夜
挿絵の関係で遅れました。
((別に挿絵が、できていなかったわけじゃない。((みてみんに投稿してなくてめんどくさくなったとかでも、な、ないよ(^_^;)
―――――――私は利用した。
彼も『イラナイ』って言われたことがあるみたいだったから、
その詳細を聞きたかった。
同じ、似たような人間がいるんだと安心したかった。
それはただの自己満足。
気づいたのは、彼にその事実を否定されてから。
彼を、私の自己中心的な感情で傷つけた。
『イラナイ』って言われたことが、私の中でトラウマになっているように、
彼の中でもまた、そのことは思い出したくもない嫌な過去。
それが事前に理解できなかった。―――ちょっと考えればわかったはずなのに。
―――――
―――
―
「あ!・・・で、でも・・・。」
突如、耳に飛び込んでくる場違いな声。
さっきまでの楽しそうな雰囲気とは打って変わって、美代と麻美花の間にはぎこちない空気が漂う。
麻美花が困惑したように私と美代を見比べる。
「どうしたの?」
理由はわかっているが、あえて聞く。
「え、えっと・・・。」
しかしうまく言えないのか、私をジッと見、『代弁して』と懇願してくる。
私は小さく溜め息を吐いて話し出す。
「・・・『弥生』は以前兄弟姉妹について、『三つ子の姉が2人と双子の弟妹がいる。私は三つ子のうちの末っ子。』などと言っていた。しかし麻美花は私らを双子だと思っていたから困惑中。」
「お前ら・・・うッ・・・双子じゃねぇのか!?」
勢いで飛び起きたクソが目眩に呻きつつも、驚きの声を上げる。
「(チッ・・・。)・・・ねぇ、麻美花。ミユとミヨ。さて、私らに三つ子の姉がいるとすればその子の名前は何になると思う?」
心の中での舌打ちは隠し、明るい声で問題を出す。
彼女なら簡単に解くだろう。
クソには聞いてないのに、彼もまたベットに横になった状態で考えている。
目眩に負けたのだ。
「・・・ミヤ・・・ちゃん?」
「そー。正解ー。『美』しいに『夜』で美夜。・・・・・・。」
吐き捨てかけた言葉を飲み込む。
「何で『ミヤ』になるんだ?」
思った通り、彼は聞いてくる。
私が麻美花に視線を送ると、彼女は代わりに説明してくれた。―――といっても、説明というほど長くもない。
「えっとね、ミヨちゃんが3番目でミユちゃんが2番なんでしょう?―――姉がいるっていってたから。―――それで、ミユとミヨだからユ、ヨ。あいうえお順でユの前はヤだから・・・ミヤちゃん、ミユちゃん、ミヨちゃん♪
・・・今度、三つ子出すときにこの名前使おうかな。おもしろいし。アイ、マイ、ミイは定番だからな~。それに・・・。」
「ま、麻美ちゃん!もうサイトに投稿はできないじゃん!」
「あ、そうだった。」
思考の中に埋まりかけた麻美花を美代が引きずり出した。
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「・・・ねぇ。・・・私ら、あんたらの言うアサマってやつに会ったことあるんだよ。」
「なんだよ、いきなり。」
私が、少しだけ間を置いた後そう切り出すと、クソがツッコんで来た。
さっきから反応がいい♪
心の中で喜びつつ、でも顔は仏頂面を崩さない。
「私らそいつに言われたの。・・・こっち来る2ヶ月前くらいかな。『お前ら2人は5月11日に死ぬ。』って。ちょうど、春休み入った辺りに。『死ぬ準備しとけよ?小説の方も忘れずに。』とも言っていた。・・・それから―――。」
「・・・それ、私も言われた。」
麻美花がポソリと呟いた。
「―――それから・・・『美夜って奴も一緒に死んでもらいたいのだが、彼女の場合は失敗するだろうな。』って。美夜だけ上手に回避するって。」
麻美花がビックリしたように息を呑む。
「実際、美夜はあの日、仮病使って学校休んでこっちには飛ばされてない・・・。」
「みゆ姉・・・。」
◇◇◇◇◇
-- 優馬side --
「・・・ねぇ、麻美花。私達は『イラナイ人間』だからこっちに飛ばされたんだよね?美夜は『必要とされる人間』だからこっちに来てないんだよね?ねぇ!?」
美結が喚くように雛菊に詰め寄る。
お陰で雛菊は、恐怖からか部屋の隅に縮こまってしまっている。
怯える彼女を見た美結は、雛菊から離れるとイラついて八つ当たりしたようで、オレの部屋の壁を蹴り、開いた穴を一瞥するとバタンと扉を閉めて部屋を出ていった。
「みゆ姉、みや姉のこと嫌い・・・っていうかみや姉に嫉妬してるんだよ。みや姉だけ私達みたいな力は無いから・・・。」
微妙な空気になったこの部屋に、美代の震える声が響く。
「・・・気味悪い力がみや姉だけ無いから、親からの信頼?・・・っていうか愛情かな。それが一番多かった・・・ように思うんだ。私も多少貰えたけど・・・やっぱり心の隅っこで気味悪がってる感・・・っていうのかな。・・・そんな感じがある雰囲気は拭えなかったんだ。
でもみゆ姉はさ、・・・・・・ガン無視だよ、ガン無視。みゆ姉の分のご飯はちゃんとあるし、部屋だって与えられてたけど・・・私以外との会話は無いし、弟らもみゆ姉にだけはなつかないし・・・。まるで神様・・・。あ、いや、崇める対象とかじゃなくて・・・触らぬ神に祟りなし、みたいな・・・。」
「・・・私が近くにいるとき、母親はずっと『南無阿弥陀仏』って唱えてて、父親は『羊が1匹、羊が2匹・・・』って。美夜が教えたんだって。そうしていれば、心、読まれないから、って。・・・マジうぜぇ、あいつ。」
「・・・“羨ましい”の裏返しだよ。」
陰気なオーラを漂わせながら自身の開けた穴からチラリと部屋の中を覗き込む美結の言葉に、美代がコソッと付け足す。
「うるせぇって!」
美結が大きな声を出す。
あぁ、近所迷惑だこと。
―――――にしても、ガチで頭痛くなってきたし寝よう。夜だしな。夜に寝ないでいつ寝るんだっつーの。ってわけでレッツおやすみ、すりーぴんぐ!
バコン!
「黙れぇぇぇぇぇぇぇーーーーー!」
ガツン!
チーン・・・。
―――ご臨終なぅ・・・。




