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種付けオッサンとビッチギャル ~二日に一度ヤらないと死ぬ二人の異世界転生~【注目15位、日間217位ありがとうございます】  作者: 黒瀬 量衡
第一章 種付けオッサンとビッチギャル

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第三十一話 木杯と薬草袋、木剣と黒鞘、聖書と手甲まで番になってたんだけど

 その日の朝、うちは魔物狩りへ出る前から、すでにかなり身体を使っていた。


 最初は元童貞神父。次にマジメメガネ。それから、この前教会へ死にかけで担ぎ込まれてきたムキムキの虎獣人。


 三人とも向こうから望んできたし、うちも嫌じゃなかった。嫌なら止める。それだけ確認すれば、あとは遠慮なし。


「……今日、魔物狩り行くんだよね」


 自分へ確認しながら教会を出る。


 行く。


 行くんだけど。


「朝からオホ声出しすぎた……」


 元童貞神父は、前よりずっと素直になった。真面目なのは変わらない。でも欲しい時には欲しいと言うし、恥ずかしそうに赤くなりながらも逃げなくなった。


 マジメメガネは相変わらず確認が多い。始める前も途中も「大丈夫ですか」と聞いてくる。そのくせ一度始まれば、以前より明らかに体力がある。


 虎はもっと分かりやすかった。この前まで腹を裂かれて死にかけていたくせに、今朝会ったら一回りデカくなっていた。肩も腕も背中も筋肉が増えて、普通に立っているだけで筋の線が見える。


