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腐った世界で異世界生活(ライフ)  作者: たんぽぽ
第6章 微かな鈴の音
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メラメラ

こちらではお久しぶりです、たんぽぽです。

(活動報告では勝手に一人で騒いでいましたが、)今話に対してウンウン唸ってたら急に1ヶ月の予定が入り込み、精神崩壊を起こしながらもなんとか終えましたが、まぁその後もいろいろ大変だったので遅くなりましたぁ>< ごめんなさい。


そして、今話の件で予め謝っておきます。

 >>たんぽぽは説明が超下手です!<<

無駄な情報も多く、やたら長ーーく、説明もフワフワしていて読みずらいと思われます。ごめんなさい。


ぶっちゃけ、無意味回ですよぅ!!たんぽぽの為の満足回ですぅ!!自己満足でごめんなさい!

「ぅぅ。ごめんなさい。みっともない姿をお見せしました……。」



私が泣いている間、美代ちゃんは何も言わずにずっとそばにいてくれました。


恥ずかしいです。……全く。誰ですか、私をこんなに弱くした奴は!帰って来たら、お仕置きしてあげましょう!



「大丈夫だよ。っていうか、もっと素直に頼ってほしいかな。……友達なんでしょ?」


あぅ。

『友達になってください!』と、どこか私が無理矢理に押し付けた感がありましたが、……その何気ない言葉が嬉しいです。



「ありがとうございます。」


「どういたしまして、かな?エヘヘ。」


「ひゃう!?」


可愛らしい笑顔を見せてくれる美代ちゃんは、私の頭を撫でてきます。


「あの、耳は触らな……みゃん!」



私の今着ている服に、いつものフードはありません。ずっとフードを被る誰かさんとは違い、普段から私の兎耳は剥き出しです。フードを被るのは基本、外出時だけでした。



「うん。やっぱミーりんは可愛いなぁ。……ん、ん。ここか?ここなのか?」


「あみゃ!?みゃみゃみゃーぁ!!」


ダメです、ダメです!そこはダメですー!!


言葉にならない私は、悪戯な魔の手から逃れる為に自身の兎耳ごと頭を抑えます。



「むー。ミーりんのケチー。」


「くすぐったいから本当に止めてください!……そ、それとさっきから、ミーりんってなんですか!」


いや、確信のある予想くらい出来ますけど。



「ミーりんはミーりん。友達なんだから良いでしょー?って訳で、ミーりんも私の事呼び捨てで!ほら。サン、ハイッ!」


「ふ、ふぇ?あ、えっと……。……み、み、」


「セミの鳴き真似はいいからー。サン、ハイッ!」



あぁぅ……。うー。



「み、美代……さん。」


「退化してるぅー!」



ぅぅ。ごめんなさい、ごめんなさい。


「『美代ちゃん』って呼ぶのだけで限界です。勘弁してくださぁい!」


私は思わず、情けない声を上げてしまいます。

人からこんなにも距離を詰められた事が無いというか、その……。



「……まぁ、良いよ。ミーりんの可愛い姿が見れたから、許してあげる!」



はわわ〜。良かったです。許されましたぁ。

……ってあれ?“可愛い”って、あの、ちょっと、え?え?



「でもその代わり――」


「ふ、ふぇぇ?」


まだ何かあるのですか!?



「耳、触らせてっ!」


「ひゃわ!?はわわわ……。わー!!」


私は兎耳を抑えると、その場から逃げ出しました。





----------




『兎耳モッフモフさせろぉー!戦争』をなんとか無理矢理に終戦させ、私達は家に戻ります。――と、その途中。


「ん?」


私は何かを感じ、そちらへ視線を移します。



木々の中、身を隠すように存在する黒髪黒眼の青年。身長が170cm程の中肉中背。

少量の雪が積もった森の中ですが、身に付けている服は薄着の様です。『寒くないのでしょうか?』とも思いましたが、彼は恐らく人間ではありません。寒かろうと暑かろうと、苦にはならないのでしょう。

