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腐った世界で異世界生活(ライフ)  作者: たんぽぽ
第4章 異世界の学校
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使い魔召喚の授業

サナ 「Aクラス、『姉御ブーム』なんだって。」

優馬 「ふぅん。(どうでもいい。)」


「……楽しそうだな。」


「……楽しそうだね。」



教室のあちこちで、お喋りの花が咲く。


『使い魔召喚』の授業がある日。みんな浮き足立っている。



「私、契約出来るかなぁ。私の呪いが邪魔するかもしれない。」


ポツリと呟くサナ。視線は窓の外、青空を見ている。



「……知らね。」


「む。……そこは『大丈夫だよ!』って元気づける所じゃないの?」


「いやだって、未だにこの世界の事分かんねぇし。呪い?が、どう作用するとか知らねぇもん。」



魔法?じゃなくて魔術?だったか?

それ自体が未だによく分からない。


摩訶不思議現象を見て、自分で生み出す事が出来ても、いまいちピンと来ない。

何かがモヤモヤする。視界に薄く霧が掛かった様。

――雛菊らみたいに、喜べない。



「君は素直なんだね。」


「……ん?何が。」



黒い瞳と金の瞳が、俺を真っ直ぐに見つめる。

そのまま数秒。


フッとサナの口元が緩み、金の瞳は黒い長髪に隠れた。


「……何でもないよ。」


会話の終わりを告げた彼女は、青空を眺めに戻る。



「ふーん。」


呟く俺はサナとは反対を向き、意味もなく教室の中を眺めていた。




----------




加護


 〈全言語理解可能〉〈****(ウラギリノキョウメイ)〉





――なんか付いてた。



使い魔召喚の説明中。

どうやら、契約した使い魔は〈身分証明書〉に自動的に記載されるらしく、『ふーん。』って感じに久しぶりに〈身分証明書(銀色カード)〉を出して確認してみたら……。



〈****(ウラギリノキョウメイ)〉


……加護欄に、何か新しく付いていた。


一応文字化けしているのだが……何故か読める。

〈全言語理解可能〉の影響か?……いやコレ、何処かの言語なのかよ?――まぁいいや。


前回見たときは、こんなのついていなかった。

――前回?そういや、最後に見たのってこの街入る時の検査所で提示した時か。

全く、いつの間に付いていたんだか。






列が進む。召喚契約はAクラスから始まり、一人づつ行われる。


俺の前は茶色く細長い尻尾を揺らす緑髪の女の子。うん。頭にはちゃんと三角の耳が生えている。

彼女はもちろん、E組の子なんだろう。そして俺はD組。ちなみに俺の後ろに人はいない。


――何故か、俺が一番最後だった。







----------






散々待ちくたびれた後、ようやく俺の番になる。


部屋の外には幾人かの教師達。

彼らは俺を見ると、疲れたように溜め息を吐いた。


「やっと最後か……。」


何か呟いた一人が開けた、部屋の扉。

俺が中に入ると、外からバタンと閉められた。



部屋の中央の床には、白く光る魔方陣。弱々しい光が強弱を繰り返している。

手前には、10?四方で高さは腰くらいの……台?図形で言う四角柱ってやつ?


台の上には透明な水晶。



「……えぇと、ここに手を置くんだっけか?」


そうポソリと呟き、水晶に手のひらを乗せる。

水晶はヒヤリと冷たい。


数瞬の後、体内の何かが抜け出るような、魔術を発動するときと同じ感覚がした。

じんわりと熱を帯びた水晶は、魔方陣と一緒に眩しいくらい赤・く・光り出す。

紅色に近い鮮血色。魅惑的な雰囲気を醸し出す。






……え?赤く?

水晶は白い光、魔方陣の白い光も強くなるって、聞いたはずなんだが。


――ってか、なんかヤバくね? 魔方陣に体が引き寄せられている気が……。



「みんな、逃げろっ!!」


部屋の中で、誰か男の人が叫ぶ。

後ろを振り返ると、ユアンスが部屋の扉を開け、外に向かって叫んでいた。


外はキャーキャーバタバタと騒がしい。


……なんか、廊下が煙に包まれてねぇか?

扉の下方からこちらにも、白い煙が流れ込んできている。


――それよりも。



「ゆうま!」


雛菊が俺を呼ぶ。

一人で入ったはずの部屋に、何故かみんながいる。

雛菊、美結、美代。ユアンスとユアンスにくっついたミーリャ。



「……ぅおっと!?」


一人で首を傾げていると何故かバランスを崩し、後ろに転倒した。

――と、部屋が白い光に包まれた。……否。いつの間にか魔方陣の所まで引き寄せられていたらしい俺は、床の消えた魔方陣の中に背中から落ちた。

すぐに部屋の天井は見えなくなり、視界が光に侵食される。



「飛び込めー!」


ユアンスの言葉が聞こえるが、視界は眩い白に埋め尽くされて何も見えない。


――『逃げろ!』って言ってた奴が『飛び込め!』って……。

まぁ、問題はそこじゃない。



「……何が起きてんだよ、これ。」


いつぞやに体験したことがあるような浮遊感。

背中から、どこかへ引っ張られていく感覚。


心地よい温かさが眠気を引き起こす。

次第に遠退く意識の中、微かに女性の声を聞いた気がした。



『この、……裏切り者ぉー!!』










また貴方は、私を置いていくんだね。


貴方は『ずっと一緒だよ!』って言ってくれた。 あれは嘘なの?


私は貴方と離れたくない。 それでも貴方は逃げてしまう。


それなら今度こそ、貴方を捕まえる。 捕まえたら、もう二度と離さないから。



貴方は私を捨てたの。 だから貴方には、相応の報いを受けてもらいたいな。


ウフフフ。 次会う時が楽しみだなぁ。

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