「……性神、絶対なんかしてるっしょ」


 しかも変わったのは身体だけじゃない。


 三人とも、性に対する遠慮が減ってる。


 嫌なことまで受け入れるようになったわけじゃない。そこはむしろ前よりはっきりしてる。嫌なら嫌。止めるなら止める。


 でも、好きな相手に欲しい時に欲しいと言う。そこへの抵抗が薄くなってる。


「うちのせいかな」


 たぶん。


 半分くらい。


     *


 一方、後で聞いた話では、オッサンも朝から大概だった。


 女将。


 娘。


 受付嬢。


 それから、最近知り合ったショートカットのムキムキ女戦士。


「いやぁ、充実した朝でしたぞ」


「四人じゃん」

「そうでしたかな?」

「数えろ!」


 女将と娘は宿。受付嬢はギルド。女戦士に至っては、相変わらず「私は屈してない」と言いながら、自分から次の勝負を要求してきたらしい。


「薬草取り行く前に何してんだよ」

「ギャルさんも三人でしょう?」

「うちは三人! そっちは四人!」

「似たようなものですなぁ」

「一人差あるから!」


 まあ、人のこと言えないけど。


     *


 森へ入る。


 今日は魔物狩り。


 腰には雄化した木剣と、黒く脈動する親鞘。手甲も持っているし、なぜかオホ声聖書まで鞄へ入っていた。


「オホッ……」


「朝から元気だね」


 聖書の隣で手甲まで小さく震える。


「オホォ……」


「お前ら最近、距離近くない?」


 二つを離しても、いつの間にかまた寄っている。


 木剣と黒鞘なんて、もっとひどい。木剣を収めれば、黒鞘がすぐ吸着する。


「オホッ……!」

「オホォォ……!」


「はいはい。お前らはもう分かったから」


 最近、この二つは完全に一組だった。


 木剣は鞘へ入りたがる。


 黒鞘は木剣を離したがらない。


 戦闘の時だけ、うちが無理やり引き離してる。


「夫婦かよ」


「オホッ!」


「返事すんな」


     *


 森の少し奥まで進んだところで、身体が先に気づいた。


「……あ」


 いる。


 近い。


 あいつ。


 向こうも同じだったらしい。木々の向こうから、見慣れた最悪の顔が現れた。


「いましたなぁ」


「いた」


 眼鏡。


 ネクタイ。


 腹。


 薄い頭。


 脂っぽい顔。


 何回見ても全然好みじゃない。


「……最悪」


「おじさんも同感ですぞ」


「顔見ただけで身体反応すんだけど」

「奇遇ですなぁ」


 他の相手とは違う。


 今朝だって三人とした。ちゃんと気持ちよかったし、また会えばしたい。


 でも、こいつを見ると、身体のもっと奥にある別のところが急に足りなくなる。


「今日もう三人としたんだけど」

「おじさんも朝から四人ですぞ」

「だから一人多いって!」


「ドゥフフ」


「笑うな!」


 二人で言い合う。


 それなのに、オッサンが近づいた瞬間。


「……あ」


「どうしましたかな?」


「匂い」


 汗。


 体温。


 オッサン特有の、決して上品とは言えない匂い。


 普通なら好みじゃない。


 なのに、身体だけは別の答えを出す。


 深く吸い込んだ途端、肩や腹に入っていた力が自然に抜けていく。身体の緊張がほどけて、熱が増す。


「またこれ」


「何かありますかな?」


「お前の匂い嗅いでると、身体が勝手に準備始める」


「ほう」


「嬉しそうな顔すんな」


「ドゥフフ」


「笑うなって!」


 でも、この反応は同意とは別。


 嫌なら嫌。


 やめるならやめる。


 そこは全然変わらない。


 ただ、うちが欲しいと思っている時だけ、身体の方までオッサンを受け入れるために勝手に緊張を抜き、潤いまで増やしてくる。


「性神、そこまで世話焼く?」


「安全第一なのでしょうなぁ」


「やってることの割にそこだけマジメなんだよな」


 オッサンがもう一歩近づく。


 身体。


 さらに。


「……オッサン」


「はい」


「まだ足りない」


「おじさんもですぞ」


 これ。


 いつもの。


 他の人じゃ埋まらない場所。


「やる?」

「もちろんですぞ」

「嫌だったら止める」

「おじさんも」

「それ以外?」

「遠慮なしですなぁ」

「うん」


 決まり。


     *


 そこからは最初から全力だった。


「オホッ……! オホォォッ……!」


「んお゛っ……! オッ……!」


 向かい合って抱き合う。


 座ったまま。


 次は立つ。


 抱き上げる。


 また向かい合う。


 背後から。


 今度は低い姿勢。


 また向かい合う。


 一つの姿勢で落ち着く気なんて、どっちにもない。


「もっと……! オホォォッ……!」


「んお゛ぉっ……! ギャルさん、朝から三人相手した身体とは思えませんぞ……!」


