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種付けオッサンとビッチギャル ~二日に一度ヤらないと死ぬ二人の異世界転生~【注目15位、日間217位ありがとうございます】  作者: 黒瀬 量衡
第一章 種付けオッサンとビッチギャル

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第三十二話 オホ声聖書を採点表にして、男と女を比べ始めたんだけど

 森で一通り騒いだあと、うちとオッサンは結局まだ仕事へ向かわず、木の根元へ並んで座っていた。


 薬草袋と木杯は少し離れた場所で寄り添い、木剣と黒鞘も当然のように一組になっている。手甲に抱え込まれたオホ声聖書だけが、ときどき意味ありげに震えた。


「オホッ……」


「お前、さっきから何に反応してんの?」


「オホォ……」


「知らないふりすんな」


 聖書を膝へ置いたところで、ふと思った。


「ねえ、オッサン」

「何ですかな?」

「男って、かなり違うよね」

「何が?」

「身体もそうだけど、やり方」


 オッサンが眼鏡を直した。


「随分と直接的な話題ですなぁ」

「最近いろんな男としたんだから、比較材料あるし」

「そこを堂々と言いますかな」

「事実じゃん」


 元童貞神父。


 マジメメガネ。


 虎獣人。


 それからオッサン。


 全員成人で、性格も身体も、相手との接し方まで全然違う。


「ちょっと比べてみたい」

「では、おじさんも女性陣を比べますかな」

「は?」

「公平でしょう」

「誰を?」

「女将さん、娘さん、受付のお姉さん、女戦士さん。それからギャルさん」

「うちも!?」

「言い出した本人を除外するのは不公平ですぞ」

「……分かったよ」


     *


「じゃ、男から。まず元童貞」

「もう童貞ではありませんぞ」

「本人みたいに訂正すんな」

「聞きすぎて癖になりまして」


 元童貞神父は、身体もやり方も本人そのものだった。


「基本、受け身」

「でしょうなぁ」

「自分からガンガン来るより、相手に引っ張られたり、言われたことを真面目にやる方が合ってる」

「受付のお姉さんとの相性が良い理由ですな」

「そうそう。真面目なのに、身体の反応だけめっちゃ素直」


 うちが何か言えば、まず律儀に反論する。


 それでも嫌なら離れるし、嫌じゃなければ最後には自分で選んで残る。


「あと、恥ずかしがるくせに逃げない」

「本人に言えば真っ赤になりますぞ」

「今度言お」

「やめてあげてください」


     *


「次、マジメメガネ」

「標準型?」

「うん。すごく普通」


 普通と言っても悪い意味じゃない。


 相手を見ながら合わせる。主導もするし、任せることもできる。無茶に走るより、相手の反応を確認しながら続ける。


「身体までマジメなんだよね」

「細マッチョ化しておりますからなぁ」

「服着てると普通なのに、脱ぐと肩も腹も腰も結構締まってる」

「女将さんも気に入っております」

「知ってる。娘も」

「知っております」


 二人で少し黙る。


「最近あの宿どうなってんの?」

「おじさんに聞かれましても」


     *


「虎」

「これは分かりやすいですな」

「筋力」


 とにかくデカい。


 肩も腕も背中も、最近さらに厚くなった。


 そして、その筋力を惜しまず使う。


「抱き上げるの好き」

「ほう」

「普通の人なら維持するだけで疲れそうな姿勢を平気で続ける。立ったまま支えたり、位置を変えたり」

「虎獣人ならではですなぁ」

「あと動きが一番強い。重いし速いし、力そのものが違う」


 ただし、本当に乱暴というわけではない。


 最初に一度確認する。


 うちが遠慮するなと言えば、そこから遠慮を捨てるだけ。


「遠慮すんなって言ったら、本当に遠慮しなくなった」

「ギャルさんが言ったのですかな?」

「うん」

「虎獣人さんも大変ですなぁ」

「何で?」

「そこまで言われたら雄として引けませんぞ」

「それでいいんだって」


     *


「で、オッサン」

「ついにおじさんですかな」

「お前は別枠」

「高評価?」

「顔は最低」

「知っております」

「腹も最低」

「はい」

「匂いも普通なら最低」

「普通なら?」

「うちの身体だけは好き」

「相変わらず複雑ですなぁ」


 オッサンは、若い男みたいな格好良さとは完全に別方向へ進んでいる。


