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種付けオッサンとビッチギャル ~二日に一度ヤらないと死ぬ二人の異世界転生~【注目15位、日間217位ありがとうございます】  作者: 黒瀬 量衡
第二章 腐女子男爵とエロゲ公爵令嬢

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第四十八話 離れの浴室でBLシャワーごっこを始めたら、後半は調教エロゲになりました

 別の日。


 公爵家の離れで、マコトとユキは一緒に湯浴みをしていた。


 広めの浴室。石張りの床に湯気が立ち、壁際には大きな浴槽がある。


 最初は、本当に普通に身体を洗うだけのつもりだった。


「背中、流します?」


「お願いしますわ」


「ではユキから」


 マコトが布を取る。


 ユキは濡れた髪をかき上げ、壁際へ立った。


 裸。


 濡れた身体。


 壁。


 若い二人。


「……」


「マコト?」


「動かないで」


「何ですの?」


 マコトの目が完全に腐女子のそれへ変わっていた。


「今、ものすごくBLのシャワーシーンっぽい」


「私は女ですわ!」


「前世は男!」


「またそれですの!?」


「濡れた美形が壁際にいるんですよ!?」


「風呂ですから!」


「裸で!」


「風呂ですもの!」


「最高」


「話を聞いてくださいませ!」


     *


 マコトはユキとの距離を詰めた。


「一つだけ」


「その言葉、この数日で信用できなくなりましたわ」


「嫌なら止めます」


「それは当然です」


「じゃあ」


 ユキの背が壁へ触れる。


 マコトは片手で、ユキの両手を頭上へまとめるように押さえた。


「……壁ドン」


「自分で言ってしまったら台無しでは?」


「言いたかった」


「腐女子というものは面倒ですわね」


「ユキ」


「はい?」


「キスしていい?」


 そこでだけ。


 きちんと聞く。


 ユキは少し笑った。


「どうぞ」


 唇が重なる。


 一度。


 二度。


 濡れた身体同士が近づく。


「んっ……」


「ユキ」


「もっと」


 今度は深く。


 さっきまで笑っていた二人の呼吸が、急速に変わっていった。


     *


 そして。


 二人とも、互いの身体がもう隠しようもなく反応していることに気づいた。


「マコト」


「何?」


「立派ですわね」


「ユキもでしょう」


「私は性神のせいです」


「それなら私も!」


 二人の逸物は、触れ合いと興奮に煽られるほど、いっそう太く張っていく。


「……これ」


「何ですの?」


「BLとして見たらかなり」


「まだBLフィルターが生きておりますの?」


「絶好調」


 マコトは空いている手で、二人を同時に煽るように触れていく。


「っ……!」


「ユキ」


「それ……!」


「嫌?」


「逆ですわ……!」


「じゃあ続ける」


「オホッ……!」


 一瞬。


 静止。


「……出ましたね」


「言わないでくださいませ!」


「まだ早いでしょう」


「マコトだって――」


「オホッ……!」


「ほら!」


「性神!」


「本当に便利ですわね、その言い訳!」


     *


 そこからは。


 二人とも、まともな会話を保てなくなった。


「オホッ……!」


「ユキ……!」


「オホォッ……!」


「マコト……!」


 壁際。


 押さえられた両手。


 キス。


 密着した身体。


 互いの熱。


 マコトの頭の中では、完全にBL漫画の一場面へ変換されている。


「ユキ」


「何……?」


「今、すごく可愛い男の子っぽい」


「私は公爵令嬢です……オホッ……!」


「でも前世男」


「マコトは前世女でしょう!」


「そこがいい!」


「倒錯しすぎですわ!」


 ユキも笑いながら。


 それでも離れない。


「マコト」


「何?」


「もっと」


「本当に?」


「ええ……!」


「じゃあ」


 二人の身体がさらに強く反応する。


「来る……!」


「私もですわ……!」


「ユキ!」


「マコト……!」


「オホォォォッ……!」


「オホォォォッ……!」


 ほとんど同時だった。


 二人とも限界を迎え、行為の白い痕跡が互いの胸や腹、肩へ散った。


 しばらく。


 水音と。


 荒い呼吸だけ。


     *


「……ユキ」


「はい……」


 マコトは、頭上で押さえていたユキの手を離した。


