第六十一話 爆乳メイド長の希望は、旦那様の前で公爵令女に無様にされることでした
「次は、私の希望を聞いていただけますか」
離れの寝室で、エリーがそう言った。
前回はマコトが考えたシチュエーションにユキが付き合った。なら次はエリーの番だと、三人とも分かっている。
「聞きますけど」
「何を考えましたの?」
「まず、私がユキを可愛がります」
「はい」
「その私を、旦那様が後ろから可愛がってくださいませ」
「……」
「……」
マコトの目が、あからさまに輝いた。
「旦那様」
「はい」
「お好きですね?」
「かなり」
「即答ですの!?」
エリーが望んでいるのは、自分がユキを翻弄しているつもりなのに、その自分も同時にマコトに崩されていく構図だった。
「そして、ユキには見ていてほしいのです。旦那様に私が無様にされていくところを」
「自分で無様って言いましたわね」
「はい」
「旦那様にも?」
「見ていただきたいです」
マコトは少し不思議そうに首を傾げた。
「何で?」
「普段の私は、旦那様に仕えるメイド長です。使用人をまとめ、帳簿を確認し、旦那様がお仕事をしすぎれば叱ります」
「はい」
「だからこそ、ここでは」
エリーは少しだけ頬を赤くした。
「旦那様の前で、格好をつけずに全部崩れてしまいたいのです」
*
「つまり」
ユキが指を立てる。
「最初はエリーが私を好き放題する」
「はい」
「でも途中から私に仕返しされる」
「はい」
「その無様な姿を」
「……」
「大好きな旦那様に最初から最後まで見てもらいたい」
「……はい」
「変態」
「淫売に言われたくありません」
「否定しませんの!?」
「事実ですので」
マコトが頭を抱える。
「二人とも順調に悪化してません?」
「旦那様も同類です」
「マコトが一番喜んでますわよ」
「否定できない」
*
三人とも裸になった。
最初はエリーがユキをベッドへ押し倒し、覆いかぶさるように抱き込む。
「今日は最初だけ、私が上です」
「最初だけ?」
「予定では」
「その言い方、絶対に奪い返したくなりますわね」
「どうぞ。できるものなら」
「言いましたわね?」
その直後。
マコトがエリーの背後へ回った。
「エリー」
「はい、旦那様」
「本当に?」
「お願いします」
「嫌になったら」
「止めてくださいませ」
「分かりました」
マコトが背後からエリーを抱き、エリーはそのままユキを抱える。
三人の身体が前後に重なった。
「オホッ……!」
最初に声を崩したのは、エリーだった。
「早いですわね」
「黙りなさい、淫売……オホッ……!」
「エリー」
「旦那様……!」
「ユキを可愛がる側でしょう?」
「そのつもりです……!」
「じゃあ頑張って」
「オホォッ……!」
*
ユキから見れば、かなり愉快な光景だった。
エリーは確かに自分を翻弄しようとしている。
だがその背後でマコトに可愛がられるたび、いつもの威厳がものすごい勢いで消えていく。
「エリー」
「何です……!」
「今、私を責めてる人の顔じゃありませんわよ」
「うるさい……!」
「完全に旦那様にやられてる顔」
「淫売……!」
「ほら」
ユキが笑った。
「もっと無様になってくださいませ」
「オホォッ……!」
やがてエリーが限界へ近づく。
「旦那様……!」
「何?」
「来ます……!」
「ユキにも分かるように」
「オッ! オッ! オッ! オッ……!」
身体から力が抜ける。
マコトが背後から支え、ユキも正面から抱き留めた。
「エリー」
「……はい」
「さっきまであんなに偉そうでしたのに」
「……」
「もう二人に支えられてますわよ」
「……淫売」
「その声では怖くありませんわね」
*
「では」
ユキがエリーの身体を押し返した。
「今度は私の番」
「……はい」
「本当にやりますわよ」
「お願いします」
「途中で嫌なら?」
「止めてください」
「分かりました」
そこでユキの顔が変わる。
「では、仕返し開始」
「……」
「エリー。さっきまで随分偉そうでしたわね」
「そうですね」
「旦那様の前で」
「はい」
「どこまで無様になれるか、試して差し上げます」
「……お願いします」
*
今度はユキがエリーを抱え込む側になった。
「オホッ……!」
「まだ始まったばかりですわよ」
「ユキ……!」
「淫売ではなく?」
「淫売……!」
「まだ言える余裕があるんですね」
「あります……オホォッ……!」
その横で、マコトはかなり楽しそうに見ていた。
「旦那様」
「何?」
「見ています?」
「ものすごく」
「無様ですか?」
「かなり」
「……嬉しいです」
「エリー」
「はい?」
「本当に変態ですね」
「旦那様にだけは言われたくありません」
*
ところが。
ユキは途中からマコトまで引き寄せた。
「マコト」
「何?」
「私も」
「エリーだけじゃなく?」
「当然でしょう」
「嫉妬?」
