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腐った世界で異世界生活(ライフ)  作者: たんぽぽ
第5章 呪われし魂の集う場所
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付いて来なくていいわ。

【優馬、ヒィリ、ショコラ side】




「あ、雨……。」



ザーッと言う音と共に、木々の葉に当たる雨粒が単調な音を鳴らし出す。

静かだった森は雨音に包まれ、少々騒がしい。


だが幸いにも、周りの木々に生い茂るたくさんの葉が傘代わりになっている。

しかし100%雨避けになってくれているわけじゃなく、水滴がちらほら落ちてきた。



「ん?あそこに建物あるよな?」



辺りを見渡すと木々の隙間に、高層ビルの様に天高く伸びた真っ黒い建物が見える。



「え。あそこ……へ行くのですか?」


「やだやだー!」


「ん、嫌ならここにいて良い。俺は雨宿りがしたいから行くぞ。」



そう言い捨て、俺は建物へと走る。

近づいてわかったが、塔のような形をしたソレは滅茶苦茶ボロい。

石製の壁には苔が生え、蔦が絡まり、木製のドアはボロボロに朽ちかけている。


普段だったら入る事を躊躇っていただろう。だが雨が降り、もう木の生えていない所にきてしまっている為に、入る事を躊躇うわけにはいかない。


取っ手らしい取っ手も無い扉を押し開ける。

中はヒンヤリとしていて、少しだけ濡れた体が寒さを訴える。



「ん?」


「モゴモゴ、プハァ!ゆぅゆぅ、あったかい♪」


「……入ってしまいました。……遂に入れてしまいました。」




なんかモゾモゾすると思ったら、こいつらが服の中に入り込んでた。

まぁ、勝手に付いてきたんだから、いざとなったら囮にするかゴミ箱に放り出すか。――今やっても付いてくるだろうから面倒臭いかな。




「え?あ。ちょっと、何処に行くんですか?」


「ん?ちょっと奥まで。」


「何ですか?そのちょっと散歩して来るみたいな軽いノリ!」


「ただジッと雨が止むのを待つのは面倒臭い……気がした。」



あれ?普段なら探索する方が面倒臭くなるハズなんだが……。まぁいいか。

ふと、奥には何かがある気がしただけ。変な奴等といるせいで、調子狂ったのかもな。



俺は石造りの廊下を歩いていく。


外はボロかったが、中は意外ときれい。

石壁はツルッとして、間隔を開けて設置されている光源の光を跳ね返す。床も磨かれ、歩く度にコツコツと良い音を立てる。



「わー。すごい!」


「何かしらの魔術が掛かっているのでしょうか?でないと、ここまで綺麗な保存状態な訳がありません。 それと、この感じ。どこかで似たような経験をした事がある気がするのですが……。うーん、思い出せません。

 ――っていうか!」



何かブツブツ言っていたショコラが、急に大きな声を出す。



「何で私達、ここに入れちゃってるんですかぁー!?」


「ショコラ煩い。……あ。でも、結界?が張られてる……から、普通この塔には入ることが出来ないんだったっけ?」


……へー。そうなのか。


「そうです。普通は入れないんです!なのに、何で貴方は入れちゃうんですかぁ!!」


……って聞かれても。


「知らね。」



俺、ここ来た事ねぇし。


……あれ?そういや、ここって何処なんだろう?俺、学校いたよな?確か。

そんで、召喚中にピカッとなって――

まぁどうでも良いか。




「あ、扉だー!」


廊下の突き当たりには扉。


「わーい!」


ヒィリは楽しそうに俺の肩からピューンと飛び出した。……と思ったら地面に墜落してた。



「うー。飛べないよぅ。」


「コラ!力が弱まっている事に気付かなかったのですか!」


「むうー!」





――コツ、コツ、コツ、コツ。



「え?あ、ちょっと?置いてかないでよぅ!ゆぅゆぅ~!!」


「え?」


「『え?』じゃないよぅ!拾ってよ!」


「……ちぇ。」



置いていけるチャンスだと思ったんだがな。

仕方ないから拾ってやる。


「ねぇ、なんで舌打ちしたの?ねぇ、なんギョェ!?」



涙目で訴えてくるが、煩いのでフードに放り込む。



「ううッ。舌噛んだ……。」


うん。存在を無視するか。





ようやく廊下の突き当たりに辿り着き、真っ黒な扉を開ける。

――なんかここまで、地味に距離あったな。


塔を外から見た時に感じた大きさよりも、廊下の方が長い気がした。

まぁ、気のせいか。


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