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種付けオッサンとビッチギャル ~二日に一度ヤらないと死ぬ二人の異世界転生~【注目15位、日間217位ありがとうございます】  作者: 黒瀬 量衡
第一章 種付けオッサンとビッチギャル

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第二話 裸の男神像がフル勃起したんだけど

 目を開けた瞬間、最初に見えたのは裸の男神像だった。


 でかい。


 石造りの台座の上で、筋肉質な成人男性の姿をした神が堂々と立っている。布一枚まとっていない。股間まで遠慮なく彫り込まれている。


 その向こうには、でっかいステンドグラス。石造りの柱。長椅子。燭台。高い天井。


「……え、教会?」


 そして寒い。


「つか、寒っ!」


 腕を抱いて、そこで気づいた。


 裸だった。


「はぁ!?」


 服がない。


 マジで一枚もない。


 金髪はある。メイクも落ちてない。ネイルもある。ピアスもアクセも残ってる。


 でも服がない。


 ブラもない。


 パンツもない。


 靴もない。


「ちょ、待って! 全裸!? なんで!?」


 反射的にしゃがみ込み、胸元と股間を隠す。


 意味分かんない。


 いや。


 何が起きたかは分かってる。


 ついさっきまで、神様と話していたからだ。


     *


「あなたを異世界へ召喚します」


「マジ?」


「はい」


「異世界って、魔法とかあるやつ?」


「あります」


「ウケる」


 目の前にいた男は、めちゃくちゃイケメンだった。


 背が高い。小顔。髪型もいい。身体も鍛えてる。服もオシャレ。


 クラブとかイベントにいたら、女が勝手に寄ってくるタイプ。


「てか神様、顔良すぎじゃない?」


「私は性を司る神です」


「性神?」


「はい」


「名前ヤバ」


 思わず笑った。


 神様も笑った。


「あなたには、私がもっとも性的に好む異性の姿として見えています」


「あー、だからか。めっちゃタイプだもん」


「受け入れるのが早いですね」


「だって神なんでしょ? だったら何でもありじゃん」


 夢なのか。


 死んだのか。


 本当に異世界なのか。


 そのへんは後でいい。


 神がいて魔法があるって言われたなら、とりあえずその前提で聞いた方が早い。


「で、うち何すんの?」


「あなたには私の祝福を与えます」


「チート?」


「その表現でも構いません」


「やったじゃん」


「ただし、生命維持条件があります」


「あ、そういう系?」


 やっぱタダじゃなかった。


「まず基本的な加護です。あなたは性交に起因する感染や疾病を受けません。また、行為によってあなた自身や相手が傷つくこともありません」


「え、強くない?」


「体格差や身体的な差があっても、必要な範囲で私の加護が保護します」


「普通に当たりじゃん」


「性的接触によって、負傷、疲労、生命力の消耗なども急速に回復します」


「めっちゃ当たりじゃん」


「さらに、同意してあなたと関係を持った相手は性的な感覚が増幅されます。ただし、意思そのものを操る能力ではありません」


「そこ大事。勝手に惚れさせたり、嫌なのにやらせたりすんの普通にキモいし」


「そのような祝福ではありません」


「ならよし」


 ここまでは良かった。


 問題はここからだった。


「そして四十八時間以内に一度、私の祝福が認める水準まで絶頂してください」


「……は?」


「達成できなければ死にます」


「重っ!」


 思わず叫んだ。


「いや、急に命かかってんじゃん! 二日に一回!?」


「正確には四十八時間以内です」


「自分でやってもいい?」


「構いません」


「じゃ余裕じゃん!」


 胸を撫で下ろした。


「最初からそれ言ってよ! 相手見つけなきゃ死ぬのかと思ったし!」


「ただし、四十八時間というのは最低限の生命維持期限です」


「最低限?」


「祝福そのものが、もっと頻繁に絶頂を求めます」


「……どんくらい?」


「一日に何度も」


「多っ!」


「個人差はあります」


「逃げ道みたいに個人差って言うのやめて」


「非常に強い快感を伴います」


「そこまで言う?」


「性神ですから」


「まあ説得力はある」


 神様はさらに続けた。


「そして、あなたが使用した道具や、祝福の影響を強く受けた物体は雄化します」


「……雄化?」


「雄になります」


「物が?」


「はい」


「棒とか?」


「はい」


「剣とか?」


「はい」


「家具とか?」


