだけ覗く。
やっぱりいた。
*
神殿中央には、以前からある性神の神像。
その上にいるのは全裸の童貞神父。目隠しをされ、腕も拘束されている。
そして目の前には、いつもの受付嬢とは思えない黒革ボンテージ姿の受付のお姉さん。
「またそれ着てる」
二人はすでに、御主人様と性奴隷という遊びをする関係になっている。
役の中での拒否と、本当に止めたい時の拒否は別。止める時の合図も決めている。体調が悪くなれば途中でも終わり。
その辺りをきっちり決めた上で。
「腰を止めない」
「はい……御主人様……!」
「もっと」
「オホッ……! オホォッ……!」
童貞神父は、神像の逸物をアナルへ受け入れたまま、自分から腰を動かしていた。
「うわぁ」
ギャルが思わず小さく声を漏らす。
しかも受付のお姉さんの片手には蝋燭。
「完全に調教じゃん」
*
あの神像は、ただの像ではない。
一定の間隔で、逸物から大量に射精する。
童貞神父も、そろそろその時が来ることを分かっているらしい。
「御主人様……!」
「何です?」
「そろそろ……神像が……!」
「なら」
受付のお姉さんが耳元へ顔を寄せた。
「ちゃんと全部受けなさい」
「はい……!」
直後。
「オホォォォッ……!」
神像の逸物から、大量の精液が童貞神父の身体の奥へ送り込まれる。
童貞神父の背中が大きく反った。
「来る……! 私も……!」
「私はあなたのそこへ何も触れていませんよ」
「でも……! オホッ……!」
「神像に出されただけで、自分まで?」
「御主人様……!」
そして。
「オッ! オッ! オッ! オッ……!」
童貞神父自身も勢いよく射精した。
真正面にいた受付のお姉さんの黒革ボンテージへ、白い痕跡が飛ぶ。
「……」
「す、すみません!」
「何故謝るのです?」
「御主人様に……」
「私がここへ立ったのですが」
「……」
「それとも、私を汚せて嬉しかった?」
「違います!」
「嫌でした?」
「それも違います!」
「なら?」
「……嬉しかったです」
「よろしい」
「オホッ……!」
*
受付のお姉さんは、そのまま童貞神父の上へ跨がった。
「御主人様……!」
「動かない」
「はい……!」
上から体重を預けられることで、神像の逸物はさらに深く童貞神父へ押し込まれる。
「オホォォォォッ……!」
童貞神父は口を大きく開き、舌を伸ばしたまま全身を痙攣させた。
しかし受付のお姉さんは構わない。
童貞神父の上で身体を弾ませ続ける。
二人の身体も重なり。
受付のお姉さんが動くたび、童貞神父は神像と受付嬢の両方から刺激を受ける。
「オホッ……! 御主人様……! オホォッ……!」
「いい声ですね、性奴隷」
「もう……また……!」
「まだ終わりとは言っていません」
神像が再び射精する。
「オホォッ……!」
童貞神父が痙攣する。
そして。
「オッ! オッ! オッ……!」
本人もまた射精する。
それを何度も繰り返していた。
*
ただし。
余裕を失っていたのは童貞神父だけではない。
「御主人様も……!」
「何です……!」
「声……!」
「黙りなさい……オホッ……!」
受付のお姉さんも、童貞神父の上で何度も身体を震わせる。
「オホッ……! オホォォッ……!」
普段ギルドで冒険者を淡々と捌いている女と、同一人物とは思えない声だった。
それでも御主人様としての命令だけはやめない。
「性奴隷」
「はい……!」
「もっと奉仕しなさい」
「はい、御主人様……!」
*
途中から受付のお姉さんは、童貞神父の顔まで自分の身体へ引き寄せた。
「最後まで、ちゃんと奉仕する」
「はい……!」
目隠しをされた童貞神父は、命じられるまま必死に奉仕を続ける。
最初は受付のお姉さんも余裕があった。
「そう。そこで止まらない」
しかし。
「オホッ……!」
