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種付けオッサンとビッチギャル ~二日に一度ヤらないと死ぬ二人の異世界転生~【注目15位、日間217位ありがとうございます】  作者: 黒瀬 量衡
第一章 種付けオッサンとビッチギャル

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第十一話 宿のベッドを雌化して、女将に弁済種付けプレスですぞ

「オッホォォォォォッ!」


 朝一番。


 宿の二階に、艶のある女の声が響いた。


「いやぁ……思った以上に響きますなぁ」


「オッホォォォッ!」


 もう一度。


 壁まで微かに震えた。


 声の主は女ではない。


 昨日まで、おじさんが寝ていただけの安宿のベッドである。


 古びた木枠は傷一つないほど滑らかになり、長年の使用でへたっていた敷物も、まるで上等な宿の寝具のように身体を支えてくれる。


 雌化したのだ。


 しかも性能まで上がった。


「寝具としては素晴らしいのですがなぁ」


「オッホォォォォォッ!」


「声だけ何とかなりません?」


 ならない。


 性神様の祝福を受けた物は、だいたいそうだ。


 性能は最高。


 挙動は最低。


     *


 目を覚ました時から、身体の調子は妙によかった。


 ゴブリンに殴られた傷はもうない。


 疲労もない。


 昨日、ギャルのお嬢さんと初めて関係を持ち、その後はギルドの受付のお姉さんからも散々管理された。


 普通なら一日寝込んでもおかしくない。


 ところが性神様の加護は、そこだけは無駄に優秀だった。


「いやぁ、絶好調ですなぁ」


 そして絶好調だからこそ、困る。


 また衝動が来ていた。


 四十八時間は死なないための期限にすぎない。


 普段の欲求は、もっとずっと頻繁に湧く。


 しかも昨日から、その頻度まで少し増している気がする。


 鏡を見る。


 脂っこい顔。


 出た腹。


 薄くなり始めた頭。


 無駄に濃い体毛。


「強くなるなら、もう少しこう……格好よくなってもよさそうなものですがなぁ」


 そうはならなかった。


 ギャルのお嬢さんには昨日、


『オッサン度、上がってない?』


 とまで言われた。


 どうやら性神様は、おじさんを若返らせる気など一切ないらしい。


「さて」


 衝動の方は待ってくれない。


 部屋を見る。


 机。


 椅子。


 水差し。


 洗面桶。


 そしてベッド。


「……」


 大きい。


 丈夫そう。


 条件も満たせる。


 しかし宿の備品である。


「いやいや」


 他人の物を勝手に雌化させるのは、さすがにまずい。


 おじさんにだって常識くらいある。


 あるのだが。


 やらなければ、いつか死ぬ。


 しかも我慢したところで何の得にもならない。


「死ぬか、弁償するか」


 少し考える。


「弁償ですなぁ」


 即決だった。


     *


「先に謝っておきますぞ」


 ベッドに向かって頭を下げる。


「申し訳ありませんなぁ」


 そして触れた。


 直後。


「オッホォ……」


「来ましたなぁ」


 寝台が小さく揺れる。


 傷が消えた。


 木枠が締まる。


 寝具がふっくらと膨らむ。


 試しに手で押すと、柔らかいのに沈み込みすぎない。


「これは」


 少し横になる。


「おお」


 腰。


 背中。


 首。


 それぞれを絶妙に支えてくれる。


「高級宿のベッドより良いのでは?」


「オッホォッ」


「おじさんの言葉が分かるんですかな?」


「オッホォォォッ!」


「やはり性能は最高」


 一拍。


「私生活は最悪」


 仕方ない。


 雌化だけでは正式な生命維持条件を満たさない。


「では」


 おじさんは腹を括った。


     *


 どん。


「オッホォォォッ!」


 どん。


「オッホォォォォォッ!」


 想像以上に音が出た。


「いやぁ、宿中に聞こえてませんかなぁ」