 むしろ脂っこさも、中年臭さも、オッサンっぽさも増している。


 なのに雄としての身体的な存在感だけは、会うたびに極端になっていく。


「あと、お前だけ身体が勝手に覚えてる」

「おじさんもですぞ」

「他の三人とどれだけしても、最後にお前見ると別のところが足りなくなる」

「奇遇ですなぁ」

「ほんと腹立つ」

「おじさんもですぞ」

「好みならまだ納得できたのに」

「おじさんも清楚な黒髪女性なら最高でしたなぁ」

「それ今うちの前で言う?」

「ギャルさんも若いイケメンがよかったのでしょう?」

「当然」

「お互い様ですな」

「ムカつく」


     *


「じゃ次、おじさんの番ですな」

「やだ」

「公平」

「……分かった」


 オッサンが最初に挙げたのは受付嬢だった。


「ドS」

「まだ外見の話をしておりませんぞ」

「身体より先にそこ来るじゃん」

「否定できませんなぁ」


 受付嬢は最近、胸のボリュームが以前より少し増している。それでも全体としてはすっきりした体型で、姿勢の良さと鋭い雰囲気が先に来る。


「胸の張りなら、女戦士さんと娘さんの次くらいですかな」

「女将より上?」

「張りだけなら」

「あー、女将は方向違うもんね」


 受付嬢は標準的な丸み。


 それより特徴的なのは、二人きりになった時の変化だ。


「言葉」

「罵倒ですな」

「道具」

「はい」

「命令」

「はい」

「相手を追い込んで反応見るのが好き」

「……はい」

「何で遠い目してんの」

「思い出しておりました」


     *


「女将さん」

「好きだよね」

「熟れた魅力がありますなぁ」

「マジメメガネにも刺さってる」

「でしょうなぁ」


 女将は、胸も腰も尻も、全部が若い娘とは違う。


 胸は丸みを保ちながら少し柔らかく下がっている。それが欠点というより、成熟した身体の特徴として全体の雰囲気に馴染んでいる。


 尻も同じ。


「女将の尻、一番肉厚じゃない?」

「丸いですなぁ」

「ちょっと下がってるけど、それ込みで熟女」

「柔らかいのですぞ」

「知ってる顔すんな」

「知っておりますからなぁ」


 やり方も身体に合っている。


「もっちり」

「はい」

「ねっとり」

「はい」

「密着して離さない感じ」

「まさに」

「速さだけじゃないんだ」

「身体全体で包まれるのですぞ」

「オッサン、めっちゃ好きじゃん」

「否定はしませんなぁ」


     *


「娘さん」

「若い」

「それが全部?」

「かなり重要ですぞ」


 胸は女戦士の次に張りが強い。


 尻も高い位置で上向き。丸みはあるけど、女将みたいな柔らかな重さではなく、若さそのままの弾力がある。


「女将と同じ親子なのに、方向真逆」

「娘さんは張り」

「女将は柔らかさ」

「そういうことですな」


 そしてやり方。


「最初から全力」

「若い」

「体力ある」

「若い」

「テンポ速い」

「若い」

「何でも若いで済ますな!」


 でも、実際それが一番近い。


 考え込むより先に身体が動く。


 欲しいと思ったら、その勢いのまま来る。


     *


「女戦士さん」

「筋肉」

「筋肉ですなぁ」


 胸の張りは女性陣で一番。


 単純に若いからではない。


 その下にしっかり発達した胸筋の土台があるから、全体が高い位置で強く支えられている。


「女戦士、胸まで筋肉の上に乗ってる感じ」

「肩から胸まで繋がって見えますな」

「尻も一番硬そう」

「臀筋が発達しておりますからなぁ」


 ヒップは丸さよりも引き締まり。


 立っただけで筋肉の線が分かるくらいなのに、女性らしい輪郭そのものは消えていない。


「娘の尻が上向きなら、女戦士は鍛えた尻」

「そうですな」

「受付嬢は普通」

「はい」

「女将は丸くて肉厚、ちょっと柔らかく下がってる」

「完璧ですなぁ」

「何の完璧だよ」


 プレイも虎と対になる。


「女戦士も筋力型」

「押さえ込まれますぞ」

「お前が?」

「はい」

「ウケる」

「笑い事ではありませんぞ」


 自分から相手を動かす。


 身体を支える。


 力で姿勢を変える。


 虎が雄側の筋力型なら、女戦士は雌側の筋力型。


「本人は?」

「屈してないそうですぞ」

「そこだけ全然変わらないね!」


     *


「で、胸だけ並べたら?」

「張りですかな?」

「うん」


 オッサンが指を折る。


「女戦士さん、娘さん、受付のお姉さん、女将さん」