「そっちこそ四人だろ!」


「んお゛っ……! まだいけますぞ!」


「じゃ来い!」


 他の相手では、ここまで続かない。


 虎も元気。


 マジメメガネも体力ある。


 元童貞だって前よりずっと持つ。


 でも。


 オッサンだけは別。


「オホッ……! オホォォォッ……!」


「ん゛お゛っ……! んお゛ぉっ……!」


 オッサンが歯を食いしばる。


「何その声」


「耐えておりますぞ……!」


「何を?」


「ギャルさんをですぞ……! んお゛っ……!」


「意味分かんない!」


 オッサンの匂いを吸い込むたび、身体の力がさらに抜ける。


 怖さ。


 ない。


 痛さ。


 ない。


 むしろ身体の方が、もっと来いと言ってる。


「オホォッ……! もっと奥まで響かせろって……!」


「んお゛っ……! そんなに求められては、おじさんも耐えられませんぞ……!」


「耐えんな!」


「はいな!」


     *


 最近。


 うち自身も変わった。


 胸や尻が大きくなっただけじゃない。


 興奮すると、乳首だけじゃなく、その周りまで一緒に反応する。


「……また」


「何ですかな?」


「見るな」


「無理ですぞ」


「じゃもっと見ろ!」


「どっちですかな!?」


 乳輪そのものが、以前よりはっきり隆起する。


 その中央で乳首もさらに硬く立つ。


 二段階。


 自分でも分かるくらい。


「オホッ……! まためっちゃ立ってる……!」


「ギャルさん、以前より分かりやすくなりましたなぁ」


「お前の前だと特に!」


「光栄ですぞ!」


「喜ぶな!」


 下腹部の反応も同じ。


 興奮すると、外側まで以前よりふっくらと肉厚になり、熱を持つ。そこへオッサンの匂いが加わると、身体全体がさらに緩み、潤いも増す。


「性神、うちを分かりやすい雌にしすぎなんだけど!」


「素晴らしいですなぁ」


「お前にだけは言われたくない!」


「んお゛っ……!」


     *


 だって。


 オッサンも。


 変わってる。


 顔。


 腹。


 薄い頭。


 そこは全然良くなってない。


 むしろオッサン度は増してる。


 でも、雄としての特徴だけは明らかに強くなっていた。


「オッサン」


「何ですかな……んお゛っ……!」


「前よりヤバくなってない?」


「何がです?」


「分かってるくせに」


「ドゥフフ」


「その笑い方やめろ!」


 血管や筋の隆起。


 以前よりくっきり。


 硬さ。


 熱。


 張り。


 全部。


 強くなってる。


 単純に大きくなるだけじゃない。


 元からあった特徴が、雄としてどんどん極端になってる。


「硬いし……熱いし……前より存在感エグい……オホッ……!」


「褒めておりますなぁ!」


「身体だけ!」


「それでも嬉しいですぞ!」


「オホォォォッ……!」


 オッサンの声も崩れる。


「んお゛っ……! ギャルさんも前より絡みつく感じが強くなっておりますぞ……!」


「身体が欲しがってんの!」


「離す気がありませんなぁ……!」


「じゃ離れんな!」


「もちろんですぞ!」


     *


 オッサンが耐える時の声。


 それも。


 最近。


 なんか好き。


「んお゛っ……! んお゛ぉっ……!」


「それ」


「何ですかな……!」


「もっと声出せ」


「ギャルさんほどは無理ですぞ!」


「じゃうちが二人分出す!」


「それ、虎獣人さんにも言っておりませんでしたかな?」


「細かい!」


 もう一度。


「オホッ……! オホォォォッ……!」


「んお゛っ……!」


「もっと!」


「んお゛ぉぉっ……!」


「そう! それ!」


「おじさんの声で喜ばれる日が来るとは……!」


「声じゃなくて耐えてる感じ!」


「微妙ですなぁ!」


「オホォォォッ……!」


     *


 そして。


 オッサンも。


 完全に煽り始める。


「出ますぞ!」


「来い!」


「濃いのが出ますぞ!」


「来いって!」


「孕めぇ! イケぇ!」


「オホッ……! オホォォォォォッ……!」


 もちろん。


 うちはオッサンとの間では妊娠しない。


 二人とも知ってる。


 だから、ただの煽り。


 雄と雌として。


 そう叫びたいだけ。


「来る来る来る……! あっ、ダメ……! オッホォォォォォッ……!」


「んお゛ぉぉっ……! オッ! オッ!」


 一度。


 限界。


 でも。


 離れない。


「……もう一回」


「奇遇ですなぁ……」


「まだ奥が足りない」


「おじさんもですぞ」


 また。


     *


 何度目か。


 途中から、キスの仕方まで普通じゃなくなった。


