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腐った世界で異世界生活(ライフ)  作者: たんぽぽ
第1章 異世界生活開始
26/154

命令


街に入る。




……が、………………………早々に帰りたくなってきた。





街は活気づいていた。

両脇にはたくさんの店が並び、たくさんの人でごった返している。


……………。


お〜。人がいっぱいいる〜。スゲ〜!


…………ってか?


いや、人が居すぎて歩きずれぇから疲れるわ。


前を歩くゴリラに、しっかりついていかないと確実に迷子になるだろう。


「ゴリラって…。あんた、まだゴリラ派なの…。頑固ね。」


「あんたと喋ってたらはぐれるから、話しかけてくんじゃねぇ。」

「あー、ハイハイ。……じゃ、なんも考えないで。あんたの考えてること、突っ込みどころ満載過ぎるから。」


じゃあ、いちいち突っ込むな。っつーの。




オレは人混みが嫌いだ。


すれ違う人によくぶつかるは、靴は踏まれるは、押されるは、潰されるは………。



ただ、疲れるだけで得なんて1つもない。



「着いたぞ〜。」


そう言って、ヴィロが入っていったのは真っ白い建物。

別に、純白のような白というわけではない。

ただ単に、真っ白いペンキでベタ塗りしたような感じた。


そして、思ったより低い。

その建物は1階建て。

……平屋というやつか。


そして、狭い。

窓の個数からして、恐らく2部屋分程しかない。

路地の方を覗いてみたが、奥行きもそれほどない。



「あんたね、h…。」

「ハイハイ。わかったわかった。」


彼女の文句を遮り、建物の中へと入る。


………………が。



そこは、広かった。


外から見た、2部屋分程の空間でない。


入った所に、受付のようなものがある。

その先には廊下があり、両脇にはいくつものドアが並んでいる。

また、受付の反対側にはエレベーター&階段まである。


ぱっと見、大きい総合病院みたいだ。



「ちょっ、クソ虫。こっち!」


オレが外観と建物内の空間の差に呆然としていると、美結がオレの腕を掴んで引っ張っていく。


連れてこられたのは受付の前。

目の前には空欄の目立つ紙。


「書け。」


美結がオレにボールペンを渡して命令する。


「書く内容は私(あたし)が言うから、言われた通り書けって。」


………………。


仕方なく、言われた通りに紙の空欄を埋めていく。




  名前 斎藤 優馬

  フリガナ サイトウ ユウマ

  歳 16

  種類 ヒューマン

  血筋………?



「血筋ってなんだよ。」

「黙って書け!後で(麻美花が)説明してくれるから。」


()(かっこ)の中が彼に聞こえないよう、彼女はこっそり呟いた。


「血筋は空欄にしといて。ハイ、次!」


  火属精 20

  水属精 20

  風属精 20

  土属精 20

  小属精 1

  武属精 0

  時間属精 0

  空間属精 0

  時空属精 0


  魔力 100


  身体異常 H.D.

  精神異常 H.D.

  加護 全言語理解

   魔力増量

  S.E.



「終わった〜。」

「ハイ。次、麻美花の行くよ。」

「…………はぁ?」

「後、3枚!ほら、サクサク行くよ。」


「……そういえば、雛菊と……みよって方は?」

今気づいたが、2人の姿が見えない。


「ハァ…。」


美結がため息をつき、呆れたように言った。


「……街に入ったときから別行動してるけど。」

「別行動?」

「そ。買い物してる。……ほら、さっさと書けって。」

「……ヘイヘイ。」


結局、全部書かされた。

美(・)結(・)の(・)分(・)も(・)。



…………余計なことだが“みよ”は“美代”という字らしい。



その後、窓口にその紙を提出してハイ、終了!

美結が何やら窓口にいた人とゴニョゴニョしていたが、5分くらいで戻ってきた。


「ハイ、帰るよ。」


またもやオレに命令し、さっさと建物から出て行く。


オレは急いで追いかけた。


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