「納得」


 大きさだけではなく、張りという項目ならそうなる。


 女戦士は筋肉の土台。


 娘は若さ。


 受付嬢は標準的だが最近ボリュームが増している。


 女将は丸く柔らかい。


「尻は順位つけにくいね」

「方向が違いすぎますな」

「女戦士は筋肉、娘は上向き、受付嬢は普通、女将は肉厚」

「好みの問題ですなぁ」

「オッサンは?」

「女将さん」

「即答!」


     *


「あと、胸の細かい特徴も結構違うよね」

「違いますなぁ」


 乳輪の大きさなら、女将が一番目立つ。


 次が女戦士。


 その後に受付嬢、娘と続く。


「女戦士は興奮すると乳輪そのものが反応するタイプ」

「ギャルさんにも似ておりますな」

「うちは最近もっと極端」

「はい」

「嬉しそうに言うな」


 受付嬢は少し特殊だった。


「最近、胸は大きくなってるのに中心が引っ込み気味」

「本人は気づいておりますかな」

「気づいてそうだけど、うちからは絶対言わない」

「賢明ですぞ」

「お前も言うなよ」

「命が惜しいですからなぁ」


     *


「最後、ギャルさん」

「来た」

「一番変わっておりますなぁ」

「やっぱ?」

「最初に会った頃と比べれば」


 髪。


 肌。


 胸。


 尻。


 腰。


 脚。


 柔軟性。


 全部。


「尻も前より上がっておりますぞ」

「ダンスやってたから元から結構上向きだし」

「それがさらに」

「言うな」

「胸も」

「言うな」

「反応も」

「止まれ!」


 オッサンが笑う。


「言い出したのはギャルさんですぞ」

「人の比較は楽しいんだよ! 自分入ると急に恥ずいの!」

「理不尽ですなぁ」


     *


「でもさ」


 うちは聖書を指で叩いた。


「身体だけじゃなくて、やり方まで本人の性格そのままだよね」

「確かに」


 元童貞は受け身。


 マジメメガネは標準的で、相手を見ながら合わせる。


 虎は筋力を全面に出した激しい型。


 受付嬢は言葉と道具と支配。


 女将は柔らかな身体を使った濃い密着。


 娘は若さと体力で最初から全力。


 女戦士は鍛えた筋力による強い主導。


「性神の加護って、身体だけじゃなくて性癖まで育ててない?」

「元からあるものを強くしているように見えますな」

「だよね」


 嫌なことを好きにさせているわけではない。


 本人が元々持っていたもの。


 そこを遠慮なく表へ出せるようにしている。


     *


「で」


「はい?」


「うちらだけ、やっぱ違う」


 オッサンが黙った。


「他の人は本人らしく変わってる」

「おじさん達は」

「互いに合わせて変わってる」


 オッサンは、よりうちの身体に合う雄へ。


 うちは、よりオッサンに合う雌へ。


「最悪」

「奇遇ですなぁ」

「他にもっと好みの相手いるのに」

「全くですぞ」

「でも身体だけなら」

「一番」


 しばらく見つめ合う。


 先に逸らしたのはうちだった。


「腹立つ」

「おじさんもですぞ」


     *


「オホッ……」


 膝の上。


 聖書。


「何」


「オホォ……!」


「もしかしてお前、ずっと聞いてた?」


「オホッ!」


「返事すんな!」


 オッサンが聖書を見る。


「記録していたりしませんかな?」

「やめろ!」

「性神の聖書ですからなぁ」

「怖いこと言うな!」


 手甲が聖書へぎゅっと寄る。


「オホォォッ……!」


「お前も慰めんな!」


     *


 うちは立ち上がった。


「今度こそ魔物狩り行く」

「おじさんも薬草を採りますぞ」

「あと、今日の話、他の奴に言うなよ」

「もちろんですぞ」

「特に女将と受付嬢」

「命に関わりますからなぁ」

「娘なら?」

「参加したがりそうですな」

「絶対そう。だから言うな」

「了解ですぞ」


 二人で反対方向へ歩き始める。


 三歩。


「オッサン」

「何ですかな?」

「でも、次会ったらもうちょっと比較しよう」

「おじさんも追加情報を整理しておきますかな」

「いいよ」

「公平ですなぁ」

「うん」


「オホッ……!」


 二人とも止まった。


 聖書。


「……」


「……」


「お前は採点会に参加すんな!」


「オホォォォォォッ……!」

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