時折冷たい風が吹く中、身動ぎ一つしない彼は、ジッとどこかを見つめています。私達の遥か後方、森の中。そこに何かが、……いえ、何者かがいるのでしょう。青年は彼らを注意深く観察しています。……しかし私達には、その人物が誰であるか、知る必要はありませんし、私は知りたくもありません。興味ありません。


彼は、私が視線を向けた事に気付いたのでしょう。監視している彼らから視線を外し、私と目が合います。

そして数瞬の後、青年は森の中に姿を消しました。



私が彼に気付き彼が姿を消すまでは、精々2、3秒です。一緒にいた美代ちゃんは確実に、何にも気付いていないでしょう。


――それでいいのです。



この世には気に止める必要の無い、些細な出来事で溢れかえっていますから。


----------



家に帰り雛菊ちゃんにペンダントを渡せば、ニャルさんが一番喜んでいました。会話が成り立つとはいえ、相手に届くまでに生じる時差が煩わしかったのでしょう。飛び跳ね、躍り、雛菊ちゃんに抱きつきます。

抱きつかれた雛菊ちゃんの方もニャルさんの行動に驚いている様ではありますが、嫌がってはなさそうです。


そんなこんなで、ニャルさんのはしゃぎっぷりをしばらく見ていると。


コン、コン。


ノック音が聞こえると共に、扉のノブが回ります。開かれた扉から姿を見せるのは、今朝出掛けたシュラさん、外に出ていたスレイさん、そして彼らの後ろには……。



「美代ちゃん。可愛らしい“男の娘”ですよ!」


若葉色の髪に深緑色の瞳。隣のシュラさんと比べ、頭二つ分小さな身長。女の子の様な可愛らしい顔立ち。



「え!?あれ、男?私、女の子だと思った。……ふふ。」


美代ちゃん、美代ちゃん。顔がニヤけてますよー!



「普通そうだよなー。誰だって、こんな小っさい奴が男だなんて思わねえよ。」


「小っさい言うなぁー!むー!」



男の娘は膨れっ面で、シュラさんの背中を叩きます。ポカポカしてます。可愛いです。



「わー、あー!!」


「ひゃん!?」


急に、美代ちゃんが私へ抱きついてきました。



「メッチャ可愛い!ヤバイ。死んじゃうぅー。」


あぁ。萌え死にですか、分かります。




「相変わらず、親子みてーだよな、お前ら。」


「だろ?うちの娘は誰にも渡さねぇ。」


「むー!僕は男だもん!娘じゃないもん!」


頬を膨らませる男の娘。可愛いです。



「ちなみに、母親役はグィーモっつーガリ勉貴族な!」


スレイさんは、私達に向かってサムズアップ。わざわざ解説ありがとうございます。



「むすぅぅ!またみんなして、僕をからかわないでよぉ!」


「おう、悪い悪い。」



男の娘を宥めるシュラさんのその笑顔に、ふっと私の思考は飛びます。


――『彼』があんな風に笑ってくれたらいいなー、なんて。


アノヒトの笑顔って、どこか悲しそうなんですよねー。いつかその内、心底楽しく笑って欲しいかなぁーと。今のシュラさんの様に。

どうやら私は、シュラさんに『彼』を重ねて見てしまっているようです。何故でしょう……?






----------


男の娘の名は、ユンナス・フィクターことユンさんです。騎士団の治療班に所属していて、シュラさんとは学生時代からの仲だそうです。

……何か、名前の部分が『彼』に似ている気もしますが。まぁ、気にしない事にしましょう。



シュラさんとユンさんは、斎藤くんを診察する為に2階へと上がっていきました。

と思えば、すぐにシュラさんだけが戻って来ました。


「どうかしましたか?」


「……いや、なんでも。」


私が聞けば、シュラさんは気まずそうに視線を逸らします。



「シュラさんは斎藤くんが苦手ですか?」


敢えてストレートに聞いてみました。

この考えは根拠の無い勘だったりしますが、……まぁ、その態度が誰かさんにそっくりですので、確実に当たっているでしょう。



「…………アンタらの仲間だから、こういう事はあんま言いたくねぇんだが」


遠慮がちな言葉は、恐らく私達に気を使っての事でしょうか。


「……アイツにはどうも昔の知り合いと似たものを感じて、正直近付きたくねぇ。……悪ぃ。」


「知り合い?」


美代ちゃんが呟くように聞き返します。


「あ、もしかしてアイツか?……確かお前とは絶望的に馬が合わなくて、ソイツの魔力を感じる度にイライラするって言う。」


「……あぁ。」


スレイさんの言葉に、シュラさんは弱々しく頷きます。


「あ!ユンの幼なじみだった(・)って子かニャ?」


「……あぁ。」



あら?