「オッホォォォッ!」


 もう遅い。


 ここまで来て途中で止める方が面倒だ。


「出ますぞ」


「オッホォォォォォッ!」


「濃いのが」


「オッホォォォォッ!」


「オッ! オッ! オッ!」


 身体の奥で、あの独特の感覚が走った。


 正式判定。


 生命維持条件が更新された。


「よし」


 これで当面は死なない。


「オッホォ……」


 ベッドも妙に満足そうである。


「では、女将さんに謝りに――」


 ガチャ。


 扉が開いた。


「……」


「……」


 女将が立っていた。


 四十前後。


 この宿を一人で切り盛りしている、気の強そうな成人女性だ。


 女将はおじさんを見た。


 次にベッド。


 またおじさん。


「何してる」


「おはようございますなぁ」


「何してる」


「生命維持ですぞ」


「うちのベッドで?」


「……はい」


「馬鹿か!」


「申し訳ありません!」


     *


 説明には少し時間がかかった。


「つまり」


「はい」


「あんたは定期的に種付けプレスしないと死ぬ」


「正確には四十八時間以内ですなぁ」


「そこはどうでもいい」


「はい」


「人じゃなくてもいい」


「はい」


「物なら雌になる」


「はい」


「で、最後までやると孕む」


「はい」


 女将がゆっくりベッドを見る。


「うちのベッドを」


「はい」


「雌にして」


「はい」


「孕ませた」


「……はい」


「馬鹿か!」


「二回目ですぞ!」


「何回でも言うよ!」


「オッホォォォッ!」


「お前も鳴くな!」


 女将がベッドを叩く。


 ぽふん。


「……」


 もう一度。


 ぽふん。


「何だこれ」


「性能も向上しておりますぞ」


 女将が腰掛ける。


 続いて横になる。


「……」


 寝返り。


 反対側へ、もう一度。


「……」


「女将さん?」


「黙ってな」


「はい」


 さらにしばらくしてから、女将が起きた。


「めちゃくちゃ寝心地いいじゃないか」


「でしょう?」


「何であんたが得意そうなんだ」


「作ったのはおじさんですからなぁ」


「孕ませただけだろ!」


「オッホォォォォッ!」


「だから鳴くな!」


 女将は頭を抱えた。


「捨てるのも惜しい」


「ですなぁ」


「でも弁償はしてもらう」


「もちろんですぞ」


「金は?」


「……」


 財布を見せる。


「これだけ?」


「駆け出しですので」


「宿代も前借り」


「はい」


「服も借金」


「はい」


「飯も節約」


「はい」


「本当に金ないな」


「ドゥフフ」


「笑うな」


「はい」


     *


 女将が、妙な目でおじさんを見た。


「……臭い」


「はい?」


「昨日より臭い」


「受付のお姉さんにも似たようなことを言われましたなぁ」


「褒めてない」


「はい」


「脂っこい」


「はい」


「腹出てる」


「はい」


「背も高くない」


「はい」


「頭も薄い」


「そこは何度も確認しなくてよいのでは?」


「事実だろ」


「事実ですなぁ」


 そこまで罵ったくせに。


 女将は離れない。


 むしろ、じっとおじさんを見ていた。


「なのに」


「はい?」


「腹が立つね」


「何が?」


「こんな見た目なのに、妙に気になる」


「おや」


「喜ぶな」


「まだ何も言ってませんぞ」


「顔が喜んでる」


「顔は生まれつきですなぁ」


「それはただのブサイクだ」


「酷い!」


 その時。


「オッホォォォ……」


 雌化ベッドが鳴いた。


 女将の目が、ベッドへ向く。


「……」


「女将さん?」


「何だ」


「ベッド殿が気になります?」


「うるさい」


「いやぁ」


 少し。


 意地悪してみたくなった。


「せっかくですから、もう一度ベッド殿に」


「は?」


 どん。


「オッホォォォッ!」


 女将が固まった。


「おい」


「何ですかな?」


