人混みとしりとりとループとリボン
あいつ、早ぇな。
美結はスタスタと足早に歩き、スッスッと人混みをすり抜けて行く。
お陰で見失った。
別に、彼女がいないと帰り道がわからないとかじゃない。
帰り道は普通にわかる。
まっすぐ行けばいいだけだ。
ただ、人を避けながら進むというのが面倒くさいのだ。
それに比べ、前方に同じ方向へ行く人が居り、その人に着いていければ、人を避けながら進むという面倒からも逃れられる。
……………と、前方に、立ち止まってキョロキョロしている美結を見つけた。
美結もこちらを見つけたようで、早く来いとでも言いたげにこちらを睨む。
オレは急いで彼女の方へ向った。
「…ごめん。睨んでる気、ない。」
彼女は、オレが着くや否やすぐに歩き出し、早足で歩きながらも謝ってきた。
あれで、睨んでる気ないんだ…。
「…。」
しかし、オレは彼女の足に追い付くのが精一杯で何も返せない。
「ねぇ。心の中でしりとりしてて。……お願いだから。」
は?
意味わかんねぇ。
「早く!しりとりの『り』から!」
ヘイヘイ。
りんご、ゴリラ、ラッパ、パセリ、
りんご、ゴリラ、ラッパ、パセリ、
りんご、ゴリラ、ラッパ、パセリ、
りんご、ゴリラ、ラッパ、パセリ、
りんご、ゴリラ、ラッパ、パセリ、
りんご、ゴリラ、ラッパ、パセリ、
りんご、ゴリラ、ラッパ、パセr…。
「他の!」
チッ…。
文句、多いな。
リス、スリ、リス、スリ、
リス、スリ、リス、スリ、
リス、スリ、リス、スリ、
リス、スリ、リス、スリ、
リス、スリ、リス、スリ、
リス、スリ、リス、スr…。
「他の!」
リュックサック、クリ、
リュックサック、クリ、
リュックサック、クリ、
リュックサック、クリ、
リュックサック、クリ、
リュックサック、クリ、
リュックサック、クリ、
リュックサック、クr…。
「抜けたぁ〜。あ、もういいよ。……にしてもあんた、ループばっかりするね。」
ようやく人混みを抜け、街を出た。
「……ハァ。悪ぃかよ。こっちは、あんたについてくだけで大変だったんだからな。」
抗議すると、美結の目がスッと細くなり、こっちを睨みつける。
「あんたが面倒くさがってることを、代わりにやったのは私だけど?」
だからって、早足じゃなくてもいいだろ…。
「……黙れ。うるさいわ、クソ虫!」
美結がイラついたように言い捨て、オレに背を向けて歩き出した。
…と、ふと彼女の服に目が留まり、思った。
………リボン、取れてr…。
「クソ虫、うるさい!」
美結はオレに叫ぶと、慌てて右裾のリボンを結んで、再び歩き出した。
ちなみに今、美結の来ている服は、昨日の午後にフィーナから貰った服だ。
……こっちじゃ、制服は目立つしな。
もちろん美結だけでなく、オレや雛菊や美代も、今その服を着ている。
3着ずつ&寝巻き付きだ。
素材は、縄文人が着てそうなやつだが、デザインは意外といい。
…………それにしても、読心術って便利だよなー。
他人の考えてること、読めるなんてよー。
「便利なんかじゃない!」
かなり遠くで、美結が叫ぶのが聞こえた。
プロローグもどき
文章丸々変更。
当初から、文章的にウザったいと感じていたので加筆したいとは思っていたものの、アイディアが浮かばず……。
ようやく変更。
駄文であることに変わりはないが…。




