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種付けオッサンとビッチギャル ~二日に一度ヤらないと死ぬ二人の異世界転生~【注目15位、日間217位ありがとうございます】  作者: 黒瀬 量衡
第一章 種付けオッサンとビッチギャル

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第二十一話 手甲と薬草袋まで巻き込んで、隠し泉で豚とオホ声が止まらなくなったんだけど

 足りない。死ぬわけじゃない。二日に一度っていう性神の条件なら、うちはちゃんと満たしてる。童貞神父もいる。マジメメガネもいる。一人でもどうにかできる。豚の方だって同じはず。ギルドや宿で散々構われてるし、生存条件の種付けプレスだって問題なく済ませてる。身体は元気。むしろ元気すぎる。なのに朝から、胸の奥というか、もっと身体の中心みたいなところがずっと落ち着かない。


「……オホッ……足りね」


「何がです……オホッ……?」


「全部」


「説明になっていません……オホォッ……」


 教会の宿直室。寝台に転がったうちの横で、童貞神父とマジメメガネも朝からおかしかった。童貞神父は座ってもすぐ立つ。立ったと思ったらまた座る。マジメメガネは聖書を開いてるくせに、同じ行をずっと見てる。それだけならまだしも、二人とも気づくと服の中へ手を突っ込んで、落ち着かせるみたいに動かしてる。


「ねえ。二人とも何してんの?」


「何も……オホッ……していません」


「してんじゃん」


「見ないでください……オホォッ……!」


「昨日も二人とも相手したじゃん。何で朝からそんななの?」


「それはこちらが聞きたいです……オホッ……!」


 童貞神父が真っ赤な顔でうちを見る。マジメメガネも眼鏡を押し上げたまま、妙に熱っぽい目をしてる。


「あなたが近くにいると……オホッ……もっと近づきたくなるのです」


「マジメメガネも?」


「……否定できません。オホォッ……!」


「へえ」


「その顔をやめてください……!」


 なんか。分かる。うちが足りないせいだ。確証なんてないけど、性神の祝福とか、豚との変な繋がりとか、そういうのを考えると妙に納得できる。うちが悶々としてるから、うちと深く関わった二人まで落ち着かなくなってる。


     *


 昼にギルドへ寄ったら、もっと分かりやすかった。


「いらっしゃいませ……オホッ……」


「今オホ声出たよね?」


「出ておりません」


「出たじゃん」


「本日はご依頼でしょうか……オホォッ……」


 受付のお姉さん。顔はいつもの完璧な受付嬢。声もほぼいつも通り。でも机の下で脚が落ち着かない。座り直す。膝を閉じる。また開きかけて閉じる。何度か服の中へ手を入れそうになって、そのたび仕事中だと思い出したみたいに戻してる。


「豚、今日来た?」


「……オホッ」


「ほら」


「午前中に来られました」


「今どこ?」


「簡単な依頼へ。危険度の低いものだけです」


「めっちゃ管理してんじゃん」


「業務です……オホォッ……!」


 その反応で、もう一つ分かった。豚も足りてない。方向だけじゃなくて、何となく分かる。あいつも死ぬわけじゃない。生存条件は足りてる。でも、うちと同じ場所が埋まってない。