「何でもう一回やってんだ」


「元気そうでしたので」


「オッホォォォォォッ!」


 女将の眉がぴくりと動く。


 どん。


「オッホォォォッ!」


「……」


「出ますぞ」


「オッホォォォォッ!」


「濃いのが」


「オッホォォォォォッ!」


「オッ! オッ! オッ!」


 終わる。


 おじさんが身体を起こした。


「さて」


「……」


「女将さん?」


 女将は。


 おじさんから目を逸らさなかった。


「……無駄だね」


「何がです?」


「こんな腹して」


「はい」


「こんな顔して」


「はい」


「臭くて」


「はい」


「頭も薄くて」


「はい」


「なのに身体だけ無駄に元気で」


「そこまで言います?」


「腹立つんだよ」


「はい」


「……ベッドなんかに使いやがって」


「おや」


「その顔やめろ」


「ドゥフ」


「笑うな!」


 女将がベッドへ上がった。


「私にしろ、豚」


「女将さん?」


「何だ」


「それは弁済です?」


「弁済だ」


「本当に?」


「黙れ」


「はい」


「早くしろ」


     *


「オホッ……!」


 女将の声が、部屋に響いた。


「おや」


「見るな!」


「はい」


「止めるな!」


「どちらですかなぁ」


「オッホォォォォッ!」


 さっきのベッドより大きかった。


「女将さん」


「しゃべるな、豚!」


「はい!」


「オッホォッ……!」


 息を整える暇もなく。


「まだだ」


「はい?」


「オホッ……もっと!」


「まだいきます?」


「誰が終われと言った!」


「承知しましたぞ」


「オッホォォォォォッ!」


 行為が始まると、女将の普段の罵倒は短くなった。


「オホッ!」


「デブ!」


「オッホォォォッ!」


「臭い!」


「オッホォォォォォッ!」


「豚!」


「オホッ、オホッ……!」


 ほとんどがオホ声。


 その合間に、短い罵倒と要求だけが飛んでくる。


「もっと!」


「はい」


「止めるな!」


「はい」


「オッホォォォォォッ!」


 一区切りついても。


 女将は離れなかった。


「まだ」


「女将さん?」


「オホッ……もう一回」


「ベッド代、高くありません?」


「黙れ、クズ!」


「はい!」


「オッホォォォォッ!」


     *


 二度。


 三度。


 回数を重ねるほど。


 女将の声は大きくなった。


「オッホォォォォォッ!」


「いやぁ、宿中に」


「黙れ!」


「はい!」


「オホッ! オホッ!」


「まだだ!」


「はい!」


「オッホォォォォォッ!」


 そのうち。


 隣のベッドまで反応する。


「オッホォォォッ!」


「……」


 女将の目が据わった。


「うるさい」


「ベッド殿ですなぁ」


「私の方を見ろ」


「はい?」


「オホッ……私にしろ、豚!」


「完全に張り合っております?」


「黙れぇ!」


「はい!」


「オッホォォォォォッ!」


 女将。


「オッホォォォォッ!」


 ベッド。


 女将。


 ベッド。


 部屋の中でオホ声が交互に響く。


「いやぁ、賑やかですなぁ」


「お前のせいだ!」


     *


 ようやく静かになった頃。


 女将はしばらく動かなかった。


「女将さん?」


「……しゃべるな」


「はい」


「笑うな」


「はい」


「こっち見るな」


「はい」


 少し間が空く。


「……いや」


「はい?」


「そこにいろ」


「おや」


「何だ」


「何でもありませんぞ」


「ドゥフ」


「笑うな!」


「はい!」


 女将が起き上がる。


「それと」


「はい」


「二度と勝手に宿の物を雌にするな」


「努力しますぞ」


「努力じゃない」


「衝動がありますので」


「だったら」


 女将は、少しだけ言葉を止めた。


「先に私に言え」


「おや」


「笑うな!」


「はい!」


     *


「風呂」


