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種付けオッサンとビッチギャル ~二日に一度ヤらないと死ぬ二人の異世界転生~【注目15位、日間217位ありがとうございます】  作者: 黒瀬 量衡
第一章 種付けオッサンとビッチギャル

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第二十三話 黒革ボンテージを見せられた元童貞神父が、受付嬢を御主人様と呼ぶことになったんだけど

 森へ入った理由を尋ねられれば、神父は「心配だったからです」と答えるつもりだった。


 実際、嘘ではない。


 朝から妙に落ち着かなかったギャルが、突然「ちょっと豚に会ってくる」と言い残して教会を出た。その方角には、人がほとんど寄りつかない隠し泉がある。だから少し様子を見るだけ。そう自分に言い聞かせ、神父は聖書を抱えて森へ入った。


 一方、受付嬢も同じ頃に別の道から森へ入っていた。


 オッサンへ危険度の低い依頼だけを渡し、「終わったら余計なことをせず宿へ戻れ」と念を押したのに、依頼を終えた豚は町とは逆方向へ向かった。


 尾行ではない。


 管理である。


 だから森の分かれ道で二人が鉢合わせした時、どちらも相手を見てしばらく黙った。


「……何をしているんですか」


「そっちこそ」


「私は少し心配になりまして」


「私は管理」


「森の中まで?」


「うるさい」


 どちらの言い訳も苦しい。


 しかも進む方向は同じ。


 二人は微妙な距離を取りながら並んで歩き、しばらくして同時に足を止めた。


「オホォォォォォッ……!」


 木々の向こう。


 隠し泉の方向から、聞き覚えのあるギャルの声が響いた。


 続いて。


「いやぁぁぁ……!」


 受付嬢が額を押さえる。


「……あの二人ですね」


「聞けば分かる」


「まだ見えてはいませんが」


「細かい」


 二人とも、泉が直接見えるところまで近づくつもりはなかった。


 だが声だけは嫌でも届く。


「オホッ……もっと……!」


 ぱしゃ、と水の跳ねる音。


 少し間を置いて、また大きな声。


「オホォォォォッ……!」


 神父は聖書を抱える腕へ力を入れた。


 受付嬢も落ち着かないらしく、何度か脚を組み替えている。


「……長いですね」


「豚だからな」


「理由になっていません」


「こういう時まで真面目だな、お前」


「神父ですから」


 受付嬢は横目で神父を見た。


 顔は真面目。


 姿勢も真面目。


 だが耳だけは真っ赤だった。


「女の声聞いただけで真っ赤になって。童貞みたいな反応だな」


「もう童貞ではありません!」


「……」


「……」


 言った本人が固まった。


 受付嬢がゆっくり振り向く。


「今、何て?」


「……忘れてください」


「もう童貞じゃない?」


「忘れてください」


「二回言っても無理」


 受付嬢の口元が、ゆっくり吊り上がった。


「へえ。お前、童貞だったんだ」


「過去形です」


「そこ訂正する?」


「事実ですから」


「誰で捨てた?」


「答える必要はありません」


「最近?」


「答えません」


 受付嬢は森の奥を見る。


 ちょうどそこで。


「オホォォォォォッ!」


 ギャル。


 神父。


 びくっ。


 受付嬢は神父を見る。


 森を見る。


 また神父を見る。


「あのギャルか」


「……」


「図星」


「そのようなことを、あなたへ説明する必要はありません」


「ギャルに童貞を捨てさせてもらったわけだ」


「そういう言い方をしないでください……っ」


 神父の息が少し乱れた。


 受付嬢の目が細くなる。


「何。その言い方、嫌?」


「非常に恥ずかしいです」


「なのに逃げない」


「それとこれとは別でしょう」


「元童貞」


「……だから、もう童貞ではありません」


 声が少し震えた。


 受付嬢は見逃さなかった。


「お前、罵られると変になるのか?」


「違います」


「本当に?」


「……違う、はずです」


 歯切れが悪い。


 受付嬢の顔がますます楽しそうになる。


     *


 泉から響く二人の声は、まだ止まらなかった。


 その熱に当てられたのか。


 それとも最初から互いに少しおかしかったのか。


 神父も受付嬢も呼吸が浅くなっている。


「帰る?」


「……いいえ」


「もうあの娘、元気だろ」


「無事かどうかと、私が帰るかどうかは別です」


「面倒臭いな」


「あなたも帰らないのでしょう」


「私は豚を管理しないといけない」


「森まで追ってきた時点で、それも大概だと思います」


「口答えするな」


 受付嬢が一歩近づいた。


 神父は動かない。


「跪け」


「……なぜ私が?」


「お前がどういう反応するか見たい」


「それだけですか?」


「それだけ」