 どちらからともなく顔を寄せる。


 唇が触れる。


 そのまま。


 舌。


 絡む。


「んっ……オホッ……!」


「んお゛っ……!」


 唾液がこぼれても気にしない。


 一度離れる。


 糸が切れる。


 でも、すぐまた近づく。


「もう一回」


「もちろんですぞ」


 唇。


 舌。


 唾液。


 交換するみたいに何度も。


「んっ……オホッ……!」


 うちはそのまま、オッサンの頬へ舌を這わせた。


「うわ」


「何」


「顔まで舐めますかな?」


「マーキング」


「犬みたいですぞ」


「お前が言うな」


 頬。


 顎。


 首。


 耳。


 耳の縁。


 そのまま耳までしつこく舐める。


「っ……んお゛っ!?」


「ここ弱い?」


「反則ですぞ!」


「じゃもっと」


「話を聞いておりますかな!?」


 今度はオッサンがお返し。


 頬。


 額。


 耳。


 首筋。


「んっ……オホッ……!」


「お返しですぞ」


「顔中舐めんな!」


「ギャルさんが先ですなぁ!」


 二人とも笑ってる。


 でも。


 止めない。


     *


 そのうち。


 キスだけじゃ足りなくなった。


「オッサン」


「はい」


「ここ」


 首。


「跡つけて」


「キスマーク?」


「それじゃ足りない」


「ほう」


「噛んで」


「本当に?」


「甘噛み」


「了解ですぞ」


 首筋。


 かぷ。


「んっ……オホッ……!」


「痛くありませんかな?」


「もっと」


 もう少し。


 歯。


 触れる。


 強すぎない。


 でも。


 ちゃんと跡が残る。


「……これ」


「何です?」


「お前の印」


「ドゥフフ」


「その笑い方やめろ!」


 今度はうち。


 オッサンの肩。


 噛む。


「んお゛っ……!」


「痛い?」


「大丈夫ですぞ」


「じゃ」


 もう一回。


 かぷ。


「おじさんにも印ですかな」


「うん」


「番みたいですなぁ」


「それ言うな」


 でも。


 否定しきれない。


 他の相手にはここまでしない。


 顔を舐めて。


 耳まで舐めて。


 唾液を交換して。


 噛んだ跡まで残す。


「オッサン」


「はい」


「もっと」


「何を?」


「全部」


「大雑把ですなぁ」


「キスも、舐めるのも、噛むのも」


「マーキング?」


「そう」


 顔。


 近づける。


「他の奴にはここまでしない」


「おじさんもですぞ」


「じゃ」


 また唇。


「んっ……!」


 舌。


 絡む。


 唾液。


 こぼれる。


 頬。


 耳。


 首。


 甘噛み。


「オホッ……!」


「んお゛っ……!」


「もっと……!」


「はいな!」


 キスマークだけじゃ足りない。


 触れた証拠。


 噛んだ跡。


 互いの匂い。


 全部。


 残したい。


 雄と雌として。


 相手を自分のものだって示したい。


     *


「オホッ……!」

「オホォォォッ……!」


「……」


 うち。


 止まる。


「オッサン」


「何ですかな?」


「周り」


 木杯。


 薬草袋。


「オホッ……!」

「オホォォォッ……!」


 黒い薬草袋が木杯へ入り込んでる。


 木杯も嬉しそう。


「お前ら何してんだよ!」


「オホッ!」

「オホォォッ!」


「返事になってない!」


 少し離れたところ。


 木剣。


 黒鞘。


「オホォォォッ……!」

「オホッ……!」


「お前らはいつもじゃん!」


 さらに。


「オホッ……!」

「オホォォッ……!」


「……」


 聖書。


 手甲。


「お前らまで!?」


 手甲が聖書へぴったり絡みついてる。


「オホォォォォッ……!」


「何で聖書と手甲なんだよ!」


「道具同士にも相性があるのでしょうかなぁ」


「オッサン、冷静に分析すんな!」


 木杯と薬草袋。


 分かる。


 薬草水。


 木剣と黒鞘。


 分かる。


 一組の武具。


「聖書と手甲は?」


「……」


「……」


 二人。


 見る。


「オホッ……!」


「分からん!」


     *


 ようやく一通り落ち着いた頃、二人で木へ背中を預けた。


「……今日、魔物狩りなんだけど」

「おじさんは薬草採取ですぞ」

「まだ一匹も狩ってない」

「おじさんも一枚も採っておりませんなぁ」

「何しに森来たんだろ」

「雄と雌を満たしに?」

「最初からそれ目的みたいに言うな」

「結果的には」

「……否定できない」


 少し静か。


 道具達のオホ声を除けば。


