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腐った世界で異世界生活(ライフ)  作者: たんぽぽ
第2章(上) 悪夢
38/154

豚&猿&鹿

初の3千字突破!


しかし、話が暴走しました。

ハイ・・・。


『遅いね〜。』


『うん。ちょっと遅いかも。』


『...遅い。』


『...遅ぇ。』


美代、雛菊、美結、オレの順にボヤく。


「コラ!私語は慎め!」


斜め前辺りから、叱責が飛ぶ。


両脇にズラッと並ぶ兵士のうち、右側の一番前にいる、猿みたいな顔をしたやつだ。


『・・・猿って。・・・プッ。』


美結が吹き出すのを見て、猿がこちらをギロリと睨む。

睨まれた美結は、必死に笑いを堪えたようだ。



----------



さらに10分くらい後。



『遅いね〜。』


『うん。ちょっと遅いかも。』


『...遅い。』


『...遅ぇ。』


また、美代、雛菊、美結、オレの順にボヤく。


「コラ!私語は慎め!」


また、猿がオレらを叱る。


・・・と、


「我らの王の到着だ!」


という声と同時に、周りの兵らがオレらと同じように肩膝を立ててしゃがみ、頭を垂れる。


オレらはもう30分くらいこの姿勢なのだが・・・。


唯一立ったままなのは猿ともう1人、左側の先頭の鹿だけだ。

・・・いや、鹿みたいな顔をした人間だけだ。


チラリとこっそり前を見ると、ちょうど王らしき豚が危なっかしい足取りで玉座に座るところだった。


しばらくドタドタやってようやく座れたのか、豚───いや、王が口を開いた。


「お主らにやってもらいたいことはただ一つ。

国内に生息するバドリムの退治。それだけだ。

詳しい話は

...では、わしはこれで失礼する。

検討を祈るわい。」


また豚は、ドタドタと今度は玉座から降りる。


『ちょ。なんか言いなさいよ!』


後ろにいる美結が、小声でオレに言う。


何を?


と聞こうと、後ろに体を捻ろうとしたら、バランスを崩して床に転がってしまった。

豚と猿と鹿の目がオレに向き、両脇の兵らが一斉にオレらを取り囲み、

手に持った槍をオレらに向ける。


「何やってんのよ!」


言いながらも、美結が手を差し出して起こしてくれる。


「・・・体、痺れた。」


「ハイハイ。言い訳はこれ、どうにかしてからね。」


オレらを取り囲む、槍、槍、槍・・・。


「・・・わぁ〜!!」


突然、雛菊が嬉しそうな声を上げる。


その場にいた、全員の目が雛菊に向く。


「ねぇねぇ、ゆうま!ぜんb・・・。」


「麻美花!」


「あ・・・うん。後でにする。」


雛菊がショボンとうなだれだ。


「ハーイ、王様さん。逃げないでねー?」


美結が言うと、


「ったく、雑魚共が!殺れ!」


猿が叫ぶと同時に、兵らが槍を突き刺してくる。


が、


「あれ?」


「おい。」


「どうなってんだよ。」


兵らが持っていた槍、全てが砂のようにサラサラと落ちていく。


その隙に美結がアイクを振り回し、丸腰の兵らを片付けていく。

考えるのは後回しにし、オレも兵らの片付けに専念する。


「ハイ。お片付け完了!」


ものの数分で、兵の片付けは完了。

その場に残されたのは、扉をガチャガチャやっている3匹―――いや、3人のみ。

ちなみに、オレらが行動不能にした兵らは美代の作った異空間の中。

もちろん、内側からは出ることができない設定にしてあるそうな。

オレにはどんな仕組みか、さっぱりわからないが。


「さーて、雑談しましょ。b・・・王様さん。」


美結が楽しそうに言う。


・・・豚って言おうとしてなかったか?今。


そう思ったら、()()殴られた。

・・・あくまで、彼女の強さの()()だ。

一般的な()()ではない。


「単刀直入で言います。バドリム退治の報酬は何ですか?」


豚がヒッっと(いなな)く。


美結の()がキラリと輝く。


「答えてくださいな?お・う・さ・ま・さ・ん♪」


「え・・・あ・・・えと、それは・・・。」


「お、お前。誰に向かってそんな口聞いてんだ!」


豚に対し、猿は勇ましい。

「う〜ん。」


美結は楽しそうに考え込む。


「みゆ、Sスイッチ入っちゃったね。」


「うん。楽しそうだね。」


こちらも、楽しそうに雑談してる。


「・・・あ!・・・ねぇねぇ、クソ虫。これどう?