「理由として弱くありませんか」


「嫌なら断れ」


 神父は黙った。


 断れば終わる。


 受付嬢は本当にそれ以上やらないだろう。


 だからしばらく考えてから、自分の意思で膝をついた。


「……これでよろしいですか」


 受付嬢の呼吸が一瞬詰まった。


「本当にやるんだな」


「あなたが命じたのでしょう」


「嫌なら断れって言った」


「私は断らないと決めました」


「……」


「何ですか?」


「いや」


 受付嬢は笑った。


「お前、思ったよりいいな」


「褒められている気がしません」


「立て」


「……はい」


 立つ。


「もう一度跪け」


「またですか?」


「嫌?」


「……いいえ」


 再び跪く。


 今度は最初より迷いがない。


 受付嬢の呼吸も少しだけ速くなった。


「私が命令すると嬉しい?」


「まだ分かりません」


「じゃあ確かめるか」


     *


 受付嬢は周囲を確認すると、制服へ手をかけた。


「何をしているのです?」


「暑い」


「だからといって、ここで脱ぐのですか」


「見るなとは言ってない」


 一枚ずつ外れていく仕事着。


 その下から現れたのは、身体へぴったり沿った黒革のボンテージだった。


 神父。


 完全停止。


「……」


「感想」


「非常に似合っています」


「それだけ?」


「……かなり刺激が強いです」


「童貞みたいな感想」


「もう童貞ではありません」


 神父は反論しながら一歩下がり、木の根に足を取られた。


 どさ。


 仰向け。


 受付嬢が見下ろす。


「腰抜かした?」


「木の根です」


「黒革見て?」


「木の根です!」


「元童貞」


「もう童貞ではありません!」


 受付嬢が笑いながら、そのまま神父の身体を跨いだ。


「……っ」


 神父の息が詰まる。


 まだオホ声ではない。


 せいぜい、小さな喘ぎ。


「近すぎませんか……」


「今さら何言ってる」


「その格好で上に来られると、さすがに……っ」


「弱いな」


 受付嬢は神父の服へ手をかけた。


 自分で外そうとした神父の手を押さえる。


「動くな」


「自分でできます」


「私が脱がす」


「なぜです?」


「私がそうしたい」


 神父は黙った。


「嫌なら止める」


「……いいえ」


「返事」


「続けてください」


 受付嬢が一つずつ服を緩めていく。


 指先が肌へ触れるたび。


「……んっ」


 神父の呼吸が揺れる。


「何、その声」


「あなたが触るからでしょう」


「その程度で?」


「急に触られれば反応くらいします」


 受付嬢の指が胸元へ。


 乳首を摘まむ。


「っ……!」


 身体が跳ねる。


「動くな」


「急に強く摘まめば動きます!」


「じゃあ今度は分かってて耐えろ」


 もう一度。


 きゅ。


「くっ……」


 さっきより強い。


 神父は顔をしかめる。


 受付嬢の口元が歪む。


「痛い?」


「少し」


「嫌?」


「……いいえ」


「じゃ続ける」


 今度は反対側。


 きゅ。


「んっ……!」


「弱いな」


「……もう少し」


 受付嬢が止まった。


「何?」


 神父は呼吸を整えながら、上にいる黒革姿の女を見上げた。


「もう少し……強くしていただけますか」


「自分から頼むんだ?」


「嫌なら止めていただいて構いません。ただ私は……もう少し強い方がいいようです」


 受付嬢。


 にや。


「言ったな」


 強く摘まむ。


「っ……あ……!」


 神父の指が地面を掴む。


「もっと?」


「……はい」


「本当に?」


「お願いします」


 受付嬢は神父の首筋へ顔を寄せた。


 かぷ。


「んっ……!」


 もう一度。


 少し強く。


 かぷ。


「くっ……!」


 神父。


 逃げない。


 むしろ自分から首を傾けた。


「今、自分から差し出したな」


「……はい」


「噛まれるの好き?」


「今まで知りませんでした」


「今は?」


 神父は少し迷ってから答えた。


「……もっと噛んでいただきたいです」


 受付嬢の呼吸が乱れた。


「お前、本当にそっちなんだな」


「私自身、驚いています」


「ドM」


「……っ」


「変態」


「……はぁ」


「元童貞」


「もう童貞ではありません……っ」


 受付嬢が笑う。


「そこだけは絶対訂正するんだな」


     *


 そこまでは。


 二人とも。


 まだオホ声を出していなかった。


 神父が漏らすのは、噛まれたり強く摘ままれたりした時の短い喘ぎ。


 受付嬢も呼吸は荒くなっていたが、まだ余裕がある。


 その余裕を全部使って神父をいたぶる。


「手を動かすな」


「……分かりました」


「勝手に触るな」


「はい」


「首」


 神父が差し出す。