すぐに声が崩れる。
「もっと……! オホッ……! 止まるな……!」
「はい、御主人様……!」
「オホォォォッ……!」
受付のお姉さんは童貞神父の顔へ身体を押しつけるようにしながら、何度も大きく震えた。
身体の制御まで利かなくなる。
それでも童貞神父を離さない。
「御主人様……!」
「まだ……! 私が終わりと言うまで……!」
結果。
童貞神父は御主人様が何度も限界を迎える余韻まで真正面から受け続けることになった。
しかも。
本人まで。
「オホッ……!」
それだけで嬉しそうに身体を震わせ。
「オッ! オッ! オッ……!」
また射精した。
「完全に調教済みじゃん」
扉の外で、ギャルは呆れていた。
*
神像の周囲の床は。
もう酷い有様だった。
神像が何度も射精した大量の白い痕跡。
童貞神父が何度も射精した痕跡。
受付のお姉さんが何度も限界を迎えた結果。
汗。
蝋燭。
その他にも、何が何だか分からないほど大量の体液が床へこぼれている。
「……誰が掃除すんの、これ」
ギャルが一番心配したのはそこだった。
*
さらに。
プレイの途中。
受付のお姉さんが筆を持ち出した。
「性奴隷」
「はい……御主人様」
「あなたが何者なのか、分かるようにしておきましょう」
「何を書く気ですか……?」
「動かない」
「はい……」
目隠しをされた童貞神父には、自分の身体に何を書かれているのか見えない。
胸。
腹。
腕。
脚。
受付のお姉さんは、遊びの合間に好き放題書いていった。
「修行中」
「共用チンポ」
「ケツの穴も使えるよ」
「チンポ奴隷」
「おしっこ飲ませて」
「御主人様……絶対ろくなこと書いていませんよね」
「嫌なら消します?」
「……」
「神父様?」
「消さなくていいです」
「よろしい」
受付のお姉さんが楽しそうに笑う。
*
ただ。
最後の一つだけ。
筆の動きが変わった。
ゆっくり。
一文字ずつ。
「御主人様に一生服従」
「……」
童貞神父にはまだ読めない。
「何と書いたのです?」
受付のお姉さんは答えず、目隠しの上から童貞神父の頬へ手を添えた。
「あなたは」
「はい」
「一生、私のものです」
童貞神父の身体が止まった。
「……それ」
「何です?」
「役の台詞ですか?」
今度は受付のお姉さんが少し黙った。
「どうでしょうね」
「御主人様」
「嫌?」
「いいえ」
「本当に?」
「はい」
童貞神父は目隠しをされたまま、受付のお姉さんのいる方向へ顔を向けた。
「私も、一生御主人様のものでも構いません」
「……」
「むしろ、そうしていただきたいです」
*
「本当に馬鹿ですね」
「御主人様に言われたくありません」
「私の性奴隷でしょう?」
「はい」
「一生?」
「はい」
「途中で嫌になったら?」
「その時は、ちゃんと言います」
「よろしい」
そこはいつもの二人だった。
役の中ではどれだけ好き放題言っても、本当の意思だけは誤魔化さない。
受付のお姉さんは「御主人様に一生服従」と書いた場所を指先でなぞった。
「一生私のものです」
「はい、御主人様」
それから。
何度も。
童貞神父へ口づけた。
身体に書いてある他の文字だけを見れば、ただの酷い落書きだった。
だが。
最後の一行だけは。
二人にとって。
御主人様と性奴隷という遊びの中で交わした。
二人なりの愛の誓いだった。
*
受付のお姉さんが帰る頃。
童貞神父はまだ神像の上にいた。
「神父様」
「はい」
「朝まで修行を続けます?」
「……続けます」
「本当に?」
「はい」
「途中でやめたくなったら?」
「決めた合図を使います」
「よろしい」
そこで。
受付のお姉さんが紙袋を取り出した。
「……それは?」
「頭に被せます」
「何故!?」
「修行僧らしく」
「絶対違います!」
「でも被せます」