 だが。


 ユキはその手を下ろすと。


 そのままマコトの背へ回した。


 マコトも。


 同じようにユキを抱き寄せる。


「……離れませんの?」


「ユキこそ」


「少しだけ」


「私も」


 二人は余韻を味わうように、ぴったりと密着した。


 汗。


 湯。


 さっき二人で残した痕跡。


 それらが肌の間でぬめりとなる。


「……すごいですね」


「何が?」


「ものすごく、いやらしい」


「今さらですわ」


 ユキの柔らかな胸元まで、マコトの身体へ押しつけられる。


 昂ったままの身体同士も。


 互いの熱を確かめるように、ゆっくりと擦れ合った。


「ユキ」


「はい」


「これ、BLなのかな」


「もう何でもよろしいのでは?」


「それもそうですね」


 頬を寄せ。


 背中を抱き。


 互いの身体についた行為の痕跡まで混ぜ合わせるように。


 二人はしばらく。


 ただ密着したまま。


 シャワーごっこの余韻を楽しんだ。


     *


「……一段落」


 マコトが言った。


「そうですわね」


「今度こそ身体を洗います?」


「その前に」


「はい?」


 ユキの声が変わった。


 マコトはすぐ気づく。


「……その顔」


「何です?」


「エロゲオタクの顔」


「正解」


「嫌な予感」


「さっきまで散々、私をBLの受け役にしておりましたわよね?」


「はい」


「では」


 ユキがマコトの腰へ腕を回す。


「今度は私の番」


「何をするつもりです?」


「エロゲごっこ」


 マコトが数秒黙る。


「……ちょっと楽しみ」


「正直でよろしい」


     *


 ユキはマコトの背後へ回った。


「こちらを向かないで」


「はい」


「今日は」


 耳元へ。


「私が男役」


「……」


「マコトは女役ですわ」


 低い声。


「それ、ずるい」


「何が?」


「前世男だからか、妙に様になる」


「褒め言葉として受け取ります」


 マコトの腰を支える。


 後ろから。


 今度はユキが主導する。


「マコト」


「何?」


「新しく女の身体までできて」


「……」


「どうです?」


「まだ慣れない」


「でも」


 身体を重ねる。


「んっ……!」


「ちゃんと感じる」


「ユキ……!」


「男なのに」


「……っ」


「女としても反応してしまう」


「言わないで……!」


「どうして?」


「恥ずかしいから!」


「でも好き?」


「オホッ……!」


 ユキが笑う。


「答えになっておりませんわ」


     *


 最初は。


 単純だった。


 女役のマコトを。


 男役のユキが後ろから翻弄する。


 ところが。


 ユキは途中から。


 マコトの男としての反応まで同時に意識させ始めた。


「マコト」


「何……?」


「女として責められているのに」


「……」


「男の方まで、こんなに元気」


「言わないで!」


「どうして?」


「恥ずかしい!」


「でも」


 ユキがさらに声を落とす。


「女なのに、男の身体まで喜ばせておりますわね」


「ユキ……!」


「変態代官」


「オホッ……!」


「今の、かなり効きました?」


「……もっと」


「もっと?」


「言って……!」


 完全に。


 マコトも乗っていた。


     *


「では」


 ユキは容赦をやめた。


「男なのに」


「はい……!」


「女として責められて」


「オホッ……!」


「それでも男の身体まで喜んで」


「……!」


「どちらでも気持ちいいのでしょう?」


「気持ちいい……!」


「どちらが?」


「分からない……!」


「男?」


「分からない!」


「女?」


「それも……!」


「なら」


 耳元。


「両方で感じていればいいですわ」


「オホォォォッ……!」


 マコトの身体が大きく震えた。


 女として奥まで響く感覚。


 男として強く高まっていく感覚。


 二つを同時に煽られ。


 何度も限界を迎える。


「ユキ……!」


「はい?」


「また……!」


「何が?」


「来る……!」


「どちらで?」


「両方……!」


「ふふ」


「笑わないで!」


「可愛いので」


「その言葉……!」


「女として責められているのに」


「はい……!」


「男の方までこんなに素直」


「オホォォッ……!」


     *


 もう。


 マコトには余裕がなかった。