「もっと」


「……こうですか」


 かぷ。


「くっ……!」


「胸も?」


「……お願いします」


 きゅ。


「あっ……!」


「気持ち悪いくらい素直になってきたな」


「御主人――」


 神父。


 止まる。


「今、何て言いかけた?」


「何でもありません」


「言え」


「まだ、あなたからそのように呼べとは言われていません」


「……」


 受付嬢が笑った。


「お前、妙なところだけ律儀だな」


 そして。


 二人の行為が、本当に始まった。


 その瞬間だった。


「オホッ……!」


 最初に崩れたのは受付嬢。


 自分で声を出して、自分で驚いた顔をする。


 続いて。


「オホッ……!」


 神父。


 二人。


 一瞬だけ固まった。


「……今」


「言うな!」


「御主人――」


「まだだ!」


 受付嬢は顔を真っ赤にしたまま、それでも主導権だけは絶対に手放さなかった。


「オホッ……動け……! 私に合わせろ!」


「オホッ……分かりました……!」


「止めるな……オホォッ……!」


「はい……!」


「もっとだ、元童貞……!」


「もう童貞ではありません……オホッ……!」


「そんな時まで訂正するな!」


 オホ声。


 そこから急に。


 二人とも止まらなくなった。


 受付嬢が命令する。


 神父が従う。


「オホッ……もっと合わせろ!」


「はい……オホッ……!」


「胸、触られるの好きなんだろ!」


 きゅ。


「オホォッ……!」


「噛まれたい?」


「はい……御主――」


「ちゃんと言え!」


 受付嬢ももう息が荒い。


 それでも神父を見下ろし、命令口調だけは崩さない。


「オホッ……ほら、ちゃんと『イジメてください、御主人様』と言え……!」


 神父の顔が真っ赤になった。


「それは……オホッ……」


「嫌なら言わなくていい……! 欲しいなら自分で頼め!」


 神父は受付嬢を見る。


 逃げ道は残っている。


 嫌なら終われる。


 だから。


 これは自分で選ぶ。


「……イジメてください、御主人様」


「聞こえない!」


「オホォッ……イジメてください、御主人様……!」


「オホォッ……!」


 受付嬢まで大きく震えた。


「御主人様……?」


「お前……その真面目な顔で言うな……!」


「命じたのは御主人様でしょう……オホッ……!」


「うるさい!」


 きゅ。


「オホォッ……!」


 かぷ。


「オホッ……もっと……!」


「何を?」


「もっと強く……お願いします、御主人様……!」


「オホォッ……!」


 受付嬢。


 完全に楽しんでいる。


「ドM」


「オホッ……!」


「変態」


「オホォッ……!」


「ギャルに童貞捨ててもらったくせに、今度は私に躾けてもらって喜んでる元童貞」


「もう童貞ではありません……オホォォォッ……!」


「それで喜びながら訂正するな!」


「御主人様が言うからです……!」


「じゃあもっと言ってやる!」


 受付嬢が強く出れば出るほど。


 神父は従う。


 神父が従えば従うほど。


 受付嬢も昂る。


 恐ろしいほど。


 噛み合っていた。


     *


 一度止まる。


 二人とも息を整える。


 それでも。


 受付嬢が神父を見る。


 神父も見る。


「……終わる?」


 受付嬢が尋ねた。


 神父は少し考える。


「……まだ終わりたくありません」


「何してほしい?」


「……」


「自分で言え」


 神父は顔を赤くしたまま。


「イジメてください、御主人様」


「オホッ……!」


「もっと強く摘まんでください」


「オホォッ……!」


「もっと噛んでください」


「お前……!」


「御主人様からなら、もっと罵られても……嫌ではありません」


「嫌じゃない?」


「……むしろ、お願いしたいです」


 受付嬢の顔が完全なドSの笑みに変わる。


「本物じゃん」


「何がです?」


「お前。完全なドM」


「……否定はできません」


「私の玩具になりたい?」


 そこだけは。


 神父もすぐ答えなかった。


 受付嬢も急かさない。


 しばらくして。


「……御主人様の前でだけなら」


「オホォッ……!」


「また御主人様の方が大きな声を」


「黙れ!」


「はい、御主人様」


「オホッ……!」


 完全な悪循環だった。


     *


 何度か休んだ。


 何度か続けた。


 森の奥から聞こえていたオッサンとギャルの声すら、いつからか気にならなくなっていた。


 受付嬢は命令する。


 神父は従う。


 ただし、何でもではない。


 嫌なら嫌と言う。


 確認すべきことは確認する。


 そのうえで、自分がしたいと思ったことには従う。


 それが受付嬢にはたまらなく良かった。


「オホッ……動くな!」