「もちろん」
ユキとマコトが身体を寄せる。
「ちょっと」
エリーが声を上げた。
「何です?」
「私のシチュエーションでは?」
「そうですわよ」
「何故お二人で」
「エリーをいたぶりながら」
ユキが笑う。
「私とマコトはラブラブします」
「……」
「嫌?」
エリーは一瞬考えた。
「非常によろしいです」
「でしょう?」
*
そこから、ユキが完全に主導権を握った。
マコトはユキへ。
ユキはエリーへ。
エリーは、その二人に翻弄され続ける。
「オホッ……!」
「エリー」
「はい……!」
「まだ余裕?」
「ありません……!」
「旦那様に見られてますわよ」
「見て……!」
「何を?」
「もっと……無様なところ……!」
「変態」
「オホォッ……!」
罵られるたび。
エリーはむしろ嬉しそうに声を崩した。
*
しばらくして。
ユキは最初から用意していたものを持ってきた。
張り型。
目隠し。
柔らかな拘束具。
「……全部使うんですか」
「エリーの希望ですわ」
「はい」
本人が即答する。
「旦那様」
「何?」
「見ていてくださいませ」
「もちろん」
エリーは両手を後ろへ回され、目隠しをされた。張り型を使わされたまま脚を開かされ、その背後へユキが座る。
「ユキ……」
「何?」
「旦那様が……」
「見ていますわよ」
実際。
マコトは少し離れた場所から、目を逸らさず二人を見ていた。
普段は使用人を一言で黙らせるメイド長が、今は両手も視界も奪われ、脚を開かされ、完全にユキへ身体を預けている。
「旦那様……」
「見てますよ」
「全部……?」
「全部」
「オホッ……!」
その返事だけで、エリーの身体が跳ねた。
*
ユキは背後からエリーを抱え込み、胸元へ腕を回した。
爆乳を揉み、敏感なところを摘まみ、男として反応している身体まで休ませない。
「オホッ……! オホォッ……!」
「エリー」
「はい……!」
「旦那様に見られてますわよ」
「分かって……!」
「普段は偉そうな爆乳メイド長が」
「ユキ……!」
「手も使えず、目も見えず、私に好き放題されている」
「オホォォッ……!」
エリーにとって何より効くのは。
マコトが見ていることだった。
「旦那様……!」
「いますよ」
「もっと……見て……!」
「見てます」
「オホッ……!」
*
そして。
マコト自身も、見ているだけでは済まなくなった。
「ユキ……」
「何です、マコト?」
「そのまま……」
「エリーを?」
「はい……」
マコトは二人を見ながら、自分の身体を慰め始める。
「ユキ……」
「私の名前?」
「ユキ……!」
「もっと呼んで」
「ユキ……!」
エリーの肩が、ぴくりと揺れた。
「旦那様……」
だが。
マコトはエリーの名を呼ばなかった。
*
「オホッ……!」
ユキに抱え込まれ。
胸元も。
男としての反応も。
身体の敏感なところも。
まとめて崩されていく。
そのすぐ近くで。
「ユキ……!」
マコトがまた限界へ達した。
「オッ! オッ! オッ! オッ……!」
白い行為の痕跡が、ユキに抱えられたエリーの肩や胸へ残る。
「……旦那様」
「何?」
「また」
「はい」
「ユキの名前を……」
「呼びました」
「私の名前は……?」
「呼んでません」
「……」
「エリー?」
「そのままで……」
「え?」
「私を見ながら」
エリーが息を震わせた。
「ユキの名前を呼んでくださいませ」
*
「変態」
ユキが耳元で笑う。
「旦那様に見られて」
「オホッ……!」
「私にめちゃくちゃにされて」
「オホォッ……!」
「その旦那様は」
「……!」
「私の名前を呼びながら果てる」
「オホォォッ……!」
「しかも痕跡だけはエリーに残る」
「ユキ……!」
「でも」
声を落とす。
「旦那様はエリーの名前を呼ばない」
「オホッ……! オホォォッ……!」
*
それから何度も。
マコトはユキの名を呼んだ。
「ユキ……!」
「はい、マコト」
「ユキ……!」
「マコト」
「オッ! オッ! オッ……!」
そのたび。
エリーの身体へ白い痕跡が増えていく。
「旦那様……」
「何?」
「もっと……」
「まだ?」
「はい」
「名前は?」
「呼ばないでください……」
「エリーの?」
「はい……」
エリーが自分から言った。
「ユキの名前を……私を見ながら……」
一息。
「ユキの名前を呼んで、また果ててくださいませ」
*
ユキの顔が完全に悪くなった。
「では、もっと無様になりましょうか」
「オホッ……!」
「爆乳も」
「オホォッ……!」
「男としての身体も」
「ユキ……!」
「全部、旦那様に見せて」
「オホォォッ……!」
「マコト」
「ユキ……!」
エリーは何度も限界を迎えた。
声を崩し。
身体を震わせ。
何度力が抜けても。
「止めます?」
「止めないで……!」
「本当に?」
「もっと……!」
マコトが見ている。
それだけで。