「御主人様!」
結局。
童貞神父の頭には紙袋が被せられた。
最後に受付のお姉さんは、紙袋越しの頭へ口づける。
「おやすみなさい。私の性奴隷」
「……はい、御主人様」
*
そして翌朝。
朝の神官たちが小神殿へ入った瞬間。
全員。
入口で止まった。
「……」
「……」
「何だ、これは」
性神像の上。
全裸の童貞神父。
拘束されたまま。
頭には紙袋。
肩、胸、腹、脚には、昨夜垂らされた蝋燭が固まってこびりついている。
さらに身体中には。
「修行中」
「共用チンポ」
「ケツの穴も使えるよ」
「チンポ奴隷」
「おしっこ飲ませて」
「御主人様に一生服従」
という文字。
「……」
「……」
「最後の一つだけ誓約に見えるが」
「触れない方がいい」
「そうだな」
「オホッ……!」
びくんっ。
突然。
童貞神父が大きく痙攣する。
「オホォォッ……!」
神像がまた大量に射精したらしい。
その直後。
「オッ! オッ! オッ……!」
童貞神父自身も射精した。
*
「生きているのか?」
「生きています……」
「何をしている?」
紙袋の下から小さな声。
「……修行です」
身体にもそう書いてある。
「そうか……」
「修行か……」
「いや、本当に修行なのか?」
「本人が言ってるんだから、そうしておこう」
神官たちは。
詳しく聞くことを諦めた。
ただし。
いつまでも神像の上へ置いておくわけにはいかない。
「とりあえず離そう」
「神父殿、動かしますよ」
「お願いします……」
数人がかりで。
童貞神父を。
神像から離した。
*
「オホォォォッ……!」
「!?」
身体の奥へ一晩中溜まり続けていた神像の精液が、一気に外へ溢れ出した。
「オホッ……! オホォッ……!」
「大丈夫か!?」
「だ、大丈夫です……!」
大量の余韻が流れ出す刺激だけで。
「オッ! オッ! オッ……!」
童貞神父本人まで射精する。
「……」
「……」
少し静かになる。
また身体の奥から残っていたものが溢れる。
「オホォッ……!」
童貞神父が痙攣する。
「オッ! オッ! オッ……!」
また本人まで射精する。
それを何度か繰り返した。
「……相当に厳しい修行だったようだな」
「……はい」
「何時間?」
「夜通しです……」
「そうか」
誰も。
それ以上。
聞かなかった。
*
「っていうの見た」
数日後。
ギャルは草原で薬草を摘みながら、オッサンへその一部始終を話していた。
「ギャルさん」
「何?」
「何故最後まで見ていたのですかな」
「気になったから」
「覗きですぞ」
「途中から今さら帰れなくなった」
「ドゥフフ」
「笑うな豚」
オッサンは摘んだ薬草を袋へ入れる。
「しかし」
「うん」
「あの受付さんと童貞神父さん」
「うん」
「かなり仲がよろしいですな」
「もう完全に御主人様と性奴隷だよね」
「愛の誓いまで」
「そこはちょっと良かった」
「身体には共用チンポと書かれていましたが」
「そこは最低」
*
ギャルは薬草を一本摘み。
しばらく眺めたあと。
「でもさ」
「はい?」
「続きのシチュエーション思いついた」
「嫌な予感しかしませんぞ」
「童貞神父が目隠し外すじゃん」
「はい」
「そしたら目の前で、受付のお姉さんが別の男にめちゃくちゃにされてる」
「……」
「その男」
「まさか」
「オッサン」
「おじさん!?」
*
「受付のお姉さんを抱えたオッサンが、童貞神父の目の前でずっと可愛がるの」
「かなり恨まれそうですぞ」
「それがいいんじゃん」
「何故?」
「童貞神父からしたら、自分の御主人様で、好きな女で、自分を一生のものだって言った女だよ?」
「はい」
「それが自分以外の男にめちゃくちゃにされて、オホ声上げて何度も限界迎えてる」
「酷い」
「しかも途中からオッサンが受付のお姉さんを抱えたまま童貞神父に近づく」