「形状と使用方法によります」


「意味分かんな」


「元の機能は失いません。むしろ強化されます」


「そこだけ聞いたら最高じゃん」


「その代わり、使用された部分などに雄性器官としての性質が発現します」


「最低じゃん」


「定期的に成人男性の声でオホ声を上げます」


「もっと最低」


「白い液体も放出します」


「最悪じゃん!」


「ですが性能は上がります」


「性能の問題じゃないし!」


「一度雄化すると、非常に活動的になります」


「……何それ」


「何度活動してもすぐ回復します」


「聞きたくなかった」


「本来の用途に使われていない時間には、相性のよい雌化物を探すこともあります」


「世界どうなんの!?」


「それはあなた方次第ですね」


「うちら!?」


 そこで引っかかった。


「今、あなた方って言った?」


 神様は笑った。


「いずれ分かります」


「何その匂わせ」


 でも、もっと重要なことがある。


「じゃ、それ避ける方法あんの?」


「祝福を使わなければ」


「四十八時間経ったら?」


「死にます」


「じゃ無理じゃん」


「そうですね」


「……」


 考えた。


 五秒くらい。


「まあ、死ぬよりマシか」


「決断が早いですね」


「いやだって死ぬんでしょ?」


「はい」


「じゃ、しゃーなくない?」


 変なアイテムが増える。


 死ぬ。


 比べるまでもない。


 うちはパパ活もしてたけど、別に常識がないわけじゃない。


 街中で裸になったり、他人の物を勝手に変な魔道具へ変えたりしたいわけでもない。


 でも命がかかってるなら話は別。


「危なそうなのだけ何とかする。変なだけなら……もう増えればよくない?」


「非常に前向きですね」


「悩んでもルール変わんないじゃん」


 死にたくない。


 それだけ。


「で、どこに召喚されんの?」


「安全な場所です」


「服は?」


 神様が笑った。


「……え」


 嫌な予感。


「ちょっと待って。なんで笑った?」


 光が広がった。


「ねえ! 服! うちの服は!?」


     *


「安全な場所って、教会じゃん!」


 確かに安全そう。


 人はいない。


 魔物もいない。


 でも全裸。


「最悪……」


 とりあえず服。


 いや、布でもいい。


 何かないかと立ち上がった。


 そのとき。


「……」


 裸の男神像が目に入った。


 やたら作りが細かい。


「つか、異世界の神像ってそこまで彫る?」


 日本なら絶対何かで隠されてそうなところまで、そのまま石で造られている。


 性神なのだろうか。


 神殿なんだから、それくらいはありそう。


「……」


 そして。


 身体の奥が、妙に落ち着かない。


「あ」


 分かった。


 これだ。


 さっき神様が言ってたやつ。


 一日に何度も来るという衝動。


「いや早くない?」


 召喚されたばっかなんだけど。


「今?」


 身体は今と言っている。


「……マジかぁ」


 服を探す。


 衝動。


 服を探す。


 衝動。


「ちょっとくらい我慢できるっしょ」


 できる。


 たぶん。


 でも、目の前にちょうど裸の男神像がある。


「……」


 いやいや。


 神像。


 罰当たり。


 普通に考えてダメ。


「触るだけ」


 何の解決にもなっていない。


 それでも手を伸ばした。


 石像の股間へ指先が触れる。


「普通に石――」


 ぐん。


「……は?」


 動いた。


「え?」


 もう一度触れる。


 石像の股間がさらに形を変えた。


「ちょ、待って」


 みるみる存在感を増していく。


「勃った!?」


 石なのに。


 完全に石なのに。


「触っただけじゃん!」


 答える者はいない。


 裸の男神像は、完全に雄化していた。


「……」


 うちは見上げた。


 神像を見る。


 雄化した部分を見る。


 また神像を見る。


「これ、使えってこと?」


 知らない。


 でも身体はものすごく素直だった。


「……神様」


 ため息。


「絶対性格悪いでしょ」


 四十八時間以内にどうせやる。


 しかも一日に何度も衝動が来る。


 雄化するのも避けられない。


「じゃ」


 腹を括った。


「一回だけね」


     *


 結果から言えば。


 一回では済まなかった。


「来る、来る来る来る……っ、あっ、ダメ!」


 自分の声が教会に響いた。


「お゙っ……!」


「……は?」


 一瞬、自分で驚いた。


 今の声、誰?


