第六十話 腐女子代官が考えたのは、公爵令女を前後からひたすら責める最低のシチュでした
「今度は、私がやりたいシチュエーションがあります」
離れの寝室で、マコトがそう言った。
ユキとエリーが同時に振り返る。
「マコトが?」
「旦那様が?」
「はい」
珍しい。
ユキが考えるシチュエーションにマコトが乗ることは多い。エリーが思いついたことへ二人が巻き込まれることも増えた。
だが、最初から最後までマコトが考えたものを二人へ提案するのは、まだ少なかった。
「どんなのですの?」
「まず」
マコトがユキを見る。
「ユキを、私とエリーの二人で徹底的に可愛がりたい」
「おや」
「公爵令女を?」
「はい」
エリーの目が少し細くなった。
「続けてくださいませ、旦那様」
*
「三人とも裸」
「はい」
「ユキを私とエリーで抱えて」
「はい」
「前と後ろから、二人同時に」
「……」
ユキの顔が。
すでに赤くなっている。
「そのまま」
「そのまま?」
「何度も」
「何度も?」
「ユキが何も考えられなくなるくらい」
「……マコト」
「はい」
「前世腐女子だった人が考える遊びですの?」
「今世の身体が強すぎるんですよ!」
エリーが口元へ手を当てた。
「それで旦那様は、ユキを二人で徹底的に?」
「はい」
「淫乱」
「エリー!」
「まだ始まってもいませんよ」
「今から役作りです」
*
ユキは少し考え。
「私は?」
「何?」
「途中で嫌になったら?」
「すぐ止めます」
「エリーも?」
「当然です」
「本当に?」
「ユキが望まないことはしません」
そこで。
ユキが笑った。
「では」
自分から服へ手をかける。
「思いきりお願いしますわ」
*
三人とも裸になった。
最初は、ユキをマコトとエリーが左右から抱き上げる形になった。
「ちょっと……!」
「重い?」
「そこじゃありませんわ!」
「では」
エリーがユキの身体をしっかり支える。
「始めますよ、淫売」
「だから役に入るの早い!」
「嫌?」
「もっと言って」
「変態」
「オホッ……!」
「まだ何もしてませんよ!?」
マコトが思わず笑う。
*
そこから。
笑っている余裕は。
すぐに消えた。
ユキは。
前と後ろ。
二人から同時に抱え込まれる。
逃げられない。
だが。
逃げようともしていない。
「オホッ……! オホォッ……!」
「ユキ」
「はい……!」
「まだ大丈夫?」
「もっと……!」
「エリー」
「はい、旦那様」
「続けましょう」
「喜んで」
前から。
後ろから。
二人が同じ調子でユキを追い込んでいく。
「オホォッ……! 二人とも……!」
「淫乱」
「変態ですわね」
「オホッ……! もっと言って……!」
*
途中で。
マコトとエリーも疲れる。
すると。
一人が仰向けになり。
ユキがその上へ跨がる。
残る一人が背後へ回る。
形は変わっても。
結局。
ユキが二人の間にいることは変わらなかった。
「オホッ……!」
「ユキ」
「もう?」
「まだ……!」
「本当に?」
「まだ……もっと……!」
力が抜ければ。
二人が支える。
少し戻れば。
また立場を変える。
そして。
また。
前後から。
二人で挟む。
*
「オホッ……! オホォッ……!」
ユキの声は。
どんどん大きくなった。
それでも。
二人は。
時々。
必ず確認する。
「ユキ」
「何……?」
「止める?」
「止めない……!」
「本当に?」
「もっと……!」
その答えを聞くたび。
また二人がユキを抱く。
そして。
ユキ自身も。
男としての身体を自分で刺激し始めた。
「オホッ……!」
「淫乱」
エリーが即座に言う。
「二人に挟まれているのに、自分でも?」
「うるさい……!」
「変態ですわね」
「オホォッ……!」
マコトまで乗った。
「ユキ」
「何……?」
「嬉しそう」
「マコトに言われたくない……!」
*
やがて。
ユキの男としての身体も限界へ達する。
「来る……!」
