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腐った世界で異世界生活(ライフ)  作者: たんぽぽ
第5章 呪われし魂の集う場所
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それ、人違いだろ?

【優馬side】




息苦しさに意識が浮上する。


「………………まぁ……お……て……。死んじゃ嫌だよぅ。」


――死ぬ?誰が?



「ご主人様、ご主人様ぁ~。起きてくださいよぅ……。ぅぅ……。」


ゆっくり目を開けてみるが、声の主もご主人様とやらもどこにもいない。


――というか、より一層首が絞まってきて、地味に命の危険を感じる。

何だか意識が朦朧と……。



「グズッ……、ご主人様ぁ~。死んじゃ嫌ですぅ……。」


「ちょっと、ヒィリ!!ストップ!止めなさい!!」


「ふぇ……。ショコラ……?」


「ほら、服が引っ張られて首が絞まりかけてるじゃない。あなた、コイツを殺しかけてたのよ?」


「ぅぅ……。で、でもご主人様なら許してくれるんだもん。」



呼吸が楽になり、自然と閉じていた目を開ける。


視界に入るのは木、木、木。

――――アレ。これ、以前にもあった気が……。


そして眼下、仰向けに寝転がっている俺の胸を足場とし、口論を繰り広げる2人の小さな……人型のナニカ。

一人は淡いピンク色のクルクルした髪に赤い髪止め、そして白い服を着ている。

もう一人は腰までのストレートなオレンジ髪に薄青いワンピース。


――と、クルクル髪がこっちを見て飛び跳ねる。


「うわわ!ご主人しゃま!ショコラ、ご主人しゃまが生き返った!ぉゎ!ほゎ!ヒャハ!ミャハ!ヒャッホィ、キャッホィ、ルンルンラ!!」


「落ち着きなさい、ヒィリ。まず、コイツは死んでいませんよ。私的には死んで欲しいと思いますけどね。」


「ご、ご主人様ぁ……。ショコラが……ショコラが……ぅぅ……。」


ヒィリと呼ばれたクルクル髪は、俺の服に抱きついて泣き出す。……テンションの浮き沈みが激しい。


――――そんな事より。



「さっきから言っている『ご主人様』って、……まさか俺の事なのか?」


「はいッ!もちろんです!」



泣いていたはずのヒィリが、ガバッと顔を上げて嬉しそうに返事をした。








…………。







「んー。たぶんこれは夢なんだろうな。じゃ、もう一回寝るか。」



そう言って、目を瞑る俺。



「ご、ご主人様ぁー……。」


「……現実逃避ですか。」



クルクル髪のヒィリが悲痛そうな声でその場に崩れ落ち、オレンジ髪のショコラは冷たい声で吐き捨てる。



「だってよ、俺を『ご主人様』なんて呼ぶ奴に会ったことねぇし。」


「……現実逃避は図星ですか。私達のご主人様も、現実逃避が得意でした。」


「…………ん?前に俺に会ったことがあるのか?」


「いえ。……前のご主人様と言った方が分かりやすいでしょうか?いや、私は貴方をご主人様なんて認めてないんですけどね?私達のご主人様はナオ様一人です。

しかしナオ様は……それはもう、人使いが荒く自己中心的な身勝手なのです。それに毎回振り回されました……。しかも女の子にすこぶる弱く頼み事は断れません。――その為に、あんなことになってしまった訳ですが。…………って、聞いてます?」





「ゆぅゆぅ、大ー好きッ♪」


「……オィ、降りろ。」


「やーだ!ゆぅゆぅと一緒ー♪」


「ったく。」





「…………無視なのですか。」


ショコラの悲壮感溢れた呟きは、もちろん俺らには届いていなかった。

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