モクモク
『4人だそうですよー。』
……4人。
起きてきたのが、雛菊ちゃん、美代ちゃん、私。
まだここで寝ているのが斎藤くん。
これで4人です。ユアンスさんと美結ちゃんがいない状態なら、確かに4人です。計算は合っています。
塔にて、ユアンスさんが落ち、それを美結ちゃんが支え、そして二人一緒に落ちていきました。この事は関係があるのでしょうか?
……嫌、です。
実は私は、この部屋に入った時点でユアンスさんとはぐれた事を理解していました。
なぜならここは、男性陣の寝室ですから。まだ起きてこないユアンスさんがいるのはこの部屋の筈です。しかしこの部屋にいないとなれば、彼はここに運び込まれていない。すなわち一緒の場所に倒れていた訳ではなさそうです。一緒にいたのに一部のメンバーを見捨てるなんて、普通はしませんから。
――いえ。私達がこの家に運び込まれた時の事を詳しく聞かなければ、確かな事は言えませんね。もしかすると2人はもう手遅れで、私達だけ避難させてきたなんてこともありえるかもしれません。
……嫌、です。
『4人』と聞いてから美代ちゃんは青い顔して、隣の部屋――女性陣の寝室の方へ走っていきました。彼女は姉の美結ちゃんが心配な様ですね。
……以前、美代ちゃんは言ってました。『美結姉って風船みたい』と。
風船は、手を離したら空高く飛んで行ってしまいます。
美結ちゃんも、手を放したらとこか遠くへ行ってしまいそうです。そして、二度と出会うことは無いでしょう。
……嫌、です。
嫌です。嫌です。嫌です!
二人一緒に、無事に戻ってきてくださいよ!
美結ちゃんとはまだ、お友達になっていないじゃないですか!
少しの間だけで良いですから、一度くらい美結ちゃんの友達になりたいのです!
後になって、どんなに嫌われても、罵られても、物を投げられても、耐えますから!傷付けたなら、頑張って償いますから!
だから無事に美結ちゃんを連れてきてくださいよ!ユアンスさん。
っていうか、私を一人にしないでくださいよ!
ユアンスさんが居なくなったら、私はどうすればいいのですか!
何処に隠れれば良いのですか!誰に相談すれば良いのですか?誰に慰めて貰えば良いのですか!?
バカ、バカ!ユアンスさんのバカぁー!!です。
『一人で苦しむな。』って。『頼って貰って構わない。』って。誰ですか!言った奴。
若干照れながら言った奴ぅー!
それよりも、ユアンスさんいないとかマジで狂いますよ?狂っちゃいますよ?
世界の端から一人ずつ殺していって、貴方を探しましょうかね?
二人だけの世界になっても衣食住は問題無いと、私の中で結論が出ました。ですからこの計画を実行しても良いのです。……まぁ、面倒なのでしませんけど。
……ユアンスさんがいない世界とか、あり得ないです。
なーんて。
そんな事を言ってみます。
……私はユアンスさんが居ないとダメです。生きていけないです。それは確かです。
でも私の中の別の私は、図太かったりしちゃうのです。
こちらの世界へ来る前は、誰にも頼らずに一人で問題を解決し、一人で生きてきましたから。……これはあくまで精神的な面の話です。友達人形とか、毎日の大切なご飯などの表面的な部分は切り捨てず大事に作ってきましたけど。
――まぁですから、ぶっちゃけユアンスとかいう得体の知れない変態ストーカー野郎なんていなくても、私は生きていけたりしちゃうのです。あんな奴、正直どーでもいいです。ぷんす。
ショックはせいぜい10%くらいでしょうか?朝ご飯が美味しいです。
知り合いが一人いなくなったくらいで、食事が喉を通らなくなったりはしません。……あ、二人でしたね。ストーカー野郎を数に数え忘れていましたテヘ。
あのストーカーが美結ちゃんのそばにいるなら、彼女の心配もしなくて良いです。彼が何が何でも、命に代えてでもなんとかするでしょう。
顔色の悪かった美代ちゃんも、今はもう相変わらず斎藤くんの分も含めた朝ご飯2人前+自重気味なおかわり2杯をペロリです。相変わらず凄いですね。そして体形も変わりませんし。
体形。……胸。
美代ちゃんのは美結ちゃんのよりは小さいですが、それでも平均くらいはありそうです。
たくさん食べたら、あの位までなら大きくなりますかね?(切実)
淡泊ミーリャちゃんに変身。
ユアンスさんより自身の胸の方が気になる……。
サブタイトル、『胸中』の方が一番しっくり来る?