「そういやさ」

「何ですかな?」

「最近、周りの人変わってない?」


 オッサンが頷いた。


「変わっておりますなぁ」

「やっぱ?」


     *


 まず。


 受付嬢。


「前から強い方でしたが」

「ドS?」

「はい」

「そこ即答なんだ」


 最近はもっと鋭い。


 目つき。


 雰囲気。


 近づくだけで圧がある。


 なのに。


「妙に艶っぽいのですぞ」

「あー」

「何もしていない時でも御主人様感がありますなぁ」

「分かる」


 ドS。


 色気。


 鋭さ。


 全部強化。


     *


「元童貞は逆」

「どうなりました?」

「男らしくゴツくなるかと思ったけど、違う」


 男なんだけど。


 前より。


 なんか。


 可愛い。


「庇護欲そそる感じ」

「男性なのに?」

「男だから余計に」

「なるほど」


 真面目。


 素直。


 赤くなる。


 でも逃げない。


「本人らしさが強くなった?」

「たぶん」


     *


「女将さんは?」


「素晴らしいですぞ」


「即答すんな」


 胸。


 尻。


 前よりボリューム。


 でも、若い娘みたいにパンパンに張るんじゃない。


「丸み?」

「そうなのですぞ」

「柔らかそうな?」

「はい」

「熟女方面に進化してるじゃん」

「熟れた魅力が増しておりますなぁ」


「性神、性癖に素直すぎない?」


     *


「娘さんは逆ですぞ」

「健康的?」

「まさに」


 胸。


 尻。


 大きくなってる。


 でも。


 張り。


 活力。


「エロ健康優良児」

「言い方」

「オッサンに言われたくない」


     *


「マジメメガネも変わった」

「女将さんが気にしておりましたなぁ」

「何を?」

「最近、神父さんの身体が良くなったと」

「女将さん見てんじゃん」

「そりゃあ見ますぞ」


 元々細い。


 今もムキムキじゃない。


 でも。


「細マッチョ」

「ほう」

「服着てると分かりにくいけど、脱ぐとかなり引き締まってる」

「詳しいですなぁ」

「今朝したから」

「なるほど」


 肩。


 腹。


 腰。


 無駄なく締まってる。


「マジメに鍛えたみたいな身体」

「実際は?」

「性神」

「ズルですなぁ」


     *


「虎はもっと分かりやすい」

「ムキムキの?」

「うん」


 普通に一回りデカくなった。


「元から筋肉すごかったけど、今は立ってるだけで筋が浮いてる」

「虎獣人らしさが強まっておりますかな」

「たぶん」


 肩幅。


 腕。


 背中。


 全部。


 雄として。


 もっと強そう。


     *


「女戦士さんも似ておりますぞ」

「あのショートカット?」

「はい」


 元からムキムキ。


 腹筋。


 腕。


 脚。


「今朝会ったら、さらに筋肉が増えておりましたなぁ」

「下手な男より?」

「普通に上ですぞ」


 でも。


「女っぽさ消えてない?」

「むしろ増しておりますなぁ」


 胸。


 尻。


 締まったまま。


 大きい。


 筋肉質。


 女。


 両方。


 強くなってる。


「本人喜んでそう」

「屈してないと言っておりましたぞ」

「まだ言ってんの!?」


     *


 二人で考える。


「共通点あるね」

「ありますなぁ」


 その人の性質。


 そこ。


 強くなってる。


 受付嬢なら、ドSと艶。


 元童貞なら、庇護欲。


 女将なら、熟女。


 娘なら、健康的な若い女。


 マジメメガネなら、細く引き締まった男。


 虎なら、巨大な筋肉。


 女戦士なら、筋肉質な女。


「あと、みんな性への抵抗減ってる」

「ありますなぁ」


 でも。


 そこ。


 大事。


「嫌な相手でも平気になるわけじゃない」

「そうですな」

「嫌なことは嫌って言う」

「受付のお姉さんなど特に」

「絶対言うね」

「女戦士さんも」

「殴りそう」


 だから。


 洗脳じゃない。


 嫌なことを受け入れるようになるんじゃない。


 好き。


 したい。


 欲しい。


 そこを隠さなくなる。


「その人なりの雄とか雌としての魅力も上がる?」

「そう見えますなぁ」


「性神の加護かな」

「おじさん達が成長しているのと同じでしょうかな」


     *


 うち自身も、かなり分かりやすく変わってる。


 髪。


 肌。


 胸。


 尻。


 腰。


 全部。


 でも、それだけじゃない。


「うちさ」

「はい」

「最近、興奮すると見た目ですぐ分かるようになってない?」

「なっておりますなぁ」

「即答すんな!」


 乳首だけじゃない。


 乳輪そのものまで隆起する。


