身分違いの友達
「貴女、私とトモダチになりましょう!」
教室に入った途端、カグヤさんに迫られた。
ミーリャちゃんの入れ知恵っぽいけど、私と友達になる意味を理解してないみたい。
ちなみに、恐怖の対象である彼女を前に、ウィンハル君は私の背に隠れてしまった。
怖がられてるよ?ねぇあなた、彼が目的なんだよね?
「友達が何か。理解してない子と、友達になんてなれないよ。」
「そ、それくらい、解っておりますわ! あれでしょ?仲良くお喋りを楽しんだりお茶会したりする事ですわよね。」
「うん。それ、貴族同士ね。私みたいな平民と友達になるって意味、解ってないでしょ?」
あ、言葉ミスった。
……まぁ良いか。
「さ、さっきから何ですの?私を馬鹿にしてまして?私がトモダチになってあげると言っているのだから、喜んで然るべきですわ。平民の癖に何様のつもりですの?」
やっぱり怒った。
「だからー、そうやって自分より下だからって偉そうにしてちゃ、それは友達とは言えないでしょ。自分と対等に相手を扱うのが友達じゃないの?」
ま、私友達いないんだけど。
「って言うかさ、こいつと友達すれば良いじゃん。私と違って、一応貴族だし。」
説得は諦めて、後ろで怯えているウィンハル君を差し出す。
カグヤさんの恋路も解決。(無関係になるという意味で)
付き纏ってくるウィンハル君も解決。
一石二鳥だね。
「まぁ、いい考えですわ!」
「姉御ー(´;ω;`)」
ウィンハル君の犬耳と尻尾が元気なくタラーンってしてる。……って違う。コレ、幻覚だよ。 ウィンハル君は普通の人間だよ。犬耳も尻尾も付いてないよ。 危ない危ない。幻覚が見えるなんて、私疲れてるのかな。
「ウィ~ル♪ 貴方は今日から、私のトモダチよ。解った?」
「はひ!」
ウィンハル君の目が逝ってるし。
「ねぇ。怯えてるんだから、命令しちゃ駄目だってば……。
ウィンハル君も、反論しなきゃ良い様に使われるだけだって。」
「ウィルですよ!姉御。」
少しだけ可哀想になって注意してみたけど、ウィンハル君なんか元気だね。放って置いても平気そう。
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(その後――)
「ミユ、それ美味しそうね。私に寄越しなさい。」
「やだ。」
「平民の癖に私のお願いが聞けないのですか?」
「これは平民の食べるべき物で、貴族ごときが口にしちゃダメだよ。」
「そ、そこをなんとか……。」
「姉御ー。コレ何ですか?すごい美味しいです!」
ウィンハル君が犬耳をピョコンと立て、尻尾をブンブン振っている。
「だし巻き玉子。麻美花の料理は全部美味しいよ。」
「はい!家で食べる料理より美味しいです!」
「あ、あの、ミユ?私にも少し分けてくださらない?……い、いえ。わ、分けてください!お願いします!」
「ん。」
――まぁ、合格。
麻美花に作って貰った、カグヤちゃん用の弁当を差し出す。
「あ、ありがとうございます!」
瞳をキラキラに輝かせ、喜ぶカグヤちゃん。
――うん。コレ、付き纏う人が逆に増えてるよね?
ウィンハル君に『金輪際近づくな。』とまでは言ってないからね。
そりゃ自然と、カグヤちゃんもくっついてきちゃうよね。