まだ終わりにしたくなかった。
*
だが。
ユキは最後に。
さらに別の遊びを用意していた。
「エリー」
「……はい」
「今度は」
ユキがマコトを見る。
「私たち二人のための道具になってくださいませ」
エリーの身体が。
目に見えて震えた。
「……道具?」
「そう」
「私とマコトが、二人で楽しむための」
「……」
「巨乳のメイド」
「オホッ……!」
言葉だけで。
エリーの声が崩れた。
*
マコトとユキは、エリーを二人の間へ置いた。
今度は前後から別々に可愛がるのではない。
二人が。
エリーの同じ受け入れ口を共有するように身体を重ねる。
「オホッ……! 二人とも……同じところに……!」
「そうですわ」
「今日は」
マコトもユキを見る。
「エリーを、私たち二人が一緒に楽しむための場所にします」
「旦那様とユキが……私の中で……」
「分かる?」
「分かります……オホォッ……!」
二人にとって。
この遊びの中心にいるのは。
エリーではなかった。
*
「ユキ……」
「マコト……」
二人が見るのは。
互いの顔。
触れるのも。
互いの頬や胸。
抱き合う。
口づける。
舌を絡める。
同じ場所を共有することで、相手の身体の熱や震えがすぐそばに伝わってくる。
「マコト……」
「ユキ」
「好きですわ」
「私も」
「オホッ……!」
真ん中にいるエリーだけが。
大きく身体を震わせる。
「旦那様……!」
だが。
二人はほとんど振り向かない。
*
「エリー」
「はい……!」
「今」
ユキがマコトへ口づけたまま笑う。
「完全に私たちの道具ですわよ」
「オホォッ……!」
「マコトと私が」
「はい……!」
「互いを感じるために」
「オホッ……!」
「エリーを使ってる」
「もっと……!」
「本当に?」
「もっと使ってくださいませ……!」
マコトとユキは。
また互いに口づける。
エリーを介しながら。
求めているのは。
互いだった。
*
それが。
エリーには想像以上に効いた。
旦那様が自分を求めているわけではない。
ユキが自分を独占しているわけでもない。
二人が。
二人自身を求め合うために。
自分をその間へ置いている。
「オホッ……! オホォッ……!」
「エリー?」
「何でしょう……!」
「私たち、エリーじゃなくて互いを見ていますわよ」
「分かっています……!」
「嫌?」
「いいえ……!」
「では」
ユキが笑う。
「もっと道具になってくださいませ」
「オホォォッ……!」
*
マコトとユキが互いの名を呼ぶ。
「ユキ……」
「マコト……」
抱きしめる。
口づける。
互いの胸元へ手を回す。
相手が限界へ近づくたび。
その熱。
震え。
力が抜けていく感覚まで。
二人はエリーを介して確かめ合う。
「マコト……!」
「ユキ……!」
そして。
二人が男として限界を迎える。
「オッ! オッ! オッ! オッ……!」
「オッ! オッ! オッ……!」
その瞬間まで。
二人が見ているのは。
互いだった。
「オホォォォッ……!」
エリーだけが。
その二人の間で。
何度も身体を震わせる。
*
「エリー」
「……はい」
「まだ分かります?」
「何が……?」
「誰に使われてる?」
「旦那様と……」
「それから?」
「ユキ……!」
「何のため?」
「二人が……」
「はい」
「二人で楽しむため……!」
「正解」
「オホォォッ……!」
目隠しの下。
エリーの表情は見えない。
だが。
声だけで。
どれほど喜んでいるのか。
二人には十分に分かった。
*
最後まで。
マコトとユキは。
エリーを二人の間へ置いたままだった。
二人で口づけ。
二人で愛撫し。
二人で名前を呼び合う。
エリーは。
その交わりの中心にいながら。
主役ではない。
愛し合う二人が。
互いを喜ばせるために使っている。
巨乳のメイド。
「オホッ……! オホォッ……!」
それが。
何より。
エリーを興奮させていた。
*
ようやく終わった頃には。
エリーは。
まともに起き上がれなかった。
「エリー」
「……はい」
「どうでした?」
ユキが聞く。
エリーは少しだけ息を整えた。
「最高でした」
「何が?」
「旦那様とユキが」
「はい」
「私ではなく」
「はい」
「互いを求めながら」
「はい」
「その間に」
エリーが。
小さく笑う。
「私を使ってくださったことが」
マコトが。
その頬へ口づけた。
「本当に変態になりましたね」
「旦那様に言われたくありません」
ユキも。
反対側から。
エリーへ口づける。
「またやりたい?」
エリーは。
ほとんど迷わなかった。
「はい」
「即答」
「次も」
二人へ身体を預ける。
「お二人のための道具にしてくださいませ」
マコトとユキは。
顔を見合わせ。
同時に笑った。
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