「はい?」


「入れ」


「今ですかな?」


「今だ」


「さっきかなり汗を」


「だからだよ。臭い」


「はい」


 浴室へ向かおうとすると。


 女将までついてきた。


「女将さん?」


「何だ」


「なぜ一緒に?」


「一人にできると思うか?」


「おじさん、もう条件は満たしましたぞ」


「そういう問題じゃない」


 女将が浴室を指す。


「風呂桶」


「はい」


「湯桶」


「はい」


「腰掛け」


「はい」


「壁」


「はい」


「今度はどれを雌にする気だ」


「いやぁ」


 全部を見る。


「候補は多いですなぁ」


「言うと思ったよ!」


 女将が後頭部を叩いた。


「痛いですぞ!」


「だから私も入る」


「管理です?」


「監視だ」


「受付のお姉さんと似てきましたなぁ」


「誰だい、その女」


「いやぁ」


「後で聞く」


「怖い!」


     *


 湯気の立つ浴室。


 女将は、おじさんの背中を容赦なく擦った。


「痛いですぞ!」


「垢だ」


「もう少し優しく」


「臭い」


「はい」


「脂っこい」


「はい」


「何で洗ってもすぐオッサン臭くなるんだ」


「性神様の進化では?」


「最低の進化だね」


「おじさんもそう思いますなぁ」


 背中。


 首。


 耳の後ろ。


 髪。


 爪。


 全部確認される。


「女将さん」


「何だ」


「完全に世話を焼いておりますなぁ」


「宿が臭くなるからだ」


「なるほど」


「それ以外に理由なんかない」


「はいはい」


「その返事やめろ」


     *


 身体を洗い終え。


 湯船へ入ろうとした。


「待て」


「はい?」


「桶に余計なことするな」


「しませんぞ」


「信用できない」


「酷い!」


「朝、ベッドを孕ませた男が何言ってる」


「返す言葉もありませんなぁ」


 女将が、おじさんをじっと見る。


「……」


「女将さん?」


「何だ」


「また何か?」


「臭い」


「今洗いましたぞ!」


「オッサンそのものが臭い」


「理不尽!」


「ブサイク」


「風呂では治りませんなぁ」


「デブ」


「はい」


「ハゲ」


「はい」


 女将が近づく。


「なのに」


「はい?」


「また腹立ってきた」


「おや」


「笑うな」


「はい」


     *


 風呂では種付けプレスはしなかった。


 もう生命維持条件はベッドで満たしている。


 だから最初は、立ったまま後ろから抱き合う形だった。


「オホッ!」


 すぐに。


 女将の声が浴室へ響いた。


「オッホォォォッ!」


「女将さん」


「しゃべるな!」


「はい!」


「オホッ……!」


「もっと!」


「はい!」


「オッホォォォォォッ!」


 水音。


 湯気。


 女将のオホ声。


 行為中は、そればかりになった。


「オホッ!」


「豚!」


「オッホォォォッ!」


「臭い!」


「オホッ、オホッ……!」


「もっと!」


 おじさんが少し離れようとすると。


「止めるな!」


「休憩かと」


「いらない!」


「元気ですなぁ」


「オッホォォォォッ!」


     *


 しばらくして。


「こっち向け」


「はい?」


「顔」


「ブサイクと言ったばかりですが」


「うるさい」


 今度は向き合う。


 立ったまま。


 女将が、おじさんの首へ腕を回した。


 顔が近い。


「……本当にブサイクだね」


「改めて言います?」


「臭い」


「洗いましたぞ」


「腹も邪魔」


「はい」


「頭も薄い」


「はい」


 そして。


 女将の方から口づけた。


「……」


「女将さん?」


「しゃべるな」


 もう一度。


 今度は長い。


 激しく。


 息が乱れるほどに。


 離れたかと思えば。


「臭い」


 また口づける。


「ブサイク」


 もう一度。


「デブ」


 さらに。