 そこから中心がさらに硬くなる。


 下腹部も、興奮すれば外側から分かるくらいふっくら熱を持つ。


 そしてオッサンの匂い。


「これが一番ヤバい」


「おじさんの匂い?」


「そう。普通に臭いのに」


「酷いですなぁ」


「身体は好き」


「複雑ですぞ」


 匂いを吸う。


 身体が緩む。


 熱くなる。


 潤いが増す。


 同意して欲しいと思っている時なら、その後も無理なく受け入れられるよう、身体が勝手に安全側へ適応する。


「これ、うちだけ?」


「女将さん達にも似た反応がある気がしますなぁ」


「マジ?」


「おじさんへ近づくと『臭い』とは言われますが」


「うん」


「そのまま離れないのですぞ」


「最悪じゃん」


「ドゥフフ」


「褒めてない!」


     *


「オッサンも」


「何です?」


「前よりオッサンになってるよね」

「褒めております?」

「全然」

「ひどいですなぁ」

「顔とか腹とか、むしろ悪化してる」

「そこまで言います?」


「でも」


 雄として。


 身体。


 そこだけ。


 明らかに進化。


「前より血管とか筋とか目立つし」

「ドゥフフ」

「硬さも熱さも増してる」

「褒めておりますなぁ」

「身体だけ」

「それでも嬉しいですぞ」

「あと形も前より極端」

「ギャルさん好み?」

「身体だけは」

「そこ絶対付けますなぁ」

「大事だから」


 オッサン。


 顔。


 最悪。


 性格。


 スケベ。


 腹。


 出てる。


 頭。


 薄い。


 なのに雄としての身体だけは、うちに合わせるみたいにどんどん完成度が上がる。


「意味分かんない」

「奇遇ですなぁ」

「お前が清楚系イケメンだったらよかったのに」

「性別まで変わっておりますぞ!」

「じゃパリピイケメン」

「もっと違いますなぁ!」


     *


「そういえば」


 オッサンが木杯を見る。


「道具達も変ですぞ」


「今さら?」


「いえ、そうではなく」


 木杯。


 薬草袋。


 寄り添ってる。


「オホッ……」

「オホォ……」


「最近、子供を産んでおりませんなぁ」


「……あ」


 そういえば。


 前。


 親鞘。


 子鞘。


 三つ。


 祝福を受けた道具は翌日に子供を産んでいた。


 でも。


 今。


 ない。


 その代わり。


 木杯。


 薬草袋。


 木剣。


 黒鞘。


 聖書。


 手甲。


「……番?」


「そうとしか見えませんなぁ」


「子供作る段階終わって、相手見つけた?」

「可能性はありますなぁ」


 二人。


 見る。


「オホッ……!」

「オホォォッ……!」


「性神って道具にまで婚活させんの?」

「壮大ですなぁ」

「絶対違う」


     *


 しかも、番になった道具は、ただくっついてるだけじゃない。


 木杯と薬草袋。


 合わせれば。


 甘露の薬草水。


 木剣と黒鞘。


 合わせれば。


 異常な高速抜刀。


 回転。


 鞘殴り。


 即納刀。


「聖書と手甲」

「……」

「……」


 二人で見る。


「オホッ……!」

「オホォォッ……!」


「何ができんの?」

「分かりませんなぁ」

「そこだけ未知?」

「いずれ何か起きるのでは」

「嫌な予感しかしない」


     *


 二人で立ち上がる。


「そろそろ仕事する?」

「そうしますかな」

「うち魔物狩り」

「おじさん薬草採取」

「別々?」

「その方が早いですぞ」

「じゃ」


 一歩離れる。


「……」


「……」


 二人とも止まる。


「オッサン」

「はい」

「もう一回だけ」

「奇遇ですなぁ」

「仕事は?」

「その後で」

「同意」


     *


「オホッ……! オホォォォッ……!」


「んお゛っ……! んお゛ぉっ……!」


 周り。


「オホッ……!」

「オホォォッ……!」


 木杯と薬草袋。


「オホォォォッ……!」

「オホッ……!」


 木剣と黒鞘。


「オホッ……!」

「オホォォォォッ……!」


 聖書と手甲。


「オホォォォォォッ……!」


「んお゛ぉぉっ……!」


「うるさぁぁぁい!」


 森。


 四組。


 オホ声。


 響く。


 うちとオッサン。


 木杯と薬草袋。


 木剣と黒鞘。


 聖書と手甲。


「これもう何の集会だよ!」


「んお゛っ……番の集いですかな……!」


「耐えながら答えんな!」


「オホッ……!」


「聖書まで肯定すんな!」


「オホォォォッ……!」


「お前ら全員うるさぁぁぁい!」

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