「ユキ……!」


「何です?」


「もっと……!」


「何を?」


「言わせるの……?」


「もちろん」


「……」


「マコト?」


 ユキがわざと待つ。


 マコトは。


 とうとう。


 自分から言った。


「お嬢様……!」


「はい」


「変態代官を……!」


「変態代官を?」


「もっとお仕置きしてください……!」


「いい子」


「オホォォォッ……!」


 そこから先。


 マコトは男なのか女なのか。


 もう自分でも区別しようとしなかった。


 自分にあるもの全部で。


 ユキにされること全部を楽しむ。


「ユキ……!」


「はい……!」


「もっと奥……!」


「欲しい?」


「欲しい……!」


「私の痕跡も?」


「欲しい!」


「どこに?」


「……全部!」


 ユキまで呼吸を乱す。


「マコト……!」


「お嬢様……!」


「オホッ……!」


「オホォォォッ……!」


 二人の声が。


 浴室へ響いた。


     *


 一通り終わった頃。


 マコトは。


 とうとう浴室の壁際へ座り込んだ。


「……無理」


「もう?」


「無理です」


「性神の回復があるのに?」


「精神的に!」


「先ほども似たことを言っておりましたわね」


「ユキが酷い!」


「お仕置きしてくれとお願いしたのはマコトです」


「……」


「しかも」


「言わないで」


「『変態代官を』」


「忘れて!」


「嫌ですわ」


 ユキが笑う。


     *


 そして。


 ユキは座り込んだマコトの正面へ移動した。


「マコト」


「まだ何か?」


「最後に」


「……」


「嫌そうな顔」


「嫌な予感がするだけ」


「さっきまで」


「はい」


「私もかなり好き勝手しましたわよね」


「しました」


「でしたら」


 ユキは少し意地悪そうに笑った。


「最後に、お掃除をお願いします」


「……」


「嫌?」


 マコトはユキを見る。


 完全に。


 元エロゲオタクの顔。


「それ」


「はい?」


「前世のエロゲで見たでしょう」


「似たようなものなら」


「やっぱり」


「それで?」


「……分かりました」


「素直」


「今日はユキのエロゲ回ですから」


     *


 最後は。


 さっきまで自分を散々翻弄したユキへ。


 マコトが口で奉仕する側になった。


 浴室で。


 座り込んだまま。


 相手の身体へ残った行為の痕跡を、最後まできれいにするつもりで。


「マコト」


「……」


「上手」


「喋らないで」


「どうして?」


「集中できない」


「ふふ」


 ユキがマコトの頭へ手を添える。


「嫌なら止めてくださいませ」


「分かってる」


「無理も?」


「しない」


「いい子」


「……っ」


「今、反応しました?」


「してない!」


「しましたわね」


「黙って!」


 また笑われる。


     *


 ようやく。


 本当に。


 一段落した。


 二人とも浴室の壁へ並んでもたれる。


「……ユキ」


「はい?」


「私たち」


「ええ」


「身体を洗いに来たんですよね」


「そうでしたわね」


「何でこんなに疲れてるんでしょう」


「BLシャワーごっこと」


「はい」


「調教エロゲごっこ」


「……」


「両方したからでは?」


「聞かなきゃよかった」


 少しの沈黙。


「マコト」


「何?」


「BLシャワー」


「最高でした」


「即答ですのね」


「ユキは?」


「エロゲ後半」


「どうでした?」


「最高でしたわ」


 二人で顔を見合わせる。


「……」


「……」


「倒錯的ですね」


「倒錯的ですわね」


「二、三日前まで」


「身持ちの固い男爵と公爵令嬢でした」


「今は」


「風呂へ入っただけでこれ」


「……」


「……」


 同時に。


「性神」


「性神ですわね」


 ため息。


     *


「では」


 ユキが立ち上がった。


「今度こそ身体を洗いましょう」


「賛成」


「背中、流します?」


「お願いします」


「その後は?」


「普通に湯船」


「本当に?」


「本当に!」


 ユキが笑う。


「分かりましたわ」


 その約束は。


 結局。


 湯船へ入るまでしか持たなかった。

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