「はい……御主人様……!」


「首出せ!」


「はい……!」


「もっと!」


「オホッ……!」


「情けないドM!」


「オホォッ……!」


「元童貞!」


「もう童貞ではありません……!」


「まだ言うか!」


「事実ですから……オホォッ……!」


 そして。


 ようやく。


 本当に二人とも動けなくなった。


     *


 神父は仰向けのまま、木々の隙間から空を見ていた。


 受付嬢も荒い息を整えている。


「オホッ……はぁ……」


「オホォッ……御主人様……」


 受付嬢がゆっくり身体を起こした。


「まだ終わってないぞ」


「……まだですか?」


 神父の顔の前まで移動する。


 見下ろす。


「綺麗にしろ」


 神父は意味を察して顔を赤くした。


「……私が?」


「他に誰がいる」


「その……」


「嫌なら断れ」


 神父は少し考え。


 首を横へ振った。


「いいえ」


「返事」


「はい、御主人様」


「オホッ……!」


「また反応しましたね」


「うるさい。さっさとやれ」


「分かりました」


 神父は命じられた通り、受付嬢の身体を丁寧に整え始めた。


 こういう時まで。


 神父は生真面目だった。


 一度「綺麗にしろ」と言われたら、適当に済ませない。


「そこ……まだ……オホッ……!」


「はい、御主人様」


「もっと丁寧に……オホォッ……!」


「分かりました」


 最初は受付嬢に余裕があった。


「そこも」


「はい」


「まだ」


「分かりました」


 だが。


 徐々に。


「オホッ……待て……」


 脚が震える。


「止めますか?」


 神父が即座に止まる。


「……誰が止めろと言った」


「では続けます」


「オホォッ……!」


 再開。


 受付嬢が大きく震える。


「お前……真面目すぎるんだよ……!」


「丁寧にしろと御主人様が」


「そういう意味じゃ……オホッ……!」


「止めますか?」


「止めるな!」


「分かりました、御主人様」


「オホォォォォッ……!」


 受付嬢自身が予想していなかったほど、大きな反応が押し寄せた。


 身体の力が一気に抜ける。


「オッホォォォォォッ……!」


 神父が慌てて支える。


「御主人様?」


「……見るな」


「分かりました」


「いや」


「?」


「やっぱり見ろ」


「どちらです?」


「うるさい!」


 受付嬢は真っ赤な顔で神父を睨んだ。


「お前、掃除を命じただけだろ」


「丁寧にとも言われました」


「真面目に答えるな」


「申し訳ありません」


「謝るな、ドM」


「……はい」


「元童貞」


「もう童貞ではありません」


「そこは最後まで訂正するんだな」


「事実ですから」


 受付嬢は呆れた顔をした。


 でも。


 妙に満足そうだった。


     *


 服を整えると。


 黒革はまた制服の下へ隠れた。


 受付嬢はいつもの知的で冷静な顔。


 神父も法衣を整え、聖書を拾う。


 どこから見ても普通。


 たぶん。


「……」


「……」


 森の奥。


「オホォォォォォッ!」


 二人。


 同時にそちらを見る。


「……まだ続いていますね」


「豚とギャルだぞ」


「それで説明になりますか?」


「今ならなるだろ」


「……否定はできません」


 受付嬢が歩き出す。


「帰るぞ、元童貞」


「もう童貞ではありません」


「知ってる」


「知っているなら呼ばないでください」


「嫌」


「なぜです?」


「お前が毎回訂正するのが面白い」


「では、私は毎回訂正します」


「好きにしろ」


 数歩。


 受付嬢が小さな声で言った。


「あと」


「はい?」


「町へ戻ったら、御主人様は禁止」


「人前では受付嬢さんですね」


「当然」


「二人の時は?」


 受付嬢。


 一瞬。


 黙る。


「……御主人様」


「分かりました」


「ちゃんと言え」


 神父は少しだけ笑った。


「分かりました、御主人様」


「……っ」


 受付嬢の足が一瞬止まる。


「どうしました?」


「何でもない!」


「御主人様?」


「何度も言うな!」


「失礼しました」


「元童貞!」


「もう童貞ではありません!」


 森の奥で。


 オッサンとギャルが互いにしか埋められないものを確かめていた、その少し離れた場所。


 受付嬢は。


 真面目な男を自分の命令で崩すことが、想像以上に好きだと知った。


 神父は。


 自分で選んだ相手に強く命令され、罵られ、痛みすら求めることが、想像以上に好きだと知った。


 ドS。


 ドM。


 しかも。


 互いに相手限定。


 最悪なくらい。


 相性がよかった。

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