「……過去形?」


私の代わりに呟いたのは雛菊ちゃんです。



「…………死んだんだよ。……あぁ、もう10年経つのか。」



微妙な空気が流れます。







……ふむ。まとめてみましょう。

シュラさんは、10年前に亡くなった『とある方』を苦手にしていました。『とある方』と斎藤くんが似ている為に、シュラさんは斎藤くんも苦手に思うのでしょう。


さて。これと似たような話をどこかで聞きましたね。


『僕はユウマ君が嫌いだよ。大嫌いな知り合いに似ているからね。』


名前を言ってはいけない『彼』が、以前この様な事を言っていました。……“似ているから”と言う理由で嫌われる斎藤くん、哀れです。



「……あれ?ニャにで死んだんニャっけ?病気?」


ニャルさんが首を傾げます。


「いや……、……事(・)故(・)死(・)と(・)い(・)う(・)扱(・)い(・)に(・)な(・)っ(・)て(・)い(・)る(・)。」


「……含みのある言い方ですね。」


「まぁな。」



私の指摘に、それ以上の質問を拒絶するように顔を背けるシュラさん。これ以上の情報を得る事は難しいでしょうか。


――と、思ったのですが。





「……なぁ。あの塔の中には何があったか、教えて貰っても良いか?」


先程とは打って変わり、力強い視線でシュラさんは私達へと問いかけてきました。


「……っていうのもな。アイツが死ぬ数日前、奴は真夜中に寮を抜け出してあの塔に行ったらしいんだ。それで……帰ってきた奴は瀕死の重症だった。」


……あら、まぁ。その方、バカですかね?


「誰にやられたとか、何があったかとか、聞いても奴は何も言わなかった。……お前ら、あの塔に行ったんだろ?……だから聞きたい。あそこには何がある?どんな奴がいた?」


「聞いて、どうするのですか?」


空気がスッと冷えました。……あぁ、私のせいですね。無意識に威圧していたみたいです。ごめんなさい。……まぁ、気付いた所で止めはしませんけど。




「あ、危ねぇ場所ならぶっ壊したい。そもそもよ、あんなボロい建物、残しておく意味無いだろ?あの辺には広い土地がある。綺麗な湖も。なら、土地の有効活用をした方が良いじゃねぇか?」


若干怯えながらも、虚勢を張る様にシュラさんは一気に捲し立てます。頑張りますねぇ。


……しかし。

私は一体、何に怒っているのでしょうか?前々から思ってはいましたが、やはり自分の事がイマイチ分かりません。



「……私は、壊して欲しくないなぁ。」



呟くような声は雛菊ちゃんから。

サッと、彼女に視線が集まります。


「……え、あゎゎ、だ、だってあそこ、リアちゃんの大切な場所みたい……なのです。……だ、だから、それが無くなっちゃうのは私も悲しいかな、って……お、思いました。」


「……えっと、リアちゃんって?」


聞き返すのは美代ちゃんです。



「……えと。……ずっと私の中にいた子。なんだろう?なんかこう、私を借宿にしていたみたいな……。幽霊さん?みたいな感じなのかな?」


「あ、昨日様子がおかしかったのって!」


「うん。リアちゃんに……えと、乗っ取られてた、みたい……な?」


美代ちゃんに指摘され、雛菊ちゃんは困ったように微笑みます。


「〈心片(パーズ)〉とは別名〈魂の片鱗〉と呼ばれます。生死関係無く人間の持つ強い願いや思いによって生み出された後、持ち主の元を離れ世界を漂います。正の願いは無害ですが、負の願いは、時に我々に悪影響を及ぼす事もあるそうです。」



