魔術
「全員集まりましたので、これから魔術の扱い方を教えます。リン、ミュリ。貴女方は昨日までの復習をしていてください。みゆさん、みよさん、まみかさん、ゆうまさんはこちらへ。」
「は、はい。」
「はい。」
「ほーい。」
「...///。」
フィーナが示した所へ、オレらは集まる。
しかし少々、気になる点が...。
双子は、最短で行けばオレの隣になるのだが、わざわざ雛菊とフィーナの間に割り込んでいく。
つまりこうだ。
元は、フィーナの右に雛菊、オレ、双子の順だったのが、
フィーナ、双子、雛菊、オレの順なのだ。
ぜってー、オレのこと避けてんだろ。
最悪だー。
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フィーナはまず、魔術について簡単に説明した。
後で雛菊に聞いた補足も含め説明すると、
まず、この世界には“魔術”と呼ばれるものと“魔法”と呼ばれるものがある。
魔術は個々の属性により、扱える術や扱えない術があるのに対し、魔法は属性関係なく、扱おうとすれば万人に扱えるのだ。...習得できるかは別として。
魔術は“基本魔術”と“特別魔術”の大きく分けて2つある。
基本魔術は“ファイヤマジック(fire magic)”“ウォーターマジック(water magic)”“ウィンドマジック(wind magic)”“ソイルマジック(soil magic)”の4つ。
ちなみに“マジック(magic)”とは魔術、“マジシャン(magician)”は魔術師を示すそうだ。
そして、特別魔術は少し複雑だ。
まず“スモールマジック(small magic)”。これは小さなものを扱える術。
知っての通り、雛菊の属性。
次。“ウェプンマジック”。
ウェプンとは、武器と言う意味。
彼らは火や水の代わりに武器を用いるのだ。
基本属性の人が武器を用いることも多いが、ウェプンマジシャンはその人達とは武器そのものが全く違う。
まず、彼らの使う武器はアイクと呼ばれる真っ黒い棒だ。
アイクはそのままでも使えるが、大抵の場合は粘土のように変形させ、刀にしたり盾にしたり。
1本のアイクを分裂させ、2本にしたり3本にしたり、また分裂させた片方は剣、もう片方は盾、という風に使うこともできるらしい。
ただ、分裂させた分だけ強度は劣ってしまうのだが。
ただ、利点もある。
持ち運びは楽で、身に付けることもできる。
いざというとき、すぐに使えるようリストバンドみたいに手首に巻いたり、荷物―――例えばリュックサック――――の紐がわりにしたりと、使っていないときはいろいろなものに変身できる。
また、材料があれば自分で武器を作ることもできるそうだ。
次。
これはかなりややこしい。
“ティスマジック”。
その名の通り“時間”“空間”“時空”を操れる術。
ただし、この3つが揃うことは珍しく、大抵この内の1つしか操れないのだ。
しかもその場合“タイムマジック(time magic)”“スペースマジック(space magic)”“タイマンスマジック”と名前が変わる。
タイムマジックは時間を操れる術。
時間をゆっくりにしたり、早くしたり。
スペースマジックは空間を操れる術。
物と物との隙間にこっそり広い空間を作ったり、鞄の中の空間を広げて入れれる物の量を増やしたり。
また、パラレルワールドと言うやつも作ることができる。
タイマンスマジックは時空を操れる術。
未来へ行ったり、過去へ行ったり。
ただしこの術だけだと、過去へいけば若返り、未来へいくと歳を取ってしまうというデメリットがある。
もし、自分が生まれるより前の過去へ行ったなら、その時自分は居ないため、消えてしまうという危険もあるのだ。
だから通常、タイムマジシャンかスペースマジシャンに付き添ってもらう。
と、魔術の説明はこんなもんだ。
ちなみに、ティスとは“タイムアンドスペースアンドタイマンス”が訛ったり略されたりしてできた言葉らしい。
“ファイヤアンドウォーターアンドフールアンドソイル”も訛ったり略されたりして短くなんねーかな?
フィーナはその後、雛菊に魔力の使い方を教えていた。
残ったオレと双子は、先ほど復習を命じられたリンとミュリに教わることになった。
「えっとね、えいしょうはさいしょはちゃんとはつおんしないとだめなの。でもね、つかっていくうちに、しょうりゃくしてもできるようになるんだよ。」
「でね、むえいちょうわえいちょうちなくていいんだよ。」
「でも、さいしょはしゅうちゅうしないとできないんだよねー。」
「ねー。」
二人はお互いの顔をちょっとだけ見合って、同時に自分の手のひらをジッと見つめ始めた。
約6秒後、猫耳の方―――リン―――の手のひらに小さなつむじ風が起きた。
その約2秒後、今度は犬耳―――ミュリ―――の手のひらに火の球ができていた。
「ね?ちゅごいでちょ。」
「むえいしょうだよ。」
「すごいねぇ。どうやるの?」
みゆだかみよだかが聞く。
瓜二つで見分けがつかない。
仮に双子Aとしておこう。
「まぢゅわえいちょうちてみて、かんかくをおぼえるの。」
「そうなのー。えっと...お前先やれ。」
双子Aがオレに命令する。
「何でだよ。」
「とりあえず、手本見せてみろ。」
「だから、何でだよ。」
「早くやれ。」
「へぃへぃ...ったく。えーっと【火ノ精ヨ 我ニ力ヲ_火ノ球】...熱っ。」
意外と熱かったのですぐに消した。
ファイヤマジックって危なくね?
「うわー。いっぱちゅちぇいこう!ちゅごいちゅごい!」
「すごいねぇ。あたしたちもがんばらないとね、ミュリ。」
「うん!」
「次、お前やれよ。」
双子Aに言ってやる。
と、彼女はおとなしく詠唱を始めた。
「【風ノ精ヨ 我ニ力ヲ_風ノ球】」
双子Aはみゆの方だったようだ。
彼女らの属性は、みゆってやつがウィンドアンドウェプンマジシャン。
みよってやつがウォーターアンドスペースマジシャン。
二人して基本属性と特別属性それぞれを貰ったらしい。
これはかなり珍しいそうだ。
みゆも難なく成功させた。
普通、一発で“詠唱して魔術を発動させること”はできず、何度かやってみないとできないらしいのだが...。
ふりがな多い...。