 宿へ行けば、女将さんと娘さんまで同じだった。


「オホッ……あの馬鹿、まだ帰らないのかい」


「依頼じゃない?」


「危ない仕事じゃないでしょうね……オホォッ……!」


「知らん。うち豚の飼い主じゃないし」


「何で知らないの……!」


「何でうちが知ってなきゃいけないの」


 女将さんも娘さんも、豚がいないのに落ち着かない。服の中へ手を入れて、すぐ出して、またしばらくすると同じことをする。


「ねえ」


「何だい……オホッ……」


「何……オホォッ……」


「豚、欲しい?」


「誰が!」


「気持ち悪い!」


「でも息荒いじゃん」


「オホッ……帰ってきたら風呂入れさせるだけだよ!」


「オホォッ……臭いまま寝床へ入れたくないだけ!」


「ふーん」


「その顔やめな!」


 やっぱりだ。うちと豚が欲求不満。すると、うちらと関係を持った人まで何かに引っ張られる。理由は分かんない。でも感覚として分かる。


     *


 教会へ戻る途中で、足が止まった。


「……オホッ」


 方向。あっち。豚。そんなに遠くない。そして今日は、位置だけじゃない。悶々としてる。身体を持て余してる。自分でもどうしたらいいか分かってない感じ。


「最悪」


 うちも同じ。


 童貞神父が駄目じゃない。マジメメガネが駄目でもない。二人とも好きだし、一緒にいると楽しいし、ちゃんと気持ちいい。でも違う。豚じゃなきゃ埋まらないところがある。


「……会お」


 教会へ戻ってすぐ、二人へ言った。


「隠れた泉ってあるじゃん」


「昔使われていた泉ですか……オホッ……?」


「うん。今、人来ないんでしょ?」


「ほとんど」


「建物からも離れてる?」


「はい」


「じゃ声出しても平気じゃん」


「何をするつもりですか!」


「豚呼ぶ」


「オホッ……!」


「オホォッ……!」


「二人まで反応すんな」


「二人で行くのですか……?」


「うん」


「何を……」


「分かってんじゃん」


 二人とも黙った。顔に全部出てる。


「帰ってきたら二人も構ってあげる」


「そういう問題ではありません……オホッ……!」


「その言い方をやめてください……オホォッ……!」


「じゃ行ってくる」


     *


 泉へ着いたら、豚はもういた。


「オホッ……いやぁ」


「何で豚まで最初からオホ声なんだよ」


「ギャルさんもですぞ」


「オホッ……うるさい」


 二人で顔を見る。それだけで分かる。


「足りない?」


「足りませんなぁ」


「死なないけど?」


「死にません」


「条件も?」


「満たしておりますぞ」


「でも?」


「……オホォッ……もっと欲しいですなぁ」


「うちも」


 身体がぞくっとした。


「脱ぐ?」


「早いですなぁ」


「もう無理……オホッ……!」


「おじさんもですぞ」


 服を脱ぐ。向き合う。裸を見る。ただそれだけ。


「……オホッ」


「オホォッ……」


「来る来る来る……!」


「お、おじさんも……!」


「あっ、ダメ!」


 二人同時に身体が跳ねた。


「オッホォォォォォッ!」


「いやぁぁぁ……!」


 まだ触ってない。


「……何これ」


「見るだけでしたなぁ」


「豚の裸見ただけでこれとかマジ最悪」


「おじさんも派手なギャルさんを見ただけで」


「うるさい!」


 二人で笑う。でももう離れる気はない。


「来て」


「はい」


 抱きつく。胸と腹が潰れるくらい近づく。うちは豚の首へ腕を回す。豚の手が背中へ回る。


「オホッ……!」


「いやぁ」


「笑うな……オホッ……!」


「しかし、やはりおじさんの好みとしては」


「うちも豚はタイプじゃない!」


「身体だけは」


「最高!」


 二人。同時。


「……」


「……」


「最悪ですなぁ」


「ほんと最悪……オホッ……!」


 ちゅ。ちゅっ。くちゅ。唇を離してもすぐまた重なる。


「オホッ……豚……!」


「はい」


「もっと近く!」


「もう十分近いですぞ」


「足りない!」


「はい!」


 立ったまま抱き合って、座って、うちが上になって、豚が上になって、向き合って、背を向けて、また抱き合う。もう何回体勢を変えたか分かんない。ひと区切りついても、少し息を整えたらまた身体が相手を探す。