この人の操り人形!」


美結は猿を示しながら言う。


「・・・ん。・・・虎の威を借る狐。・・・こっちの方が威張ってる気がする。」


「でしょ、でしょ!」


美結はキャッキャと嬉しそう。


・・・で、本来の目的は?


「あ、そうだった。

ねー。報酬は何くれるのー?」


「お前r・・・。」


「あんたは黙ってて。(あたし)は王様さんに聞いてるのー。」


猿が何かを言おうとするが、美結に遮られる。


「・・・む。・・・では逆に聞きますが、あなた方は何が欲しいのですか?

 お金ですか?それとも土地とか?」


初めて鹿が口を開いた。


「お金はそれなりにあるからいい。稼ごうと思えば稼げるし。・・・クソ虫、何かある?」


「・・・()ぇな。」

「・・・麻美花ー、美代ー。」


「私は思いつかなーい。麻美花は?」


「う〜ん・・・・・・わかんない。」


「・・・じゃ、クリアするまで保留でいい?王様さん。」


「・・・。」

「・・・いいでしょう。」

2人に助けを求める豚の代わりに、鹿が答えた。


「フン!それまで、生きていられたならな!」


猿が、負け惜しみにも取れるようなことを言った。



「では別室で特別ギルドカードの発行を致しますので・・・その・・・

 ・・・ドアを開けていただきたいのですが・・・。」


「あ、はい!」


雛菊が真っ赤になり、急いでドアを開ける。


恐らく、スモールマジックで何かをしたのだろう。

何かを・・・。




「ではこちらへ。」


鹿が案内する。


広い廊下を進み、右へ曲がったり左へ曲がったり・・・。


着いたところは木が多く使われている落ち着いた部屋。

どこか、小学校の校長室を思い起こさせる。


鹿は、中にある向かい合わせに2つ置かれたソファーの、こちら側に座るよう促して

自分は奥にあるカウンターのような机の向こうに立った。


オレらが座ると、目の前に置かれた小さな机にティーカップが4つ現れ、

カップの底から茶色い液体が染みだして上に上がってくる。


「ギルドカードか身分証明書、それとグループギルドカードを貸していただけますか?」


鹿に言われ、渡す。


紅茶(ルーア)、お飲みにならないのですか?美味しいですよ。」


鹿が、カードを受けとるついでにオレらに勧める。


「ん!確かに美味しいかも。」


雛菊がテンション高めに隣で呟く。

オレも釣られて、一口飲んでみる。


「・・・ん。」


確かに美味しい。



「では、これはお返し致します。そして、こちらが特別ギルドカードです。」


鹿が向こうのソファーに座り、オレらが彼に渡したカードと一緒に黄色のカードも渡してくる。


「バドリムの生息地等の情報は、冒険者ギルドで聞いてください。

ネガティブシードはギルドで売ってしまって構いません。

 もちろん、そちらの所有物にしてもらっても良いですが・・・。

ネガティブシードの回収・浄化は必ずお願いします。

討伐状況はギルドの方から直接報告が来るようになっていますので、ご心配なく。

では、健闘を祈りますよ。」


「・・・本音は。」


鋭い視線を投げ掛けている美結の問いに、鹿はニヤッと笑って言った。


「・・・あなた方がどうなろうと、私にとってはどうでもいいですね。

 あなた方は()()()でしかありませんから。

 ・・・では、出口までお連れしましょう。行きと同じく、馬車を用意してありますから。」




----------



『クソ虫、あんただけわかってないみたいだから教えてあげる。』


重苦しい空気の馬車の中で、美結がダルそうに口を開いた。


『・・・今のここ(イミャース)じゃ、異世界人は異端なの。

 世間一般じゃ、蔑まれてる存在なの。国にとっては、存在が邪魔なの。

だから(あたし)らは捨て駒でしかないの。

ここじゃ、(あたし)らは・・・。』


美結が言葉に詰まる。

しかしなんとなく、続きはわかった。


『・・・要らない人間、か?』


「ッ・・・。」


オレが言うと、3人はみんなして窓枠に肘をかけ、そっぽを向いた。


「・・・鈍感クソ虫。」


美結がボソリと呟いた。



----------


街の中で馬車から降り、家についた頃にはもうすでに日は落ちていた。


兵を異空間に閉まったままだということに、美代が気づいたのはそれからすぐ後だった。


王様に楯突いちゃったよー(汗)


オマケに豚呼ばわりよー(汗)×3


・・・・・改めて冷静に考えてみたら、序盤にしてヤバイことしでかしてんじゃん。(汗)×10


( ̄▽ ̄;;;)










・・・・・・・・・まっ、いっか。(*´∇`*)

なるようになれ!(笑)


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