「何をするのですかな」
「童貞神父も参加させる」
「ほう」
「でも受付のお姉さんが一番崩れてるのは、オッサンにされてる方」
「……」
「童貞神父は、自分以外の男に何度も絶頂させられてる御主人様を目の前で見ながら、自分もその身体の反応を感じる」
「ギャルさん」
「何?」
「とても楽しそうですな」
「だって」
ギャルがにやりと笑う。
「たぎる鬱勃起じゃね?」
「何ですかな、その言葉」
「嫉妬と絶望と興奮が全部一緒に来てるやつ」
「わざわざ完成させなくても」
*
オッサンは少し考え。
「しかし」
「何?」
「そのシチュエーション」
「うん」
「ギャルさんに何の得がありますかな?」
「あるよ」
「何処に?」
「私はちょっと離れたところで見る」
「見るだけ?」
「オナニーしながら」
「ドゥフフ」
「その笑い方やめろ豚」
「ですが、ギャルさんなら自分も混ざりたいのでは?」
「普段ならね」
「では?」
ギャルはオッサンを指さした。
「本当なら、オッサンが限界迎える時、一番近くにいるのって私じゃん」
「まあ」
「オッサンが私をめちゃくちゃにして、私がオホ声上げて、オッサンが出すのも身体で感じる」
「はい」
「それが」
一拍。
「全部、別の女のものになる」
「……」
「私が目の前にいるのに」
「……」
「オッサンは私を放置して、受付のお姉さんばっかり見てる」
「ギャルさん?」
「受付のお姉さんが崩れるたびに、オッサンもそっちに夢中」
「かなり嫌な妄想では?」
「だからいいんだって」
*
「寝盗られ感」
「おじさんはギャルさんの恋人ではないのでは?」
「そこは違う」
「違う?」
「恋人じゃないけど」
「はい」
「私のところに来るはずのものを、別の女に全部持っていかれてる感じ」
「……」
「しかも自分から混ざらない」
「はい」
「見ながら一人で興奮する」
「ギャルさん」
「何?」
「かなり変態ですな」
「今さら?」
「ドゥフフ」
「豚に言われたくねえ」
*
「つまり」
オッサンが整理する。
「童貞神父さんは、御主人様を別の男に奪われるところを見せられる」
「そう」
「ギャルさんは、おじさんが別の女性へ夢中になっているところを見る」
「そう」
「受付さんは?」
「二人の嫉妬の中心」
「おじさんは?」
「私を完全に無視して受付のお姉さんに夢中になる豚」
「役が酷い!」
「大事だよ」
「何故?」
「途中でオッサンが私を気にしたら、寝盗られ感がなくなるじゃん」
「徹底しておりますな」
「するなら徹底的に」
*
「で」
オッサンが恐る恐る聞く。
「実際にやるのですかな?」
「さあ」
「さあ?」
「受付のお姉さんと童貞神父がやりたいって言って」
「はい」
「オッサンもやりたいなら」
「はい」
「私は見る」
「本当に参加しない?」
「その日は我慢」
「できますかな」
「……」
「ギャルさん?」
「途中で我慢できなくなったら知らん」
「やはり」
「うるさい」
*
二人はしばらく黙って薬草を摘んだ。
やがて薬草袋がいっぱいになる。
「そろそろ帰る?」
「十分でしょうな」
二人で町へ向かって歩き始める。
「ギャルさん」
「何?」
「その妄想」
「うん」
「受付さんへ直接話すのはやめていただきたい」
「何で?」
「おじさんが殺されますぞ」
「意外と受付のお姉さん、乗るかもよ?」
「余計に怖い!」
「童貞神父も鬱勃起するかも」
「その言葉を気に入りすぎですぞ!」
草原にギャルの笑い声が響いた。
そしてオッサンは。
次に受付のお姉さんと会った時。
絶対にこの話を思い出さないようにしようと。
固く心に誓った。
後書き
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