「オホッ……もっと……!」


「はい!」


「来て……オホォッ……!」


「はい!」


「熱いの……!」


「はい!」


「固い……オホッ……!」


「はい!」


「太い……!」


「ギャルさん、声がすごいですぞ」


「うるさい! もっと!」


「はい!」


「オホォォォォッ……! 来て来て来て……! もっと強いの……! もっと熱いの……! 身体の奥まで豚がいるって分かるくらい!」


「表現が激しいですなぁ!」


「豚ぁ!」


「はい!」


 何度でも続く。普通ならとっくに終わってる。でも性神の加護。少し休めば戻る。二人ともそれを分かってるから、遠慮がどんどんなくなる。


     *


「ねえ豚……オホッ……!」


「はい」


「さっきから胸見すぎ」


「いやぁ、改めて見ると立派ですなぁ」


「どこ品評してんの……オホォッ……!」


 豚の顔が胸元へ寄る。


「この辺りも、前より少し目立つようになっている気が」


「いちいち観察すんな、豚……!」


 ぺろ。


「オホッ!」


「やはり反応もよろしい」


「黙れ……オホッ……!」


 ぺろ。ちゅ。くちゅ。


「オホォォッ……!」


「ドゥフフ」


「その笑い方ほんっとキモい……!」


 そう言いながら、うちは豚の後頭部を抱えて離さない。


「止めんな……オホッ……!」


「はい!」


「もっと……オホォッ……!」


 今度はうちの番。豚の頬へ顔を寄せる。


 ぺろ。


「おや」


 首。


 ぺろ。


「ギャルさん?」


「黙って……オホッ……!」


 耳の下。首筋。顎。頬。また首。


「ほんっと……何なの、その身体……オホォッ……!」


「何がですかな」


「存在感が凶悪すぎんだって……!」


「褒め言葉?」


「違う!」


 ぺろ。


「顔は豚……!」


 ぺろ。


「首もオッサン……!」


 ぺろ。


「腹も出てる……!」


「散々ですなぁ」


「なのに身体だけ……オホォォッ……! 何でこんな好きなんだよ……!」


 首へ腕を回す。ぎゅ。


「離れたくない……オホッ……!」


「おじさんもですぞ」


「キモ」


「酷い」


「でも来て」


「はい!」


     *


「ねえ」


「はい」


「今日、もう何でもいい」


「何でも?」


「うちが嫌って言ったら止める」


「当然ですぞ」


「豚が嫌って言っても止める」


「はい」


「それ以外は、何でも付き合う」


「おじさんも好きに?」


「うん」


「ギャルさんへ何を頼んでも?」


「豚ならいい」


「……」


「何」


「おじさんも同じですぞ」


「何が?」


「他の方には頼みにくいことでも、ギャルさんならできます」


「受けるのも?」


「はい」


「……一緒じゃん」


「最悪ですなぁ」


「ほんと最悪」


 ちゅ。


「オホッ……!」


 そこからは、何をするかより相手がどう反応するかの方が面白くなった。互い違いに寝転がったり、抱き合ったり、転がったり、顔や首や胸元や腹や脚へ口を寄せたりする。嫌そうなら止める。嬉しそうなら覚える。そしてもう一回。


