無効
ちょっ。なんで捕まってんだよ、オイ。
慌てて小屋の右側へ回り、勢いよく小屋の扉を開ける。
―――――と。
「【テメェの悪夢、目覚めやがれ!】」
先程オレが覗いたときに小屋の中にいた4人のうちの1人が扉のそばに潜んでいた。
そいつがオレが扉を開けると同時に魔術を放つ。
待ち伏せされている。
その可能性は一切考えていなかった。
もちろん至近距離のため、回避もできずにもろに浴びてしまう。
―――――が、
・・・・・・はい?
何も起きない。
しばし思考停止に陥ってると、魔術を放ってきた相手はニヤニヤしながらオレに向かって言う。
「苦しいだろう。辛いだろう。俺たちの仲間になればその苦しみから解放してやるぞ?どうだ?仲間にならないか?」
・・・・・・・・・・・・?えーっと・・・。
「なー、美結。こいつ、何言ってんの?」
一応状況を確認するため、美結に声をかける。
そして、オレの言葉にビックリしたように固まる小屋の中の4人。
対して美結はプフッと軽く笑う。
それに釣られ、雛菊と美代もクスクス笑い出した。
彼女らの笑い声で我に返ったのか、突如4人の中で一番、体の大きな男(恐らくリーダー)が顔を真っ赤にしてドンと足を踏み鳴らし、怒鳴る。
「おい、ガウス!何してんだ!もう1回かけてみろ。どうせ、失敗したに決まってる。そのアホ面が苦痛に歪むのが楽しみだ。」
「【テメェの悪夢、目覚めやがれ!】」
ガウスと呼ばれた男は、再度オレに術をかけた。