……と、あらら。悪癖が出てしまい、皆を置いてけぼりにしてしまった様です。



「つまり、リアちゃんさんは〈心片(パーズ)〉ではないですか?」


先程の説明を含め、完全なる勘ですけど。


「そ、そうなの。……かな?」


雛菊ちゃんだけでなく周りもイマイチ理解出来ていないようで、『ん??』と首を傾げます。まぁ、仕方ないですかね?私の言葉足らずです。しかしあれ以上にどう説明すればよいのでしょう?

〈心片(パーズ)〉とは酷く曖昧で不確定なモノです。日本でいう幽霊や呪い、怨念などと同じで確実な存在証明の有無を出来るものではありません。ですから信憑性も無く、物語の中の話になりがちです。

ですから、これ以上この話を引っ張るのは良くないでしょう。信じようと信じまいと、変わりはありません。


「すみません、話を脱線させてしまいました。それでシュラさん、一つ聞きたいのですが……その、亡くなった彼は何故あの塔へ行ったかわかりますか?」


「…………あっ、え?」


シュラさんは少しボーッとしていた様子。先程の話で何か気になる事でもあったのでしょうか?


「……あぁ。理由は知らねぇ。妙に行きたがっていた事しか分からん。」


あ、なるほど。亡くなった彼もまた、『あの塔に行きたがっていた』のですか。

今朝、私が『ユアンスさんが行きたがっていた。』と言った時、シュラさんが反応したのはこういう理由でしたか。――亡くなった彼とユアンスさん。……無関係でしょうか?少し気になります。




「そうですか……。……それで、あの塔にいる化け物の話に戻りますけど。」


「化け物??」


そう呟いたのは……美代ちゃんですかね?定かではありませんが。

しかし、ここにいる全員が同じように思っていることでしょう。



「えぇ。化け物です。あの塔には化け物がいます。」


「え!?でも私たち、そんなのに会ってないよ?」


吃驚したように指摘してくるのは、またまた美代ちゃんです。わざわざ補足ありがとうございます。



「化け物の正体は、塔そのものです。私達は怪我をしていませんが、危害は本当にありませんでしたか?」


ガラスの螺旋階段。あそこで、ユアンスさんが乗れば一切音を立てない足元が、私が乗れば不吉な音を立て、最終的には崩れ去りました。



「あの塔は、他者の侵入を拒みます。なぜなら『とある方達』にとって、あそこはとても大切な場所だからです。ならば、侵入者を嫌うのは当然です。

そこへ許可もなく踏み入り、塔への危害を加えたとすれば、返り討ちに遭うのは当然でしょう。もしあの塔の内部で殺されていたとしても不思議はありません。」


雛菊ちゃんの言っていた『リアちゃん』という方にとっても、あの塔は大切な場所なのかもしれません。



「……正直、亡くなった彼は馬鹿としか言いようがありません。無理やり入り込んだ挙句、なんらかの形で塔に危害を加えたのでしょう。自らの過ちが招いた死です。自業自得というやつです。」


その彼と同じく侵入者である私達が無事なのは、恐らくユアンスさんと優馬君が居たからでしょう。

万一私達が怪我をしてしまえば、……淡泊な優馬君はともかくユアンスさんに(精神的な)危害を加えるのとイコールになってしまいます。

あの塔は『とある方達』に危害は加えません。それは本人だけでなく、大切な物・人にも影響は及ぶのでしょう。



「なるほどなー。自業自得か。確かにアイツらしい。……だが。」


言葉を切り、困ったような表情で私を見るシュラさん。

……え?何か?



「アイツの死因に、あの塔は関係ないぞ?」


え? ……ええ!?……どど、どういう事でしょう?


亡くなった彼は塔へ行く→重症で帰ってくる(自業自得)→数日後に怪我が原因で亡くなる ――ではないのですか?


「あの、話を詳しく聞いてもよろしいですか?」


長すぎたので続きます。

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