ゴリラorクマ
はい、ポチっとな。
ピーンポーン。
ガチャリ。
やっぱ、開くの早ぇな…。
「だから、ウザいつってんじゃん。」
「ハイハイ、わかったわかった。」
「………次、『ヒイヒイ、わかったわかった。』って言ったら殴るよ。」
「ヒイヒイ、わかったわかっっっっ……………な、なんでバレたんだよ。」
「………ホラ、行くよ。」
コソコソ話しているオレらを、フィーナは不思議そうに首をかしげて、雛菊は少しだけ嬉しそうに、みよは少し顰めっ面をして、ジッと見ていた。
雛菊とみよは、既に家に入っていた。
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「もう少しすれば、街に一緒に行ってくださる方が来るので、少々お待ちを。」
相変わらず、フィーナは抑揚のない声で告げる。
……と、
「ちはー!パヌ、久しぶりー!」
呼び鈴も押さずに、いきなりドアをバァン!と開け、家の中にズカズカと上がり込んできたのは…………………ゴリラ?
「プフッ。」
美結が吹き出す。
「ヴィロさん!その呼び方、やめてくださいってば!」
フィーナは、ヴィロと呼ばれたゴリラに抗議する。
「まぁまぁ、そんな怒らないでよ。パ・ヌ・ちゃん♪」
「ヴィロさん!」
彼女の声には珍しく、抑揚がある。
「クソ虫、あんただけだよ。」
言い合っている2人を見ていると、美結が笑いながらオレに言った。
「あの人、どう見たってクマじゃん。あんただけゴリラって……。」
よほどツボったらしく、笑い転げる。
「みんな、クマなのか?」
2人に確認してみるが、片方はそっちが拒絶中。
もう片方は、こっちが拒絶中。
「私も美代も麻美花も、感想はクマだけど。」
結局、美結が答えてくれた。
「クマか〜。よく言われるぞ。俺を一目見て、いきなり魔術を撃ってきたやつもいるしな。」
いつの間にかヴィロが近くに来て、話に混ざってきた。
クマねー。
…………いや、どう見たってゴリラだろ。
「ゴリラって。」
美結は、再度ツボってしまったらしい。
「そんな可笑しいか?俺がクマじゃなくて人間だってことが。」
この人、なんか勘違いしているようだが、放って置こう。
「皆さん。ヴィロさんも来ましたので行きますよ。」
抑揚のない声に戻ったフィーナが、ヴィロを含めたオレら5人に告げた。
「おやおや?パヌちゃん、またまた人見知りしてるのかい?」
ヴィロがすかさず、フィーナをからかう。
「ねぇ、知ってる?こいつ、人見知りしてると、文章を棒読みしてるみたいになるんだぞ。おもしれぇだろ。」
「よ、余計なこと、言わないでくださいよ!」
必死に訴えるフィーナの頬は、ほのかに赤く染まっていた。