「んお゙っ……お゙っ、お゙っ……!」


「ちょ、待って、うちこんな声――」


 波が来た。


「お゙っ゙お゙っ゙お゙っ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙っ!!」


 教会中に響いた。


「…………」


 静寂。


「最悪」


 こんな声、今まで出したことない。


「神のせいだから」


 誰も聞いてないのに言い訳する。


 でも終わらない。


 祝福が身体の奥で何度も弾ける。


「もう……出てるって……っ、待って、また来る!」


「オホォォォォォ……!」


「え?」


 今度はうちじゃない。


 低い。


 めちゃくちゃ低い。


 渋い大人の男の声。


「……神像?」


「オホォォォォォォッ!」


「声、渋っ!」


 雄化した神像だった。


 しかも白い液体が勢いよく噴き出した。


「うわっ!」


 床へ飛び散る。


「ちょ、そっちも出んの!?」


「オホォォォ……!」


「まだ!?」


 神像は完全にフル勃起したまま。


 元へ戻る気配がない。


「……これが雄化」


 そして数秒後。


「オホッ……!」


「回復早っ!」


 まただった。


「いやいやいや、何回出すん!?」


 神像。


「オホォォォォォ!」


 また白い液体。


「無限じゃん!」


 さっき神様が言っていた。


 雄化した物は回復が早い。


 何度でも活動する。


「ほんとに言った通りじゃん……」


 しかも神像そのものにも変化が起きていた。


 石肌の細かなひびが消えている。


 彫刻の輪郭は鮮明になり、以前より神々しくすら見える。


 祭壇周辺の空気まで澄んだような気がする。


「……性能上がってんの?」


 神像の本来の役割が何なのか知らない。


 祈りの対象?


 神聖な力を集めるとか?


 とにかく、さっきより明らかに立派になっている。


 ただし。


「オホォォォ……!」


 私生活が最低だった。


「性能は良くなってんのに、挙動が最悪なんだけど」


 そういう祝福らしい。


 そして、うち自身の身体は驚くほど軽かった。


 寒くない。


 疲れてない。


 むしろ絶好調。


 生命維持条件を達成したという感覚もある。


「……これで四十八時間」


 いや。


 それだけじゃない。


 身体の奥には、もう次を求める小さな衝動が残っている。


「マジで一日何回もなんだ」


 神像を見る。


「オホォ……」


「お前もか」


 数秒考えた。


 答えは最初から決まっている。


「……まあ、しゃーないっしょ」


 死ぬか。


 ギャグみたいな雄化アイテムを増やしながら生きるか。


「生きる方で」


 即決。


「もういいや。増えるもんは増える!」


 危険なら止める。


 誰かの大事な物は避ける。


 できれば人目も避ける。


 そのくらいはする。


 でも生命維持まで我慢する気はない。


「あと普通に気持ちいいし」


 そこは認める。


「オホォォォ……!」


「お前は出しすぎ」


     *


 ガチャ。


「……」


 教会の扉が開いた。


 白い法衣を着た老人。


 その後ろに成人した女性神官。


 二人とも止まった。


 うちも止まった。


 全裸。


 びしょ濡れの床。


 そして祭壇の横には、完全に雄化した裸の男神像。


「……」


「……」


「……」


「オホォォォォォォ……!」


 低く渋い声が教会いっぱいに響いた。


 続けて白い液体。


「…………」


 老人が神像を見る。


 床を見る。


 うちを見る。


 もう一度神像を見る。


「……何が」


「あー」


「何が起きたのですか……?」


「祝福?」


「それで済ませるのですか!?」


 女性神官が叫んだ。


「いや、うちも初回だから詳しく知らんし!」


「オホォォォ……!」


「神像も今しゃべんな!」


「オホッ……!」


「てか連続すんな!」


 老人は震える指でうちを指した。


「ま、まさか……昨夜の神託にあった、異界より来る祝福者……?」


「たぶん、うち」


「本当に……?」


「たぶん」


「オホォォォォォォッ!」


「こいつのせいで説得力なくなってるじゃん!」


 女性神官が真っ赤な顔で祭壇横の大きな布を投げてきた。


「と、とにかく身体を隠してください!」


「それ! マジ助かる!」


 受け取る。


 身体に巻く。


 ようやく全裸ではなくなった。


「あと服! 服貸して!」


「用意します!」


「ありがと!」


「その前に説明してください!」


「長くなるって!」


「この神像をどうされたのですか!」


 老人が神像を見上げた。


 すると。


「……おや?」


「何?」


「以前より強い神気を感じる……」


「マジ?」


「石像のひびも消えている」


 女性神官も気づいた。


「本当です……」


 三人で見る。


 以前より明らかに立派になった神像。


「オホォォォォォ……!」


 ただしフル勃起。


「……」


「……」


「……」


「性能は上がってるっぽいんだけど」


「何です、その性能は上がったという言い方は!」


「だってそうなんだもん!」


「オホッ……!」


「お前はちょっと黙って!」


 異世界へ来て、まだ二十分も経っていない。


 なのにもう分かった。


 たぶん、これから先。


 こういう物は増える。


 めちゃくちゃ増える。


「まあ」


 うちは布を身体へ巻き直した。


「なんとかなるっしょ」


「オホォォォォォォッ!」


「お前込みでなんとかすんの大変そうなんだけど!」

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