「ハゲ」


「キスの合間に全部言いますなぁ!」


「うるさい!」


 また唇を重ねる。


 女将は激しく舌を絡ませながら。


 それでも。


「オホッ……!」


 漏れる声だけは。


 やはりオホ声だった。


「オッホォォォォッ!」


 向き合ったまま。


 女将はおじさんへしがみつく。


「オホッ……もっと!」


「はい」


「止めるな!」


「はい!」


「オッホォォォォォッ!」


 罵倒。


 口づけ。


 オホ声。


 また罵倒。


 また口づけ。


「臭い豚……!」


「はい」


「オホッ……!」


「はい」


「ブサイク……!」


「はい」


「オッホォォォォッ!」


 女将自身。


 何をしているのか。


 途中から考えるのをやめたらしい。


     *


 風呂から出る頃には。


 浴室そのものは無事だった。


「いやぁ」


「何だ」


「風呂場を一つも雌化させずに済みましたなぁ」


「私が見張ってたからだ」


「そうですなぁ」


「次からも一人で入るな」


「おや」


「風呂桶を孕ませられたら困るからだ!」


「もちろん、それだけ?」


「……」


「女将さん?」


「飯抜くよ」


「すみません!」


     *


 朝飯まで食べさせられた。


「ちゃんと食え」


「はい」


「残すな」


「はい」


「危ない依頼は受けるな」


「はい」


「昨日みたいに怪我するな」


「もう治りましたぞ」


「関係ない」


「女将さん」


「何だ」


「おじさんを大事に」


「宿で死なれたら迷惑なんだよ!」


「はい!」


 女将は最後まで。


 おじさんを。


 臭い。


 デブ。


 ハゲ。


 ブサイク。


 豚。


 と呼んだ。


 そのくせ。


 飯を食わせ。


 風呂へ連れて行き。


 危険な仕事を止めようとする。


「いやぁ」


 やはり。


 女性というものは。


 おじさんにはよく分からなかった。


     *


 冒険者ギルドへ着く。


「おはようございます」


 受付のお姉さんは。


 今日も完璧だった。


 冷静。


 知的。


 制服も髪も乱れていない。


「おはようございますぞ」


「昨日のゴブリンについて、巡回班から報告が届いています」


「おお」


「群れの痕跡と大型個体の遺体を確認しました」


「お嬢さんが倒したものですなぁ」


「おそらく」


「討伐報酬は?」


「証明部位を持ち帰っていないため出ません」


「世知辛いですなぁ」


「規則です」


 普通。


 どこから見ても。


 仕事のできる受付嬢。


 昨日のお姉さんとは。


 とても同一人物には見えない。


「……」


「何です?」


「いやぁ」


「何でしょう」


「普通ですなぁ」


「何がですか?」


「何でもありませんぞ」


 受付嬢が書類を差し出す。


 おじさんも受け取ろうと手を伸ばした。


 その時。


 彼女が。


 ほんの少しだけ。


 顔を近づけた。


 笑顔のまま。


 声だけ。


 おじさんの耳にしか届かないほど小さい。


「……クソ豚」


「はい?」


「どこかで盛った臭いがするな」


「ドゥフ」


「笑うな」


「はい」


「風呂には入ったようだが、誤魔化せると思うなよ」


「女将さんに洗われましたぞ」


「……女将?」


「はい」


「女か」


「はい」


 受付嬢の笑顔は。


 変わらない。


「種付けしか能のない、豚以下のゴミが」


「朝から強烈ですなぁ」


「後で全部聞く」


「全部ですかな?」


「全部だ」


 さらに。


 耳元へ。


「後で管理してやる」


「管理?」


「二度と勝手にどこかで盛ろうと思えないくらい、きっちりな」


「怖いですぞ」


 受付嬢は。


 すっと顔を離した。


「では、本日の依頼についてですが」


「切り替えが怖いですなぁ!」

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