「オホッ……そこ……!」


「ここですかな?」


「そこ……オホォッ……!」


「ではもう一度」


「オッホォォォッ……!」


 今度はうち。


「豚、ここ弱い?」


「おや」


「ここじゃん」


「いやぁ」


「分かりやす」


 ぺろ。


「おお」


「ほら」


「ギャルさんも似たようなものですぞ」


「うるさい」


 相手を喜ばせる。反応を見る。またやる。気づけば、自分がどうなるかより、目の前の相手をどこまで喜ばせられるかに夢中だった。


「オホッ……豚……!」


「はい!」


「もっと喜べ!」


「ギャルさんもですぞ!」


「オホォォッ……!」


     *


 一度だけ、本当に休もうってなった。


 二人で泉へ入る。


「気持ちいい」


「少し冷たいですなぁ」


「ちょうどいい……オホッ……」


「おじさんもまだ声が」


「ギャルさんもですぞ」


「……」


「……」


 静か。


 ほんの少し。


「オホッ……」


「オホォッ……」


「豚」


「はい」


「やっぱ無理」


「おじさんもですぞ」


「まだ欲しい」


「はい」


 泉から出る。濡れたまま岩へ手をつく。


「ギャルさん?」


「今日さ」


「はい」


「もう人間とかどうでもいい」


「はい?」


「顔とか年齢とか、タイプとか、そういうの」


「はい」


「全部どうでもいい」


 振り返る。


「うち、一匹の雌でいい」


「……」


「豚も」


「はい」


「一匹の雄になって」


「おじさんでよろしければ」


「豚しか嫌だって言ってんの……オホッ……!」


「おお」


 息を吸う。


「アオォォォォン!」


「……」


「何」


「いやぁ」


「豚もやれ!」


「おじさんもですかな!?」


「早く!」


「ウォォォォォン!」


「下手!」


「ギャルさんも似たようなものですぞ!」


「うるさい!」


 二人で笑う。でも目が合った瞬間、笑いが消えた。


「来て」


「はい」


「誰でもいいんじゃない」


「はい」


「豚がいい……オホッ……!」


「おじさんもですぞ」


「何」


「ギャルさんがいい」


「もっと言って」


「他の誰でもありません」


「うん」


「目の前の雌が欲しいですぞ」


「オホォッ……!」


「ギャルさんも」


「うん」


「おじさんを求めてください」


「求めてる!」


 近づく。


「おじさんですぞ」


「知ってる……!」


「他の誰でもない」


「分かってる!」


「おじさんを」


「欲しい……!」


「はい」


「豚も、うちだけ見ろ!」


「もちろんですぞ!」


「オッホォォォォォッ!」


 今日一番荒い。でも今日一番安心してた。顔も好みも全部どうでもいい。目の前の相手が絶対に止めるところでは止めてくれる。嫌だと言えば受け入れる。だから何でもできる。


「オホッ……豚……!」


「はい!」


「うちだよ!」


「はい!」


「他の女じゃなくて!」


「目の前のギャルさんですぞ!」


「オホォッ……!」


「おじさんもですぞ」


「分かってる!」


「他の男ではなく」


「豚がいい!」


「はい!」


「豚の雌でいい……オホォォォッ……!」


     *


 ようやく一度離れた時、外した手甲が目に入った。


「あ」


「何ですかな」


「豚。これ」


「手甲?」


「孕ませてみる?」


「よろしいので?」


「うん。どうなるか見たい」


「産まれたら手放しますぞ」


「いい。ギルドに持ってく」


「承知しました」


 手甲を置く。豚が近づいただけで。


「オホッ……!」


「もう鳴いた!」


「早いですなぁ」


 雌化。


「オホォォォッ……!」


「元気すぎ」


 豚が手甲へ向き直る。


「では」


「やって」


「はい」


「オホッ……! オホォォォォッ……!」


 手甲相手に正式な種付けプレスを始める豚。その横へ、うちもぴったりくっついた。


「ギャルさん?」


「何」


「近いですなぁ」


「手甲だけ構ってんのムカつく」


「はい?」


「豚もこっち向け」


 顔を引き寄せる。


 ちゅ。


「おや」


 首。


 ぺろ。


「ギャルさん、今おじさんは」


「知ってる」


 ちゅ。ぺろ。


「手止めんなよ」


「二つ同時ですかな?」


「できるっしょ」


「ドゥフフ」


「その笑い方キモい……オホッ……!」


 手甲。


「オホォォォッ……!」


 うち。


「オホッ……!」


 豚。


「いやぁ!」


「ほら、止まってる!」


「申し訳ありません!」


「ちゃんと手甲も相手して、うちも構え!」


「注文が多いですなぁ!」


「オホッ……うるさい!」


     *


「次」


「まだありますかな」


「薬草袋貸して」


「おじさんの?」


「うん」


「何をする気です?」


「実験」


 適当な棒の先へ薬草袋を被せる。


「これ、うちが使ったら雄化するよね」


「おそらく」


「じゃ試す」


 触れた瞬間。


「オホォォォォッ!」


「なった!」


「元気ですなぁ」


「声でっか」


 薬草袋の様子を確かめながら、うちはまた豚へ身体を寄せる。


「ギャルさん?」


「何」


「今度はおじさんまで構うのですかな」


「だって豚、見てるだけじゃん」


 頬。


 ぺろ。


 首。


 ぺろ。


 ちゅ。


「薬草袋だけ相手するのつまんない」


「非常に忙しい実験ですなぁ」


「オホッ……豚も仕事しろ」


「何を?」


「うちをもっと喜ばせろ!」


「はい!」


「オホォォォッ……!」


 薬草袋。


「オホォォォッ!」


 うち。


「オホッ……!」


 豚。


「いやぁ!」


「うるさ!」


「ギャルさんが始めたのでしょう!」


「そうだけど!」


     *


 気づけば日が傾いていた。


「何時間いた?」


「分かりませんなぁ」


「帰らないと」


「おじさんも宿へ」


「女将さんと娘さん待ってる?」


「間違いなく」


「受付のお姉さんも?」


「明日」


「大変じゃん」


「ギャルさんもですぞ」


「童貞神父とマジメメガネ」


「はい」


「……」


「……」


 二人で見る。


「うちら欲求不満になるとさ」


「はい」


「周りまでおかしくなるっぽいよね」


「心当たりしかありませんなぁ」


「教会、朝から二人とも服の中に手入れてた」


「ギルドもですぞ」


「宿も」


「……」


「……」


「じゃ定期的にここ来る?」


「おじさんとしては大歓迎ですぞ」


「うちも」


「おや」


「身体的には」


「身体的には?」


「顔はやっぱ無理」


「おじさんもギャルさんの派手さは」


「黙れ豚」


「はい」


 でも。


 ちゅ。


「オホッ……!」


「オホォッ……!」


 離れる。


 また見る。


「豚」


「はい」


「他の人じゃ駄目って意味じゃない」


「はい」


「でも、これを埋められるのは豚だけ」


「おじさんも同じですぞ」


「……そっか」


「はい」


「じゃまた来よ」


「はい」


 手甲。


「オホッ……!」


 薬草袋。


「オホォォォ……!」


 二人でそっちを見る。


「……」


「……」


「こいつらまで足りなそう」


「似た者同士ですなぁ」


「一緒にすんな!」


「オホッ!」


「オホォッ!」


「お前らも返事すんな!」

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