↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
腐った世界で異世界生活(ライフ)  作者: たんぽぽ
閑話章 彼が彼になる前の話。
147/154

愛しい人の影を追い続けていた話。

※ルミとラミ、二人の妖精。愛称が似ているので紛らわしいかもしれません。


ルミ=光属性。ルミナス。

ラミ=無属性。ラミア。




『ごちゅじん様ぁ〜!』


夜闇の中。白い光が飛んでいく。



『ルミっ!』


手を伸ばした時はもう、あの光は見つける事が出来ない。ただただ、真っ暗な闇が続いているだけ。




……




「また、守れなかった。」


ベッドから飛び起きて、思わず呟く。



そしてまた、気付くんだ。



……コレは夢なんだ、って。



だって、ルミはもう







この世にいないんだから。






----------


10年前。


ご主人様が死んだ。


ルミとラミも、巻き込まれて死んだ。




ユンが泣いていた。


僕らは泣かなかった。


----------



もう誰も、被害に会わないように。


もう誰も、泣かなくて済むように。



僕達、最上位を捨てた妖精みんなで、塔の周りに結界を張った。『幻惑』と『感知』を。間違って誰かが来ても、僕達が気付けるように。

結界の得意な無属妖精は、僕達の中には居なかった。ラミだ。最上位無属妖精だったラミは死んだんだ。

……だから新しい最上位無属妖精、アイに力を借りた。ラミを慕っていたアイは、快く力を貸してくれた。



それから10年が経って。

ずっと静かだった。何も無かった。


事が起こったのは今から1週間前。結界の内(・)側(・)に反応があった。

外側から迷い込んだのではなく、反応は突如内側に現れた。可能性は【テレポート】。でも【テレポート】は場所を<マーキング>する必要がある。でも、結界の内側に誰かの付けた<マーキング>は存在しない。あったら、結界を張るときに僕達が気付いているはずだから。



――だったらなぜ?


考えていた僕達へ、さらに疑問が増える事が起きた。

複数あった反応が、一瞬にしてさっぱり消えた。


その数秒後に結界の場所に辿り着いた僕達は驚いた。

塔の敷地の部分だけ濃霧が立ち込め、それ以上先に入る事が出来なくなっていた。



----------



再度、反応があったのは夕方になってから。

その時には既に、異変の報せを受けたシュラも到着していた。


反応は複数。場所は、塔のすぐ目の前。濃霧は消えていた。


駆け付ければそこには、人間が4人倒れていた。

傷の有無を確認した後、取り敢えずララの家へ。

最近は、拾った旅人は取り敢えずララの家へ送るのが常だった。もちろん、悪さをしないように監視係も付けて。


けど、今回は特に心配をしていなかった。



二人は、妖獣持ち。うち一人はシュラと同じ家系。もう一人は僕達ですら本当の姿が見破れない幻影使い。

一人は、最上位だった僕達が束になっても届かない、伝説級の妖精に守られていた。僕達が、主と主の友人達を傷付けないだろうか?と、その妖精は僕達を威圧し続けていた。

最後の一人は、ご主人様に似た魔力の香りをしていた。この香りはすべての妖精を惹き付ける魅力を持つ。


オマケに4人全員、精霊に愛されていた。

こんな人達が、悪人であるわけがなかった。



----------



日が沈んで。

たまたま結界の近くに来ていた僕。

……うん。たまたまじゃない。謎が多すぎて気にかかっていたんだ。


結界の周囲をボンヤリとしながら飛んでいた僕は、ふと、一つの魔力に勘づいた。


隠蔽を含む、結界の魔法。でも術者は弱っているのか、魔力の隠蔽が不完全だった。それでも、気付けるのは上位の存在くらい。普通の人間なら十分過ぎるくらい、高度な隠蔽結界。


僕はその結界に近付いた。

近付いたけれど、何も見えなかった。それだけ、結界の隠蔽は完璧だった。


僕はその場でしばらく、微弱な魔力を感じていた。ジッとその場で、心地良い魔力の流れを感じていた。



それが突然、術者が変わった。魔力の隠蔽が消え、ただ守るだけの結界に。


僕はこの、上書きされた魔力の術者を知っていた。――ラミだ。間違いない。10年経ってはいるけれど、間違いなくラミの魔力だと確信した。


ラミが生きていた?

なら、ルミもどこかで……。


気付けば、僕の胸は期待に高まっていた。



ルミがいる!ルミが生きている!



それだけで僕の体には力が漲り、何でも出来る気がした。




-----------




ラミの魔力はすぐに消えた。その後もしばらく待ったが、ラミはなかなか姿を現さなかった。


しかし幸いな事に、僕は最初の術者の魔力を覚えていた。そいつは頻繁に、森に姿を現した。

僕はそいつを見張った。見張り続けた。



1回だけ、ラミが姿を現した。しかしすぐに、逃げるように姿を消してしまった。それ以降は、ラミの魔力すら感じていない。



バレたかもしれない。

そうは思うが、どうしようもない。残る希望は術者の男への接触だが、未だにその男とは接触が出来ないでいた。


術者の男は、常に女と一緒にいた。

関係の無い人間は出来る限り巻き込めない。――その思いが、男との接触を躊躇させていた。


だって僕は妖精だ。人化してはいるが、本来妖精と人間は出会う事のない存在。人間との接触は最低限にするべきだ。

だから僕は、男が一人になる時を待つ。待ち続けてやる。




ルミが帰ってくるのなら、僕は何だってしてやる!



----------


ある日男は豪華な馬車に乗り、豪華な屋敷へ入っていった。

僕はもちろん、外で見張り続けた。



男と女が屋敷から出て来た時、チャンスは訪れた。


城下町の方へ歩いていた二人は、街の入り口前で別れた。女は街の人混みへ紛れ、男は一人、人気(ひとけ)のない道を歩いていく。


チャンスは今しかない。

そう思った僕は、男に声を掛けたんだ。


美結ちゃんサイドにて一部カットした話が混じってます。イラナイ話だと思ってました。完全に予定外。


美結ちゃんサイドという名のユアンスくんパートは、そのうち纏めて出したいなって。(遠い目)

早くて3年後くらいに出せたらいいなぁ、なんて。(白目)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。