キャンペーン
……サブタイトルって考えるの面倒くさい。
美結が見えなくなってから、ようやく我に返り、歩き出した。
そして、美結に言われた一言が脳内をグルグルと埋め尽くす。
それは家についてからも続いた。
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「ただいま〜。」
下から雛菊の声がした。
そして十数分後、雛菊はオレの部屋のドアをノックした。
「ゆうま、お昼出来たよ〜。」
声が弾んでいる。
「………あぁ。今行く。」
部屋から出ると、ちょうど雛菊は階段をスキップで降り………
……ビタン!
…………1階に着いた途端、コケた。
なんか、すごい痛そうな音がした。
「だ…大丈夫かよ。」
階段の上から声を掛ける。
「うん。エヘヘ…。」
床にペタンと座り、雛菊は照れたように笑った。
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「ねぇ、ゆうま、ゆうま!これも凄いんだよ!
あのね、これね、作物とかが1週間で収穫できるまでに育っちゃう土なんだって!
でねでね、私もなんか育ててみようかな?って思って。
だから、ニンジンとか大根とかの種も買ってきたんだ〜!
あ、でねでね、こっちも凄いんだよ〜。これね、私たちのところでいう、
電子レンジみたいなものなんだけどね、………。」
昼ごはんを食べ終わると、雛菊が壊れた。
ただ、買ってきたものをオレに見せ、
それがどういうものか説明してくれているだけだなのだが……。
……というかそもそも、彼女はこんなに饒舌じゃない。
というかあっちにいた頃は、彼女がボソボソと喋ってるのを見て
『あぁ。あいつ、喋れたんだ。』と思う程度だったはずが………。
「ねぇ、ゆうま。そういえばね、いいもの見つけたんだ!
あのさ、今って魔力増量キャンペーン中じゃん?」
…何で“魔力増量”が“キャンペーン”になっちゃってんだよ。
「でねでね、これね、魔力を注ぐと吸収して中に貯めといてくれるんだって。
だからさ、魔力を増やすのに使えると思うんだ。
でね、もし魔力が枯渇しちゃったら、この中に入れた魔力を使えるんだって。
これね、魔力のタンクみたいなものらしいよ。ちなみに『カタン』って名前なんだって。
でねでね、売ると相当な額行くんだって。それでね、k………。」
「ハイハーイ!お邪魔しまーす。」
雛菊を遮り、美結がズカズカと家の中に入ってくる。
後ろには、美代もくっついている。
「麻美花、身分証明書持ってきたよ。」
「うわぁ〜い!」
雛菊が嬉しそうに美結に駆け寄る。
………本当、あっちにいた頃のやつとは別人だ。
「ほぃ、クソ虫の分。」
美結が、白くて平べったい、カードのようなものをオレに渡す。
なぜか、ヒヤッとしていて気持ちいい。
「ファンタジー小説でいう、ギルドカードみたいなやつだよ〜!」
そう言う雛菊のテンションは、相変わらず高い。
「ダメだよ、麻美花。こいつ、そんなこと言っても理解できないから。」
「オイ。」
美結の言いぐさに、つい、突っ込んでしまった。
「フィーナ、エルフだよ。」
「…はい?」
「フィーナの耳見た?」
「あの、尖ったような耳のことか?」
「うん、そういうこと。理解できた?」
…………ダメだ。
こいつらとは、次元が違い過ぎる。