「ユキ」
「二人とも……!」
「見ていますよ」
「旦那様も私も」
「オッ! オッ! オッ! オッ……!」
身体が大きく震える。
二人が支える。
それでも。
終わらない。
「オホッ……!」
「まだ?」
「まだ……!」
「本当に変態」
「エリー……!」
「旦那様」
「はい」
「もっと可愛がって差し上げましょう」
「賛成」
「二人ともぉ……!」
*
何度繰り返したのか。
途中から。
ユキ本人にも分からなくなった。
「オホッ……! オホォッ……!」
「ユキ」
「はい……!」
「淫乱」
「はい……!」
「変態」
「オホォッ……!」
「もう返事まで素直ですね」
「うるさい……!」
それでも。
二人が離れようとすると。
「待って……!」
ユキが。
必ず。
手を伸ばす。
「まだ……」
「ユキ」
「もっと……」
*
最後の方になると。
もう。
まともな台詞すら。
ほとんど残らなかった。
「オホッ……!」
「ユキ?」
「気持ちいい……!」
「まだ分かる」
「もう……だめ……!」
「それも分かります」
「身体……壊れそう……!」
「止める?」
「やだ……!」
「では続けます」
「オホォォォッ……!」
さらに。
言葉が崩れる。
「オホッ……! オホッ……!」
「ユキ」
「もっと……! いっぱい……!」
「何を?」
「わかんない……!」
「もう考えられない?」
「オホォッ……!」
マコトとエリーが。
顔を見合わせた。
「旦那様」
「はい」
「完全に駄目になっております」
「想像以上でした」
「誰のシチュエーションですか」
「私です」
*
そして。
最後には。
「オホッ……! オホォッ……! 気持ちいい……! もう無理……! オホッ……! オホォォッ……!」
本当に。
意味のある言葉が。
それくらいしか残らなかった。
ユキの身体が何度も震える。
そのたび。
二人が抱き留める。
そして。
ようやく。
力が完全に抜けたところで。
マコトとエリーも止まった。
「ユキ」
「……」
「大丈夫?」
「……オホ」
「返事になってない」
*
二人は。
ぐったりしたユキをベッドへ寝かせた。
だが。
「旦那様」
「何?」
「最後に」
エリーが悪い顔をする。
「追い打ちを」
「エリー」
「何でしょう」
「同じこと考えてました」
二人とも。
まだ男として反応している。
ユキが。
薄く目を開いた。
「……二人とも?」
「はい」
「何する気……?」
「最後です」
「ほんとに?」
「本当に」
マコトとエリーが。
ユキの上へ身体を寄せる。
そして。
二人とも。
最後の限界を。
ユキの身体へ見せつける。
「オッ! オッ! オッ! オッ……!」
「オッ! オッ! オッ……!」
白い行為の痕跡が。
すでにぐったりしたユキの身体へ。
さらに増えた。
「……ひどい」
「嫌でした?」
「……」
ユキが。
ゆっくり。
笑う。
「最高」
*
マコトが。
ユキの隣へ倒れ込む。
エリーも。
反対側へ。
「マコト」
「何?」
「満足?」
「はい」
「自分のシチュエーション」
「ものすごく」
「旦那様」
「何?」
「次回は」
「はい」
「私の番ですね」
マコトとユキ。
二人とも。
止まった。
「エリー」
「何でしょう」
「何考えてます?」
「まだ秘密です」
嫌な予感しかしない。
だが。
三人とも。
笑っていた。
最後には。
マコトとエリーが。
ぐったりしたユキへ。
左右から何度も口づける。
「んっ……」
「ユキ」
「何……?」
「お疲れさま」
「淫売、お疲れさまでした」
「最後までそれ……?」
「褒め言葉です」
「絶対違う……」
それでも。
ユキは。
二人から離れなかった。
むしろ。
最後には。
三人で身体を寄せ合い。
そのまま。
ベッドの上で。
ゆっくり息を整えていった。
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